複数の式場がある葬儀場でよくある問題点として、隣接する式場からの音が気になるという点があります。
公営斎場や、複数の式場を持つ斎場で隣の式場と壁一枚の環境であったり、開式時間のズレによるものであったりと理由はさまざまですが、厳粛な式中に聞こえる音には気になる方もいらっしゃるかもしれません。
ある式場では、駐車場や会葬者の流れの混乱を防ぐために、式場側で隣接する2つの式場の開式時間をずらすという工夫をしています。
しかし、時間をずらしたことにより、片方の式場では既にお通夜が始まっていて厳粛な時間が流れている一方で、これから通夜をむかえる式場を利用される会葬者の方が式場脇の共通の通路を歩くヒールの音や、話し声、またある時には小さなお子様がはしゃぎながら通路を行ったり来たりしていたなど、式中に聞こえる音に煩わしさを感じることがあるようです。
特に葬儀社の担当者やスタッフは、仕方がないこととはいえ、厳粛に進んでいる式中の外部からの音には敏感になっています。
ある葬儀社さんは、つい立てに「ご葬儀中ですのでお静かに通行願います」のような張り紙をして注意を促したとおっしゃっていました。
また、他の斎場では、出棺の時間が重ならないように隣接する式場は告別式の時間をずらすという配慮をしていますが、片方の式場はまだご葬儀中である中、隣の式場では出棺を終え、精進落しのお料理のセッティングが始まり、食器がぶつかる音が気になったという場面に遭遇したことがあります。
ずいぶん前に、セレモニーレディさんからヒールの音が気になると注意されたことがあったと聞いたことがあります。それ以来、その社では、石の床でも足音がひびかないような靴をはくことにしたとのことです。
一日一ご喪家で執り行える斎場では全く問題はないことですが、都心部などの便利な斎場や公営の斎場では、利用希望者が多く、少しでも多くの方に利用していただくために複数の式場を用意していると思うので、ある程度の音についてはいたしかたないことなのかもしれません。
葬儀社さんのスタッフも含め、斎場を利用する方一人ひとりの少しの気遣いがあれば、ずいぶん改善されることなのかもしれません。