担当者の気遣い

 病院の一室で84歳のお誕生日を目前に、お父様は静かに息を引き取られました。

 ご自宅にお戻りになり、御家族皆様の思い出になるようにと、御家族の手で最後のお誕生日をお迎えになりました。

 3日後、お誕生日を終えられ、斎場に向かわれる際、柩の脇に置かれた大きなケーキを見つけたご葬儀の担当者は、少しでも皆様の思い出になるようにと写真に撮ってから、その見事なケーキを柩のお父様の脇に置かれたとの由。

 お誕生祝いのケーキは御家族の皆様にとりましても特別なものとなり、思い出深いご葬儀になった旨、ご報告を頂きました。

 お父様を亡くされたご高齢のお母様にとって、2日間の斎場への往復は体力的にきついとのお話をお伺いしたご葬儀の担当者は、斎場2階のバス付の遺族控室を提案し、浴衣もご用意できますが、のりが付いたごわついた感触がきつく感じられるのではと、普段、着慣れていらっしゃるパジャマ持参を推薦されたとの由。

 お蔭様でお母様はゆっくりお休み頂け、2日間を無事乗り切ることができましたとお母様のことが気掛かりだった喪主の息子様から早速のご報告がございました。

 永年、町の商店街で魚屋さんを営んできたお父様の故郷は千葉の港町でした。

 お父様のご葬儀が進行する中、大切に保管されていた大漁旗が斎場に届けられたのは、最後に執り行う柩へのお花入れ直前でした。

 お時間が無い中、担当者のとっさの判断で大漁旗が広げられ、柩全体を包み込むように覆うと、鮮やかな大漁旗はたちまちお父様の旅立ちにふさわしい装いとなり、商店街のお仲間達も万来の拍手でのお見送りとなりました。

 初めてのご葬儀で、お気持ちの余裕がない中、担当者のちょっとした気遣いが大きな力を発揮しています。

スタッフの動き

先日、お通夜の立会いに行かせていただきました。
私が式場に着いた時はすでにご遺族、ご親族の皆様はお集まりになっていたので、担当者に案内をしてもらい、依頼者の方にご挨拶をさせていただきました。

通夜開式の30分程前だったので、すでに式場の準備はほぼ整っており、スタッフの人達は式場に到着したご親族のご案内や最終チェックなどをしているのを外から拝見させていただいたのですが、その日はスタッフが全員男性で、キビキビとした動きがとても印象的でした。

あっちこっちと、よく動いてるのですが、決してバタバタにはならずキビキビと、そして、当然のことながらしっかりと目は行き届いている。
式中に来た会葬者の車が目に入ると、すぐに駐車スペースに行き、違うスタッフがそれに気付き、受付に案内をする、など、スタッフのチームワークの良さもよくわかりました。

閉式後に少しだけ担当者とお話をさせていただいていたのですが、お帰りの方が目に入るとすかさずお見送りに行く。

担当者やスタッフのフットワーク、目配りに気配り、チームワークの大切さをあらためて実感しました。

無難なお葬式

 最近は、ご高齢に伴い、御家族とごく内輪のご親族を中心とした、ご葬儀が増えて参りました。

 当センターでは皆様からご相談を頂き、少しでもご喪家のお気持にそったご葬儀を心がけ、ご要望に適していると思われる地元の賛同葬儀社のご紹介をさせていただいております。

 ご葬儀の良し悪しを決める基準として金額の問題等もございますが、それ以上に担当者はご喪家と同じ目線に立って、ご要望をどれだけ汲み取れるかが大きな鍵になるように思われます。

 と申しますのも、最近知り合いのご葬儀に出席する機会があり、担当スタッフの方々の親切・丁寧な立ち振る舞いと粛々と進行していくご葬儀を拝見し、ご喪家独自のご要望がどれだけ生かされているか、少し優等生になり過ぎてはいないか等、あまのじゃくな疑問が湧いてきたのも事実です。

 担当者も組織の中の一員ですので、勝手な行動は難しいとは思いますが、内輪のご葬儀であればこそ、もう少し踏み込んでご喪家のご希望を汲み取り、独自な目線でのご葬儀を期待するのは難しいことなのだろうか。

 ご参列の方々のお気持に、故人様との思い出をどれだけ刻むことができるか。

 はたまた、御家族の方々には自分たちの手で見送ったという実感を味わわせてあげることも重要な要素ではないだろうか。

 あるベテランの担当者の場合は最期のお別れで柩に祭壇のお花を入れる準備の為、通常一旦全員の退場をお願いしますが、こちらではご会葬者ご着席のまま舞台裏をお見せして、準備が整い次第一気にお花入れに入り、ご列席の皆様はそれぞれに最期のお別れをいたしました。

