方向だけでも決まっていれば・・。

無事にご納骨を終え、落ち着きましたので・・・と、以前ご相談に対応させていただき、ご葬儀を行なわれたご相談者からわざわざのお電話をいただきました。

ご入院先が都内の病院で、お子様たちは都内にお住まいになられており、ご実家は他県で、菩提寺もそちらにあることから、都内で火葬を行なってからご実家の地域で改めて葬儀を行なうか、もしくはご実家の方へ長距離になってでも搬送し、そちらで葬儀を行なうかを迷われてたご相談でしたが、事前相談の段階で、都内の火葬場で火葬するという方向に決まり、ご葬儀ではご家族やご親族が大勢が東京の火葬場にお集まりになられてのご火葬となりました。

ご相談の時点では、先に火葬を行なってしまっていいのだろうか、長距離のご搬送についてもお身体の面や費用の面でも心配であり・・など、色々と悩まれていましたが、先日いただいたお電話では、「東京で火葬を行ない、地元に戻って時間をおいてからの家族葬という形は気持ちに整理がつき、私たち家族にとっては最善のかたちだったと思います。」と、迷いながらも事前にお決めになられていたことが、ご家族のご満足のいく形でお母様をお見送られることにつながられたようでした。

たとえ余命を知らされていて、覚悟はできているつもりでも、ご家族がお亡くなりになられた現実はなかなか受け入れがたいものがあるかと思います。
葬儀はお亡くなりになられてから数日間と短い間に準備を行なわなければならず、その間に決めなくてはならないこともたくさんありますので、方向性だけでも事前に決めておけば、お気持ちのうえでの整理もつきやすくなるのではないかと思いました。

お別れの時間をゆっくりと。

 ご相談では、火葬のみの直葬を望まれる方が年々増えているように感じますが、同じ直葬での葬儀でも選ぶ理由は各ご家族により様々で、いろいろな想いがあるようです。

 直葬での葬儀は、お葬式の中で一番低価格で行なえる葬儀ですので、直葬を選ぶ理由としては、とにかく費用を抑えたいという方が多いというのはもちろんですが、最近ではお身内の方が皆様ご高齢で、葬儀に来ていただく負担を減らすためであったり、ご対象の方が残されたご家族のご負担を軽くするために望まれたりなど、周りの方のために直葬を選ぶ方も増えているように感じます。

 ご家族としては、大切なご家族を火葬のみで送るのは忍びないと思われている方もいらっしゃいます。せめてお別れの時間だけでもゆっくり取ってもらいたいというご要望もお聞きします。

 ご自宅にご安置できる場合はご火葬の日までゆっくりお過ごしいただくことが出来るのですが、安置所にご安置している状況の場合、安置所からご出棺をしてそのまま火葬場へ行き、火葬場で10分少々のお別れをしてすぐご火葬という流れが多く、読経なども火葬炉の前で行なっていただくので、ゆっくりお別れをする場所がないというのが現状のようです。

 そのような中、最近、式場の中の一番小さな一室を安置所にして、ご出棺前にそこでゆっくりお別れをしたいただき、火葬後にまたそこへ戻り、皆様で精進落しの食事がとれるようなサービスを始めた貸式場がありました。
 火葬のみでは忍びないと思われているご家族にとってはとてもありがたいサービスではないかと思います。
 ただ、このようなサービスができる式場はまだ少なく、地域によっては、まだこのようなお別れが出来ないところもあるのが現状で、これから先、もう少し増えてくれるといいなと思っています。

 葬儀の式場も、自宅で葬儀を行なうことが当たり前だった時代から、その後、会館・葬儀場を使用して葬儀を行なうことが主流になり、家族葬が増えてきたので、広かった式場を区切って小規模な葬儀に合うような式場に改装したりなど、多くの使用者が望むかたちに変化してきているところで、これからは「火葬のみでもゆっくりお別れが出来る場所」が多くできるといいなと期待しています。

皆様、おいでください。

  5年程前のご相談メールとその時頂いたアンケートのコピーを、時々手に取っては読み返しています。

 病院にて闘病中のお父様のご容態は、今すぐどうということではないが、お父様の為にもできるだけ慌てないで対処したいと思い、ご連絡をいたしましたとの文面から始まっております。
 
