「全く何もわからないのですが、」

 お葬式の話は、葬儀を出した経験がある人に聞いてみたいけれど、なかなか聞きづらい話しで、たとえ親戚であっても聞きにくいこともあると、以前、友人から聞いたことがあります。

 長女である友人は、一人暮らしの高齢の母親に何かあったら全部自分でやらなくてはならない状況にあり、最近「葬儀」について気になり始め、一度、ネットで検索した事はあるけれど、たくさんあり過ぎてよくわからない、どこのサイトも良く見えてしまうし、なぜか何度も同じサイトを開いてしまっているみたいで、ぜんぜんわからないからとりあえず一旦見るのをやめた、と言っていました。

 そもそも、自分は何が分からないのかも分かっていないから、何を調べているのかさえ分からなくなってくるそうです。

 センターへご相談される方の中でも、最初はご自身で調べていたが、情報量の多さに混乱してしまった、という方は多く、「検索していて、たまたまセンターのホームページを見つけたので相談してみましたと」と、ご葬儀後にご協力頂いているアンケートにご回答を頂くこともよくあります。

 たしかに、知人や友人などにはなかなか聞ける話題ではなく、ちょっと聞いてみたいという相談相手を探すのも難しいかもしれません。また、お葬式はプライベートな内容を含み、その方や家庭によっても考え方が違うため、相談できる人がいても、その人にはとても合っていて良心的な気持ちで勧めてくれることが、自分の状況や環境と照らし合わせてみると少し違う、などの事があっても断り辛くなることもあるかもしれません。

 センターでは、「全く何もわからないのですが、」というところからスタートするご相談はとても多いです。
 第三者という立場で、各ご相談者のそれぞれのご要望を整理したうえで、葬儀のご相談、葬儀社のご紹介に対応しています。

斎場取材

 昨日、かわさき北部斎苑の斎場取材に行ってきました。

 斎場内の工事が終わり、家族葬規模の式場と、直葬の際に最期のお別れができる告別室ができたとのことで訪問させていただきました。

 今までの第一式場200名、第二式場100名規模に加え、50名(パーティションで区切ることで25名規模)と、家族葬規模の葬儀に合う式場ができ、また、直葬での葬儀の場合、火葬場ではお花入れなどの最後のお別れができなかったのですが、告別室が新たにできて、火葬炉に行く前に故人様とお別れができるスペースができました。

 先日、センターにご相談いただき、直葬での葬儀を執り行ったご相談者の方からご協力いただいたアンケートに、「私の子供時代からあったと思いますが、古いかと思いきや、明るく清潔感のある斎場でした。斎場の方の案内もわかりやすく、良かったです。」とのご回答をいただきました。

 確かに、以前私がかわさき北部斎苑に訪問したときは控室やロビーなど、古くからある斎場というイメージだったのですが、今回行って本当に明るく清潔感のある斎場になっていました。
 アンケートに書かれた通り、斎場内を案内をしてくださった職員の方の説明もわかりやすく、とても良くして下さり、気持ちの良い取材にさせていただきました。

 職員の方が、事前の段階で斎場に見学に来られる方もけっこういらっしゃるとおっしゃっていました。

 ご喪家の方にとって、葬儀はただやればいいというものではありません。
 大切な人を亡くされてすぐに何もわからないままいろいろなことを決めなくてはならないという状況で、葬儀社のいいなりになってしまうということもあると思います。
 
 ただ、葬儀社も葬儀を行う斎場も、依頼するご喪家の方は選ぶことができます。
 事前の段階であれば、葬儀社との面談や斎場の見学などもでき、いざというときに慌てることなく任せられる葬儀社に依頼して、気持ちの良い斎場で大切な人を見送ることができるのではないか、と思います。

最期のお別れをしたい人は・・。

 少人数の家族葬を想定して準備をしていても、故人様と最期のお別れをしたいご友人や職場の方がご葬儀に参列されることもあります。
 お身内だけでの家族葬を希望され、その想定で準備をしていたところ、実際のご葬儀では故人様のお仕事仲間の方々が故人様との最期のお別れをしたいと葬儀にお越しになり、100名を超えるご葬儀になったという例もあります。

