直葬でもお別れの仕方は様々です

 先日、「施設に入居されている方がご逝去されたので、葬儀社さんの手配をお願いしたい。先方様は直葬をご希望です」と施設の担当者の方からご相談頂き、当初施設の近くに自社安置所を有している賛同社さんをご紹介したところ、間もなくお身内の方から「孫や親戚の者が面会し易いように、自宅近くの安置所を希望」とのご連絡を頂き、急遽ご安置先の変更をさせて頂きました。

 最近はご葬儀のお式を執り行わない直葬のご相談も一般化されつつあり、それに伴いご相談者からの直葬でのご要望もあれこれと増えて参りました。

 菩提寺を持たない方の中にはご葬儀のお式の時だけの読経に違和感を持たれる方もおいでになり、一方で最期のお別れだけは十分にされたいとのご要望も強く、葬儀社さんの対応にも変化の兆しが見えてきつつあるようです。

 火葬場に直行する火葬式ではすでにお別れされていることが前提になっており、炉前でのお別れ時間は5分~10分程度しか取れないのが現状ですので、ご要望に応じて お身内の方々には火葬前日に安置所にお集まりいただき、お別れ室にてゆっくり1時間程度のお別れの時間を設けている葬儀社さんもございます。

 お式はされずに当初御姉妹だけでお母様をお見送りするご予定で、火葬前日にゆっくりとお母様とのお別れの時間を取られた方からは、火葬当日急遽駆けつけた叔父様ご夫妻にお母様とのお別れの時間を差し上げることが出来たとご満足の御様子をお話頂いた事もございます。

 一方で、火葬日まで5日程安置所に日参され、心ゆくまで故人様とご面会されて、最期のひとときをご一緒にお過ごしになられ、その都度抱えている心配事を担当者にご相談され、安心してお見送りができたとアンケートに記した方もいらっしゃいます。

 また、葬儀社さんの中にはご要望に応じて通常の安置所ではなく、火葬前夜に限り「和室に付き添い安置」という形を取り、お線香をあげてご自宅でされるように一晩中付き添い、翌日に火葬という形をお取りできるところもございます。

 直葬でのお別れの仕方も様々です。

直葬と白い服の少女

 夏の終わりを告げるミンミンゼミの声が一段と騒がしさを増しています。

 今年も白い服の少女からのご連絡はまだありません。

 最初にご相談を頂いてから、今年の夏で早10年になりました。

 格式を重んじるご葬儀の世界で、お式を省いた直葬をご希望される方がチラホラと出始め、当時ラジオの深夜放送では、ご葬儀をされないことに関して、喧々諤々と討論された頃でした。

 あれから10年、ご葬儀の世界も大分様変わりし、直葬とまでは行きませんが最近では当方の周りでも100歳を数えた方のご葬儀が内々で執り行われ、ごく親しい方々のみにお集まりいただき、通夜の夜は故人様を偲び、懐かしい思い出話に花が咲いたような様相を呈しておりました。

 10年程前、ご自身の意思で直葬を希望の方から、事前相談のご依頼を頂き、地元の葬儀社さんからご葬儀のお式を省いた直葬の見積りをお取りし、センターの見積説明書と共にお送りさせて頂きました。

 暫く後、妹様と称する方から、お兄様から直葬のお話をお聞きし、「私の際も兄と同様に是非お願いしたい」とのお手紙を頂き、1枚の絵はがきが添えられていました。

 絵葉書には、背丈以上もある真っ赤なカンナの花が咲き誇る中を、スケッチブック片手にまっすぐ前を見据え突き進んでいる、白い服の少女の後ろ姿が描かれていました。若き日の自画像との由。

 「今まで万が一の際は漠然とこのようにしたいと考えておりましたが、大変良く分かりました。しかしながらその時はすでに1生が終っており、自身何一つたずさわることも出来ないはずなのに、客観的に冷静に考えて妙にすっきり致しました。その時期が何年後になるかわかりませんが、いつか必ずお世話にあずかりますことと、後期高齢者ですが、今のところこれといって、体に支障をきたすことも幸いにございません」とお送りした見積書の礼状に記載されていました。