 お見舞いに日参しているお母様の身体を気遣い、最期は家族だけで静かに見送ってほしいというのが、お父様の願いです。

 当初、万が一に備えてのご相談をされる一方で、病院に日参されているご自身の行動に、冷たい人間だ・・・という罪悪感を覚え、どこかでお父様を裏切ってしまったのではという思いまでされたとのことです。

 しかしながら、当センターとメールでのやり取りをして、ホームページを読み込んでいくうちに、やがてあらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることに繋がるのだと思うようになってきたと、心の経過報告をされていらっしゃいましたが、それでも一つだけずっと心に引っかかったままの状態があるとのことでした。

 センターのホームページの中で「ご家族だけでお見送りすることも大事だが、永年のお付き合いの中で、最後のお別れをされたい人の気持ちを汲んであげることも大切」とのくだりが頭の片隅にこびりついて離れずにいると述懐されていました。

 それでも幾つかの山場を越え、揺れる思いも、ご葬儀直前には「父には申し訳ありませんが、結局は私たちがどれだけその人たちの気持ちを受け止められるか、というような気がする」とのお気持ちに定まり、「お見舞いも拒否され、最期のお別れもできないなんて辛すぎる」とのご親戚からのお言葉に、「どうぞお願いします。来てください」と言えました、とのご報告をいただきました。

 ご親族の皆様が久しぶりに一同に会された通夜の晩、皆様で大広間に雑魚寝をされ、さながら合宿所のような様相を呈し、一晩が思い出深く心
に刻み込まれた気がして、お父様が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えたとのことです。

 「翌朝、バケツリレーのように、大広間に次々とお布団の山が築かれたのは、圧巻でした。全てが過ぎ去る前に気づけたお陰で、ご列席の皆様にも、家族にも一生の悔いが残らずにすみました。涙も笑いもあるご葬儀でした。ありがとうございます」との文面が最後に記されておりました。

今年もインフルエンザの季節がやってきました。

 今年もインフルエンザが流行する時期に入りました。
 今年は例年より少し早いとのこと。この時期で既に流行りだしているそうで、友人のお宅では受験生がいるので、いつもはやらない予防接種を早々に家族全員が受けたそうです。

 我が家では、接客業の主人だけは毎年予防接種を受けていますが、私と娘はここ数年受けていません。
 しかし、去年は予防接種を受けた主人が一番最初にインフルエンザにかかり・・・。

 予防注射を受けている人はかかっても軽く済むとは言いますが、軽いか重いかは本人の感覚次第だとも思うので、本人が重いと思えば重いのでしょう。
 今年も早々に予防注射を受けていたようですが、受ける意味があるのか疑問です。 

 受験生をはじめ、ご高齢のご家族がいたり、家族の中に病気を患っている方がいらっしゃる場合にはウイルスを持ちこまないように十分ご注意ください。

担当者さんの心配り

 生花祭壇の花は、ご出棺前のお別れの時に皆様の手でお柩の中に納めることが多いのですが、祭壇が大きく、全ての花がお柩に入りきらないような場合、残った花で花束をいくつか作り、ご喪家やご親戚の方々にお持ち帰りいただくようは計らいをしてくれる葬儀社さんもあるようです。

 我が家ごとではありますが、以前義父の葬儀を行なった際、骨葬だったため葬儀の時には柩が無く、祭壇に使った花は片付けの際に花屋さんが持ちかえるものだとばかり思っていたのですが、ほとんどの花を花束にして、持ち帰れるように準備してくれていました。
 先に家族だけで火葬を行ない、後日に告別式を行なうという順番の違う葬儀だったため、最期のお別れが出来なかった義父の兄弟たちが、義父のために作った祭壇の花をよろこんで持ちかえって下さいました。仲の良かった兄弟でしたが、火葬に立ち会えなかった事には一切触れず、葬儀が終わって数日後に、「あの時もらった花のおかげで弟を偲ぶことが出来た」と伝えられた時、改めて葬儀社の担当者と花屋さんの心配りに感謝しました。

 葬儀社さんにとっては小さな心配りやあたりまえの気配りだったとしても、受け取る側にとってはとても大きく感謝したいものになることもあるようです。

介護ヘルパーは見た

 ご相談者が当センターを知ったきっかけに、介護ヘルパーさんから教えてもらったということが時にはあります。また、先日は、ある地域のケアマネージャーの研究会のようなところから問い合わせがありました。現場でご家族の方から葬儀のことを聞かれることが稀にあるので、研修会でテーマとして取り上げたいので協力してもらえるか、というような内容です。

 たしかに、家の中に入りこんでケアし、人間的な信頼関係もできてくれば、そうした会話が生まれてくるのも想像できます。
 
 しかし、私なんかの介護業界の知識と言えば、マスコミから流れてくるぐらいの情報で、成長分野ではあるが、現状では、仕事はきつく、待遇も悪く、離職率も高い・・・というようなイメージしかありません。人間的な信頼関係がでてくる余地はどこにあるのだろうか?

