見積りの取り方にもやり方があります。

 事前相談において、見積りを取って比較したいという方も増えてきております。 

 実は、見積もりも取り方があり、とり方を間違えると、その社を真に表す見積りは出てきません。当センターのサポート外の地域などで、見積りを取る方もいらっしゃると思います。以下の3つがセンターが見積りを取るときの原則です。

1、各社に同じ条件を伝える。
2、複数の社に見積りを依頼していることを伝える。
3、提示された見積りは他の社に見せない。

 1の条件では、想定する会葬者数や利用したい斎場など同じ条件で見積りを取るということです。この条件を同じにしておかなければ、複数社の見積りを見比べることはできません。またこの条件が整理されていればいるほど正確な見積りが出てきます。

 2により、葬儀社側に緊張感を持たせる効果があります。

 3の他社に見せないというのは、見せれば、見せられた社はそれよりも低い見積りを出してくるので、見積りを取る意味がなくなってしまうからです。

市川市斎場での葬儀に立ち会いました。

 市川市斎場での第2ホールでの葬儀・告別式に立ち会いました。

 精進落としのお食事所用にロビー右半分が仕切られますので、入口玄関は左半分だけになります。正面左手が第2ホールになります。ご喪家側は格安で花祭壇の花にこだわりをみせていらしたので、葬儀社の担当者は以前同じような条件で施行した時の花祭壇の写真をお見せして納得させたようです。

 特別なご要望がない場合、逆に担当者側からこうしたらどうだろうかと要望をだしますとのこと。ご喪家の皆さんも気軽にご相談しているようで、安心してお任せしていますという感じでした。わきあいあいとなり、後で和やかに済んでよかった言う方が多いようです。ベテラン担当者ならではの采配振りです。

 お花入れの儀の用意では、ロビーにて会葬者にお待ちいただく間、ロビーと式場の間仕切りがないので、屏風をさりげなく置いて目隠しにしていました。

 お花入れの最後に車椅子のお父様が大きなゆりの花をお母様に手向け、身じろぎもせずじっと見つめていらっしゃいました。

 柩を火葬場まで台車でも運べますが、今回は霊柩車で運ばれその後をご家族ご親族が続く形になりました。火葬を待つ間、再び式場の方に戻り、ロビーでの精進落しになります。

※市川市斎場の斎場案内は、市川市斎場のページになります。

密葬に対する誤解

葬儀関係者が参考にする本の一つが「葬儀概論」という本ですが、その著者である碑文谷創氏が密葬に対してさまざまな誤解があるとして、次のように指摘しています。

1密葬には宗教儀礼がない
 密葬することと、宗教儀礼を行うこととは何ら矛盾するものではない。事実、多くの密葬に僧侶などが招かれての宗教儀礼が営まれている。また、密葬では社会的なケアが期待されない分、宗教者によるケアが期待されるところが大きいように思う。

2密葬は家族だけで営む
 密葬は家族以外を含めてはならない、とは誰も決めたはずはないのに、家族だけで営む葬儀が密葬との思い込みが拡がっている。「内々に」とは「本人との関係の深い者だけで」と理解するのがいいように思う。家族外であっても本人と深い関係にあった人は招くのでないと葬儀そのものがおかしくなってしまうように思う。遠い、つきあいのない親戚が入り、親しい友人が排除される密葬はどこかおかしい。

横浜南部斎場での家族葬

 親族19名程の家族葬の通夜に立ち会いました。

 この日は友引でしたので関係者の出入もほとんどなく、二つの通夜だけで辺りはひっそりした空気につつまれていました。

 依頼者のご要望は三人家族なので身内だけで質素に送りたいが、お父様の願いだった戒名だけは良いものにしたいということでした。葬儀社サイドはご希望の値段でやって頂けるお寺を探すのが大変だったようですが、無事間に合いました。

 始め予算をお聞きしてご希望の花祭壇を少し心配しましたが、葬儀社の担当者はインパクトのあるものを作りますからと太鼓判を押されていました。依頼者は花が少ないのも寂しいのでと電話口でおっしゃっていましたが、当日飾られた祭壇を見てとても満足なさったようで、伺う早々お母様共々お礼を言われ、こちらもほっといたしました。両サイドのご燈明が祭壇に奥行きを与え、立体感のある華やかな祭壇でした。

