ご相談はいつされてもかまいません

 葬儀の事を考え始めるとき、それは人それぞれのタイミングがありますが、主なものとしては、大事なお身内の方心配な状況になられた時、元気だけれど高齢なので、終活などの情報でご自身の葬儀について考えられたときなど、葬儀ということが少し身近に感じられた時かもしれません。 
 また、それに加えて、今まで考えもしなかった葬儀のことが突然現実にご自身に降りかかってしまわれたという場合もあります。

 だれでもいつかは万一の時を迎えるということは分かっていても、大切なお身内のこととなるとなかなか葬儀社に問い合わせたり、見積りをとったりなど、現実的な行動を起こすことが出来ずにいらっしゃる方は多いと思います。

 忙しかったり、まだ存命しているのに、など、理由は様々でいらっしゃると思いますが、もし、葬儀についてよくわからない、どうしたらいいかわからないなどの不安な気持ちを持たれているのでしたら、とりあえず話を聞いてみるという行動をおこしてみてはいかがでしょうか。

 相談できるところがあると思うだけで、少しでも気持ちが楽になっていただければと思います。

初めて葬儀を出す方にとって。

 当センターは葬儀社のご紹介がメインの業務になりますが、それに伴って葬儀について分からないことや、ご相談される方が迷われていることなど、不安に思われているようなことを解消して頂き、少しでも安心して頂けるように対応させていただいています。

 初めて葬儀の事を考えなくてはならない状況になられた方からのご相談では、色々なご質問をいただくのですが、ときに、ご相談のやり取りを行なっているなかで初めてご自身が気づかれていなかった「わからないこと」につき当たることがあります。

 先日承ったご相談で、やり取りの中で色々とご質問をいただき、ご安置の事や葬儀を行なう式場のことで色々と説明をさせていただきました。ほぼご理解いただいたかと思っていたやりとりでしたが、ご相談者が葬儀社へ連絡をするという段階になったときにふと出た一言で、式場、火葬場、葬儀社の関連がうまくつながっていないということがわかり、その時点で改めて説明をさせていただいたということがありました。
 これは、その前の段階で私がもう少しうまく説明をしていればよかったと反省いたす点です。

 初めて葬儀を行なう方は、「わからないことがわからない」、これは、当たり前のことです。「何から聞いたらいいかわからない」と始まるご相談も多いです。
 
 お葬式には何度も参列したという経験はあっても、葬儀を出す側の立場になった時に初めて気がつく疑問点があるかもしれません。
 やり取りをしているうちにわからなかったことに気がつくこともあるかもしれませんので、そんなときにお役にたてればと思っています。

遠い夏の日

 「遠い夏の日」とタイトルがつけられた、1枚のパステル画の絵はがきを眺めています。
 絵はがきには、お兄様からご紹介されたとのことで、当センター宛てにお兄様同様の直葬の見積りを希望され、7年前に事前相談をいただいた方の、若き日の自画像が描かれています。

 麦わら帽子をかぶった白い服の少女はスケッチブック片手に、背丈よりも高い赤と黄色のカンナの花が咲き乱れる中を、夏の強い日差しを受けながら、真っ直ぐ前を見据えて、歩いています。
 その毅然とした後姿は、まさにご相談者の生き方とも相通じるものがあるように思われます。

 丁度、直葬という言葉が一般的に広まりつつある中でのご自身のご相談で、「今まで万が一の時には、漠然とこのようにしてもらいたいと一人で考えておりましたが、大変良く分かりました。しかしながら、その時はすでに一生が終わっており、自身何一つたずさわることもできないはずなのに、客観的に冷静に考えて妙にすっきりしました。その時期が何年後になるかわかりませんが、いつか必ずお世話にあずかりますことと、後期高齢者ですが今のところ、これといって体に支障をきたすことも幸いにもございません」と見積書と説明書をお送りしたお礼状には記されておりました。

 白い服の少女のご希望は「万が一の時は火葬場に直行し、無宗教で、家族に見送ってもらえればよい。お墓は20年前に主人が亡くなった時、川口湖近くの霊園に購入済み」とのこと。
 
 便りがないのは良い知らせとばかりに、今年の夏も後を託された息子さん達からのご連絡が無いことを祈りながら、丁重なお手紙と一緒にいただいた1枚の絵ハガキ「遠い夏の日」の白い服の少女に思いを馳せております。

