骨身を惜しまずに・・・。

御 葬儀の担当者に対する感謝のお言葉として、「骨身を惜しまず」はご喪家の方々にとって何ものにも代え難い意味合いが込められているようです。

特に初めてご葬儀をお出しするご喪家にとって、やり直しは出来ず、何からどの様に手を付けてよいのか、何か手落ちはないのか、様々な思いだけが堂々巡りしている状態の中、担当スタッフの助言は心強く、まさに頼もしい存在です。
特にご葬儀後のアンケートでも担当者の対応ぶりをご評価いただき、「骨身を惜しまず」のお言葉を拝見する度に、担当者をご紹介する当方も我が事の様にホッとさせられます。

メールでのご相談をお受けしていた矢先、お父様が急変され、緊迫した中、急遽お見積りをお取りした葬儀社さんとのやり取りに、当初ご相談者は警戒気味の御様子でした。
ご自宅以外へのご安置をご希望になり、お父様は葬儀社さんの自社安置所に搬送されましたが、暫くしてお母様のご要望でご自宅でのご安置に切り替わりました。
担当者はお母様のお気持ちを察し、搬送の切り替えを快く引き受け、その間の費用はサービスされたことで、一気に信頼感を得、以後ご喪家の方々は担当者を大変頼りにされたとのことです。
担当者はご自宅でのご安置を出来るだけ長くし、その間にご近所の方には最後のお別れをしていただけるように助言をし、ご仏壇の購入に際しても市内の仏具屋さんに足を運び、推薦できる店を調べ、ご購入の際には実物を良くご覧になって頂くよう忠告されたとの事。
早速「忠告に従って購入しました」とご相談者からご報告も届きました。

会社の関係でご葬儀日程を最優先されたご相談者からは「希望日までに日にちが迫っており、式場・火葬場とも塞がっている状態でしたので、他の葬儀社さんからはご希望の日はお取りできませんと却下されたが、ご紹介頂いた葬儀社の担当者さんはどのようにすれば希望の日程で執り行うことが出来るかを第1に考えて奔走してくれ、無事ご葬儀を終えることができました。常にご喪家の気持ちになって考え、行動してくれたおかげです」。

「最初のコンタクトから葬儀までほとんど時間が無かったのに対して、とても的確に対応してくださり、安心できました。担当者の方は知識や経験も豊かでこちらが迷うことなくその都度アドバイスもくださいました。機会があれば、又お願いしたいと思っております」

ご喪家の皆様のほっと安堵されたお顔が目に浮かびます。
と同時に、担当者の方々の骨身を惜しまないお仕事ぶりに感謝いたします。

たかがメイク、されどメイクというけれど・・・。

ご逝去された後、病院でも死後処理の一環として男性の場合はおひげそり、女性の場合簡単なメイク等でお顔を整えていただけますが、特に女性の場合のメイクは後々まで語り伝えられ、メイク一つでご葬儀の印象も大分変わってくるように思われます。

担当者から「最期に元気な頃のお母様に会えてよかったと喜んで頂けました」とのご報告を伺い、思わず大きく頷いて同意したことも度々ございました。

長患いの末ご逝去されたお母様の場合は、やつれて痛々しい程でしたが、プロのメーキャップアーチストの手によりシリコンを入れ、ふっくらされた特殊メイクがほどこされると、見る見る生気を取り戻し、今にも目を開けてにっこりされるのではと思わせる程だったとのこと。
元気な頃とは別人の様になられた方を見慣れたお顔に戻すには、時にはプロの方のお力も必要なのではと思わせる出来事でした。

一方で、100歳を迎えられた方のご葬儀では、ご葬儀自体は大変ご満足と感謝されましたが、遠慮がちに1点だけ気になった点をご指摘頂きました。
綺麗にメイクをし過ぎて、普段のお母様らしくなく、落ち着かなかったとの事。
お身内の方にとりましては、いつまでも心に残る大切なお顔です。
たかがメイク、されどメイクです。

