戦後の新しい世代として60年代のアイビー族を代表する団塊世代が定年を迎えるにあたり、世
間では第2の人生の活用法をあれこれ取り沙汰し、皆さんもまだまだやる気いっぱいのようですが、一転して家庭に目を向けると親の介護問題が重くのしかかっているのも現実です。
厳しい介護にあけくれして、その果てに控える問題についてまでは思いが至らず、その場に直面し初めて事の次第を知ることになるようです。
故郷を離れ、身近に昔からのしきたりを教えてくれる方も見当らず、親も高齢化で友人知人も少なくなり、どのように見送ってあげられるか戸惑っている方が多いのも実情です。
しかし、その団塊世代の戸惑いが従来通りのやり方に疑問を投げかけ、暗中模索の中にも自分流を断固実行される方も出てきています。
直接故人とは関係ない方々にはご遠慮願い、親しい方あるいは家族親族のみで静かに見送りた
いと希望される方がここ1~2年目立って増えているようです。
中には、葬儀・告別式を行わずご家族だけで火葬に立会い、後日お別れ会を希望される方もいらっしゃいます。
ご遺族が密葬、家族葬と希望されても当日予定の何倍かの会葬者になってしまう現実もありますが、それでも徐々に家族葬への認識がマスコミやインターネットを通じて広がっています。
先輩たちがずっと引き継ぎ、世間とのずれに目をつぶってきた画一的な葬儀の世界にも団塊世代の方々が納得でき、自分達に見合ったやり方を実行できる環境が近
年の情報化とあいまって急速に整いつつあるように思われます。