事前のご相談

 先日、3か月ほど前にご相談を頂いた方から、「父が亡くなり、紹介していただいた葬儀社に連絡して、対応していただいています。」という連絡をいただきました。
 ご相談された時はご危篤という大変心配な状況でしたが、その後、ご容態が安定したことでご安心され、見積りが届いたことをセンターへ連絡しなくてはと思いながらも月日が経ってしまい、ご紹介いただいた葬儀社に依頼した旨の報告になってしまったとおっしゃっていました。
 ご葬儀の準備で忙しくされている中でのわざわざのご連絡でしたが、その話の中でご相談者が「いざその時になって、事前に依頼する葬儀社が決まっていたことは安心できることだったと、その時に改めて感じました」と、実際にご経験された方にしかわからない実感としてのお気持ちをお伝えいただきました。

 同じような想いで事前相談をされている方は少なくありません。今までにも「事前に葬儀社を決めておいたので、いざという時に落ち着いていられました」や、「事前に決めておいたことで、慌てることなくスムーズに葬儀を行う事ができました」などというご報告も多く頂いています。

 ずいぶん前に友人から聞いた話なのですが、入院されていたお父様がお亡くなりになり、なにも準備をしていなかったので、そのまま病院に入っている葬儀社に依頼したところ、何も分からないうちに搬送、安置、葬儀までが行われ、今、お父様の葬儀のことで思い出すのは遺影にする写真をずっと探し続けていたことだけと言っていました。
 もちろん、そのときの葬儀社さんもきちんと説明などをしていたかと思うのですが、自分では落ち着いていると思っていても、葬儀社の言葉が届かない場合もあるようです。

 ご対象の方が頑張られている段階で葬儀のことを考えるということは、ご家族にとって大変お辛いことだと思いますが、大切な方のご葬儀はご家族の心にずっと残るものだと思います。
 ご家族の方が、「よい葬儀だった」「きちんと送ることができた」と思い続けられるようなご葬儀にするために、事前のご相談は有効だと思います。

葬儀のことは話しにくいと思います。

 センターでは、ご紹介した葬儀社でご葬儀を行われた際に、ご依頼者の方へアンケートのご協力をいただいています。
 その中の項目に、「お知り合いの方などにあさがお葬儀社紹介センターを勧めたいと思いますか」というものがあり、『1.ぜひ進めたい、2.機会があれば勧めたい、3.薦めたくない、4.勧めない、5.わからない』の5つの中からお選びいただき、その理由をお書き頂いているのですが、「ぜひ進めたい」と「機会があれば勧めたい」をお選びいただくことが多く、とてもありがたく思っています。

 この中の「機会があれば勧めたい」をお選びいただいた方がお書きくださっている理由については主に、
・普段、葬儀について話すことがあまりないから。
・相談を受けたら勧めます。
・葬儀のことはなかなか他人が口出ししにくいものですが、不安を抱えている人がいたら勧めます。
・・・・
 など、相手からの要請があればということが前提になっていらっしゃいます。

 普段の会話では、葬儀の話題はなかなか出ないかもしれません。
 私自身も、自分が葬儀にかかわる仕事をしているということを知っている人以外の前では積極的に葬儀の話しをすることはほとんどないのですが、どんな仕事をしているかという話から葬儀の話に流れることはよくあります。
 その際、「葬儀社を紹介している」と話すと、大抵、「そんなところがあることを知らなかった」と言われるので、まだまだ認知度は低いんだな、実感するのですが。

 最近では終活などで、葬儀について話すこともひと昔前よりはオープンになっているのかもしれませんが、やはり内容はデリケートなものなので、知人や友人などとの間では話しにくいところもあるのだと思います。

 葬儀のことで、ひっそりと不安を抱えている人も多いと思うので、このような活動をしているところがあるということを、こちらからももっと発信しなくては、と思います。

小さなことでも聞いてください。

 先日、友人から「葬斎場と葬儀場って違うの?」という質問の電話がかかってきました。
 話を聞くと、知人の葬儀に行っていた息子くんから「今、葬斎場を出たから、これから帰る」という連絡がはいり、「葬斎場?葬儀場ではないのか?」。
 『葬斎場』というなんとなく聞き慣れないような言葉に小さな疑問が生じ、ネットで検索してみたところ、『あさがお葬儀社紹介センター』のサイトが一番先頭に出てきたところで、「あ~!!」と、私の事を思い出し、電話したとのことでした。
 葬斎場と葬儀場の違い・・厳密には火葬場と式場の関連などで分けてあるのでしょうが、結局はお葬式を行なう場所ということで、意味合い的には同じ。ずいぶん前に、斎場は火葬場がある施設のことと聞いた事があるけど・・と話しました。
 電話を切った後で、少し心配になったのでちゃんと調べようと自分でも検索したのですが、自分が探している答えには結局たどり着かず・・・・。
 勉強不足・・。後日ちゃんと調べてみます。

 このような質問は葬儀を行なう上では直接関係することでもないので、「後で調べる」で済むことですが、葬儀を考えなくてはならない方からのお問い合わせは現実的なものなので、あやふやな事や間違ったことは言えません。

