不安を小さくするために・・・。

 葬儀の事前相談は、積極的に行ないたいと考える方と、亡くなってもいないのに葬儀について具体的に考えるのは気が引けるのですが、とためらいがある中でご相談される方がいらっしゃいます。

 先日、お身内の病状が急に悪化し、医師から葬儀を考えておいた方がいいと告げられたという方からご相談をいただきました。
 急なことだっただけに、ご相談者は何から考えたらいいのかわからず、まず、センターへご相談されたとのこと。
まず最初に「まだ亡くなっていないのですが、葬儀のことを聞いてもいいんでしょうか」とお話しがはじまりました。
 事前相談をした場合のメリットをお伝えしたあと、ご質問に一つ一つお答えしながら対応させていただいていたのですが、漠然としていた葬儀の流れがつかめてくると、少し声が明るくなり、「一番分からなかったことが理解できました」と、大きな不安が少し解消できたようでした。
 一通りの話しが終わり、最後に、「聞いていなければ、なにも分からないまま、不安がっている間にお葬式が終わってしまっているような事になっていたかもしれませんでした、どうもありがとうございました、相談して良かったです」とおっしゃっていただきました。

 また他のご相談では、本人の要望だからと、ご相談者が簡単に考えられていたことが実はわりと重要な問題で、そのまま知らずに葬儀を行なっていたら親戚との関係が悪くなってしまう可能性があったかもしれないようなことが、事前にご相談をしていただいたおかげで、うまく調整する方向で考えていただく時間を作っていただくことができました。
 幸い、このケースでは、ご対象の方もお元気で、ご自身の葬儀について積極的に話しが出来る状況であったため、よく話し合っていただくようにお伝えさせていただきました。

 葬儀の事前相談は、あらかじめ知っておくことで想定できるトラブルを事前に回避することにつながる可能性があります。
 特に初めて葬儀を出さなければならない状況にある方は、お気持ちのうえで、少しでも心配なことや疑問などがある場合には、それをクリアーにするだけでも肩の荷が少し軽くなるかもしれません。

お墓参り

 お盆の時期です。お盆休みを利用してお墓参りに行かれている方も多いかと思いますが、我が家でもやっとお墓参りに出かける日が決まりました。
 結局、家族の日程が合わず、お盆の時期は外れてしまいますが、主人の父母が眠っている方のお墓参りには行くことになりました。
 都内にあるので、電車で行っても1時間足らずで行けるという気軽さのせいか、いつでも行けるからとなかなか日程の調整をしてくれず・・。結局はお盆とお彼岸くらいしかお参りに行けません。
 
 先週の日曜日からお盆休みに入った友人は、早々に東京を離れ、実家がある秋田県へ帰省。途中、「新幹線に乗ってます〜!お墓参り行ってくるよ〜!」と連絡が入りました。
 つい先日、そんな話しをしていたからでしょう。今年は普段会えない親戚にも会えるから、一緒にお墓参りに行ってくるとのことでした。

 明日・明後日あたりのニュースはどの番組でも恒例のUターンラッシュ情報でしょう。

 田舎から帰ってくる方、田舎へ帰る方は事故などに気をつけて無事にご自宅へお帰りになってください。

信頼していただけて。

 「具体的な準備をする気持ちにはなれませんが、万一の時には紹介していただいた葬儀社さんに連絡させていただきます。」

 お身内の方がとても心配な状況であった時点でのご相談でした。
 葬儀社をご紹介させていただいた後、センターでは、お気持ちが許すのであれば、できれば社の担当者と直接お会いしていただき、担当者の対応面などを見て頂くようにお勧めしているのですが、こちらのご相談者の方は、「具体的な準備までしてしまうのは気が引けるので」と、葬儀社とは事前に直接コンタクトをとらず、携帯に電話番号を登録しておいて、万一の時がきたらその社へ連絡するということだけをお決めになり、その数カ月後、ご紹介した社より、ご葬儀の依頼を承った旨の連絡をいただきました。

 どんなに良いとされる葬儀社でも、合う・合わないという相性などがある中で、ご紹介だけで葬儀社をお決めになるということは、センターを信頼していただいているという自信につながります。