 以前、ご自身が葬儀の一切を仕切らなくてはならない一人娘であるご相談者から、お父様がお亡くなりになり、費用を極力抑えた葬儀を行ないたいとのご相談をいただきました。
 お父様とご親戚との関係もあまりよくわからず、ご相談ではご自身と親戚が来ても多分5名くらいとおっしゃっていましたが、実際には20名程のご親戚と10名ほどの故人様のご友人がご会葬に訪れ、ご葬儀後には「ご会葬の方々も予定より沢山お越し下さり、また立派な葬儀だったと仰っていました。」と、ご報告をいただきました。

 ごくお身内のみでの家族葬を希望される方はとても多くいらっしゃいますし、お身内だけでのご葬儀の方がご家族の負担が軽減されることもあるかと思います。
 義理でご会葬に来ていただくよりは、最初から近親者のみでとお伝えするほうが良い場合もあるかと思いますが、故人様との最期のお別れをしたいと心から望んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

お墓参り

 先週のお彼岸に、実家の父とお墓参りに行く予定をたてていました。
 私の実家のお墓は車で1時間半、電車だと3時間以上かかるところにあります。

 父母が若かったころ、東京の郊外の霊園を選びました。
 車で1時間半くらい、ちょうどよいドライブにもなりますし、霊園の周りは自然が豊富で山も川もあります。
 子供を連れてのお墓参りに行くにはっちょうどいい、帰りに川で釣りをしたり、霊園から帰る通り道にあるレジャーランドで遊ばせてもらい、たしかに子供のころの私にとってはお墓参りは楽しいイベントとなっていました。

 父が80歳になった今、お墓参りはイベントどころではありません。

 家族が車の運転ができないので、お墓参りに行く手段は電車を使うしかありません。
 しかも、父母は高齢、乗り換えが4回もある3時間の移動は身体に堪えます。
 天気にも左右されます。今自分がいるところとその霊園付近の天気は違うこともあるのです。

 結局、お彼岸の日は霊園付近が雨予報だったため、お墓参りは後日に延期になりました。

 
 センターにご相談頂いた際、納骨先をお聞きすることがありますが、まだ納骨先は決まっていない、ということがよくあります。

 都市部では納骨堂などが増え、高齢の方でも大きな負担なくお参りができる時代になってきました。

 以前、ご相談で我が家と同じように、「両親のお墓で遠方の霊園を買ってしまったのですが、お参りは夫の運転でしたが、夫に先立たれ、高齢になった自分では一人でお参りに行くことができないので、近くのお寺にお墓を移したい」とのこと。
 
 そのお気持ち、よくわかります。

 これからお墓を求める方は、先のことも考慮して、「気軽にお参りに行きやすい」ということもお墓を選ぶ選択肢に入れていただければと思います。

 
 

ホームページではどんな人がやっているのかわからない・・。

 ご入院されているお父様が心配な状態になり、これから出張が多くなる季節に入るため、自分が留守をしているときに万が一のことがあっても家族が困らないようにしておきたい、という事前相談がありました。 

 「葬儀社のホームページなどもいろいろ見ましたが、費用が見えない所にどれくらいかかるのかわからないし、 ホームページではどんな人がやっているのかわからないので、センターに相談しました」とおっしゃっていました。

 たしかに、ホームページの情報だけでは、どんな葬儀社なのか、会社がどんな規模なのか、本当はどこに会社があるのか、担当者はどんな感じの人なのか、などの実態がわからず、葬儀社を選ぶための情報を得るのは難しいように思います。

 センターでは、葬儀社から取り寄せた見積書と一緒にご紹介葬儀社がどのような葬儀社かや、そのご相談者必要であろうアドバイスなどを記載したその方のためだけの「あさがお説明書」を付けてお送りしていますので、葬儀社を選ぶ際のご参考にしたいただいています。

 ご葬儀を終えてすぐにご相談者からいただいたご報告のメールには、「あさがおさんからいただいた説明書は葬儀社の概算見積以上に役に立ちました」とお書きくださっていました。

知人からの紹介で。

 「友人がよかったと言っていた葬儀社も検討しているが、ほかの葬儀社も検討したい」というご相談を伺うことがあります。

 ご友人がその葬儀社を使ったときにとてもよかったと言っていた、知人からこんな葬儀社があると聞いた、など、ご自身を取り巻く方々から好意で教えてもらうこともよくあると思います。

 実際、ご友人が「よかった」と思ったところはその方にとって本当に良かったのだろうと思いますし、どこに頼んだらいいのかわからない人には、葬儀を出した経験者からのアドバイスは安心できるものかもしれません。

