香典返しについて考える。

 久しぶりに大好きな舞台女優・吉行和子さんの著「老嬢は今日も上機嫌」をめくると、先日お亡くなりになられた小沢昭一さんと句会での出会いがユーモラスに書かれており、お会いした時のことが懐かしく思い出され、思わず先を読んでいくと今度は「香典返しはなくそう」という勇ましい?タイトルが目に飛び込んできました。

 昔の芝居仲間が突然お亡くなりになり、ある日香典返しのカタログが届き、何か味気ないと思いつつもスタンドを注文されたそうですが、この香典返しには前から疑問に思っていらしたとのこと。
 香典返しというものはなくていいのではないかと。

 よく言っていただけました。
 香典返しはご葬儀の後、49日をめどにご香典を頂いた方々に半返しとしてお送りしていましたが、昨今は即日返しという名のもと、ご香典を頂いた日に香典返しに代わるお品をお渡しすることが多くなりました。
 ご葬儀の後の繁雑さを考慮して、大方のご香典はご葬儀終了と共に片付けてしまいたいという思いからでしょうか、これでは本来の意味合いも薄れて形だけのものになりかねません。

 私もご葬儀の立会いに伺い、ご喪家側もご香典を出された方も当然の様に即日返しを受け取ってお帰りになられる型通りの姿に、時に漠とした違和感を覚える時もありました。

 昔からあるご葬儀の慣習だからと言ってしまえばそれまでですが、都会ではすでに昔からの村落共同体の意味合いも無く、どこかで断ち切る必要もあるのではないかとの思いがいたします。
 今の時代にふさわしいご葬儀の仕方として、親しかった方々のみでのお見送りが多くなってきておりますが、香典返しだけは相変わらず続いております。
 
 吉行さんは「香典返しはもっと有効に使おうではないか」と提案をされています。
 頂いたご香典はご葬儀に使われた費用の一部にご喪家がお使いいただいてもよし、余裕があればしかるべきところにご寄付されたらいかがでしょうか。
 それで幸せになる人がいれば、その方がよほどよいとおっしゃっています。
 私も同感です。

家財道具

以前、遺品整理業者さんに依頼をしたことがありました。一人暮らしの身内が亡くなり、引き受けることができない大きな仏壇の処分に困ってのことだったのですが、一緒に不要な家財道具の全てを引き取ってもらいました。 身内の者は皆、夫婦共働きで、葬儀や葬儀後の手続きなどにも忙しく、アパートも早いうちに引き払わなくてはならないため、自分達で全ての処分をするには無理がありました。 遺品整理の当日には、専門の業者さんが手際よく荷物を運び出してくれ、簡単な掃除までしていただき、6畳一間の部屋は3時間ほどできれいな元の状態になっていました。引き取っていただいた大きな仏壇は、ちゃんとお焚きあげの供養をしていただけるのがありがたかったです。 先日、つけっぱなしだったテレビで「遺品整理業」の特集をしていたので、見入ってしまいました。 依頼主はアパートの管理人さん。その部屋の借主は死後数日たって発見されたとのことでした。業者への注文は、「全て処分」。親族がいるのかわからない状況なのですから、この場合は仕方のないことだと思います。 親族からの依頼でも、「全て処分」を依頼するかたもいらっしゃることでしょう。持ち主のいなくなった家財道具の最後の片づけをする遺品整理業者さんの「愛されていない」という言葉が印象的でした。

来年の目標

 12月に入り、大掃除が気になる時期になりました。
 毎年11月の始め頃から、少しずつ大掃除を意識した掃除を始めていたのですが、今年はいまだに全く手をつけていません。
 粗大ごみもそろそろ申し込まないと、年内の処分に間に合わなくなりそうです。
 いつもは最後の最後にやっている、キッチン周りや換気扇の大掃除ですが、今年はやっかいなところから先に片付けてしまおうか…。

 毎日の生活の中でも手抜きをせずに少しずつでもやっていれば、そうでなくても気ぜわしいこの時期に大変な思いをしなくてもいいのに…。
 毎年、同じことを思う主婦は多いはず。

 来年こそは、年末に苦しまないように、日々すこしずつ。
 少し早いですが、来年の目標のひとつにしたいと思います。

保留の理由

 「お手配まで進めていただいているところではございますが、しばらくペンディング(保留)ということで、ご了解いただければ幸いです」
 新年早々に、上記のメールをいただき、ホッといたしました。