 ご葬儀を終えた後にご協力いただいたアンケートで、「お知り合いの方などにあさがお葬儀社紹介センターを勧めたいと思いますか」との問いに『葬儀のことはなかなか他人が口出ししにくいものですが、不安を抱いている人がいれば勧めます。自分の子どもたちにはいまから伝えておきます。』とお書きいただき、無事に良いご葬儀を行うことが出来たこと安心致しました。

一番の心配ごとは・・

 以前、両親や兄弟もない一人暮らしの親戚が亡くなり、警察にご安置されているという状況の中、他県に住む叔父様から葬儀社を紹介してほしいというご相談がありました。
 遠方のため、故人様が住んでいる地域の情報を全く知らない状態でどこの葬儀社に依頼したらいいのか分からず、センターへご相談されたとのことです。

 ご葬儀は故人様のお身体のことを考えて、叔父様がお住まいになっている地域へ搬送することよりも、故人様が住んでいた地元で火葬をしてから菩提寺のお寺で骨葬をすることを選ばれたので、火葬場のある地域に詳しい葬儀社さんをご紹介させていただきました。

 ご相談者は、故人様の地元に知る人も無く、交友関係もわからないということで、全ての手続きを引き受けることになったのですが、遠方ということもあり、なかなか思うように動くことが難しい状況だったことから、葬儀社の担当者が検案書の引き取りや警察からの搬送を全て代行してやってくれることになりました。

 そのことをご相談者へお伝えすると、一番心配されていた事だったそうで、「やっていただけるのは本当に助かります」とおっしゃっていました。

 ご葬儀は、ご相談者やご本人の様々な状況により、心配していること、困っていることも様々ですが、その部分をフォローしてくれる葬儀社さんや担当者に出会えることが一番の安心につながるのではないかと思います。
 ご相談者の状況を把握したうえで、かゆいところに手が届くような対応ができる葬儀社さんは、やはり、葬儀後のアンケートでも高い評価をいただいています。

 私たちも、更にその上を行くような対応を心がけたいと思っています。

お盆が近づいてくると・・。

 近年、お彼岸とお盆だけしか行かなくなってしまったお墓参り、しかも、自分の実家のお墓にはここ何年も顔を出していません。
 個人的に行くには少し遠すぎるので、できれば家族みんなでと思っているのですが、仕事の休みも時間もバラバラなので調整が難しく、結局いつも父母のみでお参りに行ってもらっている状況です。高齢なので、父の運転もそろそろ心配になってきているのですが・・・。

 何年か前から、近所の霊園に移そうという計画がたっているのですが、なかなか実現するまでに至りません。菩提寺はないので、自分達で勝手に決めてしまうことができる環境ではあるのですが、こまかい手続きや費用の面など、話しがなかなか進まない状況で、きっと、まだそのタイミングではないのだろうとも思うのですが。

 実家のお墓は、郊外の霊園にあり、私が子どもの頃に父が購入しました。
 先日、なぜその場所に買ったのかを聞くと、「山も川もあって、家族でレジャーに行く感覚でお墓参りができると思ってそこにしたが、この歳になるとさすがにきついな〜。近ければもっと頻繁に行けるのに」と。
 やはり、なかなかお参りに行けないことを気にしているようなので、そろそろ話しを進め始めないと・・と思いました。

 ご相談でも時々お墓を近くに引っ越したいとおっしゃる方がいらっしゃいます。菩提寺や、先祖代々のお墓等の場合には、なかなか自由にできず、分骨してもらい、ご自宅でご供養されることを選択される方もいらっしゃるようです。
 
 今年のお盆はお墓参りにいけるのでしょうか・・。実家から都合を聞かれる時期が近づいてきました。

夏バテしませんように。

 近所の小学校も夏休みに入り、朝からプールに向かう小学生のにぎやかな声が聞こえてきます。
 もう7月も残すところ一週間。暑いわけです。
 昨年までの今ごろは、省エネすると言いながらも、すっかりエアコンのお世話になっていたように思うのですが、今年はまだ扇風機でしのいでいます。ただ、朝起きると体がとてもだるいので、しっかりと眠れるように、そろそろエアコンにお世話になった方がいいのかもしれません。

