無宗教での葬儀では

 無宗教の葬儀を希望しているとご相談いただいた際、なぜ無宗教をお選びになられたのかをお尋ねすると、「本人の希望で」とお答えいただくことが多いように思います。
 「本人が宗教を信仰していないので」や、「好きな音楽で送ってもらいたい」など、理由はそれぞれで、ご家族はご本人の希望をかなえてあげたいという気持ちで無宗教の葬儀をされる方も多いと思います。

 先日、無宗教葬をよくやっている葬儀社の担当者と話をする機会がありました。
 故人様は生前、ご家族に「自分の葬儀にお経はやめてほしい。」と遺し、無宗教で葬儀を行ったのですが、ご葬儀後にご家族が「本当にお経は必要なかったのでしょうか、ちゃんと成仏できてるんでしょうか」と心配にな
りご相談にこられたそうです。
 日本人の8割は仏式で葬儀を行っているとのことで、たとえ菩提寺がなくても葬儀ではお経をあげてもらいたいと希望される方も多い中、無宗教葬は宗教色がないため、ご家族にとって大切なお身内をきちんと送れたのか
気になってしまわれたのかもしれません。

 担当者は、「ご心配ならば、納骨の時にお経をあげていただくといいかもしれませんね」とお答えしたそうです。

 ご家族、ご親族が同意している積極的な理由から無宗教での葬儀を選んだ方にとっては満足が大きくなるような葬儀の形だと思いますが、この話しを聞いて、このご家族のお気持ちもわからないではないな・・と思いまし
た。

正直な葬儀社さんを選んでいただきたいと思います。

 センターの対応範囲は東京・埼玉・神奈川・千葉のあたりになりますが、時折関西や東北、北海道、九州、沖縄などからご相談のお電話をいただくことがあります。
 センターの対応地域にお住いのご家族やご親戚が心配な状況になり、遠方にいるご家族、ご親族の方からのご相談ということなのですが、そのような場合、ひとつ、可能であればやって頂きたいことがあります。

 できれば、万が一の時に一番に病院などから連絡が入る方、病院にすぐに駆け付けることができる方がいらっしゃれば、その方とご相談の状況、情報を共有していただくことです。

 以前、関西の方から都内にいるご祖母様が心配な状況にあるので、とご相談を頂きました。
 ご対象者がご入院されている病院の近くにいるご親戚は皆さまご高齢で、何かあったら言いなりになってしまいそうなのでと心配され、しっかりしているお孫さんが任されたとのことでした。
 ご相談では、複数回のやり取りを経て、ご紹介葬儀社とも直接連絡をとっていただき、費用や対応面での安心感などから、万が一の時にはその社にお願いするという流れになっていたのですが、ご逝去され、病院に駆け付
けたご親戚に、病院に入っている葬儀社さんが「うちだったらこの日に火葬ができる」とおっしゃり、そこにいたご親戚の方は、「それならそこにお願いしよう」ということになってしまいました、とご報告をいただきまし
た。

 費用はセンターからのご紹介葬儀社が提示した金額の倍くらいだったとのこと、ご納得されての依頼でしたらいいのですが、気になるのは「うちだったらこの日に火葬ができる」という一言。
 火葬場を予約できるのはどこの葬儀社さんにお願いしても条件は同じです。都内や近隣の市営斎場などにおいては火葬場は原則的に先着順での受付になりますので、どこかの葬儀社が優先的に予約をとれるということはあ
りません。

 また、他のご相談では、ご自身で問い合わせた葬儀社から湯灌の費用は市が負担してくれると説明を受けたとお聞きしました。
 しかし、そこの市では市が湯灌代を負担することはありませんので、おそらく健康保険などから後日支給される費用を湯灌にまわせばというニュアンスで話しをされたのだと思いますが・・・。

 消費者の方が葬儀のことを隅から隅まで知ることは困難だと思いますが、正直な葬儀社さんもたくさんありますので・・・・。

直葬でもゆっくりお別れができる方法とは・・・。

 「霊柩車だけお借りできますか・・・」
 深夜、戸惑いのお電話を頂きました。
 思わずご事情をお伺いしたところ、お身内の方がご逝去され、火葬のみをご希望とのことで、ご葬儀をされないので葬儀社さんを頼まずに、ご喪家の方々がご遺体を火葬場に搬送すれば、その後のことは全て火葬場にお任せできるのではと思われていらっしゃるご様子です。