 白い服の少女の希望は「万が一の際は火葬場に直行し、無宗教で家族に見送ってもらえればよい。お墓は20年前に主人が亡くなった際に川口湖近くの霊園に購入済み」との由。

 便りが無いのは良い知らせと、後を託された息子さん達からのご連絡が無いことを祈りながら、「遠い夏の日」の白い服の少女に思いを馳せています。

ご不安を無くすことが急務です

 「先程から電話している○○です。今身内の者が亡くなったのですが、どの様にすればよろしいでしょうか。病院で紹介された葬儀社さんからドライアイスをすぐに入れないと駄目だと急かされているのですが・・・」

 3時間程前からご葬儀の費用についてのご相談をお受けし、見積りをご希望された方から緊迫したお電話を頂きました。

 「初めてのご葬儀で…」とご不安な御様子が強く感じられましたので、まずは病院付きの葬儀社さんにはすでに葬儀社は決めている旨申し上げて、お断りされるよう、又ドライアイスはご逝去後すぐでなくても大丈夫である旨お伝えいたしました。

 そのまま少しお待ち頂ければ、見積りをお取りしている社の担当者がお迎えに上がり、その後はご安置から火葬まで全て責任を持って面倒を見てくれますので、担当者にお任せして大丈夫であることをご説明し、センターもご葬儀終了までチェック致しますのでご安心頂くよう申し上げておきました。

 ご葬儀後、当初ご不安でいっぱいだったご相談者から「親戚からもよいご葬儀だった。万が一の際はうちも頼もうかなとまで褒めて頂いた」とのご報告を伺い、我がことのようにほっと致しました。

 また、闘病中のお父様に付き添い、何度となく大きな山場を超え、限界が近づいてきて「もしかしたら」が頭をよぎったが「その時」をどのようにすればよいのか皆目見当がつかず、インターネットで検索をされ、ご連絡頂いた方は、一方で病院に日参しているご自身の裏腹な行動に、当初罪悪感すら覚えられたとのこと。   

 「これが最後の入院になるだろう」と医師から告げられ、葬儀の準備を考えなければいけない状況に置かれても、なかなか具体案が見つからず、取りあえずセンターの電話番号を控えておき、刻一刻と迫る状況の中、あと数日と言われ、思い切ってセンターにご連絡をされたとのお話でした。

ご葬儀後のアンケートでは「色々アドバイスを頂き、ご紹介された葬儀社の担当者にご相談してお任せすることになり、残りの数日は父を看取ることだけに気持ちを集中することが出来、本当に良かったと思います。遺されたものとして振り返りますと、父の看取りと葬儀が不思議なことに幸せな思い出になっていることに気付かされました」とまで、おっしゃっていただけました。

 未経験のご葬儀は、ご家族にとってより一層の不安を掻き立てる要因でもあります。

 ご相談者からお伺いしたご相談内容を葬儀社の担当者に伝え、刻一刻と変化する状況の中、ご不安を少しでも軽減して頂くことが、センターの急務です。

無難なお葬式

 最近は、ご高齢に伴い、御家族とごく内輪のご親族を中心とした、ご葬儀が増えて参りました。

 当センターでは皆様からご相談を頂き、少しでもご喪家のお気持にそったご葬儀を心がけ、ご要望に適していると思われる地元の賛同葬儀社のご紹介をさせていただいております。

 ご葬儀の良し悪しを決める基準として金額の問題等もございますが、それ以上に担当者はご喪家と同じ目線に立って、ご要望をどれだけ汲み取れるかが大きな鍵になるように思われます。

 と申しますのも、最近知り合いのご葬儀に出席する機会があり、担当スタッフの方々の親切・丁寧な立ち振る舞いと粛々と進行していくご葬儀を拝見し、ご喪家独自のご要望がどれだけ生かされているか、少し優等生になり過ぎてはいないか等、あまのじゃくな疑問が湧いてきたのも事実です。

 担当者も組織の中の一員ですので、勝手な行動は難しいとは思いますが、内輪のご葬儀であればこそ、もう少し踏み込んでご喪家のご希望を汲み取り、独自な目線でのご葬儀を期待するのは難しいことなのだろうか。

 ご参列の方々のお気持に、故人様との思い出をどれだけ刻むことができるか。

 はたまた、御家族の方々には自分たちの手で見送ったという実感を味わわせてあげることも重要な要素ではないだろうか。

 あるベテランの担当者の場合は最期のお別れで柩に祭壇のお花を入れる準備の為、通常一旦全員の退場をお願いしますが、こちらではご会葬者ご着席のまま舞台裏をお見せして、準備が整い次第一気にお花入れに入り、ご列席の皆様はそれぞれに最期のお別れをいたしました。

