生花祭壇の花

 花の多い季節です。外を歩いていると、花の写真を撮っている人をよく見かけます。

 事前相談で、「ずっと花が好きだったので生花祭壇にしたいと思っています」と生花祭壇を希望される方は少なくありません。。
 
 生花祭壇を希望される方が増えるのに伴い、生花祭壇にちからを入れている葬儀社さんも増えてきましたし、今では生花祭壇しか扱わない葬儀社も多くあります。

 生花祭壇はお花の種類や色をご遺族のご希望により選ばせてもらえたり、花の数を増やしてボリュームを出したり、逆に減らしてこぢんまりと作ってもらったり、ご要望に出来る限り応じてくれるところも多く、故人様が大好きだった花をメインに作ることに対応してくれることもあります。
 中には、予算に合わせてご遺族のご要望を織り込みながら祭壇をつくってくれる柔軟性に富んだ葬儀社さんもあります。

 以前、葬儀業界のイベントに行った時、某有名華道家の方がデザインした生花祭壇が展示されているのを拝見しました。
 ため息が出るほどの美しさと規模の大きさは、厳粛な中にも圧倒されるような迫力もあり、「すごい!」と感動しました。なかなか見る事ができない貴重な体験だったかもしれません。
 
 私の知人は南国が好きな人が多く、先輩方は「自分のお葬式はカラフルな南国の花で囲まれたいわ〜」とおっしゃいます。
 
 故人様が好きだった花があるのでしたら、相談してみるといいかもしれません。

ご安置でのお付き添い

 ご自宅では安置が出来ないという方のご相談で、たまにご安置中もずっと付き添いたいと希望される方がいらっしゃいます。
 できるならば葬儀の日まで自宅で一緒に過ごしたいと思っていても、住宅事情やご家族の状況などからご自宅には安置できず、やむを得ず安置所を利用しなくてはならない方にとって、夜間も付き添いができる安置所はとても有難い施設ですが、残念な事に、それに対応できる安置施設は数がとても少ないのが現状です。
 使用する斎場やご自宅の近くにあればぜひとお勧めすることもできるのですが、お近くにはない場合、色々な面から考えて、「やはり、わざわざ遠いところまでは行けない」と、あきらめる方もいらっしゃいます。

 自社に安置所を保有している葬儀社の担当者と話す機会があり、夜間のお付き添いのことを聞いてみました。
 その葬儀社さんは自社に会館があり、安置所もあるのですが、やはり夜間の付き添いには対応していません。
 複数名のご遺体を安置する安置所ではやはりずっと付き添うということには無理があり、対応はなかなか難しいとのことでした。

 以前、安置の際もずっと付き添いたい、というご相談がありました。そのご相談では、たまたまお近くに付き添いが出来る安置所がある環境だったのでそちらにご安置したのですが、結局、毎日ご面会には行かれたそうですが、夜間のお付き添いはせず、ご自宅にお帰りになられていたと報告があったことがありました。
 
 実際、ご家族はご看病のお疲れもあるでしょうし、ご葬儀の準備もいろいろあります。ゆっくりお付き添いをするというのは現実的にはなかなか難しいことなのかもしれません。

 ご自宅に安置ができない環境の方にとってはありがたい施設ではありますが、なかなか増えない理由はたくさんありそうです。

介護施設からのご相談

 先日、介護施設のスタッフの方からご相談がありました。
 ご入居されている方がご逝去され、葬儀のことがわからないのでとのこと。
 ご家族は遠方にいらっしゃるため、地元の事が分からず、ご家族が到着したときに困らないようにしておきたいというご相談でした。

 ご家族が遠方にいらっしゃる場合、葬儀をどこでするかを最初にお考えいただくのが必要になります。

 故人様がいらっしゃるところで行うか、ご家族の地元に連れて帰って、そちらで葬儀を行うか、ということになりますが、これは各ご家族の状況やご希望によってことなります。

 以前、故人様がいらっしゃるところで火葬をし、地元に帰って骨葬をとお考えになられたご相談がありましたが、やり取りをしているうちに、故人様を地元へ搬送し、地元で葬儀を行うことに変更したご相談がありました。
 地元には菩提寺があり、親戚も皆そちらにいらっしゃるとのこと。そのご相談者は、故人様と最期のお別れができる方をお選びになり、遠方へ搬送するということになりました。

 また、九州にいる方が、千葉県でお亡くなりになったお身内の葬儀を、千葉火葬し、九州で本葬することをお選びになられた方もいらっしゃいます。
 離れて暮らしているお身内の万一の時、どこで葬儀をするのがいいか、などのご相談にも対応しています。

気付かぬうちにオプションが?