 そこにはお花入れという儀式はなく、お一人お一人が純粋に別れを惜しんでいる姿が伺え、感慨深い思いがしたものでした。

 独自のやり方で特徴を持たせ、それが担当者の腕の見せ所でもありましたが、久しぶりにご葬儀の現場に伺い、ある意味反面教師として、これからのご葬儀の在り方について、学ばせて頂きました。

担当者の気遣い

 「晩年、父は病の連続で苦しい人生になり、医者にも恵まれず、大変な思いをしてきましたが、最後に良い葬儀社さんとご住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったのかな・・・と思っております」

 相談者からご葬儀後に頂いたお礼の文面です。

 内輪のご葬儀が多い昨今では、ご列席の方々もご葬儀を経験された方が少なく、ご喪家の方々にとって不安と戸惑いの中、葬儀社の担当者の存在とアドバイスがひと際クローズアップされ、担当者のアドバイス如何で、ご葬儀の良し悪しまでも決ってしまうのでは、とまで言われています。

 センターでは、ご葬儀後アンケートのご協力をお願いしておりますが、このアンケートでも、担当者の目配り、気配り、心配りのアドバイスぶりが多く寄せられています。

 お気持が揺れ動く中、担当者からいきなりご葬儀の説明をされても難しい場合がありますので、まずは担当者からスケジュール表をお渡しし、何時までに決める必要があるのか、はたまた何時までに提出するのかその都度、丁寧に説明されて心強く思われた方。

 当初、ご自宅以外にご安置をご希望になり、葬儀社さんの自社安置所に搬送されましたが、お母様のたってのご要望でご自宅安置に切り替わった際も、お気持ちを察し快く引き受け、その間の費用をサービスされたことで、ご喪家の方々の信頼を一気に得て、頼りにされた方。

 自社安置所にて納棺の儀の際、あえて御家族皆様の手を煩わせる形で執り行い、予算を出来るだけ抑えたいご意向を酌み、午後からご遺体を市営斎場の霊安室に移動し、その柔軟な対応ぶりにご喪家の信頼度も高まり、ご喪家の方々からは「今度葬儀がありましたら、いの一番に推薦しますよ」と口々にお声を掛けて頂いた方等。

 小規模なご葬儀では担当者がどれだけご遺族のご要望に耳を傾けることができるか、ご葬儀はある意味、担当者の采配によって決まると言っても過言ではありません。

遺族と親戚の要望

 葬儀の事を決めるにあたり、ご家族の意向だけで決めることが難しく、調整が必要になることがあります。

 以前、ご本人は「自分の葬儀は火葬だけしてくれればいい」と、残される家族に伝え、ご家族もその心づもりでいたところ、ご本人の兄弟から「宗教者に来てもらって、きちんと行ったほうがいい」という意見を押され、ご遺族が混乱してしまい、どうしたらいいかわからなくなってしまって・・というご相談をいただきました。

 このご相談では、残されたご家族がまだ若い息子さんだったため葬儀のことについてもよくわからず、また、できるだけ費用を抑えたいというご要望がありました。

結果、ご親戚のきちんとした葬儀との間をとって、葬儀社が両者と話をして、神道での一日葬というかたちを提案し、ご親戚もご納得されたうえで、無事に葬儀を執り行い、実際のご葬儀ではご親戚の方にもほめて頂けたとのことでした。

 この時ご紹介した葬儀社の担当者は、「話をとてもよく聞いてくださり、とても細かなことでもきちんと説明してくれた。」など、実際にご利用になったご依頼者からご協力いただいたアンケートでも評価が高く、この時も、ご遺族とご親戚の間に入って調整されたとのことです。

 ご遺族とご親戚との間に入り、両者の話しを汲み取って調整するためには、担当者が「よく話を聞いてくれる」ということが大切なのだと思います。

骨身を惜しまずに・・・。

御 葬儀の担当者に対する感謝のお言葉として、「骨身を惜しまず」はご喪家の方々にとって何ものにも代え難い意味合いが込められているようです。

特に初めてご葬儀をお出しするご喪家にとって、やり直しは出来ず、何からどの様に手を付けてよいのか、何か手落ちはないのか、様々な思いだけが堂々巡りしている状態の中、担当スタッフの助言は心強く、まさに頼もしい存在です。
特にご葬儀後のアンケートでも担当者の対応ぶりをご評価いただき、「骨身を惜しまず」のお言葉を拝見する度に、担当者をご紹介する当方も我が事の様にホッとさせられます。