以前、プロの方から普段のメイクと違い、綺麗に美しく仕上げるのが目的ではなく、如何に生前のその方らしいメイクが施せるかが問題で、生前のお写真を拝見し、御家族の方からお話をお伺いして、少しでもその方にふさわしいお顔に近づける様に気を付けており、それはちょうど絵画の修復作業にも似ているとのお話をお伺いしたことがございます。

大分昔のことになりますが、臨終に立ち会えなかった母のことが今でも思い出されます。
慌てて駆け付け白い布を取ると、血色もよく普段通りの薄化粧の母が今にもパッチリ目を開け微笑むような姿に、妙に安心した気持ちになれたことを・・・。

担当者とのコミュニケーションを大切に・・・。

 「父の葬儀の時も◯◯さんにお願いしようと思います。◯◯さんにはすでに伝えてありますので・・・。これからも、遺族の方達のために、頑張ってください」。
お母様をお送りされて一段落された折、改めて御礼のメールを頂きました。

 御家族3名様でお母様をお見送りされたいが、ご葬儀を執り行うのは初めてとのこと。
周りにご相談される方もいらっしゃらない御様子をお伺いし、地元の賛同社からベテランの担当者をご紹介させて頂きました。

ご紹介した担当者とのご相談もスムースに運び、ご相談者からの幾つものご要望にも迅速に対応していただけ、お母様とは火葬のみのお別れでしたが、質素な中にも印象深いおみおくりが出来たことに、感謝していらっしゃるとの由。

ご不安なお気持とやり直しがきかない状況に置かれ、滞りなく執り行うことが急務の中、担当者の存在は大きく、小規模なご葬儀では特に担当者とのコミュニケーションの取り方如何で、ご葬儀の良し悪しが決ってしまうと申し上げても、過言ではありません。
ご相談者のご要望をいかに迅速にくみ取り、アドバイスできるか、担当者にとっては限られた時間との戦いでもあります。

●ご喪家のご事情を酌んで「これで十分、これは必要ないとまで言ってくれました」
●細かいプランの変更や相談にも対応し、きめ細やかなサポートで、手作りの温かい式が出来たと満足しております。
●親戚からも「心に残るお葬式でした。家にも是非ご紹介してほしい」と言われました。
●「母はこういうご葬儀がしたかったんです。ありがとうございました」と・・・。
以上は当センタ―に寄せられた、アンケートの一文です。

お時間がございましたら、ご紹介した担当者の方と直にお会いになり、ご要望等お話し合いをされ、ご納得のいくご葬儀でお別れして頂ければと存じます。

ご葬儀はご遺族の「こだわり」が鍵となる

 お医者様からご準備をと促され、慌ててインターネットで検索をされ、情報集めだけはされたが、氾濫している情報の中から我が家に見合う情報をピックアップされるのは至難の業でもあります。
勢い、既製品で間に合わせるように決めて、可もなく不可もなくご葬儀が終り、心に残るものが今一つ実感できないもどかしさを感じていらっしゃる方も多いかと存じます。

 ご葬儀の良し悪しは金銭だけでは測りきれず、ご遺族、担当者、周りのスタッフ皆さんの気持ち次第で大きく左右されます。

先ずは、ご遺族が故人との絆を大切に、これだけはしてあげたいというこだわりを持つことでご葬儀に参加され、担当者は出来るだけご要望に添える様考慮し、提案していきます。

納棺に間に合わなかった弟様のたっての願いは「最後の一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。

当初ご自宅で納棺後、日華斎場での1日葬という段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちとのことで、ご相談者のお仕事の関係から難しい状況となり、急遽担当者の提案で、地元のお寺さんでのご葬儀に切り替わりました。
納棺を済ませ、ご葬儀会場となるお寺の安置所に移動されましたが、弟様が遠方から駆け付けたのは、ご葬儀前夜になってしまわれました。
通夜を執り行わない1日葬で、しかも式場費が半額とのことで、通常のお泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者が掛合い、2階の空いている和室を無償で提供いただけることになりました。
1階にご安置されている柩を2階の和室に運ぶ手立ては、階段しかありませんでしたが、御兄弟3人で力を合わせ、柩のお父様を2階和室にお運びし、お父様を囲み御兄弟で最後の晩をお過ごしになられたとの由。
感無量の面持ちで、担当者にお話されたとお聞きしております。