 先日、スマートフォンの機種変更に行ってきました。
 窓口で見積もりを作ってもらい、一つ一つ説明してくれたのはいいのですが、あたりまえのように「オプション」が入っていて、しかもオプションの説明は流れるようにするっと。次の説明に進んでしまったので、とりあえず一旦話しを切って確認したところ、オプションはカバーと保護フィルムとSDカードだと。
 選ぶ段階で気が付くものではありますが、あまりにも自然な流れで説明をされたので、落ち着いた状態でなければ気が付かなかったかもしれません。

 葬儀のトラブルで、「よくわからないものが請求に入っていた」というのはよく聞く話しですが、お身内のご不幸で気が動転していたり、焦らされたりなどの状況の場合、不要なオプションのことも担当者は簡単に説明していても、ご家族は気が付かないこともあるかと思います。
 葬儀のオプションは万単位の高額なものもありますので、受け取った見積りはその場で確認、不要なものに気が付いたら、その旨を担当者に伝えて外してもらうことも必要かと思います。

 スマートフォンのカバーや保護フィルムなど、単価の高くないものであっても、いらないものにお金を払うのは気持ちが悪いものです。

 お亡くなりになってから、葬儀社を決める場合には、ご家族以外のご親戚なども同席してもらうとよいかもしれません。

地元葬儀社さんの計らいとは・・・。

 当センターでは地域のことに詳しい地元葬儀社さんのご紹介を重要視しております。
 ご葬儀までの短期間に如何にご要望にそえるご葬儀が執り行えるか、急な変更にも臨機応変に対応できるか、そこには地元葬儀社さんならではの強みがあります。

 納棺に間に合わなかった弟様のたっての願いは「最後一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。
 
 お父様がご自宅でご逝去され、当初ご自宅で納棺後、日華斎場での1日葬との段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちとのことで、ご相談者のお仕事の関係から難しい状況となり、急遽担当者の提案した、地元お寺でのご葬儀に切り替わりました。
 
 納棺を済ませた後、ご葬儀会場となるお寺の安置所に移動されましたが、ご相談者の弟様が遠方から駆け付けたのはご葬儀前夜になってしまわれました。
 ところが、通夜を行わない1日葬で、式場費も半額とのことでしたので、通常お泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者が掛け合い、2階の空いている和室をご提供いただけることになりました。

 1階にご安置されている柩を、2階の和室に運ぶ手立ては、階段しかありませんでしたが、ご兄弟3人で力を合わせ、柩のお父様を2階和室にお運びし、お父様を囲んでの最後の晩をお過ごしになられたことを、ご葬儀後感無量の面持ちで、担当者にお話されたとのことでした。

 また、直葬でしたが、担当者の計らいで、日長1日ゆっくりとお別れができた例もございます。
 
 当初ご家族・ご親族を中心とした家族葬をご希望でしたが、横浜市内の市営斎場はいずれも7~8日待ちの状態となり、火葬のみ2日後の朝9時枠に一つ空きがある状況を説明申し上げたところ、日にち優先で本葬はご自宅のある関西で考えたいとのご返事をいただきました。

 ところが、通常のご葬儀を執り行わないとなると、ご親族の方とお母様とのお別れはどの様にとの心配が頭をもたげてきましたが、無事担当者の計らいで自社安置室でのお別れが可能となりました。

 他家のご面会予定が入っていなかったのを確認し、定員5~6名様の安置室に直葬前日、20名様近くのご親族がお見えになり、2階の休憩室でお待ちになりながら、交代でお母様とお別れをされ、日長1日を有効に過ごされたとのこと。

 事前に見積りをお取りになった後、お時間がございましたら、出来るだけ担当者と直にお会いすることもお勧めしております。 

第1関門突破・・・。

 休日の昼過ぎ、電話口で「あ・・・、今日はお休みではないんですね」とおっしゃった後、一瞬の間があり、「五分後に掛け直します」とこちらが、えっと思う間もなく、ガチャリと切られてしまいました。
 5分後、「先程お電話した者ですが・・・」意を決し、緊張した面持ちの声が聞こえてきました。

 末期癌で入院中のご主人のご様子を心配された友人から、当センターの電話番号を教えていただいたそうです。
 そろそろ準備をしておいたほうが良いのではとのアドバイスを頂き、センターのホームページをご覧になった友人からの推薦とのこと。