 そこにはお花入れという儀式はなく、お一人お一人が純粋に別れを惜しんでいる姿が伺え、感慨深い思いがしたものでした。

 独自のやり方で特徴を持たせ、それが担当者の腕の見せ所でもありましたが、久しぶりにご葬儀の現場に伺い、ある意味反面教師として、これからのご葬儀の在り方について、学ばせて頂きました。

担当者の気遣い

 「晩年、父は病の連続で苦しい人生になり、医者にも恵まれず、大変な思いをしてきましたが、最後に良い葬儀社さんとご住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったのかな・・・と思っております」

 相談者からご葬儀後に頂いたお礼の文面です。

 内輪のご葬儀が多い昨今では、ご列席の方々もご葬儀を経験された方が少なく、ご喪家の方々にとって不安と戸惑いの中、葬儀社の担当者の存在とアドバイスがひと際クローズアップされ、担当者のアドバイス如何で、ご葬儀の良し悪しまでも決ってしまうのでは、とまで言われています。

 センターでは、ご葬儀後アンケートのご協力をお願いしておりますが、このアンケートでも、担当者の目配り、気配り、心配りのアドバイスぶりが多く寄せられています。

 お気持が揺れ動く中、担当者からいきなりご葬儀の説明をされても難しい場合がありますので、まずは担当者からスケジュール表をお渡しし、何時までに決める必要があるのか、はたまた何時までに提出するのかその都度、丁寧に説明されて心強く思われた方。

 当初、ご自宅以外にご安置をご希望になり、葬儀社さんの自社安置所に搬送されましたが、お母様のたってのご要望でご自宅安置に切り替わった際も、お気持ちを察し快く引き受け、その間の費用をサービスされたことで、ご喪家の方々の信頼を一気に得て、頼りにされた方。

 自社安置所にて納棺の儀の際、あえて御家族皆様の手を煩わせる形で執り行い、予算を出来るだけ抑えたいご意向を酌み、午後からご遺体を市営斎場の霊安室に移動し、その柔軟な対応ぶりにご喪家の信頼度も高まり、ご喪家の方々からは「今度葬儀がありましたら、いの一番に推薦しますよ」と口々にお声を掛けて頂いた方等。

 小規模なご葬儀では担当者がどれだけご遺族のご要望に耳を傾けることができるか、ご葬儀はある意味、担当者の采配によって決まると言っても過言ではありません。

時には時代の流れに逆らっても・・・。

 先日、101歳で亡くなった伯母の葬儀に伺い、女性スタッフのソフトで丁寧な対応ぶりに触れ、感謝しながらも、何処か少し物足りなさを感じたのも時代の流れでしょうか。

 スマートな立ち振る舞いに、かつて面倒見の良さで肝っ玉母さんぶりを発揮していた、担当者の方が懐かしく思い出されます。

 以前、ご葬儀の相談をお受けして、ご喪家のご要望等をお伺いしているうちに、こちらには是非あの方を推薦出来ればと、女性担当者のお顔が浮かんでくることが度々ございました。

 なぜ、女性担当者なのか。

 多様化した都会ではご相談相手もなかなか見当たらない中、常に生活者の目線で行動し、時に応じて臨機応変に対応出来る肝っ玉母さん的な存在は貴重で、時としてご喪家の方々にとって救世主的な役割も果たしてくれるのではとまで思われたものでした。

 特にその活躍ぶりは少人数のご葬儀で発揮され、段取りや規則以上に、永年家庭を切り盛りしてきた女性ならではの目線が生きている様にも思われました。

 急なご葬儀では、何からどの様に始めたらよいのか、お気持が動転しているご喪家にとって、普段少々おせっかいに思われる位の事でも、かえって潤滑油になる場合もございます。

 「目の前におばさんがうろうろしているから、分からないことがあったらあのおばさんに聞けばよいと思って貰え、ご葬儀の折にはひたすらご遺族のおそばに立ってあげるだけ」とまで常々おっしゃっていました。

 また、生後間もない赤ちゃんのご葬儀を担当された時は「孫を亡くしたお姑さんの立場に立って、プロの気持ちも揺らぐこともありますが、それはそれでよいのでは・・・」とまで言い切っていらっしゃいました。