 直葬の場合も通常のお式をされる場合と同様に、葬儀社さんの方で搬送から火葬が終わるまで、また役所の手続き等も含め全て執り行っていただける旨御説明をし、地元の賛同社をご紹介させていただきました。
 電話口のお声も少し落ち着かれたご様子です。

 ご葬儀のお式を省くことは分かっていても、現状の認識はまだまだのようですが、夫々のご家庭の事情やご喪家のご要望で直葬をご希望の方は確実に増えてきているようです。

 それに伴い、最近は執り行う側も臨機応変な対応が垣間見られるようになってまいりました。
 ゆっくりお別れができないという直葬の難点も、ニーズに合わせた工夫が施されつつあるようです。
 当方がご相談をお受けした中でも目につくようになりました。

 当初、関西のご実家で本葬を執り行い、こちらではご家族・ご親族のみの家族葬でお見送りされるご予定でしたが、式場は8日先まで塞がっており、火葬だけでしたら2日後の朝9時台の枠に空きがあるとの情報を得たご相談者は、急遽日にち優先で火葬のみに変更をご希望になりました。

 ところが20名近くのご親族の方々にとって、炉前のみのお別れはあまりにも短すぎるとのことで、ご葬儀の担当者は急遽自社の安置所を火葬前日に解放し、当日お集まりいただいたご親族の方々は2階休憩室でお待ちになりながら、定員5~6名の安置室に交代で出向き、心ゆくまで日長ゆっくりとお別れをされたとの報告を受けております。

 また、直葬をご希望の方のために、自社安置所でゆっくりとお別れのお時間が取れる葬儀社さんの存在も目立ってきているようです。

 直葬をご希望になり、お母様と姉妹だけでお父様をお見送りされるご予定でいらっしゃったご相談者から大いに感謝されたことがございました。
 火葬当日、突然でしたが、2組の叔父様御夫婦と従妹様のご列席を頂いたとのこと。
 お母様とご相談者姉妹は前日にご家族だけで霊安室にお花を飾り、ゆっくりとお父様とお過ごしになられ、お別れができておりましたので、慌てることなく、火葬場の炉前での時間は、駆け付けてくれたご親族の為に時間を譲ることができましたとのご報告をいただきました。
 「霊安室併設の葬儀社さんをご紹介くださったことはとても大きかったです」
 ほっと一安心されたご様子が、目に浮かびます。

ご協力いただいたアンケート

センターでは、ご紹介した葬儀社に葬儀をご依頼された方へ、後日アンケートのご協力をお願いしています。
ご協力いただいたアンケートは、センターのサイトへの掲載許可をいただいたものを、公開させていただいております。
実際に利用された方からご協力いただいたアンケートは、センターのサービスや、ご紹介葬儀社がどのようなところなのか、などについて、これから葬儀を考える方の心配を軽減していただくために、一番参考にしていただけるものになっているのではないかと思います。

センターの存在を知った経緯は、ほとんどの方がインターネットで、葬儀のことを調べていてたまたまヒットした、とお知らせいただくことも多いのですが、サイトを見つけてから、相談してみようという行動に移る間に
は、「信用していいところなのか?」という不安があるかもしれません。

アンケートのご回答は、そのような不安がある方の背中を押してくれるような存在だと思います。

アンケートの回答を書いて送るということは、とても手間のかかる面倒なことだと思いますが、それでも回答をお書きいただき、送って下さるという、皆さまのあたたかい気持ちに支えてもらっています。

事前相談の見直し

 一年ちょっと前にお父様が心配な状況なので、と、事前相談いただいた方から、最近、条件の変更などを含めた見直しのため、再度のご相談をいただきました。
 最初のご相談の頃は数か月と告知されていらっしゃったのですが、幸いにもご回復され、今はとてもお元気にされていらっしゃるとのことでしたが、やはりご高齢ということもあり、いつどなるかわからない状況であるこ
とに変わりはないのでとのこと。
 また、今回のご相談では、まだ先になるかもしれませんがとのことで、お母様に万一のことがあったときのご葬儀についてもご相談されました。

 以前、義父様がお亡くなりになられた際、ご家族は葬儀について何もわからず、皆、とても慌てていらっしゃったそうです。
 その際、義父様が以前葬儀社からもらっていた見積もりを見つけ、そこから一気に事がスムーズに流れたというのを経験をされ、事前に葬儀について調べ、ある程度決めておく必要があると感じられたとのことでした。
 その時の経験から、葬儀についてのご要望も具体的になり、事前相談の見直しに至ったご様子です。