 『介護ヘルパーは見た』という現役ヘルパーの人の本を読みましたが、マスコミが流してくれる情報以上に、酷く暗くなります。

 介護職の離職率は年20%で、5年間で全員が入れ替わるほど人の出入りが激しい業界。在宅介護現場では約7割が登録・パートのヘルパーだそうですが、極端な実例とすると〜

 時給1300円として、朝・昼・夜の各30分ずつの訪問で、移動時間は時給計算されない事業所が多いので、実働分90分・1950円が1日分の給料。しかし朝昼晩なので1日拘束される感じになる。実働分1950円×20日=3万9000円の手取り。一か月20日働いて4万円弱!

 支出を抑えるために好き好んでやっているわけではないでしょうが、介護保険制度自体が、余裕のない、効率的な、人間味のないものへ進んでいっているも恐ろしい。(各現場では、こうした状況の中でも、できるかぎりの努力はされているとは思います)

 著者が危惧する、「気づいたら、ヘルパーがいなくなっていた」にならなければいいのですが。

担当者さんの想い

 「私、お節介すぎるんですよね」、女性の担当者さんが笑いながら話していました。「こうやった方がご喪家の方は喜ばれるかもしれない」と頭で考えるよりも体が動いてしまうそうで、結局自分が大変になってしまうのですが、良くしていただいてありがとうございました、と言われると、そのひと言で癒され、次も頑張ろう!となるそうです。

 葬儀社の担当者さんは、男性でも女性でも、根っからの世話好きタイプの方が多いように思いますが、大切な人が亡くなり、日常ではない数日間を過ごさなくてはならない状況のなかにいるご喪家の方にとっては、お節介すぎるくらいのお世話でもちょうどいのかもしれません。
 ご葬儀後にご協力いただいているアンケートでも、「担当の方を信頼していれば大丈夫と思えた」「会場でのリードが大変良かった」「感情面でもさりげなく、かつ十分にケアして頂きました」など、担当者のお世話ぶりに感謝をされている声が多く寄せられています。

 「お節介すぎる」女性の担当者さんは、ご納棺の時に必ず折り紙で折った馬を入れさせて頂くそうです。この折り紙の馬は、作り貯めしているのではなく、ご納棺の前に故人様のお顔を見て、ご葬儀が無事に執り行えるようにと念じながら一つ一つ折っているとのこと。
 「お節介すぎる」ことだけでなく、このような周りには見えない裏側での想いも、故人様やご喪家の方への想いとして、ご満足のいくご葬儀につながるのかもしれません。
 益々のご活躍を願っています。

引継ぎ

当センターの賛同葬儀社さんの担当者の方とは、いつも見積りをお願いするところから始まり、見積りの作成、ご相談者との面談の報告、ご逝
去された後の本見積り作成へと、逐一報告を頂いておりますが、常に緊迫した状況の中での連絡が多い中、ベテラン担当者も人の子、時として話し
の流れの中で、ふとそろそろ引き際も考えていると、弱音を思わず漏らす方もいらっしゃるようです。

 担当者と実際にお会いする機会は少ないのですが、立会いにお伺いした折、傍から見ていても、体力・気力が十分に備わっていることが第1条件
のようなこのお仕事は、どちらかのバランスが崩れると、先のような迷いが一気に出てくるのでは、と思わせるところがあります。

 長年ご葬儀に携わった担当者には、それぞれ独自の仕切り方があり、そのやり方が個性となって発揮され、強いてはそれがご喪家に、大きな信
頼を得られるきっかけになっていることも、しばしば耳にいたします。

 あるベテラン担当者に伺うと、いかに初めてお会いした方と短期間に打ち解け、相手の懐に入っていかれるかが勝負とのこと。
 そのためには資料をいっぱい持って行き、相手を迷わせない。
 いかにこの人は大丈夫だという安心感を持たせるかが大切、と力説されていらっしゃいました。
 長年の経験からくる細やかな気配りや適切なアドバイスは、若手の担当者になんとか肌で感じてほしいものです。