 ご主人がお元気な頃には、菩提寺もないので、ご親族のみでのお別れをした後、お骨は一部手元に置き、残りは散骨にしたいとあれこれ最近の散骨事情をお話し合いされていたが、いざ現実的な状況になると、足がすくんで、一歩がなかなか前に踏み出せなかったとの由。

 ご連絡頂いた当初は、まだお話を進めたくないと戸惑いのご様子も見せていらっしゃいましたが、雑談を交えたお話をさせていただくうちに、せきを切ったように今までためていたことをお話になり、お気持も少し和らぎ、ホッとされたご様子がこちらまで伝わってくるようでした。
 「明日までに必ずご紹介頂いた社にご連絡します」と。
 先ずは第1関門突破ですね。

 お身内の方にとりましては病院通いの一方で、ご葬儀の相談をはじめなければいけないという現実が待っております。
 ご葬儀の準備をいつの頃から始めるか、多くの方が戸惑いと心の格闘を繰り返しながら、そのタイミングを見計らっているのも現状です。

 以前ご葬儀後にいただいたお手紙の中に、「当初病院に日参しながら、ご相談の日々に罪悪感を覚え、自分を冷たい人間だと感じ、裏切った思いすら致しましたが、一歩踏み出し、センターとのやり取りの過程で、あらかじめ知っておくことが、ひいてはキチンと送ってあげることに繋がるのだと思えるようになりました」とのご報告もございます。

式場を選ぶのは

 先日、私の友人から、お母様が心配な状況になったという事前相談を受けました。

 自分がすべてを取り仕切らなくてはならない立場。
 葬儀にはいくらかかるのか、後からどれだけ追加になるのか、などを心配していました。

 家族葬を希望、身内だけで送りたい、という事までは決まっていたので、式場はどのあたりにしようか?と尋ねると、「それも考えなくちゃいけないの?」と。斎場は葬儀社が決めると思っていたそうです。
 それを聞いて、どこで葬儀を行うのかを自分では決められないと思っている人がいるということを改めて知りました。

 「この斎場を使いたい」とあらかじめ決めていらっしゃる方もいらっしゃいますし、ご要望などから提案させて頂き、そこに決められる方もいらっしゃいます。

 式場は選んで頂いた方がよい項目で、式場を選ぶ際は、主なる人たちが行きやすい所、宿泊ができるかどうか、最寄り駅から近い?、駐車場は?広さは?値段は?など、ご要望によって選択肢が異なってきます。

 そこまで考えないといけないのか〜、と友人は言っていましたが、それは意外と大事な事で、タブレットで式場案内を見てもらうと、「場所によってこんなに違うんだ〜」と焦っていました。
 
 ご相談では、「近くにある〇〇会館を使いたい」など、具体的にご要望を伺う事もありますが、理由を聞くと、「家から近いから」「近隣の人がみんな使っているから」とお答えいただくことがあります。でも、葬儀のご要望を伺うと、その斎場では広すぎるかも?他の式場の方がいいのかも?と思うこともあり、他の式場も提案させて頂くことがあります。

 今回、友人の事前相談は地域的には割と狭く、家族親族が行きやすそうなところを、話をしながら見つけ出せましたし、斎場が混雑した場合でも、それは仕方ないよね、と納得してくれているので問題はないようです。

 どこで葬儀を行うか、これもできれば事前の段階で考えておくと、後々のご満足につながるひとつになります。
 

 

事前相談

先日、センターに御相談いただき、ご葬儀を終えたご依頼者からアンケートのご回答を頂きました。

「急な事で頭も心もパニックになってる時に要点を押えて説明して頂けて本当に助かりました。早くから準備できていたので、あわてずにすみました」

とのご回答で、事前相談をされることによって不安を軽減していただき、安心して葬儀社にご依頼されたことに、安心いたしました。

事前相談されるメリットは、万が一の時に慌てずに決めておいた葬儀社に依頼することができる点であると思いますが、葬儀社を決めるまでの間には、ご相談者がどのような不安を持っているのか、葬儀についての心配がどのようなものなのかなどを一つ一つクリアーにしていただくという経緯があります。

このご相談は、医師から余命を告げられた段階で、なにをどうやって進めて行ったらいいのか、なにもわからない、という状態から始まりました。
メールとお電話で何度かのやり取りをさせて頂き、葬儀社をご紹介させていただき、担当者とコンタクトをお取りになったうえで、担当者と直接お会いいただくことになっていましたが、ご面談を予定していた日にご逝去され、そのままその社へご依頼になりました。