また、一方ご相談当初白紙状態のご葬儀では、ご検討の結果、お食事と返礼品は亡くなられたご主人好みのお料理と、ご喪家の記念になるものをご喪家側でご用意することになりました。

さらに、会社でイベント企画のお仕事をされているお嬢様がご葬儀の進行役をお努めになり、ご葬儀中、担当者は脇でアドバイザーとしての意見を申し上げるにとどめ、ご葬儀を見守って行く形をお取りになりました。

「生前父は私の仕事内容を良く分かっていなかったようですが、これで理解してくれたと思います」とお父様の最期を取り仕切り、悲しみの中にもご満足された御様子が伺えたとのことです。

ご遺族の「こだわり」の意を汲み取ることも大切です。

「父の時もよろしくお願いします」

先日、お母様をお見送りされたご相談者から、ご葬儀後改めてご連絡をいただきました。
葬儀社の担当者の方にも、その様に申し上げておりますのでとの由。

悲しみの中で何から手を付けてよいのか、これで大丈夫なのかとお気持が様々に揺れ動く中、ご相談できる担当者の存在は大きく、当センターでは見積りをお取りした後は出来るだけご紹介した社の担当者と事前に面談をされ、担当者とのコミュニケーションを図って頂くようお願いしております。

センターがご葬儀後にお願いしておりますアンケートでも、担当者の心遣いでご葬儀を無事終えられた感謝のお気持ちを様々いただいております。

一人娘で最愛のお父様を見送られた方からは、「ご葬儀後、担当者から手紙を頂き、心に残るご葬儀だった書いてくださり、これで良かったのかなと悩んでいた気持ちが軽くなりました」とのご報告もありました。

また、リピーターの方から5回目の申出を頂いた折には、過去4回施行をお願いした葬儀社さんが1ヶ月前に廃業宣言をされ、担当者の方も地方にお帰りになられたばかりの時でした。
事情をお話申し上げ、新たに葬儀社と担当者をご紹介する旨お伝えしたところ、早速に「担当者の人となりをご存知でしたら、私共の葬儀社選びの基準も、おおよそご理解いただけるものと思い、安心しております」とのご回答をいただきました。
ご葬儀翌日には早速担当者とスタッフを初め、ご紹介したセンターにもねぎらいのお言葉と感謝のお気持が綴られたメールが届き、5回目のご葬儀も新たな担当者の手により無事執り行うことが出来、ほっとすると同時に新たなファイトが湧く思いがしたものでした。

担当者に伺ったところ「前の方を引き継ぐプレッシャーに打ち勝つには、全て正面から向かい合いしかありません。一つひとつのお話をきちんと聞いて、言われたことは忘れないように、1つでも聞き漏らしたら、クレームに繫がることもありますので、常にいかに集中するか心がけていました」と穏やかな笑顔の中にも、毅然としたご様子でお話いただいたことが思い出されます。

開口一番「母はこんなご葬儀がしたかったんです。ありがとうございました」とおっしゃっていただいたご葬儀では、当初病院付きの葬儀社さんがご自宅への搬送から対応しておりました。
しかしながら、故人のお父様への配慮が足りない扱いに、お母様が心を痛めているご様子を見るに見かねたご長男様から、改めて葬儀社探しをされているとのご相談を頂きました。
複数社の中からセンターがご紹介した社にお決めになられたのは、他社の担当者さんが自社のプランの説明を急ぐ中、ひたすら相手の立場に立って、お話を聞いてくれたことにあるとのことでした。

御家族を中心とされた小規模なご葬儀では、ご満足がいくか否かはお値段等の問題ではなく、ひとえに葬儀を執り行う担当者の対応に掛かってくると言っても過言ではありません。