 通常のビジネス用語としては、かなり否定的なニュアンスをもたらす言葉ですが、ご葬儀の進行状態の中では、うれしいニュアンスも込められています。

 昨年の5月に最初の事前相談をいただき、メールのやり取りで見積りをお取りし、ご検討いただいているご相談者からの久しぶりのご連絡でした。

 この前にご連絡を頂いたのはお見積りをお渡しした1ヶ月ほど後のことでした。
 お悪かったお母様の病状が回復の兆しを見せ始めたので、「将来、そういう場合が参りましたら、その際にはあらためてご連絡をして、打ち合わせた通りに進めさせていただきたい」旨ご連絡を頂いてから半年。
 ずっと小康状態を保っていらっしゃるとのこと。
 もうしばらくはこのままかと思われていらっしゃるご様子に、思わず今は出来るだけお母様とのお時間をお取りいただくようこちらからも改めてご伝言申し上げた次第でした。

 ペンディング宣言から8ヶ月、残暑厳しい最中、メールをいただきました。
 お母様のご様子が思わしくなく、「以前の見積り内容は今でも有効ですか」とのお問い合わせに、「大丈夫」との葬儀社の担当者の言葉をつなぐ間もなく、ご逝去の報が入りました。
 ご病状を伺ってから1年4ヶ月よく頑張りましたね。
 いつの間にか、こちらも身内の不幸に出会ったような気持ちになっていました。

 事前のご相談を伺っていると、途中から対象者の方の病状が快復に向かい、ご相談者からペンディングをご希望されるケースに出会うことがたびたびありました。
 私たちは「いのち」に一喜一憂しています。
 どんなに先延ばしされ、保留されても動じないのも「いのち」です。
 時として「いのち」の不思議を感じます。

今年の喪中はがきの特徴は・・・。

 今年も後1ヶ月と少しを残すまでになってしまいました。

 この季節になると喪中のはがきがポツン、ポツンと届きますが、今年は例年になく友人のご兄弟が亡くなられた喪中はがきが相次いでいます。

 今まで頂く喪中はがきと言えばお歳を召したご両親やご主人のご両親、中にはご長寿だった祖父母様のことと思い込んでいた身には、にわかに現実味を帯びてドキリとさせられます。

 秋口から知人の訃報が人伝いに相次いで伝えられていた矢先、先日はかつて仕事をご一緒した方が亡くなられ、友人から前日がご葬儀だったことを知らされました。
 暫くご無沙汰していたとは言え、お元気で巨漢を武器に国内外を東奔西走され仕事をバリバリやっていらしたころのイメージしか思い浮かばず、にわかに信じられない気持ちと、仕事半ばでギブアップさせられてさぞ無念だったのではとの思いが交差して、しばし落ち込んでしまいました。

 今までどこか儀礼的に受け取っていたふしがある喪中はがきですが、今年のように年齢的にも身近に迫ってくると、少し生活態度も変えなくてはとの思いがもたげてきました。
 変化の第一歩は間近に迫った年賀状からにしようと・・・。
 今年の年賀はがきに込める思いも新たに沸いてきました。

 今までのどちらかと言えば虚子の句にある様な「不精にて年賀略す他意あらず」の生活ではなく、蔵巨水の「まだ生きているぞ賀状の面構え」の句で行こうと。

 最近はお会いすることが少なくなり、疎遠になっていた友人に出し続けていた年賀状もそろそろお仕舞いにしようと思っていたが、こちらの近況報告の意味合いを込めて出し続けることにいたします。

 90歳をとうに過ぎた伯母からの年賀状には「今年限りにさせていただきます」との断りが書かれていましたが、お世話になった伯母にはこちらの近況を知らせる為にも年賀状を出し続けてみよう。

アンケートのお願いの仕方

 6日の(本)さんの記事に触発されて、メガネ屋さんに行ってきました。記事にでてきた店は避けて、最近、無重力フレームを宣伝している店に行ってみました。

 眼科で検診して処方箋を持っていきましたが、フレームを選んだら20分ほどで出来あがるようです。店内でレンズを加工しているそうで、その日に持ち帰りたかったので、ありがたいサービスです。
 防キズなどのオプションも勧められましたが、こちらは追加料金○○円ときちんと説明していました。

 一番関心したのは、後でアンケートはがきに記入し投函するようにお願いされたのですが、そのお願いの切り口が斬新でした。声が小さくよく聞き取れなかったのですが、たしか、
 「アンケートの内容は、対応した担当者の給料にも反映されるので、よろしくお願いします」
 みたいな感じでした。
 対応した担当者と、出来上がったメガネを渡す人が違ったから、こうなったのかもしれませんが、これは、書いてやらないといけないような義務感にとらわれます。