メールでのご相談をお受けしていた矢先、お父様が急変され、緊迫した中、急遽お見積りをお取りした葬儀社さんとのやり取りに、当初ご相談者は警戒気味の御様子でした。
ご自宅以外へのご安置をご希望になり、お父様は葬儀社さんの自社安置所に搬送されましたが、暫くしてお母様のご要望でご自宅でのご安置に切り替わりました。
担当者はお母様のお気持ちを察し、搬送の切り替えを快く引き受け、その間の費用はサービスされたことで、一気に信頼感を得、以後ご喪家の方々は担当者を大変頼りにされたとのことです。
担当者はご自宅でのご安置を出来るだけ長くし、その間にご近所の方には最後のお別れをしていただけるように助言をし、ご仏壇の購入に際しても市内の仏具屋さんに足を運び、推薦できる店を調べ、ご購入の際には実物を良くご覧になって頂くよう忠告されたとの事。
早速「忠告に従って購入しました」とご相談者からご報告も届きました。

会社の関係でご葬儀日程を最優先されたご相談者からは「希望日までに日にちが迫っており、式場・火葬場とも塞がっている状態でしたので、他の葬儀社さんからはご希望の日はお取りできませんと却下されたが、ご紹介頂いた葬儀社の担当者さんはどのようにすれば希望の日程で執り行うことが出来るかを第1に考えて奔走してくれ、無事ご葬儀を終えることができました。常にご喪家の気持ちになって考え、行動してくれたおかげです」。

「最初のコンタクトから葬儀までほとんど時間が無かったのに対して、とても的確に対応してくださり、安心できました。担当者の方は知識や経験も豊かでこちらが迷うことなくその都度アドバイスもくださいました。機会があれば、又お願いしたいと思っております」

ご喪家の皆様のほっと安堵されたお顔が目に浮かびます。
と同時に、担当者の方々の骨身を惜しまないお仕事ぶりに感謝いたします。

担当者とのコミュニケーションを大切に・・・。

 「父の葬儀の時も◯◯さんにお願いしようと思います。◯◯さんにはすでに伝えてありますので・・・。これからも、遺族の方達のために、頑張ってください」。
お母様をお送りされて一段落された折、改めて御礼のメールを頂きました。

 御家族3名様でお母様をお見送りされたいが、ご葬儀を執り行うのは初めてとのこと。
周りにご相談される方もいらっしゃらない御様子をお伺いし、地元の賛同社からベテランの担当者をご紹介させて頂きました。

ご紹介した担当者とのご相談もスムースに運び、ご相談者からの幾つものご要望にも迅速に対応していただけ、お母様とは火葬のみのお別れでしたが、質素な中にも印象深いおみおくりが出来たことに、感謝していらっしゃるとの由。

ご不安なお気持とやり直しがきかない状況に置かれ、滞りなく執り行うことが急務の中、担当者の存在は大きく、小規模なご葬儀では特に担当者とのコミュニケーションの取り方如何で、ご葬儀の良し悪しが決ってしまうと申し上げても、過言ではありません。
ご相談者のご要望をいかに迅速にくみ取り、アドバイスできるか、担当者にとっては限られた時間との戦いでもあります。

●ご喪家のご事情を酌んで「これで十分、これは必要ないとまで言ってくれました」
●細かいプランの変更や相談にも対応し、きめ細やかなサポートで、手作りの温かい式が出来たと満足しております。
●親戚からも「心に残るお葬式でした。家にも是非ご紹介してほしい」と言われました。
●「母はこういうご葬儀がしたかったんです。ありがとうございました」と・・・。
以上は当センタ―に寄せられた、アンケートの一文です。

お時間がございましたら、ご紹介した担当者の方と直にお会いになり、ご要望等お話し合いをされ、ご納得のいくご葬儀でお別れして頂ければと存じます。

好むタイプは人それぞれ。

 何年か前にご相談いただき、センターからご紹介した葬儀社で葬儀を行ったご依頼者から再度のご相談がありました。
 以前のご葬儀で担当した担当者の対応が心に残っていて、本当はまたその担当者にお願いしたいくらいなのですが、地域が離れているので、このあたりで同じような担当者がいる葬儀社を紹介してほしい、とのことでした。

 このご相談者は、以前のご葬儀の際にアンケートのご協力して下さっていて、対応した担当者について高い評価をされています。
 たしかに、その担当者は、今までのご紹介でも対応面で評価が高く、親しみのあるタイプの方なので、この度のご相談でも名前が出るのは納得です。

 ただ、同じ担当者でも、人によっては、合わない方もいらっしゃいます。
 他のご相談で、その社ともう一社の2社をご紹介しご検討いただいたところ、費用は少し高くても、と、違う方の葬儀社をお選びになりました。
 そのご相談者は、親しみやすいタイプよりも、真面目で几帳面なタイプの方の方が合っていたようです。