ご喪家のご要望にどれだけ耳を傾け、どの様なお見送りがご提案できるか。
いつの日か、お父様の際もお母様同様にご納得のいくご葬儀でお見送りさせていただきます。

満開の桜とその魅力とは・・・。

 隅田川両岸の桜並木はすでに満開の様相を呈していました。
川面に映るネオンや行き交う屋形船の赤い提灯がアクセントとなり、それはどこか心躍る1枚の絵を見ているようでもありました。

 夕暮れ近く、舞台と観客席に分かれた2艘の船上では、江戸時代に流行った写し絵が150年ぶりに上映され、日本の四季を代表して桜の花が大写しになると、両岸の桜並木と相まって、辺り一面桜色に染まった風景となり、何か特別な物に包まれ、その付近一帯がまるで時が止まったように感じられる程でした。

その様相に、状況こそ違えども、ふと、13年前のことが思い出されました。
それは母の葬儀を終えて、火葬場に向かう車中での出来事でした。
バスの中でご葬儀の疲れと温かい春の日差しにうとうとしていると、急に辺りが明るくなり、ホワァとした空気に包まれ、思わず何事かと眼を見開くと、窓の外は淡いピンク一色の桜のトンネルの中でした。
何かに染まったように明るく、暫し時が止まったような感覚は、満開の桜のみが持つ不思議な魅力なのでしょうか。

ご葬儀でも最近は自然志向の高まりもあり、お墓は不要とご遺骨を細かく砕き、粉末にして、樹木の下に埋葬される方も増えて参りました。
友人の新潟の友はたっての願いで樹木葬を望まれ、大好きだった桜の木の下に埋葬されることをご希望になられたとの由。

喪主になられたお兄様からお話を聞かされた友人は、当初戸惑いもありましたが、満開の桜の下でゆっくりと話し合えそうだと気持ちを切り替え、今では期待も徐々に膨らんできているとのことです。
「今年は新潟まで桜を見に行ってきます」
友人の電話口の声はどことなく弾んでいました。

今年の満開の桜は後何日愛でることが出来ますでしょうか。

時代は変われども決め手は10年前も同じです。

当センターでは、創立当初からご葬儀を終えたご相談者に、アンケートのお願いしております。
ご回答頂いたアンケートはこれからご相談頂く皆様へのアドバイス、担当者への励ましの他、センターにとりましても、今後の方向性を考慮して行く上で、重要な要素の一つとも考えております。
この10年間で、ご葬儀を取り巻く環境も表層には大分変化が見られますが、アンケートによるご喪家のお気持の変化は如何ばかりでしょうか。

丁度10年前の2009年に頂いたアンケートでは、「あさがおさんのホームページを読んで、一人で悩むよりまずはあさがおさんに相談してみよう!」とお決めになられた方の場合は「過去に父の弟も癌で亡くし、その時は何の準備も出来ず、バタバタと病院の霊安室の名簿の中から全く面識もない葬儀社に決めてしまい、葬儀後には高額な請求をされ、参列して頂いた方々にご不便、ご迷惑を掛けてしまったので、父方の親戚より、お父様の際は出来る限りの準備はしておいてね!との助言を受けておりましたが、葬儀社に知り合いも無く、ネットで検索したところ、御社のホームページにたどり着きました。以前の経験から、葬儀社さん直接ではなく第3者であるあさがおさんに事前相談ができることが利用の決め手になりました」とおっしゃっています。
「何かの御縁であさがおさんとご紹介頂いた葬儀社さんと知り合えて、家族として立派な式ができたことに感謝しております。これもまじめだけが取り柄の父の日頃の行いがよかったからかしら!?」とお母様共々お話されていらっしゃるとの由。

