斎場の選択は、重要事項の優先順位のつけ方によって変わります

 斎場をどのように決めていくのかと言いますと、葬儀をしたい、もしくは考えてもいい大体の場所に、どういった斎場があるか、種類と詳しい場所をまず把握します。この斎場の場所は、よい葬儀にするための5つの重要事項(1場所、2規模、3予算、4内容、5日程)の中の場所に相当します。そして、5つの優先順位の整理し、優先順位をつけることによって、斎場を選択していくことになります。

たとえば以下のようにです。

●交通の便がよいという条件にあう場所を最優先したい場合と予算を最優先させたい場合とでは、最適な斎場は違うということも起こってきます。

●場所は少し遠くても予算を抑えたいという場合は公営の斎場を利用することが第一に考えられます。

●日程が最優先であれば、斎場の空き状況をみて空いているところに決めるしかありません。そうなると、混み合うことの多い公営斎場は利用しない選択肢も出てきます。

●大規模な社葬であれば、利用できる斎場は限られてきてしまいます。

●家族葬や密葬であれば、広い斎場を借りる必要はありませんし、会葬者の交通の便もあまり考慮しなくてもいいでしょう。

●斎場に利用条件があれば、いくら利用したくても利用できない場合があります。

●葬儀の内容を音楽葬にしたい場合、音楽を流してよい斎場でないとできません。

葬儀社選びのチェックポイントについて

 財団法人・日本消費者協会が出している小冊子「月刊消費者」の特集号で「エンディングプラン 葬儀費用編」というものがありますが、その中で、信頼できる葬儀業者選びのチェックポイントとして、以下の3つのことがあげられています。

 1、電話などで問合せたときの対応が親身であること。
 2、見積書や資料、パンフレットなどをすぐ提供してくれ、わかりやすい説明をしてくれること。
 3、担当者が最後まできちんと担当してくれるかどうか。

 たしかに、これはこの通りだと思います。ただ、これで判断できるためには、ある程度の量と質において葬儀に関する知識を持っていて、なおかつ、かなりの葬儀社を回って自分の眼で確かめていかなければなりません。そもそも、よい葬儀社と深く付き合ったことがない人が、つけやきばで、葬儀社の良い悪いを判断できるようになれるかは、はなはな疑問です。

 ほかにも、さまざまなホームページで、よい葬儀社の選び方や事前準備の重要性が説明してあって、いかにも簡単そうに書いてありますが、「で、現実的に私はどう選んで準備をしていけばいいのか?」ということになると戸惑ってしまうのが実際でしょう。

 もっとも、説明してあることに大体のものは間違いはないのですが、それを本当に実行しようとすれば、それなりの時間と労力といろいろな意味での覚悟が必要です。要するに、簡単ではないということです。

無宗教葬の要望者の増加について

 2005年8月に行われた読売新聞の「宗教」世論調査によりますと、「自分の葬式は無宗教にして欲しい」と望む人は40%に達し、中でも大都市では実に50%を占めています。

 1998年に行われた同調査で「葬式が形式化してあまり意味がないので、宗教にかかわりなく行うほうがよい」という人が12%だけだったので、いかに、ここ数年の変化が激しいかおわかりいただけると思います。

 現実的には、この意識に直結して無宗教葬が多いのかといいますと、そうではありません。依然、仏式の葬儀が8~9割ほどを占めるのではありすが、無宗教葬が徐々にではありますが、増加傾向にあることだけは間違いないということです。

 この読売新聞の調査を受けて、宗教学者の石井研士・国学院大教授は、無宗教葬の希望者が多い背景として、①「家」制度の崩壊による祖先崇拝の希薄化、②戦後生まれの高齢者の宗教離れ、③宗教団体への批判の高まり、の三つを指摘しています。

越谷市斎場でのお身内だけのご葬儀

 ご葬家の要望はできるだけ葬儀費用を抑えてということでした。

 深夜容態が急変し、お亡くなりになりましたが、病院側の要望で朝まで待てないということになり、ご遺体は一旦搬送業者の霊安室に運び、朝一番で越谷市斎場に搬送しました。

 会葬者がご家族・ご親族8名のお身内だけの家族葬でした。奥さんは体調を崩して葬儀に出席できず、依頼者の長男の方も大変お疲れの様子でしたが、「霧の中を歩いている様な状態ですが、よくやっていただいて感謝しています」と丁重にご挨拶されていました。式場の音響もよく、読経も鉦の音の余韻もより一層心に深く響き渡るようでした。

 葬儀を終えたお棺が台車に乗せられて火葬場へと向かう廊下に差しかかった時、会葬者は思わず上を見上げてしまいました。そこだけ頭上高く太陽がさんさんと降り注いでいました。光のシャワーは思った以上に強烈な印象で、それはこの世とあの世の橋渡しの場の様にも思われました。