事前に面談をすることはできませんでしたが、センターからの説明とご相談者がお電話で担当者とお話になられたことで、安心して葬儀社にお任せ出来たとのことです。

葬儀について、事前に相談することは、気になっていてもなかなか行動に移せない方もいらっしゃると思いますが、不安に思うことがあるような場合には、それを軽減するだけでも少し気持ちが軽くなることがあるかもしれません。

その時には考えたくない「葬儀」のことだと思いますが、小さな疑問や不安を取り除くだけでも、軽減できることもあるかと思います。

センターでは、そのような、小さなご相談でも承っていますので、お気軽にご相談いただければと思います。

式場を選ぶには

ご相談で、使いたい斎場をお伺いした際、〇〇会館、など具体的にお知らせいただくことがあります。

以前のご相談で、最初の段階で「〇〇会館(お寺の会館)がいいかな、と父が言っている」とお答えいただいたので、なぜその会館を選ばれたのか、理由を伺うと、「引っ越してきたばかりで近隣のことはよくわからないが、自宅から近くて、よくそこで葬儀をやっているのを見るので」とおっしゃっていました
葬儀についてのご要望は15名ほどの家族葬、費用を抑えたい、とのこと。
お考えになられていた葬儀会館は、規模の大きな葬儀でも対応ができるくらいの大きな会館で、式場使用料もお考えになられていた以上の金額でした。

家から近いことを第一優先にし、広さや費用のことをご承知されている場合には、そこで行うことが一番ご満足かと思いますが、ご希望する葬儀に適した式場をお選びいただける状況の場合には、選択範囲を少し広げたりなどで、式場の規模や費用のバランスをとることが可能になることがあります。

またほかにも、式場を選ぶ際は葬儀の規模や費用だけでなく、例えばご高齢の会葬者がいる場合はバリアフリーに対応しているところにしたほうがご負担は少なくなりますし、遠方から来る方がいらっしゃる場合には、通夜の夜に宿泊できるところが便利だったすることもあります。

ご葬儀を行う場所については、「何を優先事項にしたいか」をお考えいただくと、適した式場を選ぶことができるかと思います。

白木祭壇と生花祭壇

センターのご相談フォームには、どのような祭壇を希望されるかチェックを入れていただく項目があります。
まずは、白木祭壇、花祭壇、その他 の3つのうちからお選びいただいているのですが、最初のご相談の段階では白木祭壇にチェックを入れている方の方が花祭壇を選ぶ方よりも多く、「その他」は直葬など、祭壇を必要としない方がチェックを入れています。

白木祭壇を希望されている方にその理由を伺うと、「祭壇のことはよくわからないので、とりあえず白木祭壇にチェックしました」、「花祭壇は高いと思ったので」、など、積極的に白木祭壇を選んだというという感じではありません。
映画やドラマ、以前参列した葬儀など、日本のお葬式を思い浮かべると白木祭壇での葬儀の様子が目に浮かぶからなのでしょうか。

ただ、実際のご葬儀では、最初白木祭壇を選ばれた方でも、斎場に常設されている白木祭壇をご利用になる以外の方は、生花祭壇を飾ってのご葬儀にされることが多いようです。

生花祭壇にされた理由としては、その故人様のためだけにその都度作る祭壇であることや、祭壇に使用した花はお別れの際にお棺に入れてあげることができるので、たくさんのお花に囲まれた状態でご出棺できること、また、花の数の増減やデザインによって、葬儀の規模や予算に比較的柔軟に対応できるところなどのメリットが挙げられます。
また、自社会館を持たない葬儀社さんは、白木祭壇のセットを保管しておく倉庫を準備することや手入れなど、維持していくことが難しい状況にあることも、生花祭壇を勧めする理由の一つです。

以前、白木祭壇にチェックを入れられていたご相談で、理由を伺った際、「主人のイメージからすると、白木祭壇の方が合うような気がするので」と、奥様がご主人を想う気持ちから選んだというお返事をいただきました。
ご相談から程なくして執り行われたご葬儀では、大きな白木の祭壇の周りに皆様から頂いた多くの白い菊の供花が並び、故人様とはもちろんお会いしたことがありませんが、どのような方だったのかの想像ができました。

式場に入ると一番最初に目につくであろう、正面に飾られた祭壇はご家族の想いが込められています。
白木祭壇でも、生花祭壇でも・・。