また、「今回初めて身内が亡くなり、喪主である母も体調が悪く、私と弟が仕切る形になりましたが、若い二人では、何をしてよいのか分からない中、ご紹介頂いた担当者のおかげで立派な告別式を執り行うことができました」とご回答頂いた方からは、担当者の「押し売りもなく、一歩引いた立場でのお話に好感が持て、僧侶の手配や亡くなった当日も朝早くから病院に出向き、その後の段取りなども親切に教えていただき、葬儀後の位牌の手配、49日法要での僧侶の手配、石材の手配も親切に対応していただきました。

ご葬儀中身内がバタバタする中、適切な指示、裏方さんに徹したお仕事ぶりには大変助かりました。母は担当者を大変気に入り、次の時もお願いしますねと言っており、近所の友達にも口コミで良かったわよと言いふらすと迄、言っておりました」。

又別な方の場合は「これが父の最後の入院になるだろうと医師から告げられました。母と私は葬儀のことを考えなければいけない状況になりましたが、交代で病院に行くのが精一杯でした。当初病院から紹介されるだろうし、成り行きのままでいいねと余り積極的ではありませんでした。母の希望は公共の斎場で、小さな葬儀にしたいとのこと。インターネットで調べ、センターのサイトを見つけ、電話番号だけを控え、5日程前に少しためらいはありましたが、母には内緒で思い切って電話させていただきました。非常に不安な時でしたが、担当者から何時でもまた電話をしてくださいとおっしゃっていただけた安心感で、何となくホッとしたことを覚えております。母にはそういうNPOがあること、そこに紹介してもらった葬儀社が良さそうだということを話し、お任せする覚悟ができました。残りの数日は父を看取ることだけに気持ちを集中することができましたので、相談させていただいて良かったと思います」。

センターがご紹介した賛同社にお決めになられたご喪家のお気持ちは、3人3様ですが、ご葬儀へのお気持は、当時も今も余り変わりはないように思われます。
いつの世も、先ずはお気持から。
御葬儀はやり直しがききません。ご納得のいく方向を常日頃、考えておくことも重要です。

余命を宣告されて、ご相談される方のお気持は・・・。

 1ヶ月程前、ご自宅にお伺いし、万が一の際のご相談をさせて頂いたばかりの方の訃報を、ご紹介した賛同社の担当者から伺い、電話口で思わず言葉に詰まってしまいました。

 お伺いした折、お歳は召していらっしゃいましたが、お顔の血色もよく、お元気そうで、ご相談を実行に移すのはだいぶ先のことになりそうだと勝手に思い込んでおりました。

奥様とご一緒のご相談でしたが、事の深刻さを微塵も感じさせず、「どちらが先にお世話になるかな」と軽愚痴をたたいていらっしゃる光景を拝見しておりましたので、にわかに信じられない思いでした。

以前、名脇役の俳優さんが余命半年であることを明らかにし、残された時間を精一杯生きることをお話され、すでに葬儀社の手配もご自分で済ませていらっしゃることを公表されていましたが、ご自身の最期はご自分のお気持に忠実に、どこまでもご自身の意思を貫きたいと宣言されていたことが思い出されます。

また、てきぱきと明るく張りのある声でご相談を頂いた方の場合は、当初ご両親のご相談かと勘違いする程お元気な御様子でしたが、実際は再入院される直前のお電話でした。
小さなお子様を抱えた、まだ若いお母様からのご相談でしたが、万が一の際に後を託す妹様の為にもとおっしゃるお元気なお声に、ご相談に応じた未熟な当方が逆に励まされる始末でした。
妹様から訃報が届いたのはそれから半年後でした。

皆さん、覚悟を決めるとは言え、現実はどんなお気持だろうか。
お元気な折、ご自身の将来のこととして事前相談をされることと、余命を宣告された後一刻一刻と迫る死を現実なものとして捉え、受け入れざるを得ないお気持ちの差は如何ばかりか。
未熟な当方はまだまだ結論が見出せません。

ご葬儀の仕事に携わり、死についての客観的な言葉は巷に溢れていますが、それが現実になった時、自身の死を直視できるような心境になれるのは、いつになるのだろうか。
まだまだ、先が読めません。