 一方で、若い担当者の頑張りを見たご依頼者から、高い評価のアンケートを頂いたことがありました。
 それは期待と励ましの意を込めて10点満点中12点という高得点で、実際は9点といったところですが、若いスタッフの前向きな仕事ぶりと、暖か
い心遣いに触れ、感激されてとのこと。
 経験を積むことで、将来はより素晴らしいサービスを提供してくれる、と期待を込めた評価でした。

 フットワークのよい、若い担当者への引継ぎをよろしくお願いいたします。

その方のためだけの生花祭壇

 生花で作った祭壇が飾ってある式場に入ると、まず、花の香りが式場の中いっぱいに香っています。普通に生活をしている我々は、あれだけ沢山の花を見るのは、生花祭壇くらいなのではないかと思いますが、あのような綺麗な祭壇を数時間で飾る花屋さんの準備は本当に大変だと思います。
 限られた時間内で完成させなくてはならないわけですから、事前の準備もさぞ大変なことと思います。
左右のバランスのチェックやなど、細かな微調整を行なって造られた祭壇は大きい、小さいに関わらず、いつもとても綺麗にできあがっています。

 祭壇と共に念入りに位置を確認しているのは供花です。左右対称の位置に飾られた供花は、祭壇と共に配置のバランスを念入りに調整し、祭壇を更に大きく見える手伝いも担っているかのようです。
 供花は、白い菊をメインにしたものや洋花で造られたものが多いかと思いますが、以前立ち合いで伺ったご葬儀では、祭壇に使っている花と同じ花を使用した供花を飾っていました。まるで一つの大きな祭壇のように見えるほどとても綺麗だったのを覚えています。

 センターでは、立会いに伺えなかったご葬儀は、葬儀社さんにご協力いただき、祭壇やご葬儀の様子の写真を拝見させていただいています。
 祭壇は各社それぞれのデザインがあり、また、故人様のためだけに作るものということから、ご家族の希望で個性的な祭壇になる場合もあります。実際の立会いや施行写真を拝見し、多くの祭壇を見てきましたが、みな同じではないというところが、生花ならではのいいところだといつも思います。

 最近では、白木祭壇よりも生花祭壇の方が費用を抑えられるプランを用意している葬儀社さんも多く、最期に故人様のお棺に沢山のお花を入れてあげることができる生花祭壇は、これからもますます希望される方が増えていくのではないでしょうか。

20年前の合同葬

 センターのホームページに掲載している社葬のページをもう少し詳しくてわかりやすいものにしようと、改めて勉強しています。
 今手をつけているのが、「中小企業の社葬」のページです。
 社葬というと大手の企業が行なうもののように思う人も多いと思いますが、中小企業でも創立者や役員などの葬儀を社葬で行うことは珍しくありません。

 私も以前勤めていた会社で社長が亡くなり、社葬(合同葬)での葬儀を経験したことがあります。
もう20年も前のことで、お葬式に参列した経験もあまりないような頃、葬儀についてなにもわからず、受付に立って、指示されたことをただただ慌ただしくこなしていた記憶しかありませんが。
 ただ、今思うと、役員を含めても総勢10人に満たない会社でしたが、なぜ社葬にしたのかの意味がよくわかります。
 役員は皆、親族という、同族会社でしたが、社長だけはオーナーがお願いして引き受けてもらった、いわゆる雇われ社長でした。
社長が亡くなり、葬儀には会社関係の方もたくさん会葬に来るので、規模の大きな葬儀になることが予測され、ご遺族の費用面での負担を抑えるために、会社と遺族の合同葬という形にしたということ、また、新社長は20代とまだ若かったのですが、若くても会社のトップとして活躍できるというお披露目の意味もあったと思います。

もう20年も前のことですし、その当時は葬儀の事に何の興味もなかったため、何人の会葬者が来たのかとか、葬儀にいくらかかったのか、どんな祭壇だったのかなど、全く覚えていませんが、「葬儀社を選ぶ」など考えもしなかった時代のことなので、けっこうな費用がかかったということは明らかです。

今は、葬儀社を比較して選べる時代です。また、これから色々なことが変わってくるかもしれません。社葬や合同葬を考える企業からの相談にも新しい情報をきちんと案内が出来るよう、更に勉強をしていこうと思います。