 ただ、どのような葬儀社に頼みたいのかはご依頼者の状況や要望、経済状況などによってそれぞれ違うので、ご友人が良いと思った葬儀社が、必ずしもご自身にも良いと思えるのかどうかはわかりません。

 先日、ご友人から紹介してもらった葬儀社に依頼し、その社の安置室にご安置している状態の中、センターにご相談がありました。

 担当者のあやふやな対応に不信感を持ち、場合によっては葬儀社を変えることも考えているとのこと。
 まだ契約のサインなどはされていない状況だったため、どのような葬儀にしたいのか、ご要望の中で一番重要視したいところはどんなことなのか、などをお伺いし、葬儀社のご紹介をさせていただきました。

 担当者と直接話をしていただき、今依頼している葬儀社との打ち合わせの結果次第では、ご紹介社の方にお願いすることになるかもしれない、とお返事をいただきました。

 結果、翌日その葬儀社に連絡が入り、ご依頼というかたちになりました。

 教えてくれたご友人、知人の方との関係性にもよることなのでしょうけれど、葬儀はそのご家族内のことですので、ご喪家の方が満足がいく葬儀社を選んでいただければと思います。

使いたい斎場に慣れている葬儀社を。

 先日、「葬儀社を選ぶには、地元の葬儀社を選んだほうがいいですか?それともお葬式をするところのあたりの葬儀社を選んだほうがいいのでしょうか」というご相談がありました。

 ご相談者の状況や要望、内容にもよるのですが、センターでは、できるだけ葬儀を行いたい場所から近いところにある賛同葬儀社の中からご要望に合うような社をご紹介させていただいています。
 
 その理由は、担当者がよく使っている斎場であれば使い勝手や細かな決まり事、その時の状況や暗黙のルールなどを熟知しているので、葬儀の際に混乱なく対応してもらえるというご相談者にとってのメリットがあるからです。

 センターのサイト内に斎場の案内ページがあり、案内項目を付け足す際には各斎場に問い合わせをするのですが、同じ質問でも斎場によって回答が異なることがあります。

 例えば、式場と火葬場が併設されている斎場では、精進落としの会食は、火葬中に召し上がることが多いという斎場もあれば、火葬時間が短いので火葬中は茶菓子を召し上がりながらお待ちいただき、本膳は火葬が終わってから召し上がっていただくという斎場があります。
 また、食事は葬儀社がいつも依頼している料理屋さんではなく、斎場の指定料理屋さんに依頼しなくてはならないところもあります。

 普段使い慣れている斎場ならば、そのような細かいルールも熟知しているのでスムーズに対応してもらうことができますが、遠方であまり使ったことがないような斎場の場合、担当者の勘違いひとつが混乱をきたしてしまうということも考えられます。

 都内にあるセンターの賛同葬儀社から、以前地元の葬儀で対応した方から、遠方のご親戚の葬儀の依頼があり、その地域の葬儀に対応してくれる葬儀社をその方に紹介してあげてほしい、という依頼があることがあります。

 もちろん、その葬儀社でもその地域の斎場を使うことはできるので、その方の依頼を受けられないということはないのですが、慣れない斎場で葬儀をすることの心配や、移動の際に渋滞に巻き込まれて、約束の時間に大幅に遅れてしまう可能性もあるなどの、ご喪家にとってデメリットになってしまう要素があるからだと思います。

 ネットで広範囲での葬儀の対応ができると謳っている葬儀社の中には、本当は営業拠点が1か所しかなく、少人数のスタッフで対応しているような葬儀社もあるようですが、できれば葬儀を行いたい場所から遠くないところに会社があるところを選ぶのも安心につながるように思います。

担当者との信頼関係

 先日、センターの賛同葬儀社の担当者の話しを伺ってきました。

 その葬儀社は、一人の担当者が打ち合わせから葬儀、葬儀後の相談など、一人の担当者が最初から最後まで対応しています。

 事前相談をしていない場合、葬儀社の担当者との「初めまして」は葬儀の打ち合わせの時だと思います。
 大切な人が亡くなったばかりの時、お葬式のことに不案内なご喪家の方が一番頼りにしたいのは葬儀社の担当者ではないでしょうか。