 ご葬儀の読経が始まると「ずっと抱いていたい」と柩の中の赤ちゃんを抱き寄せたお母様には、「ご自宅でお身内だけのご葬儀ですからいいですよ」と申し上げ、若いお母様は読経の間中、わが子を抱きしめていらっしゃったとの由。

 後日、ご喪家から感謝のお手紙を頂いたのは言うまでもありません。

 ご葬儀中でも、ここでこうした方が良いと思えば、生活者の目線で、黙ってでも行動してしまうのも、肝っ玉母さんの特徴です。

ご葬儀だけはやり直しがききません。

 時代は変われども、これからも肝っ玉母さんの意思を引き継いでいってくれることを望みます。

人生100年時代、お別れもご自身の想いを貫いて・・・。

 8年程前に最初のご相談を頂き、お見積りをお送り致しましたご相談者から昨年末に続き、昨日4度目のお手紙が届きました。

 前3回はご自身のご相談でしたが、今回は入退院を繰り返されているご主人様の万が一を鑑みてのご相談でした。

 70代後半で、当初足のケガをされ病院に掛かったのをきっかけに、ご自身のご葬儀にいかほど掛かるのかご心配になり、保険がおりる範囲内でとのご要望を頂き、お見積りをお送りさせて頂きましたが、当時は周りの方々には内密のご相談とのことで、封書はセンターの名前を表記せずに匿名をご希望される程でした。

 あれから8年、当初からお身内だけのご葬儀をご希望でしたが、お身内の方も一人減り2人減りとご相談頂くごとに、ご会葬者の数にも変化がみられてきたようです。

 ご相談者からの近況報告も、より具体的にお話頂き、ご相談者の身辺も身近に感じられ、当方も私見を挟み、昨年暮れご相談者と同年代の方のライブで元気を頂いたお話までさせて頂きました。

 80代半ば、まだまだお元気です・・・。

 直葬という言葉がマスコミに登場し始めた頃でした。

 ご高齢なので万が一に備え、無宗教での直葬をと生前予約された方の妹様からも、お兄様の主旨に賛同され、同様なご要望を頂き、お見積りをお送りさせて頂きました。

 間もなく、妹様からのお礼のお手紙には1枚のパステル画の絵葉書が添えられ、ご自身のかつての自画像ですと添え書きされていました。

 真夏の太陽の下、自分の背丈よりも高い赤いカンナの花に囲まれた白い服の少女が、じっと前を見据えて一人たたずんでいました。

 少女の横顔には決意のほどが伺われ、ご自身の意思をどこまでも貫き通したいという熱い想いまでが伝わってくるようです。

 人生100年時代を迎え、最期はどのような形にされたいのか、お一人お1人がご自身の生き方を問いただす時代が来ているようです。

 本日先程突然、御年101歳を迎えた伯母の訃報が入りました。

 大正、昭和、平成、令和と時代の先端を走り抜けた伯母は、最期まで自力で全力疾走の人でした。

 ゆっくりお休みください。

 合掌。 3 Accent 4;\l

リピーターの輪が、更なる広がりを見せています。

 先日深夜に近い時間帯にお電話を頂きました。

「以前父の時お願いした者ですが、今母が病院で危篤状態ですので、万が一の際は父と同じようにお願いしたいのですが・・・」

 現状を掻い摘んでお伺いし、お父様の際担当された賛同社に対応の状況を問い合わせ、折り返しご連絡させていただきましたが、担当者が病院にお迎えに参りましたのはその数時後でした。

 センターがご葬儀後にお願いしておりますアンケートでも、再度お知り合いの方などにお勧めしたいとのご報告を数多く頂き、お一人お1人の出会いが次の出会いを生み、リピーターの輪も更なる広がりを見せております。

 少し前になりますが、お父様が危篤状態に陥り、万が一の際はお身内だけでお見送りをされたいとのご要望を頂き、小規模なご葬儀を得意とする地元の賛同社をご紹介致しましたが、その後ご連絡が無く心配しておりましたところ、ご相談から12日目ご紹介した社にご逝去の報が飛び込んで参りました。

 当方といたしましてはお時間がございましたら、是非ご紹介した社の担当者とご面談されて、ご安心頂ければと思い込んでおりましたが、後ほど担当者から事の顛末をお伺いし、納得した次第です。

 実は先にお父様を亡くされた会社の同僚にご相談したところ、ご葬儀を執り行った葬儀社さんが当センターから推薦された葬儀社さんであり、担当者も同じ方とお聞きになり、同僚の方から詳しいご葬儀現場の状況や担当者についての情報を得ていらっしゃったので、事前に改めてお伺いするまでもなく、お決めになられたご様子とのことでした。

