葬儀関連のインターネット広告は激戦

 われわれがたとえどんなにいい活動をしようが、それを知ってもらわなけらば事業は継続できません。

 この知ってもらう方法にはさまざまありますが、有力な方法の一つが広告です。とくに、莫大な広告費を使えないところの救世主みたくなっていたのが、インターネットの検索キーワードに対応したキーワード広告といわれるものです。

 ヤフーやグーグルの検索ページの上部や右側に表示される囲みの広告がそれです。入札制でより高い金額で入札したところが上位に表示されます。確かに数年前まではこの広告に目をつけている葬儀社は少なかったので、やりかたにもよりますが費用対効果があったところも多かったと思います。

 しかしながら、この広告も現在激戦になっています。当センターでも先日この広告を久方ぶりにチェックしていましたら、入札金額の高さと参加している社の多さにびっくりしました。
 
 何はともあれ、いつの時代でも媒体が変われど知ってもらうということは大変なことです。

再度同じ葬儀社に依頼したくない理由について

 「葬儀施行後、48%の人は、再度同じ葬儀社に依頼したくない」(2002年、矢野経済研究所。東京都の場合)の話を当センターのホームページの中で紹介しています。

 これをご覧になった依頼者の方から、この理由について質問を受けました。何が問題で依頼したくなくなってしまうのでしょうか、と。

 一般的に行われているアンケートなどでは、一応、「予定より派手になってしまったっから」「費用の追加支払いが多くなったから」「形式的になりすぎたから」というような理由が上位を占めます。

 一応と書いたのは、表面的にはこうした理由で間違いないかもしれませんが、本当のところは少し違っているのではないかと思うからです。

 これまで数多くの相談を通して思うのは、支持されない葬儀社というのは次のようなところだと思っています。

 上記のような理由を言われてしまうほどに、依頼者が本当は何を考え望んでいるのかを、よく探り出そうとする努力もせず、そんなこととは関係なく、表面的なやりとりで施行していこうとする風土をもった会社。

 要するに、心あるコミュニケーションができない担当者がいる葬儀社には、再度依頼したくなくなると思うのですが、いかがでしょうか。

葬儀業界をサービス業の中に明快に位置付けてみてはいかがか

 財団法人・日本消費者協会が出している小冊子「月刊消費者」の特集号で「エンディングプラン 葬儀費用編」というものがありますが、その中で、信頼できる葬儀業者選びのチェックポイントとして、以下の3つのことがあげられています。

 1、電話などで問合せたときの対応が親身であること。
 2、見積書や資料、パンフレットなどをすぐ提供してくれ、わかりやすい説明をしてくれること。
 3、担当者が最後まできちんと担当してくれるかどうか。

 たしかに、葬儀社とのやりとりに慣れているわれわれの視点からすれば、まさにこの通りだと思います。

 ある程度の量と質において葬儀に関する知識を持っていて、なおかつ、かなりの葬儀社を回って自分の眼で確かめているという前提のもとでです。

 一般の人がチェックポイントにするのは少し難しいかもしれませんが、それでも、葬儀業界に特別な感覚で対するのではなく、サービス業界を見る常識的な視点で対する姿勢を持てば、そうそう間違った葬儀社選びにはならないような気がしています。

最近、互助会関連の相談が増えています。

 相談内容別に統計を取っているわけではないので、正確な数字はわかりませんが、互助会で施行するかどうか迷って当センターへ相談される方が増えてきていると感じています。

 ここ一カ月ほどの間で、故人などが互助会の会員でそこで葬儀をできたにも関わらず、当センターの紹介社で施行された方が3人いらっしゃいました。

今日受け付けた相談では、まだ互助会には入っていないが、親の葬儀の準備をしてるなか、互助会に勤める旧知の知り合いに相談したら入会を勧められたが、どうしたらいいのだろうかというような内容でした。