 先日話しを伺った担当者は、「まず信頼して頂くことが大事、ご喪家の方の話しを聞き、どうしたら心を開いてもらえるかを考えながら話しをしています」とおっしゃっていました。
 そこから信頼関係が出来上がり、数日後のお葬式でも安心して頼ってもらうことができれば、ご喪家の方も安心して故人様を見送る事ができるのではないか、と思って対応しているとのことでした。

 以前、センターからのご紹介で葬儀社を選び、葬儀を行ったご相談者から葬儀が終わってすぐにメールをいただきました。
 ご家族の雑談の中で、(故人様が)桃が大好きだったけれど、桃の季節は終わっちゃって残念だったね、という話しが担当者の耳に入り、ご葬儀当日、担当者が季節外れの桃を用意してくれてお供えしてくれたことが何よりもうれしかった、ということが書かれていました。

 家族葬のような規模の葬儀では、特に担当者との信頼関係が葬儀の満足につながるように思います。

 確かに小規模な葬儀社であればそのように対応するしかない、という状況もありますが、それも葬儀社によって担当者の考え方や対応は異なります。

 『葬儀社を選ぶ』というのは、会社の規模やホームページの体裁、価格だけではなく、「信頼できる担当者」というのも検討材料に入れて頂くと安心できるのではないかと思います。

担当者の励み

 「葬儀の仕事をやっててよかった」

 ご両親の将来の葬儀についての事前相談で息子さんからご相談をいただいた際に紹介させて頂いた葬儀社の担当者から葬儀を終えたとの報告をいただいた時に言っていた言葉です。

 センターからのご紹介後、ご両親と息子さんとでその葬儀社と面談をした際に対応した担当者で、その対応が好印象だったことから、ご両親は自分に万一の事が起こったら葬儀は「○○さんにお願いしたい」と担当者ご指名でその社へ依頼することをお決めになられていたそうです。

 お父様がご逝去される数日前、息子さんから直接担当者の携帯に連絡がはいり、心配な状況になったので、万一の際はお願いしますと依頼されたとのことです。

 数日後のご葬儀はご自宅にてご家族のみの家族葬となり、和やかな雰囲気の中執り行われました。

 葬儀社の担当者はお世話をする立場ではありますが、ご葬儀を行なった場所はご自宅、ご家族のホームということで、「○○さんも召し上がって」と、奥様が作ったおにぎりをいただいたりなど、逆にもてなしていただいた場面もあったようです。

 ご家族から、「○○さんにお願いして良かった」と言っていただき、担当者は「葬儀の仕事をやっていて良かった」という気持ちになったと言っていました。

 「この仕事は大変ですが、やってて良かった。励みになります」と更にやる気がパワーアップされたようです。

事前に依頼する葬儀社が決まっていたことは安心できることだった

 以前、事前相談に対応していたご相談者から、「父が亡くなり、紹介して頂いた葬儀社に連絡して、対応して頂いてます。」とのご連絡を頂き、その際に「事前に依頼する葬儀社が決まっていたことは安心できることだったと、その時に改めて感じました」と、実際に経験された方にしかわからない実感としてのお気持ちをお伝えいただきました。

 このご相談は、お父様がご危篤で大変ご心配な時のご長女の方からの事前相談で、早速に見積もりを取り寄せ、お送りしていたご相談でしたが、お父様がお亡くなりになり、葬儀社に対応して頂いている旨のご報告を頂いたのは、それから3か月後のことでした。
 見積が届いていることをセンターに連絡しなければ、と思いつつ、一時、大変ご心配な状況になられたお父様のご容態が安定したことで、安心してしまって・・と、センターへのお返事が出来なかったことを気にされていらっしゃいましたが、安心されている状況でしたらセンターへのお気遣いは気にされなくても大丈夫です。

 事前相談は、『万が一の時に慌てたくない』、という気持ちからのご相談ですが、センターでは、葬儀についての不安を少しでも軽減できるよう、できる限りの対応をさせていただいており、ご自身がどのような葬儀を希望されているのかを整理し、葬儀についてわからない事を減らしていくことで葬儀の不安が軽減していただき、その後はご看病などに専念していただきたい、という思いもあります。

 ご対象の方が頑張ているときに、葬儀のことを決めていくことに抵抗がある方も多いと思いますが、事前相談は「決めなくてはならない」というものではありません。
 よくわからない葬儀のことを少し理解し、数多くある葬儀社の中から万が一の時に連絡する社の候補を考えておくだけでも気持が落ち着けることがあるように思います。