 これからの時期は、病院等へお見舞いに行くご家族なども大変なことと思います。病院内は過ごしやすい温度に設定されていますが、ご家族は行ったり来りの往復だけでもお疲れになることと思います。
 また、特にお身内に心配な方がいらっしゃる場合には、ご心労も加わって体調を崩されやすくなっているかと思いますので、どうかご自身のお身体をご自愛ください。

 少し涼しくなるまであと1カ月半くらいでしょうか、私も夏バテしないように乗り切りたいと思います。

電話の対応

 以前、当センターにお電話でご相談された方が、「実は、こちらに電話をする前に、病院から紹介された2社に電話をかけてみたのですが、1社は会員になることをすごく勧めてきて、もう一社は電話の対応があまりよくなかったので…」とおっしゃっていました。

 葬儀の事を考えなくてはならない心配な状況で、しかも会ったことも話したことも無い相手に相談をするのですから、ご相談をされる方はまずその時点で大きな不安を抱えていらっしゃることと思います。
 そんな状況で電話をかけているにも関わらず、相手先の対応が悪ければ、ご相談される方の不安は更に増してしまうのではないでしょうか。

 例えば、会員になることを勧めるのは悪いことではありませんし、その会社にとっては必要なことなのだと思うのですが、順番が違うのでは?と思うのです。
 また、対応があまり良くなかったと思われてしまうような電話対応とは?話し方がぶっきらぼうだったり、上からものをいうような態度だったりなどいろいろあるかと思いますが、本人はそんなつもりはなくても、受け取る側が不快に思ってしまうような電話対応をしてしまっていることに気付いていないのでしょうか…。
 人によって感じ方が違う、声の質やトーン、話し方のスピードなどは合う・合わないなどもありますのでいたしかたない部分だとは思いますが、少なくとも、葬儀関連の仕事に就いている人は、常に心配な状況にある人から電話がかかってくるということを頭に入れておいた方がいいと私は思っています。

 センターの電話には、ご相談者をはじめ、葬儀社さんや色々な営業の電話がかかってきますが、電話に出るといきなり営業が始まる営業電話にはうんざりするので、私も態度にでてしまっているかもしれませんが・・・。

事前相談を迷われている方

 以前、ご対象の方からみて義理の息子というお立場の方からの事前相談に対応させていただきました。ご相談者は義理の息子といっても次女様のご主人で、万一の際に葬儀を仕切るのはご長女様。最初にセンターに相談された時点では、ご長女様が事前に葬儀の事を調べるという行為をどう思っているのかもわからないという状況だったことから、自分のような立場でまだお亡くなりになっていない方の葬儀について調べてもいいのだろうかとのご心配がありました。
 この時は、ご相談者がご納得される程度まで調べておいて、ご家族で葬儀についての話し合いが行われた時に、ご長女様の様子をみながらお話しを切りだしてみてはいかがでしょうかとご案内しました。
 その後、ご家族で話し合いが持たれ、ご長女様も事前相談についてはご理解をされていらっしゃったとのことで、事前相談もそのまま進むことになり、後日、ご紹介させていただいた葬儀社にてご葬儀が執り行われました。

 葬儀の事前相談は、相談される方のお立場や、ご家族の考え方などにより、ご自身が思うように進められないこともあるかと思います。
 メリットは多くありますが、「まだ亡くなっていないのに葬儀のことを考えるなんて」というお気持ちも問題が大きいのでしょう。

 先日も、「自分が葬儀の事を調べていることを家族に知られたくないので」というご相談がありました。
 センターでは、ご相談者のご都合のよい連絡方法に従ってご相談のやり取りを行いますし、こちらからは必要以上の連絡は致しません。また、ご紹介した葬儀社についても、ご相談者からのご要望が無い限り、直接ご相談者へ連絡することはありませんのでご安心いただければと思います。

 万一のことが起きた時、少しでも葬儀や葬儀社について知っている人が身内にいると、不安は軽減されるのではないでしょうか。
 色々な考え方がありますので、一概には言えることではありませんが、お身内の方が心配な状況になり、「不安」を感じられた場合には、葬儀についてのぼやっとした不安だけでも取り除いていただくのは、万一のときに落ち着いて考えることができるために有効なのではと思います。