 葬儀社を選ぶ際、多くの方は主にホームページの体裁や見積りの金額などをご参考にされることが多いと思いますが、実際のご葬儀では、それだけでは見ることができない、担当者と合う・合わないということが大きく影響することがあります。

 可能であれば、実際に担当者とお会いいただき、そのうえでご検討されることをお勧め致します。

ご葬儀はご遺族の「こだわり」が鍵となる

 お医者様からご準備をと促され、慌ててインターネットで検索をされ、情報集めだけはされたが、氾濫している情報の中から我が家に見合う情報をピックアップされるのは至難の業でもあります。
勢い、既製品で間に合わせるように決めて、可もなく不可もなくご葬儀が終り、心に残るものが今一つ実感できないもどかしさを感じていらっしゃる方も多いかと存じます。

 ご葬儀の良し悪しは金銭だけでは測りきれず、ご遺族、担当者、周りのスタッフ皆さんの気持ち次第で大きく左右されます。

先ずは、ご遺族が故人との絆を大切に、これだけはしてあげたいというこだわりを持つことでご葬儀に参加され、担当者は出来るだけご要望に添える様考慮し、提案していきます。

納棺に間に合わなかった弟様のたっての願いは「最後の一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。

当初ご自宅で納棺後、日華斎場での1日葬という段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちとのことで、ご相談者のお仕事の関係から難しい状況となり、急遽担当者の提案で、地元のお寺さんでのご葬儀に切り替わりました。
納棺を済ませ、ご葬儀会場となるお寺の安置所に移動されましたが、弟様が遠方から駆け付けたのは、ご葬儀前夜になってしまわれました。
通夜を執り行わない1日葬で、しかも式場費が半額とのことで、通常のお泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者が掛合い、2階の空いている和室を無償で提供いただけることになりました。
1階にご安置されている柩を2階の和室に運ぶ手立ては、階段しかありませんでしたが、御兄弟3人で力を合わせ、柩のお父様を2階和室にお運びし、お父様を囲み御兄弟で最後の晩をお過ごしになられたとの由。
感無量の面持ちで、担当者にお話されたとお聞きしております。

また、一方ご相談当初白紙状態のご葬儀では、ご検討の結果、お食事と返礼品は亡くなられたご主人好みのお料理と、ご喪家の記念になるものをご喪家側でご用意することになりました。

さらに、会社でイベント企画のお仕事をされているお嬢様がご葬儀の進行役をお努めになり、ご葬儀中、担当者は脇でアドバイザーとしての意見を申し上げるにとどめ、ご葬儀を見守って行く形をお取りになりました。

「生前父は私の仕事内容を良く分かっていなかったようですが、これで理解してくれたと思います」とお父様の最期を取り仕切り、悲しみの中にもご満足された御様子が伺えたとのことです。

ご遺族の「こだわり」の意を汲み取ることも大切です。

担当者との信頼関係

 先日、センターの賛同葬儀社の担当者の話しを伺ってきました。

 その葬儀社は、一人の担当者が打ち合わせから葬儀、葬儀後の相談など、一人の担当者が最初から最後まで対応しています。

 事前相談をしていない場合、葬儀社の担当者との「初めまして」は葬儀の打ち合わせの時だと思います。
 大切な人が亡くなったばかりの時、お葬式のことに不案内なご喪家の方が一番頼りにしたいのは葬儀社の担当者ではないでしょうか。

 先日話しを伺った担当者は、「まず信頼して頂くことが大事、ご喪家の方の話しを聞き、どうしたら心を開いてもらえるかを考えながら話しをしています」とおっしゃっていました。
 そこから信頼関係が出来上がり、数日後のお葬式でも安心して頼ってもらうことができれば、ご喪家の方も安心して故人様を見送る事ができるのではないか、と思って対応しているとのことでした。

 以前、センターからのご紹介で葬儀社を選び、葬儀を行ったご相談者から葬儀が終わってすぐにメールをいただきました。
 ご家族の雑談の中で、(故人様が)桃が大好きだったけれど、桃の季節は終わっちゃって残念だったね、という話しが担当者の耳に入り、ご葬儀当日、担当者が季節外れの桃を用意してくれてお供えしてくれたことが何よりもうれしかった、ということが書かれていました。

 家族葬のような規模の葬儀では、特に担当者との信頼関係が葬儀の満足につながるように思います。

 確かに小規模な葬儀社であればそのように対応するしかない、という状況もありますが、それも葬儀社によって担当者の考え方や対応は異なります。

 『葬儀社を選ぶ』というのは、会社の規模やホームページの体裁、価格だけではなく、「信頼できる担当者」というのも検討材料に入れて頂くと安心できるのではないかと思います。