 互助会は、経済産業大臣より許可を受け、割賦販売法に定められた指定役務(この場合、葬儀サービス)の提供を目的とした前払い式特定取引業を営んでいる事業者のことです。
  要するに、互助会は、会員が毎月掛け金を積み立てて、その積立金をもとに葬儀を施行してくれる葬儀社です。そして積立金の半分は、万一会社が倒産しても保全されます。
  ここで注意が必要なのは、経済産業大臣の許可は、あくまで会員から積立金をとる営業方式を認めたものなので、 葬儀社のよしあしはまったく関係ないということです。大臣の許可を優良葬儀社の証のように宣伝しているところもありますので、気をつけたほうがよいでしょう。
  また、互助会と依頼者とのトラブルがいろいろ起きていることから、公正取引委員会は「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(2005年7月)の中で次のように指摘しています。

事業者における留意点 互助会加入契約時に、消費者に対して積立金完納後の割増サービス、解約の際に払い戻される積立金の額、互助会が倒産した場合の保全金額等の契約に関する諸条件について十分に説明する必要がある。

消費者における留意点 互助会加入契約を締結する際、その契約に関する諸条件の内容を十分に理解することが望ましい。

葬儀費用を抑えたい方は区民葬をもっと積極的に活用してみましょう

 東京都の場合の区民葬は嘗て都民葬と呼ばれ、当時は葬儀を自宅でやり、ご住職が主導権を握り取り仕切っていたので、都が祭壇を貸し出したのが始まりだそうです。
 全東京葬祭業連合会に加盟している葬儀社で受け付けていますが、区からの補助金なしで執り行っているのが現状です。
 取り扱っている葬儀社の方が「我々業者がある程度犠牲になってやっているんですよ」と言っているようにA,B,Cのランクに分けられた祭壇料はかなり抑えられています。
 Aランク・247,800円、Bランク・130,200円、Cランク95,550円(いずれも御寝棺含む)となり、連合会としてはCランクを免除して欲しいと区に掛け合ったが、逆に区としてはこれを看板にしたいと意気込んでいるとのことです。
 ご喪家側としては葬儀費用を大きく左右する祭壇費用をまずは抑えることができます。
 祭壇の他に区民葬の対象となる費用は霊柩車代、火葬代、遺骨収納器代が挙げられますが、葬儀社の葬儀一式と同じように、これで全てまかなえるものではありません。
 逆に含まれていないものはドライアイス、遺影写真、会葬礼状、返礼品、飲食代、生花、御供物、マイクロバス、斎場使用料、お布施代などが挙げられ、会葬者が多い場合は人手も要りますので別途人件費が掛かるようです。それでも総費用はかなり抑えられます。
 以上のように費用は抑えられるけれども、祭壇の選択はできませんのでシンプルすぎると思う方は、別途料金で生花を飾ったり、故人愛用のものを飾りオリジナルな演出を試みては如何でしょうか。
 ご利用方法はまず、区役所に医師の死亡診断書を提出する時、利用券の交付を申請し、それを持って区民葬儀取扱の葬儀社と契約することになります。 
 

手元供養品の社会的必要性

 葬儀業界の不透明さを背景にした情報格差によりご遺族側が不利益をこうむらないために設立された機関として、「あさがお葬儀社紹介センター」は平成16年3月に設立されました。

 現在、一都(東京)三県(神奈川、埼玉、千葉)の主要都市でサービスを展開し、年間300件ほどの施行をサポートしています。

 私は、このサポート業務での葬儀後のやり取りをとおして、手元供養の社会的必要性を感じ、紹介業務の傍ら、手元供養品の開発について考えてきました。2年余りにおよぶ開発期間とテスト販売をへて、今夏から本格的に販売を開始しました。納骨・供養の基礎知識なども解説していますので、よろしければご覧ください。

手元供養は御影のお守り

仏式での葬儀

 現在のところ、当センターが取り持つご葬儀の8割方は仏式が占めています。
 仏式と言っても浄土宗、浄土真宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗など宗派は様々ですので、その時になって慌てないためにも前もってご自分の家の宗派を確認しておく必要があります。

 事前相談のやりとりでも仏式で執り行うことは分っていても、宗派についてはなかなかすぐに答えられない方がいらっしゃいます。
 ご仏壇をお持ちの方はご本尊やお位牌を見ていただければ戒名の文字で宗派が分りますが、お持ちでない方はご親戚に問い合わせをされたり、ご実家に確認しておくようにしましょう。間違えてご葬儀の最中にご親戚から指摘された例もありますので。