 通夜の式の後、会場には故人の大好きだったクラシックの曲が流れていました。お疲れのお母様の様子を気遣いながら二人寄り添って、担当者と明日の葬儀の打ち合わせをしている依頼者の姿が印象的でした。 

 ※横浜南部斎場の斎場案内は、南部斎場のページになります。

セットやプランだけでは葬儀はできません

 4つの項目(葬儀一式、飲食、お布施、香典返し)で葬儀の総予算になるということを以前書きましたが、葬儀一式で葬儀ができないのと同じように、 セットやプランだけでも葬儀はできません。

 ほとんどのセットやプランは、葬儀一式のなかの一部分にしか過ぎません。それゆえ、セットの中に何が含まれているのかよく確認することが大事です。各社によって違います。

 もともと、葬儀料金をわかりやすくするために、セット料金制やプラン制がよく用いられるようになってきたのですが、これも悪用するところが後をたちません。実際に、各社のホームページやチラシを見ると、セットを前面に出して、それだけで葬儀ができるのかと錯覚してしまうような表現が目立ちます。よく見ると、欄外に小さい文字で、「式場費、返礼品、飲食費、お布施は含まない」などと書いてあるのがわかると思います。

社葬の最近の傾向としてお別れ会と合同葬が増加傾向にあります。

 最近の傾向として、社葬は従来型の社葬が減り、「合同葬」方式と「お別れ会」方式が増えているようです。

 葬儀業界の人が読む本なのですが、「法人葬(中小企業・団体)受注開拓法と施行トレンド写真集」(総合ユニコム、2000年6月発刊)というものがあります。この本によりますと、これまでのような形態の社葬件数は減少しており、東京・青山葬儀所での施行推移から推測される動向などを踏まえて、バブル期から3~5割減少していると指摘しています。

 その理由として、景気低迷の影響やホテルにおけるお別れ会や偲ぶ会の影響をあげています。また、社葬にかける費用と規模も縮小傾向にあることにも言及しています。

 ちなみに、合同葬とは遺族と会社が合同で行う葬儀で、死亡後それほど時を経ずに行われます。一方、お別れ会は、死亡後の密葬の後、1~2ヵ月後に行われます。

臨海斎場での無宗教葬

 会葬者30名ほどの無宗教葬に立ち会いました。

 臨海斎場は利用者が多いので何日か待つことが当たり前ですが、無宗教の葬儀ため、友引でも構わないという事で友引に告別式をしたので待ち日数はありませんでした。一般の火葬場は友引の日は休みですが、臨海斎場は、友引の日も関係なく開いています。

 臨海斎場は式場の間口が広いので、葬儀社は、通常の祭壇を横長にし、柩の周りの花を柩の左右に配し、献花台をお棺の右側に置き、献花をしてから正面に来て、ゆっくり故人と対面してもらうよう配慮していました。

 お棺の上部の蓋を開けてあり、故人の胸から上を見て、会葬者は最期の別れをしていました。また、中央左側には思い出コーナーを作り、思い出の品、写真等で故人を偲んでもらえるようになっていました。通夜にはジャズ仲間が集まり、感極まってトランペットをふくハプニングもありました。故人は中目黒でジャズ喫茶の店を営業していた方でした。臨海斎場は、ある程度の音であれば出すことが可能なのもよいところです。

 今回の無宗教の葬儀の場合、まず式の始めに喪主が挨拶して、無宗教葬でやるいきさつを説明し、その後、献花し、お別れ会をして、お食事会をしました。また、閉式後喪主がブランデーケーキを1人1人に手渡し、言葉を交わしてから2階お清め室に案内するという趣向も取り入れていました。こうした流れは、葬儀社とご喪家の式次第の打ち合わせで決まっていきました。

 故人のご兄弟は始め無宗教に反対でしたが、通夜の最後の挨拶では、「こんな素晴らしい通夜は初めて」だと、感激されていたのが印象的でした。最後には喪主の奥様も鼻高々だったようで、友人達も温かく良い雰囲気だったと喜んでくれたと言います。

 告別式は式場にジャズがゆったりと流れ、身内だけのお見送りになりました。火葬が終わるまでの間、2階のお清め室にて食事会が行われました。

 当センターへの施行後のアンケートにおいて、ご喪家より「非常に満足した」と回答いただきましたが、それを受け、施行した葬儀社の担当者は「ご喪家との打ち合わせにじっくり時間をかけて細かなことまで約束事を決め、万全を期すが、当日はラフに余裕を持って臨むように心掛けている」と語ってくれました。

