バラの季節のご葬儀

5月はバラ の季節です。
 先週伺った横浜イングリッシュガーデンでは青空のもと甘い香りと見事に咲き誇ったバラの饗宴が見事でした。

 バラには高貴な方や有名人のお名前がつけられ、華やかな雰囲気をさらに盛り上げていました。
 中でもハリウッド女優・イングリッド・バーグマンの名が付いた真紅のバラにはしばし見とれていましたが、その色合いにふと数年前のご葬儀のことが思い出されました。

 奥様から最後に柩の中のご主人にささげた一本のお花はビロードのような真紅のバラでした。

 無宗教葬のご葬儀は彫刻家だったご主人のかつてのお仲間50人ほどが集い、柩を前にして、グラス片手に飲みながら食べながら、若かりしパリ時代の思い出話に花を咲かせ、時には柩を囲み故人様とじっくりお話しをされ、そこにはお仲間同士が共有する、ゆったりとした時間が流れていました。
 
 最後のお別れにはお一人お一人が白いバラを柩に手向け、白いバラで埋め尽くされた中に真紅のバラをそっと置かれたのが奥様でした。
 その鮮やかさは今でも目に焼きついています。

 このような自由な雰囲気の中でのご葬儀は故人様の職業柄もありますが、最近お受けしたご葬儀の中にも久しぶりにお見受けいたしました。

 やはりフリーの立場でお仕事をされていた方のご葬儀でしたが、後日お別れ会をされるとのことで、ご家族ご親族を中心に無宗教葬での1日葬をご希望されていらっしゃいましたが、古くからのお仲間が多数故人様との直接のお別れをご希望されましたので、通夜ではなく、お食事会の形でお越しいただいたのが、お仲間の皆様には大変好評だったようです。

 葬儀社の担当者の方は18時からの開式だけを段取りし、ご会葬の方々が順次故人様と面会をされ、献花をされた後は、式場に設けられたウエルカムドリンクコーナーにてドリンクサービスでお食事の準備が整うまでの40分ほどをゆっくりしていただき、お食事会ではご会葬の皆様が21時までの時間を有効に過ごされたとのこと。

 一日葬とはいえ、前日からの担当者の影の力は大きかったようです。
 形式的な儀式のご葬儀が多い中、お仲間をお見送りするという視点に立ったご葬儀となり、お見えいただいた方々からも大いに注目されたご葬儀だったと伺いました。