 仏式のご葬儀でご相談が多い筆頭に挙げられるのがお布施の問題です。
 菩提寺が無い場合は葬儀社の方でご手配できますので、各社それぞれ多少の違いはありますが、相場としての見当はつきます。

 問題は菩提寺がある方です。特に菩提寺とは日頃疎遠になっていらっしゃる方から見当がつかないから相場を教えてほしいとよくお問い合わせいただきます。
 しかし、これは菩提寺との関係でおこころざしですので、我々は口が挟めません。

 同じ菩提寺の壇信徒さんやご親戚にお伺いし、相場をお知りになった上で、無理なようでしたら直接菩提寺にご相談されては如何でしょうか。
 同じ戒名でも菩提寺の格や諸々の条件によりかなりの差がありますので。

 菩提寺をお持ちの方は万が一の時真っ先に菩提寺にお伺いを立て、ご指示を仰ぐことが大事です。
 菩提寺が遠方だからといって、ご喪家が勝手に地元から選ぶのではなく、あくまでお伺いをたて、ご指示に従いましょう。
 ことによってはこちらでご手配することになるかもしれませんが、その場合にも菩提寺からは出来るだけ戒名をつけていただきましょう。

 ●仏式の葬儀
  ↑↑↑当センターのホームページでは仏式の葬儀について宗派が分らない方に見分け方を、また戒名やお布施についての心得を説明しています。

自分らしい葬送を考える総合展が明日から3日間開かれます。

「自分らしい葬送を考える総合展」(NPO手元供養協会主催)が明日から3日間のスケジュールで東京・渋谷で開かれます。

 講演やフォーラムの内容は以下のようなものがあるそうです。

最新の葬送事情、生前準備と葬儀、手元供養とは、現代のお墓事情、供養・納骨の色々、散骨と樹木葬などです。手元供養品などの展示コーナーも設けられるようです

日程 8月28日~30日 開場10時~17時
参加費 1日券1000円、3日間通し券2000円
会場 第3久我ビル4階(渋谷区渋谷3-28-8)

 関心がありそうなテーマがあるようでしたら、行かれてはいかがでしょうか。

 

「納棺夫日記」という本を読みました。

 われわれは葬儀社紹介センターなので、実際の施行はしませんが、葬儀社の担当者がする実際の現場をすべて見ているわけでもありません。立ち合いに行ったときなど一部分を見ているにすぎません。

 葬儀社の人が、現実の場面で、どんな意識や感情でもってやっているのかを知るために話を聞いたりします。

 そのためということではありませんが、よりいい話を聞けるように、葬儀社の人が書いた本などを読んだりします。今日は「納棺夫日記」(青木新門・著、文春文庫)という本を読みました。

 湯灌や納棺といった作業において、自分自身の心を鎮めるための、死や死体や死者との心の葛藤などをつづっています。「死というものと常に向かい合っていながら、死から目をそらして仕事をしてい」た著者が、どのようことがきっかけで、真正面から向き合うようになったのかが描かれていて、興味深い本でした。

葬儀費用は単純には価格比較ができないのでは

 葬儀費用について、これまで、消費者は葬儀の費用に関する情報を知る手立てがほとんどなかったのですが、インターネットにより情報がオープンになり知ることができるようになってきました。葬儀社サイドも、費用を含めた情報を出さざるを得なくなってきましたので、これまでのように、依頼者の無知を前提とした葬儀社主導のどんぶり勘定が通用しなくなってきているという流れにはなってきています。

 そうすると今度はその反動で価格競争のようなことがおこるのはどの業界でも同じです。規格が同じものであれば単純に価格は比較ができますが、サービスにつていはそういうわけにはいきません。内容を踏まえないと価格が低いのがいいとは一概に言えません。

 われわれはこれまでの多数の事例を踏まえて、葬儀社の価格を見るときは、単純に価格が安いかどうかよりも、依頼者とのコミュニケーションを踏まえたサービス面、提供される内容、満足の度合いなど総合的にみて、価格が適切かどうかのほうがより重要だと思っています。