 一人っ子であるご相談者は、ご両親の葬儀をすべてご自身がやらなくてはいけないという重要な役割があるため、とても熱心に、ご葬儀についてお聞きになり、納得のいくご葬儀を行いたいという気持ちがとても伝わるご
相談でした。

対応できない地域の方からのご相談・・。

 当センターは、主に首都圏を中心に活動しておりますが、時々対応地域外の方からご相談を頂くことがあります。

 何カ月か前、近畿地方の方からお母様の状態が心配なのでとのご相談がありました。

 以前お父様のご葬儀の際に残念な思いをされた事、また、その際にお願いした寺院とのしがらみで今も悩んでいる、母の葬儀の時には来る人も少ないので簡素に行ないたいので、小さな葬儀でも親切に対応してくれる葬儀社を紹介してほしいとのこと。
 対応地域外でしたので、具体的なご紹介はできないことをお伝えしたうえで、どこの地域でも共通であろうと思う、ご自身で葬儀社を探すために、葬儀社を選ぶことが大切だということ、葬儀社を選ぶにあたって、気をつけて頂きたい事などの話しをさせていただきました。

 お葬式は地域によって風習やしきたりがあり、少し離れている地域というだけでやり方が全く違うという事もあります。
 心配な状況にある方からのご相談に、具体的なご紹介という対応が出来ないことはとてももどかしい思いもあるのですが、センターではスタッフがわからない地域や対応面での確認ができないようなところにおいて無責任な対応はできないと思っているため、広範囲の対応ではなく、地域を絞った深い情報を持って対応させていただいています。

消費生活センター等に寄せられる葬儀に関する相談が増加傾向

 昨日、国民生活センターから、「大切な葬儀で料金トラブル発生!−後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと−」という発表がありました。

 全国の消費生活センター等に寄せられる葬儀サービスに関する相談が増加傾向にあり、近年は年間約700件を超えているといいます。
 葬儀で提供されるサービスは多岐にわたり費用の項目が複雑であることや、親しい人との死別という事態に冷静な対応ができなかったり、葬儀社の説明や消費者の理解が不足していたりすると、葬儀の料金やサービス内容に納得できずにトラブルになることもあると指摘しています。
 そして、「葬儀については話題にしづらいかもしれませんが、トラブルを防ぎ、後悔しない葬儀にするためには事前の情報収集が欠かせません。そこで、最新の相談事例を紹介し、トラブルの拡大防止のため、消費者に注意を呼び掛けるとともに、関係機関に要望と情報提供を行います。」ということです。

 1相談事例や、2相談事例からみる特徴と問題点、3消費者へのアドバイス、4業界団体への要望、という構成です。詳しくは、こちら

 昨日、この発表があることは知らなかったのですが、午前中と午後に、NHKの夜の二つのそれぞれ違う番組の記者や制作スタッフから、葬儀トラブルについての話を聞きたいという連絡をいただき、発表があることを知りました。

 取材したいというような感じもありましたが、当センターが直接トラブルと遭遇することもないし、相談者の以前の葬儀で懲りたという伝聞の話を聞くぐらいで、映像にも耐えられるようなものもないので、電話で私見を述べるぐらいならということで、話をしました。

 しばらくして、21時のニュース番組の記者さんから、また電話がかかってきて、「そうしたら、トラブルになっている人を知りませんか?」という切り口で攻めてきました。<本>さんが電話を受けた人の中にそれらしい人がいるのを思い出してくれました。恐る恐る、その人に、ある番組からこういう依頼がきているが、協力する意思はありませんか、と尋ねると、「いいですよ、私でよければ。ただ、いま、トラブルが発展して裁判になっているが、大丈夫でしょうかね」と。裁判係争中なので、番組では取り上げられない、となりましたが。

 両番組とも見られなかったので、どのようなトーンの番組になったのかわかりませんが、番組を作る人のスピード感のある仕事ぶりはいい刺激になりました。

喪主様と故人様の信仰が異なるときは・・・

 今回は無宗教の葬儀・・ではなく、無宗教にするかどうしようかと迷われて、結果、仏式の葬儀にされたというお話しです。

 喪主をお勤めになる故人様の子供にあたる方はキリスト教、故人様は特に宗教の信仰はなく、でも、ご親族は今まで仏式のご葬儀をされてきたとのこと。
 そのような状態のなか、故人様が信仰していないキリスト教の葬儀を行なうわけにもいかず、かといって仏式のご葬儀にするのも・・・と悩まれていた中、無宗教葬とういう選択肢があり、最初は無宗教での葬儀にしようかという流れになられたとのこと。
 その後、ご家族でご相談され、ご親戚の手前、やはり仏式の葬儀にした方がいいかもしれないという結論をお出しになり、葬儀社からご僧侶を紹介して頂き、仏式のご葬儀にされたとのことでしたが、ご葬儀後に喪主様から「仏式の葬儀にして良かったです」とお話しになられたとのこと。