 ※越谷市斎場の斎場案内は、越谷市斎場のページになります。

ウィングホール柏斎場での葬儀

 ウィングホール柏斎場での家族葬での葬儀、告別式に立ち会いました。会葬者通夜17名。葬儀・告別式11名。依頼者は家族、親族だけで送りたいとのご要望でした。

 祭壇両脇には御霊燈が置かれ、白木祭壇への導入として奥行きのある雰囲気を出していました。

 こちらの式場では祭壇は作り付けになっています。式場前方は特に音響効果が配慮された造りになっていて、ナレーターの静かな口調で始まった葬儀は、ご住職の読経と鉦の音で一変し、一気に会葬者の気持を集中させたようです。

 式場中に響き渡る読経と鉦の音は、参列者の心の奥まで届かせるに十分なほどでした。後方に位置するナレーターの声との緩急のバランスが生きているようです。

 ともすると周りの雑音に悩まされる式場が多い中で、改めて音に対する気配りが印象深く感じられました。

 ※ウィングホール柏斎場の斎場案内は、ウィングホール柏斎場のページになります。

戸塚斎場での葬儀

 戸塚斎場での葬儀・告別式に立ち会いました。通夜の会葬者90名、葬儀・告別式の会葬者40名ほどです。

 「ご依頼者の方は料金の安さとご自宅から車で5分という近さから戸塚斎場へお決めになったようです」と葬儀社から伺いました。

 ご喪家の希望で供花を祭壇に組み込みの形にし、26万円の花祭壇だったので、ほとんど供花で賄えました。このような場合は供花を頂いた方々の理解が不可欠になります。お見えになってご自分の供花が見当らないという不愉快な思いをされないように了解を得ることが大事です。今回は芳名版を左脇のボードにまとめました。葬儀社側としては綺麗にまとまったと思いますと胸を張っていました(芳名版は葬儀社側のサービス)。花祭壇は白とブルーを基調に、バック中央を黒で締めスッキリした印象になりました。

 式が始まる前、葬儀社の担当者は30分後に初七日の法要も併せて行なうため、親族のみご焼香を2回行う旨を会葬者に伝達しました。
 親族のみでお別れ花を手向けた後、ご住職の打つ鉦の音と柩の蓋をお一人ずつ石で叩く音が最後のお別れを告げました。ご遺体はストレッチャーに乗せられ階下に降り、隣の建物の火葬場へと直行されました。

 待っている間1時間半程ありますので、火葬場1階右手の休憩室にてお身内だけのお食事会が始まりました。

 担当者のツボを心得た細やかな気配りに、親族の方々の評判も良く、依頼者も「今回のことでは私の株が上がって鼻が高い」と喜ばれていました。

 ※横浜戸塚斎場の斎場案内は、戸塚斎場のページになります。

町屋斎場での葬儀

 町屋斎場での通夜に伺いました。ご喪家の要望はお父様の時の葬儀は大々的にやりましたが、今回のお母様の葬儀は質素にしたいとのことでした。最初のご相談の時は親族だけでご近所にも知らせないということでしたが、後々のことを考慮して町内の方で会葬されたい方はどうぞとなりました。

 

「マイクロバスもお話ししましたが、きていただける方だけなので必要なしということになり、一般会葬者も10名前後と予想しましたが、通夜だけで50名程になってしまいました」と葬儀社の担当者は振り返ります。葬儀社サイドは返礼品を多めに用意しておき、通夜の料理もお寿司2台追加で間に合いましたので、混乱もなく無事終えることができました。

 花祭壇は写真見本の中から、ラインが波型に綺麗に出ているのがお望みで、女性らしい柔らかな色使いに満足の様子でした。「お母様が明るい方なので明るく送ってほしいとのことで写真も銀縁にして、焼香台の上の写真もパール色の縁で明るい感じに心がけました」と話す、担当者は思い出コーナーも提案しましたが、沢山あり過ぎピックアップするのが困難なのでやめて、代わりに介護ホームでのお母様の写真を5~6カット大きく伸ばして脇の台に飾りました。

 式場のイス席は定員が40名ですが、親族だけで45名程になり、後からいらっしゃった親族で座れない方が出てしまいました。

 通夜終了後、通夜しか来られない方達がお一人ずつ棺の故人と最後のお別れをしていました。名残は尽きず、棺や飾られた写真の周りの人垣はなかなか動こうとしませんでした。
 
 ※町屋斎場の斎場案内は、町屋斎場のページになります。

葬儀社と依頼者とでは、葬儀費用の捉え方が違います。

一般的な仏式葬儀の例ですが、4つの項目(葬儀一式、飲食、お布施、香典返し)で葬儀の総予算になります。紛らわしい表現の葬儀一式とは区別しないといけません。葬儀一式では葬儀はできませんので気をつける必要があります。

 葬儀社は、葬儀費用を「葬儀一式」のこととして捉える傾向があります。これは、葬儀一式以外、葬儀社の利益にならないので、自分の深く関与する領域だけを葬儀費用とするのです。そうすると、葬儀の総額のことを葬儀費用と思っている依頼者と、葬儀費用の理解に食い違いが起こってきます。

 これが問題を起こすのです。葬儀社から葬儀費用は○○万円といわれたが、葬儀が終わってみたら3倍もかかったということも起こってくるのです。

 消費者の意識を踏まえて説明ができない葬儀社は、サービス業としては失格と言わざるを得ないですが、この食い違いをよくわかっていて、逆に、利用する悪いところもあります。そういうところに引っかかってしまうと、先ほどの、3倍も・・・の話になってしまうのです。