アンケート調査

 当センターのホームページ内に引用させていただいている過去のデータを最新版に書きかえるために、日本消費者協会が発行している「葬儀についてのアンケート調査」報告書の最新版を読んでいます。今年の1月に発行されたもので、情報が新しく、センターへのご相談内容と照らし合わせてもうなずける内容が多いと感じました。

 私自身は葬儀業界に携わってからまだ8年ほどしか経っていませんが、それでも最初の頃と今とでは色々なことが変わってきていると実感しています。

 特に家族葬や直葬などの小規模なご葬儀に興味を持つ方が年々増えているというのは、それに賛成か反対かは別としても誰もが思われていることかと思います。

 「葬儀についてのアンケート調査「報告書」は、センターの対応地域である部分を主によく読んでいるのですが、興味深かったのが『地域で守られている葬儀に関する風習、しきたりについて』の項目です。
 地方では、その風習を大切に守っているところなども多くあるようですが、首都圏では、まだ自治会や町会の方が関与する所も残っているものの、近隣の方が亡くなられていたことを後から知る、また、以前は連絡網がまわり葬儀に参列していたが、近年は「近親者のみで執り行った」という回覧板で葬儀が合ったことを後で知るなど、ご家族だけで葬儀を済ませることが多くなってきており、センターでも、「家族葬で行いたいが近隣の方にはどのように知らせたらいいか」などのご相談を受けることがあります。
 とくに昔からそこに住んでいる方は、ご近所の方とのお付き合いの仕方によって悩ましい問題になるのではと思います。

 最近、実家に顔を出すと「○○さんのお父さんが1カ月くらい前に亡くなったんだって」、などと母から聞かされることが増えてきました。子どもの頃は団地の集会所で葬儀が行われていたので、母もよくお手伝いといって家でたくさんの唐揚げを揚げていたり、おにぎりを作っている光景を見たことがありましたが、今ではその集会所も葬儀で使うことはなく、葬儀の知らせもなく、事後の知らせもほとんどされることが無いそうです。

 将来、私も必ず父母を送ることになりますが、近くに住んでいるとはいえその団地から離れていておつきあいの状況もわからない人が仕切るわけですから、きっと家族だけで送ることになるのではと思います。火葬だけでいいという本人たちの本当の気持ちはまだ聞き出せていませんが…。

静かに見送りたい・・・

 ご家族が特に信仰している宗教がないという場合のご葬儀では、葬儀社さんなどから紹介してもらうお坊さんに読経をお願いする他に、無宗教葬で行う方法もあります。

 無宗教葬というと、お式中に故人様が好きだった音楽をかけたり、音楽をやられていた方等の場合には、ご友人たちが生演奏をしたり、また、スライドショーなどを上映して、故人様との思い出に浸ったりなど、ご家族で企画されるご葬儀を想像する方も多いのではないでしょうか。

 ご葬儀は故人様を送る儀式として、基本的には宗教者の主導で進行して行きますが、宗教者のいない無宗教のご葬儀では葬儀社の担当者が進行役を務めることもあります。
 この場合、無宗教での葬儀を得意としている葬儀社では、葬儀の流れとして色々なプランを持っている場合もあり、1時間のご葬儀の中でうまく時間を割り振って、心に残るような演出を提案してくれるようなこともあるようです。

 先日、無宗教のご葬儀を希望し、家族のみで静かに見送りたいというご相談をいただきました。
 家族だけでのご葬儀では、ご親族も会葬者もいないため、司会者による故人様の略歴紹介や想いでの紹介なども必要がないことから、葬儀社から何かを提案していただこうと思っていたのですが、「静かに見送りたい」というご要望があったことから、ご葬儀の時間には特に何もせず、お別れの時間をゆっくりとって最後の時間をお過ごしになられました。
 ご葬儀を終えた数日後に、ご相談者からいただいたメールには、「家族葬、無宗教の葬儀はどんな感じになるのか不安がありましたが、納得のいく葬儀になり、気持ちよく静かに見送ることができました」とお書きいただき、ご満足いただけたことに安心したと同時に、無理に何かを企画しなくても、故人様をきちんと見送りたいというご家族の気持ちを十分に理解できていれば、「あえて何もしない」という選択肢もあると実感しました。