 センターでは、ご相談で無宗教を選択されたご相談者へは、なぜ無宗教の葬儀を選ばれたのか理由をお聞きしています。 
 最近では無宗教葬という言葉も多くつかわれるようになってきたので聞いた事はあると言う方も多いかと思いますが、地方から葬儀に参列される方やご高齢の方にとってはあまり馴染みもなく、たとえ信仰がなくても葬儀ではお経を読んでいただかないと・・と思われている方も多いため、ご葬儀に参列したときに、戸惑われることもありえることから、場合によってはご親族には事前に説明をしておいた方がいい場合があるからです。
 ずいぶん前のご相談でしたが、ご主人を亡くされ、喪主をお勤めになられた奥様はご主人側のご親戚との関係があまり濃くなく、事前に無宗教での葬儀を行なう旨の報告をできなかったことから、ご葬儀が始まってすぐのご挨拶で事情をお話しし、無宗教での葬儀にすることをお伝えしていました。

 ご葬儀における宗教については、各ご家庭だけでなく、各個人にもかかわる事もありますが、まずは皆様が故人様を大切に送る事を一番にお考えいただければと思います。

アンケートのご協力

 センターでは、ご紹介させて頂いた葬儀社で葬儀を執り行った方へ、アンケートのご協力をお願いしています。
 
 先日届いたアンケートで、センターをご利用された理由をお聞かせ頂く質問に、「ネットでの御社の活動内容と利用された方々のアンケートをじっくり読ませて頂き、安心であると思った次第です。」とお書き下さった方がいらっしゃいました。

 実際にご利用頂いた方から頂くアンケートのご回答が、これから葬儀を考えるかたにとって、とても参考になっているということが具体的に実感させて頂き、とても励みになりました。

 お褒めの言葉やありがたかったなどのお気持ちをお書き頂いたご回答だけでなく、気になった点やご不満だったところなど、実際に経験された方からご協力頂く率直なご回答は、私達がたくさんの言葉を使って伝えるよりも、葬儀について心配を抱えている方々にとっては一番参考になるものだと思います。

 先に書いた、アンケートをじっくり読んでセンターへご相談されたというご相談者からご葬儀後にご協力頂いたアンケートの最後の質問、「お答え頂いた内容をあさがお葬儀社紹介センターのホームページに掲載させていただいてもよろしいでしょうか」で、「はい」のところが丁寧な丸でかこまれていました。

お墓を引っ越ししたいのですが・・。

 葬儀のご相談では、その後のお墓についてまで話が及ぶ事があります。
 ご納骨先が決まっていない方にとっては、それも大きな心配ごとで、葬儀が終わって四十九日までに納骨しなければということを知っていると特に急いで探さなくてはと思ってしまわれるようです。
 センターはお墓については専門ではないので、具体的な霊園や墓地の案内はいたしませんが、一般的なことでしたら、葬儀後の流れとしてご相談に対応させていただいています。

 先日、ご実家の親御様が心配な状況ということで、葬儀の事前相談を承りました。
 ご相談の途中で、ご納骨先の話しになり、一人娘で、ご実家の祖父母のお墓が地方にあるが、なかなかお参りに行けないので、自分が近くの室内墓などを購入してもいいのでしょうかとのご質問をいただきました。
 地方にあるお墓もお寺のお墓ではないので、他に継ぐ方がいらっしゃらなければ、ご自宅の近くにお引越しをしていただいても大丈夫であること、また、宗教の信仰などが無い場合でしたら、新たにお墓を購入するのであれば、四十九日などの期限はないので、じっくり検討して納得がいく所にお決めになられたほうがいいという話しをさせていただきました。

 また、もう一つの問題として、お墓を継ぐ人がいないというご家庭もこれからも更に増えてくるのではないかと思います。これは菩提寺であっても同様で、家系の最後にあたる方にとっては、どうしたらいいのかなかなか判断がつかないようなこともあると思います。
 自分だけで決めていい立場なら心配はありませんが、そういうわけにはいかない立場の方は、一般的なことだけでもまず知って頂くと良いかもしれません。