 また、賛同社から「以前ご葬儀を担当したご喪家から、ご親戚のご葬儀をお願いできないかとのご相談をお受けしたが、ご親戚のお住いが少し離れているので、そちらの地域の賛同社の推薦を是非に」とのご連絡を頂き、新たに地元の賛同社をご紹介させていただきました。

 地元に詳しい賛同社をご紹介するセンターの主旨をご理解いただき、リピーターの輪がさらに広がっていきます。

 友人のご葬儀にご列席の方からも、担当者の奮闘ぶりをご覧になって「私の時もお願いします」と名刺の交換をされた方もいらっしゃいます。

リピーターの輪の広がりは、地道に活動しておりますスタッフにとりまして大いなる励みになると同時に、賛同社共々さらに身を引き締めていく覚悟を促されている様でもあります。

ご葬儀担当者の心意気

 「晩年の父は病の連続で、お医者様にも恵まれず、苦しい人生でしたが、最期に良い葬儀社さんとご住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったのかなと思っております。まだまだやることは山程残っておりますが、告別式は無事終わりました」

  お礼の文面はまだまだ続きます。

 初めてのご葬儀を無事終えられた安堵感一杯の文面に、礼状を受け取った当方もほっと一安心です。

 ご紹介した担当者の目配り、気配り、心配りに当方からも御礼申し上げます。

 御家族ご親族を中心とした最近のご葬儀では、ご喪家の方々も初めて経験される方も多く、戸惑いの中、勢い担当者にお任せするケースも出てきますので、ご葬儀の良し悪しは担当者との信頼関係に比重が掛かってきます。

 当センターでは、事前相談の折、ご要望にあった地元の賛同社をご紹介すると同時に、お時間がございましたら是非にと担当者とのご面談をお勧めしております。

ご相談者とのコミュニケーションがどれだけ取れるかが鍵になり、ご葬儀への安心感に繋がります。

 「この担当者でしたらお任せできるとご相談者がご葬儀前に信頼関係を築かれるか否かで、すでにご葬儀の良し悪しがほとんど決まってしまう」とまでおっしゃる方もいらっしゃいます。

 あるベテラン担当者は「我々は仕切りますが、主役はあくまでご喪家であり、悲しみを癒すお手伝いをし、任せて大丈夫という安心感を持っていただけることが大事。ご要望を出来る限りお伺いし、ご喪家の身になって考える。その思いをくたくたになるまでやります。お蔭様で、今までクレームがついたことはありません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

 また、不安を抱え、お気持も不安定なご喪家の方々に一度にご説明してもご理解いただくのが難しい場合もございますので、必要なことを何時までに決めなければいけないか、何時までに提出するのか等のスケジュール表をお渡しし、その都度説明される担当者もいらっしゃいます。

 いずれの担当者も「困った時に振り向けば、何時でもスタンバイしておりますので、ご安心を・・・」と申しております。

今年も薔薇の季節がやって参りました。

 鎌倉の友人宅の屋根一面に咲き誇っている白い薔薇の花は、そのまま裏山へと続き、その立体感ある光景は、暫し都会の喧騒を忘れさせてくれる季節の風物詩のようでもあります。

 とげがあり、お花は鮮やか過ぎて当方が関係しているご葬儀関係には向かないと言われている薔薇の花ですが、時としてこの薔薇でなければ、ご葬儀が成り立たなかったのではと思われる程のインパクトを見せることもございます。

 以前立会いでお伺いしたご葬儀では、「祭壇を造らず、柩の周りを白薔薇で飾り、1日だけのお別れ会としてパ‐ティ形式で執り行い、献花も柩へのお花入れも白薔薇で統一し、写真は撮らず、一切のものを残さない」とのご要望がございました。

 彫刻家のご主人が過ごしたパリ時代のかつてのお仲間が集い、思い出話に花を咲かせ、ゆったりした時間が流れる中、最期のお別れとなりました。

 ご会葬の方々が手向けた白薔薇で埋め尽くされた柩に、最後奥様の手で一輪の真紅の薔薇が置かれました。

 真紅の薔薇は奥様の想いをすべて語っているように思われ、その鮮やかさと共に、今でも薔薇の季節になるとその光景が目に浮かびます。