 葬儀に関連する言葉や道具・物の専門用語や名称などは、一般の方からすると何の事を指しているのかわからない事も多いのではないでしょうか。
 
 聞いたら恥ずかしいかもしれないなどと思われることもあるかもしれませんが、葬儀に関連する言葉や名称は専門的な用語が多く、一般の方には何の事だかわからないのも当然です。
 ときに、こんなことを聞いて恥ずかしいのですがなどの前置きをされる方もいらっしゃいますが、お気にせず、小さなことでもわからない事は聞いていただければと思います。

 ちなみに・・葬斎場のことを聞いてきた友人、「葬斎場」を「葬『祭』場」だと思っていたそうで、これが解明しただけでもスッキリしたそうです。

葬儀社さんとのコンタクト

 事前相談では、既にご自身でも数社の見積もりをもらっている段階で相談される方や、ご検討している葬儀社がある状態でご相談をいただくことも少なくありません。
 色々調べているうちによくわからなくなってきた、ネットで色々見てみたけれど、どの費用をみればいいのかわからない、など、混乱されていらっしゃる方も多いようです。
 特に葬儀社の見積もりは会社によって書き方やプラン等の内容が異なり、多くの見積もりを見れば見るほど分からなくなってしまう状況はとても理解できます。
 葬儀社の見積書を普段から見て慣れている環境にいても、複数社の見積書の項目を一つ一つ見比べるのに困難な場合もあるくらいですから、いきなり提出された複数社の見積書をさっと見比べて、説明もなしに判断するのはとても難しいことと思います。

 また、ご満足のいく葬儀を行なっていただくためには、見積りだけでなく葬儀社の担当者との信頼関係なども大きく影響してきます。

 センターでは、できるだけ担当者と事前にご面談をして頂くことをお勧めしています。

 いままでも、直接会って話をして、見積もりの内容について丁寧な説明を受け、また、ご相談者のご要望をきちんと受け取ってもらったので、この社にお願いしようと思いましたというご報告を何度もいただいていますが、事前相談の段階で、この担当者なら任せられるという信頼ができるようになるのも、直接会うことによって生まれるのかもしれません。

 時間の関係や遠方などの理由から、なかなか直接会うことができない場合もありますが、時間がある場合にはお電話でもいいので、直接コンタクトをとっていただくだけでもいいかと思います。

 もちろん、これは「お気持ちのうえで葬儀社と事前に会うことを許される場合」ということが前提ですので、必ず面談をしてくださいというものではありません。
 ただ、可能な場合には、という限りでお勧めします。

 分かりづらい見積書の内容も丁寧に説明してもらうことで明確になるかと思いますし、なにより、葬儀の打ち合わせの段階で「はじめまして」という状況よりは、一度会話をしているだけでも、大きな不安の中で安心できるものがあるように思います。

「ご安置」ひとつをとっても・・。

 初めて葬儀を出す立場になった方で、お亡くなりになってからお葬式の日に至るまでの流れがよくわからない、と思われる方は少なくないと思います。葬儀の仕事に就く前の私もそうでした。
 親戚などのお葬式には参列したことがあるけれど、病院で亡くなってからお葬式までの数日間で何が行われているかというのは当時の私にとって「謎」でした。
 実際、葬儀の仕事に携わるまで、「親に万一のことがあったら長女の私はどうしたらいいのか」という不安がありました。

 今では、インターネットなどで詳しく書かれているところなどもあるので、初めて葬儀を出す方でも比較的容易にイメージをつかむことが可能になりましたが、実際にご自身の状況に当てはめたときに想像がつきにくいこともあるようです。

 基本的には葬儀社さんから説明を受けながら流れに沿って順番に行なっていくので、信頼して任せられると思う葬儀社さんでしたら言われる通りに行なっていただければ、最初から最後までを滞りなく無事に終えることが出来るかと思います。
 ただ、事前の段階で葬儀を考えた時には疑問点は不安の一部になるかと思います。
ご逝去後のご安置ひとつをとっても、ご自宅以外でのご安置を考えられている方は、どこに連れて行かれるのか、面会はできるのか、納棺はどこのタイミングで行なうのかなど、知っていれば安心できることが他にもいろいろあるかもしれません。
 このあたりのことは、地域や依頼する葬儀社さんによって様々で、ご依頼者が選択できる場合と状況やタイミングによってはご要望に沿うことが難しい場合が出てきますので、できれば事前にどのようなことが起こりえるのかを少しでも知っておくと安心かもしれません。