 悪意がなくても葬儀社の人は、「葬儀費用」のみならず、「実費」や「立て替え」といった、自分たちの論理から来る言葉を使います。ここで、このことの是非を問うてみても意味がありません。それよりも、依頼者が気をつけるべきことを覚えておいたほうが有意義です。それは、結局、自分の財布から、実際いくら支払う必要があるのかということを見極めることです。そして、それは4つの項目であるので、それを踏まえて葬儀社の提示する見積書が何を含んでいるものなのかを見るということです。

ひかり会館での葬儀

 先日、会葬者80余名の一般葬の葬儀・告別式に立ち会いました。依頼者は浦和斎場か自宅近くのひかり会館をご希望でしたが、こちらがすぐ予約できましたので決めました。最初の見積りの段階では会葬者40~50名位とおっしゃっていましたが葬儀社の担当者がご自宅に伺った頃には80名位と訂正されました。ところが途中から故人の会社の方が表に出てきて、200名以上になりそうということになり、ごく普通にしたいご喪家は少々困惑気味のようでした。会社側としては故人が元役人の方で民間会社役員という肩書きから供花を並べる順番にかなりこだわりがあったようです。通夜当日、手伝いの方が会社から20名と故人の友人10名程いらしたのですが、会社の方が殆ど取り仕切ってしまわれたようです。

 ご住職の意向で読経の途中に弔電を読むことになり式次第の順序も少し変わりました。この為、20分以上過ぎてからご焼香が始まり、40分後位から初七日の法要が始まって最後のお別れ花の時はすでに出棺時間の12時を過ぎてしまいました。この為、お別れ花の時間が慌しくなってしまい、もう少し時間を取って差し上げたかったと葬儀社の担当者は残念がっていました。

 白木祭壇上には規定で花が置けないので、外の出入り口両脇、看板下等に飾ったり、また、柩の前に生花を1列つけて華やかさを出したのですが、こちらは周りの備え付けのものが少し古いので目線を生花に持っていく役目もあるとのことでした。

 当日、供花が沢山出ましたが式場両脇まではみ出さないようにした為少々窮屈な感じになり、せっかくの花が生かしきれないはめになってしまいました。

 待合室での通夜のお清めは立食なのでエレベター脇のロビーの方にもテーブルを出し、大人数にも対応出来るようにしました。ご親族用には式場後方にテーブルを出し、こちらも立食で済ませることができました。一般会葬者がお帰りになった待合室は直ちに会社の手伝いの方の手でイス席にセッティングされ、お清めをなさったようです。男性が多かった関係からか、樽酒が多くでたそうです。葬儀社の担当者は「お料理の評判が良く、余った分は折り詰めにしてお持ち帰りいただいたり、ご喪家の方たちはお食事をなさらないのでお渡ししています。特に女性の会葬者は家に家族の者を留守番させて来ているので折り詰めにして差し上げると気持としても喜ばれるようです」と語っていました。

 火葬は大宮聖苑にておこなわれ、火葬場には1時過ぎになるので、精進落し(お食事会)は大宮聖苑の待合室で済ませることになり、残ってお手伝いいただいた会社の方には会館待合室にてお弁当をお出ししました。

 ※ひかり会館の斎場案内は、ひかり会館のページになります。

南柏会館での葬儀

 先日、会葬者14名程の通夜に立ち会いました。

 故人が特に花好きということで、祭壇は白木祭壇に生花をあわせたものになりました。葬儀社の担当者は花にはこだわりをみせていました。メインのゆりの花は通夜にはまだ蕾ですが葬儀の時間に合わせて咲くように室温との調整をはかったり、喪主花は家に持って帰るので、他の花と違ってわざと蕾のものにしたり、生花のスタンドの足が見えない様に白いビニールで覆い、その上からチュールで飾り柔らかなフンイキを出す等々。また花に造花は使わないが、シダだけは造花を使い、浮いた費用を生花に当てていました。花のイメージは沢山写真を見せて決めていただくが、お任せの場合は担当者の好みで色やデザインが決まるようです。故人は男性ですが柔らかい色合いの花を好む方でしたので、ピンク色の花を多めに使用して明るい雰囲気を出しました。ボリュームのあるやさしい感じに、ご喪家の方々は満足そうでした。

 今回は会館の霊安室が満杯でしたので、一旦ウイングホール柏(柏市、流山市、我孫子市の共同運営の斎場)の霊安室に行かれ、通夜当日こちらにお連れし、再度戻られる形になりました。

 お家の方の気持になっていきたいという担当者は、故人が生前大好きだったが長い間止められていたタバコを2箱柩の中に入れて差し上げました。通夜の始まる前と後、最後のお顔を見たいと柩のそばにいらっしゃる方が多く、柩の蓋を開けて拝顔して頂きました。

 葬儀社の担当者はあくまでご喪家のお手伝いをしているつもりでやりますが、ご喪家の要望を取り入れながらオリジナルなものを手がけていきたいと語っていました。