 当センターでもアンケートをお願いし、書いていただくのは大変なことだと思っていますので、これは回収率アップにもつながる方法だと感心した次第です。アンケートの回収率を上げるための方策も様々です。アンケートに答えてくれた人に抽選で○○名様に○○をプレゼントとか、さらにすすめば、○○円キャッシュバックとか、もっとどぎつく、○○円差し上げます、となるでしょう。

 「キャッシュバック」は、一回支払ったものが少し戻ってくるので分かりやすいですが、「差し上げます」は直接に金銭のやり取りがないのに、お金がもらえるものなので、ビジネスモデルをよく見ないと理解できないものでしょう。

 何はともあれ、アンケートを集める大変さがわかるので、よりよくしようという意図のあるアンケートには、できるだけ協力したいと思っています。しかし、聞いてくれないことにはどうしようもなく、1時間も待たされた眼科では、「こうすれば、もっとうまくできないか」と、表明する機会も与えられません。

何親等までですか?

 年賀欠礼のはがきが届く時期になりました。
 我が家にも先日、一通届いたのですが、普段、よく話しをする友人からでした。
 月一ペースほどの頻度で話しをしていたのですが、今年、お身内が亡くなったという話しは聞かなかったように思ったのですが…。
 今日、たまたま他の用事で連絡をした際に聞いてみると、少し遠い親戚がお亡くなりになったとのことでした。普通なら年賀欠礼のはがきを出す範囲ではないのですが、血縁的には遠くても、近所に住んでいてとてもお世話になった親戚だったので、親が亡くなったのと同じ気持ちだからとのこと。
 自身の年賀状だけは、今回は失礼しますということで、勝手だとは思ったんだけど、と言っていました。

 年賀欠礼は、今は一般的には一年以内に2親等までのご親族に不幸があった場合に出すとされているようですが、友人のように、自身の気持ちの問題ではあるけれど、と欠礼状を出したのは私の中では「あり」だなと思いました。

 この話を聞いて、以前、葬儀や法事に出席するのは何親等の親族までなのですかというご質問があったことを思い出しました。
 法事に出席できないことを伝えたら、ご親族から怒られたとか。
 地域性や、各ご家庭のお考え方なども関係してくることなので、どこまでの人が絶対に行かなくてはいけないというのは一概にはお答えできないことではないでしょうかとお話しをすると、それでは親族を説得できないので、○親等までは絶対に行かなくてはいけないがそれより離れていれば行かなくていいというような線引きをしてほしいと。
 行けない理由はお聞かせいただけませんでしたが、その後のご親族との関係もあることでしょうから、もし、どうしても行けないという理由がおありでしたら、それをきちんとお話しして納得していただくしかないように思いますが、とお伝えしました。

 ご葬儀やご法事の出欠については、今後のお付き合いなども関係してくることでしょうから、自身の気持ちだけでは決められないこともありますので、「線引きをしてほしい」と思われたご相談者のお気もちもわかるような気がしました。

入院

 私事で恐縮ですが、先月5日間ほど入院を余儀なくされ、スタッフをはじめ周りの方々に、ご迷惑をかけてしまいました。
 夜中、突然の腹痛で、近所の総合病院に飛び込み、そのまま治療・検査入院で明け方には病室のベッドの上という始末でした。

 4人部屋の病室でうとうとしていると、突然お隣のベッドから断末魔の悲鳴のような男性の声が聞こえ、あまりの声にしばし痛みも忘れてこの病室は男女共用なのか、少し不用心では?と憤然としておりました。
 やがて、日に何回となく繰り返される悲鳴もこちらの耳に少しずつ慣れてくると、付き添いのご家族のお話も聞くとはなく聞こえてくるようになりました。
 一致団結してこのヤマ場を乗り越えようと、看病に専念されている様子が手に取るようです。
 お医者さんが病状を説明に来られ、一時は危ぶまれた容態も、このまま順調に行けば手術が可能な状態にまでなられるとのこと。
 お医者さんの説明でご家族皆様のホットされた空気がカーテン1枚仕切られたこちらのベッドにも伝わってきました。

 とりたてた病名もなく無事退院の朝を迎え、5日間お邪魔したお隣さんへご挨拶に伺うと、そこには小柄なお年を召したご婦人がすやすやとやすらかな寝息をたてていらっしゃいました。
 5日前の声の主とはとても想像がつかないほどのおだやかなお顔に、手術の無事をお祈りし、そっと病室を後にいたしました。