 ※臨海斎場の斎場案内は、臨海斎場のページになります。

葬儀のトラブル

 「父の葬儀で依頼した覚えのないサービスや商品を付けられ高額の請求をされた。病院から自宅までの搬送を頼んだのに、勝手に葬儀の準備に入ってしまった。一番安いランクでよいと伝えたのに次々付属品がついて高額になった。会葬者へのお礼書も100枚と伝えたが、足りないと失礼になると言われて300枚も作ってしまった。斎場職員への心付けを5千円の3人分と強要されて渡した。」(30歳代、男性、給与生活者)

 この例は、国民生活センターが2006年6月に公表した「増加する葬儀サービスのトラブル」という資料の中に出てきます。
 消費者保護の環境整備が不十分な葬儀サービスについて、主な相談事例をまとめ、消費者被害の未然・拡大防止に資するために情報提供されたものです。

 これらは、国民生活センターおよび全国の消費生活センターに寄せられた相談を踏まえたもので、虚偽説明を受けて契約させられてしまった事例や、無断でサービスを追加されてしまった事例、根拠の不明な請求をされてしまった事例、契約時の説明と違うサービスを受けたといった葬儀トラブルの事例などが取り上げられています。

 当センターは、葬儀トラブルの事例を積極的に集めているわけではないのですが、それでも、「以前、葬儀をしたときにひどい目にあったので、今回は、事前に準備をしておこうと思った」という相談者などから、そのひどさぶりを伝え聞くことがあります。  
 国民生活センターが公表した事例とも、おおいに一致するところがあります。

葬儀トラブル事例

 ↑↑↑ あさがお葬儀社紹介センター本体のホームページでは、虚偽説明を受けて契約させられてしまった事例や、無断でサービスを追加されてしまった事例、根拠の不明な請求をされてしまった事例、契約時の説明と違うサービスを受けたといった葬儀トラブルの事例を掲載しています。

無宗教での葬儀

 事前相談で初め無宗教葬希望とお伺いしていても実際のご葬儀の段になると読経をお願いされる方もいらっしゃいます。
 ご希望としてはお持ちだけれどもお話をお伺いしていくうちにご相談者のお気持が少しずつ整理されてきて、再度ご家族との話し合いの結果とのことでした。

 無宗教でのご葬儀の場合、故人の意思や喪主を始めとするご喪家側の「どんなご葬儀をなさりたいか」のコンセプトがはっきりしていないと、時間だけが過ぎてしまう締まりのない式になりかねません。
 特にご会葬にお見えになられた方々が戸惑われないような配慮が大事になります。
 先ずは通夜・告別式とも喪主の方が無宗教にするいきさつをきちんと説明されることが必要です。

 無宗教でのご葬儀の流れとしては一般的に黙祷の後、喪主のご挨拶に続き故人がお好きだった音楽を流し、家人・友人から思い出話をお伺いしたり、故人との交わりの深かったお子様・お孫さんからの手紙の朗読、楽器の演奏等がおこなわれ、献花で最後のお別れをされるような例が一般的に多く見受けられます。

 また、シャンパン・ワインを飲みながらのパーティ形式や趣味のジャズをお仲間が演奏される中ご葬儀が執り行われるような独創的なケースもあります。

 いずれの場合でも式の流れはご喪家が前面に出て、葬儀社がバックアップするような形をとることが多くなりますので、無宗教葬に慣れている葬儀社を選ぶことが大事なポイントになります。
 担当者との意思の疎通も式の出来不出来を大きく左右しますので。

 ●無宗教の葬儀
  ↑↑↑  当センターのホームページでは無宗教の葬儀についての注意点、心得等を詳しく説明しています。

家族葬は特別な形式で葬儀をするのではありません

 家族葬に関する相談や要望する人が増えています。

 家族葬と言うと、何か特別な形式で葬儀をするのではないかと考えている人も中にはいるのですが、実際には、家族葬は、多くの会葬者への対応など慌しさをできるだけ避けて身内でゆっくりとお別れする、こうした意味合いですので、仏式であれば僧侶、キリスト教であれば牧師あるいは神父、神式あれば神職にお願いして葬儀をします。

 家族葬の葬儀施行の宗教形式の割合で見ますと、一般葬と変わることなく、仏式で行われることが多いようです。