 以前、病院に入っている葬儀社に依頼したのだが、どこの安置所に安置をしているのか教えてもらえない。打ち合わせは翌日行なうとのことだが、それまでの間故人に合うことができなようだ。こんなことはあるのでしょうか。との問い合わせを頂いたことがあります。
 これはご家族にとってとても大きな不安になることかと思います。大切なご家族の居場所がわからない状況ですから。
 その葬儀社さんの対応がどのようなものだったのかはわかりませんので、想像の範囲ではありますが、そもそも面会が出来ない安置所に搬送したとか、搬送時には面会できる安置所が空いていなかったので一旦他のところに安置をして、翌日移動するつもりだったとか。または、式場に併設されているところにご安置したのでご家族は分かっていると思ったとか・・・
 憶測はいろいろ出てきますが、きちんと説明してあれば、お身内がご逝去されて大変なときにご家族がインターネットで余計なことを調べる必要もなかったかもしれません。

 大きい小さいに関わらず、「わからないこと」は「不安」につながります。
 これからご葬儀を考えなくてはならない方の「不安」が少しでも分かりやすく解消して頂けるようにしていきたいと思っています。

不安を小さくするために・・・。

 葬儀の事前相談は、積極的に行ないたいと考える方と、亡くなってもいないのに葬儀について具体的に考えるのは気が引けるのですが、とためらいがある中でご相談される方がいらっしゃいます。

 先日、お身内の病状が急に悪化し、医師から葬儀を考えておいた方がいいと告げられたという方からご相談をいただきました。
 急なことだっただけに、ご相談者は何から考えたらいいのかわからず、まず、センターへご相談されたとのこと。
まず最初に「まだ亡くなっていないのですが、葬儀のことを聞いてもいいんでしょうか」とお話しがはじまりました。
 事前相談をした場合のメリットをお伝えしたあと、ご質問に一つ一つお答えしながら対応させていただいていたのですが、漠然としていた葬儀の流れがつかめてくると、少し声が明るくなり、「一番分からなかったことが理解できました」と、大きな不安が少し解消できたようでした。
 一通りの話しが終わり、最後に、「聞いていなければ、なにも分からないまま、不安がっている間にお葬式が終わってしまっているような事になっていたかもしれませんでした、どうもありがとうございました、相談して良かったです」とおっしゃっていただきました。

 また他のご相談では、本人の要望だからと、ご相談者が簡単に考えられていたことが実はわりと重要な問題で、そのまま知らずに葬儀を行なっていたら親戚との関係が悪くなってしまう可能性があったかもしれないようなことが、事前にご相談をしていただいたおかげで、うまく調整する方向で考えていただく時間を作っていただくことができました。
 幸い、このケースでは、ご対象の方もお元気で、ご自身の葬儀について積極的に話しが出来る状況であったため、よく話し合っていただくようにお伝えさせていただきました。

 葬儀の事前相談は、あらかじめ知っておくことで想定できるトラブルを事前に回避することにつながる可能性があります。
 特に初めて葬儀を出さなければならない状況にある方は、お気持ちのうえで、少しでも心配なことや疑問などがある場合には、それをクリアーにするだけでも肩の荷が少し軽くなるかもしれません。

一番の心配ごとは・・

 以前、両親や兄弟もない一人暮らしの親戚が亡くなり、警察にご安置されているという状況の中、他県に住む叔父様から葬儀社を紹介してほしいというご相談がありました。
 遠方のため、故人様が住んでいる地域の情報を全く知らない状態でどこの葬儀社に依頼したらいいのか分からず、センターへご相談されたとのことです。

 ご葬儀は故人様のお身体のことを考えて、叔父様がお住まいになっている地域へ搬送することよりも、故人様が住んでいた地元で火葬をしてから菩提寺のお寺で骨葬をすることを選ばれたので、火葬場のある地域に詳しい葬儀社さんをご紹介させていただきました。

 ご相談者は、故人様の地元に知る人も無く、交友関係もわからないということで、全ての手続きを引き受けることになったのですが、遠方ということもあり、なかなか思うように動くことが難しい状況だったことから、葬儀社の担当者が検案書の引き取りや警察からの搬送を全て代行してやってくれることになりました。

 そのことをご相談者へお伝えすると、一番心配されていた事だったそうで、「やっていただけるのは本当に助かります」とおっしゃっていました。

 ご葬儀は、ご相談者やご本人の様々な状況により、心配していること、困っていることも様々ですが、その部分をフォローしてくれる葬儀社さんや担当者に出会えることが一番の安心につながるのではないかと思います。
 ご相談者の状況を把握したうえで、かゆいところに手が届くような対応ができる葬儀社さんは、やはり、葬儀後のアンケートでも高い評価をいただいています。

 私たちも、更にその上を行くような対応を心がけたいと思っています。