 仕事柄、事前相談でお話をお伺いし、見積りを取り、ひとまずホットされた依頼者の方には、後のお時間をできるだけ看病にあててくださいと申し上げておりますが、実際に病室でご家族皆様の看護振りに接し、頭の下がる思いを幾度となく見聞きした5日間の入院騒ぎも、あながち無駄ではなかったのではと実感しておりますが・・・。

発熱

 寒くなって、空気も乾いてきました。いよいよ風邪の季節到来です。
 我が家でも風邪が一巡しました。いつも最後に移ってしまうのが私のようで、家族の風邪症状の集大成です。数年前のインフルエンザ以来の発熱でした。お腹にきてしまったのが辛かったです。病院に行きたくてもいけない…。病院に行く往復にトイレが無いのが怖いのです。幸い、熱は2日ですっかりさがりましたが、お腹の調子はまだもう少しかかりそう。2日間、プチ断食状態で過ごしています。

 家族が寝込んでいると、やれプリンだ、ゼリーだ、アイスだと色々買いこんでくる私ですが、いざ私が寝込んだら、お願いしないと買ってきてくれません。お願いする気力もなかったので、プチ断食になるハメになったのですが…。
 
 結局、病院には行かなかったのですが、発熱中、色々なことを考えました。
 本当に風邪なのだろうか…とか、違う病気だったら、買い薬の感冒薬じゃダメなんじゃないかとか…。
 しかし、げんきんなもので、熱が下がると、「体力あるな、自分。」と感心。

 風邪は万病の元といわれるくらい、本当は馬鹿にできないものなので、過信は禁物です。病院嫌いな私は、予防が一番大切だと実感しました。

事前相談

 店内に「メガネ、一式全て込みで一万○円」と書いてあるポップを見た友人が、店員さんに「全部込みで一万○千円ですか?」と確認したところ、「そうです」言われ、元々メガネを新調するつもりだったので、買うことに。
 安いから、ご主人にも買ってあげようと思い、メガネ屋さんに来るように連絡をし、ご主人が到着するまでの間、自分の検眼やフレーム選びをしていたそうです。
一通り終わり、いざ、お会計の段階になったとき、別の店員さんが現れ、「レンズを薄くするのに○千円、レンズにキズがつきにくくなる加工○千円が追加料金になりますので、合計で○万○千円です。」と。
 受付票をよく見ると、たしかに「オプション」と小さくか書かれていたけれど、金額表記はなく、希望項目にチェックを入れる際にも、店員さんに「レンズは薄くしますか?」と普通に言われ、分厚いよりは薄い方がいいからと「薄くする」にチェックを入れたそうです。
 さも、「オプションも全て込みですよ〜」と言う風に見せかけて、会計の段階で金額が変わる。
金額がどうこうよりも、そのやりかたに怒った友人は、結局メガネは買わずにキャンセルし、後から到着したご主人も、せっかく行ったのにメガネを買ってもらえなかったそうです。

 私は、まだまだ、このような売り方をしているお店があるんだなと思いながら聞いていました。
 その友人はハッキリした性格なので、その場で怒ってキャンセルしてきましたが、なんとなく、不満を抱えたまま購入してしまう人も多いのではないでしょうか。

 売っているものを買うという場合には、キャンセルや返品をすることもできますが、オーダーメイドや特注品など、別の手が加わる物に関しては、動き出してしまった後にキャンセルをすることは難しく、たいていの場合はキャンセルが出来ないことの方が多いでしょう。
 ただ、売る側、買う側の両者で、内容や費用をきちんと理解していれば、後からのトラブルは起こりにくく、気持ちよく事が進むはずです。

 ご葬儀は、ご依頼者の環境や状況、時期なども関わって、様々な形に組み立てられる、まさにオーダーメイドの要素が詰まったものになるのではないでしょうか。
 また、ご葬儀の請求は、全てが終了してから(使用してしまってから)になりますので、返品や変更がききません。

 ご葬儀を滞りなく終えて安心していたら、請求金額を見て驚いたということがないように、何にどのくらいの費用がかかるのか、特に変動する可能性のある項目を理解しておくことは、ご自身を守るためにも大切なことだと思います。
 出来ることなら、万が一の時が来て判断があやふやになってしまうというような状況になる前の時点で、事前のご相談をされることをお勧めいたします。