直葬、この10年間の歩みは・・・。

 最近はご葬儀の儀式を省いた火葬のみをご希望の方が増え、直葬もご葬儀の一翼を担うのではと思われるほどになって参りました。

 当センターでも、10年程前から少しずつではありましたがご依頼を頂き、当初ご葬儀をされない驚きにマスコミが騒ぎ、ラジオ番組でも大きく取り上げられたのが、今では懐かしく思い出されます。

当時、TBSラジオのトーク番組では聴取者を交え、活発に様々な意見が交換され、ご葬儀のこれからを考えるよい機会を与えてくれたように思われました。

司会者の「ご葬儀の意味を説明して来なかったお寺の責任は重い」との問いかけに、早速聴取者のタクシーの運転手さんからは「お金をそぎ落としてしまえばそれでよいのか。菩提寺のご住職からご葬儀の意味を教えてもらい、それを考えると簡素化に走るのは如何なものか」の反論が。

一方、4年間にお身内3人様を見送った方からは、直葬賛成とのご意見も。
現実ご葬儀で悲しんでいる暇はない。「病院で多額の費用を使い果たし、とどめにお葬式が控えています。そのお葬式も葬儀社が取り仕切るようになり、便利だが、無事葬儀を終わらせたいために、葬儀社の言いなりに少しでも良い祭壇をと思ってしまいますからね」

また、70代の方からは「世の中、殺伐としている風潮と同じだ。独り身だけれど大勢の方のお世話になりました。昔の人は老い支度と言って、いざという時困らないように貯めていましたよ。出来るだけ多くの方に立ち会ってもらいたい。誰かがちゃんとやってくれるだろう。それが人の世というものだ」

同世代でも、一切葬儀をするなと家族に言ってありますときっぱりおっしゃる方もいらっしゃいました。

白熱した議論の結果、聴取者の反応は直葬賛成57%、反対18%、どちらともが25%とのことでした。
この10年間で、直葬や家族葬のことも、日常生活の中で話題として取り上げられてくるようになりました。
直葬でもお別れだけはゆっくりされたいと、様々な工夫もなされてきた現在でしたら、どの様な結果になったでしょうか。

引き継ぎたい担当者の心意気

先日賛同葬儀社さんの担当者の方から「健康上の都合で廃業することになりました」のご連絡を頂きました。

センターが発足して間もない頃、ご葬儀の立会いでお伺いした折、ご会葬者が大勢お集まりの通夜の席で、山陰の菩提寺からお越しいただいたご住職に、担当者のご葬儀の取り組み方を絶賛されたとのお話が思い出されます。

そのご葬儀では、故人様との最期のお別れを担当者にお任せするだけでなく、御家族皆様が一歩踏み込み参加することで、各人の胸に刻み込まれるとの担当者の発案から、ご喪家皆様の手を借りて故人様との思い出づくりをされ、ご会葬の方々から大好評を博し、ご紹介した当方まで感謝された思い出がよみがえりました。

故人様との思い出の写真や品を出来るだけ多く集めていただき、ご喪家の皆様にお任せして皆様の手で思い出コーナーを創ることを提案し、実行されました。

当初担当者に言われたからと渋々お手伝いされていたお子様達も、写真を切ったり貼ったりレイアウトしていくうちに、次第に故人様との思い出がよみがえり、手づくりの思い出コーナーが完成された暁には、お気持の上でもご家族ご親族にとっても代えがたいものになったとの由。

それから数年後、お花の先生でもいらっしゃった奥様のご葬儀の折は、御家族の他にお弟子さん達も負けじと共同作業に参加されて、思い出に残るご葬儀になったのは言うまでもありません。

立会いにお伺いし、式場のみならずお清め室までも展示された作品を、熱心に見入っていらしたご会葬の方々の様子が、今でも目に浮かびます。

ご葬儀も表面的にはここ数年来、大分様変わりの様相を呈してきました。
しかしながら、後に続く担当者の心意気は永遠であってほしいものです。