思い通りにならないことも・・

 クリスマスイブです。小さなお子様たちは、明日の朝の楽しみのために早く寝てくれたのではないでしょうか。

 楽しいはずのクリスマスでも、心から楽しめない方たちもたくさんいらっしゃいます。

 お身内に心配な方がいらっしゃったり、ご葬儀を行なっていたり・・。

 つい先日の夜中、まだお若いお身内の方がお亡くなりになり、葬儀社を紹介してほしいという事後のご相談をいただきました。ご要望は、できるだけ早く葬儀を行ないたい、また、ご会葬の方に来ていただきやすい場所にしたいというものでした。
 故人様がお若いので、お別れをしたいご会葬の方々もきっとお若い方が多くいらっしゃることと思います。クリスマスにかからないようにという、ご喪家の配慮からのご要望でした。
 この時期は毎年、斎場や火葬場が混み合い、利用者の多い式場ではなかなか希望通りの日程でご葬儀を行なうことが難しいことも多々あります。
 ご相談者の方は、葬儀に来ていただく方たちが大変にならないよう、最善の日程や場所をとお考えになられていましたが、ご希望の日はあいにく希望する式場はすでに予約が入っていて使用できず、少し離れた式場を利用するか、日程を少しずらしていただくかの二択の状況となりました。
 強いご要望と現実がかみあわず、とても難しい状況でしたが、クリスマスよりも故人様を見送ることを最優先にお考えいただくように話をさせていただき、ぎりぎりクリスマスにかからない日程でご希望の式場を使用してのご葬儀となりました。

 何年か前、自分の仕事の繁忙期に義母様を亡くされた友人が「死は場所も時間も思い通りにはできないから、こればっかりは亡くなった人に合わせないとね・・」と言っていたことを思い出しました。

今年もあと半月ですが・・。

 12月も半ばになり、今年も残り半月となりました。今日から年賀状の受け付けがはじまり、少し遅い気はいたしますがやっと師走の忙しい雰囲気になってきたと感じています。

 年末といえば大掃除。家を見回すと今年も多くのやり残しを気にしつつ新年を迎えることになりそうだなと今から諦めの気配が漂っていますが・・。
 毎年、暮れになれば忙しくなることはわかっているのに、ギリギリにならないと動き出せず、結局間に合わなくて来年に持ち越し・・の流れ、どうにかしたいと思いつつも、来年も同じような記事を書くことになりそうな気がします。

 去年の今ごろは、パソコンのデータを一生懸命整理していたような気がしますが、一年の間にまた元の状態に戻ってしまいました。
 このパソコンのデータ整理も年末の恒例になりそうなので、ここはできる限り前もってその都度整理をしていく癖をつけなくてはと思います。

 お身内に心配な方がいらっしゃる場合には、大掃除どころではないかもしれませんが、例えば事前に葬儀の事についての心配が軽減されれば他に目を向けられることもあるかもしれません。
 もし、いつか相談してみようを思われていらっしゃるようでしたら、ご自身のタイミングで大丈夫ですのでいつでもご相談いただければと思います。

方向だけでも決まっていれば・・。

無事にご納骨を終え、落ち着きましたので・・・と、以前ご相談に対応させていただき、ご葬儀を行なわれたご相談者からわざわざのお電話をいただきました。

ご入院先が都内の病院で、お子様たちは都内にお住まいになられており、ご実家は他県で、菩提寺もそちらにあることから、都内で火葬を行なってからご実家の地域で改めて葬儀を行なうか、もしくはご実家の方へ長距離になってでも搬送し、そちらで葬儀を行なうかを迷われてたご相談でしたが、事前相談の段階で、都内の火葬場で火葬するという方向に決まり、ご葬儀ではご家族やご親族が大勢が東京の火葬場にお集まりになられてのご火葬となりました。

ご相談の時点では、先に火葬を行なってしまっていいのだろうか、長距離のご搬送についてもお身体の面や費用の面でも心配であり・・など、色々と悩まれていましたが、先日いただいたお電話では、「東京で火葬を行ない、地元に戻って時間をおいてからの家族葬という形は気持ちに整理がつき、私たち家族にとっては最善のかたちだったと思います。」と、迷いながらも事前にお決めになられていたことが、ご家族のご満足のいく形でお母様をお見送られることにつながられたようでした。

たとえ余命を知らされていて、覚悟はできているつもりでも、ご家族がお亡くなりになられた現実はなかなか受け入れがたいものがあるかと思います。
葬儀はお亡くなりになられてから数日間と短い間に準備を行なわなければならず、その間に決めなくてはならないこともたくさんありますので、方向性だけでも事前に決めておけば、お気持ちのうえでの整理もつきやすくなるのではないかと思いました。

お別れの時間をゆっくりと。

 ご相談では、火葬のみの直葬を望まれる方が年々増えているように感じますが、同じ直葬での葬儀でも選ぶ理由は各ご家族により様々で、いろいろな想いがあるようです。

 直葬での葬儀は、お葬式の中で一番低価格で行なえる葬儀ですので、直葬を選ぶ理由としては、とにかく費用を抑えたいという方が多いというのはもちろんですが、最近ではお身内の方が皆様ご高齢で、葬儀に来ていただく負担を減らすためであったり、ご対象の方が残されたご家族のご負担を軽くするために望まれたりなど、周りの方のために直葬を選ぶ方も増えているように感じます。

 ご家族としては、大切なご家族を火葬のみで送るのは忍びないと思われている方もいらっしゃいます。せめてお別れの時間だけでもゆっくり取ってもらいたいというご要望もお聞きします。

 ご自宅にご安置できる場合はご火葬の日までゆっくりお過ごしいただくことが出来るのですが、安置所にご安置している状況の場合、安置所からご出棺をしてそのまま火葬場へ行き、火葬場で10分少々のお別れをしてすぐご火葬という流れが多く、読経なども火葬炉の前で行なっていただくので、ゆっくりお別れをする場所がないというのが現状のようです。

 そのような中、最近、式場の中の一番小さな一室を安置所にして、ご出棺前にそこでゆっくりお別れをしたいただき、火葬後にまたそこへ戻り、皆様で精進落しの食事がとれるようなサービスを始めた貸式場がありました。
 火葬のみでは忍びないと思われているご家族にとってはとてもありがたいサービスではないかと思います。
 ただ、このようなサービスができる式場はまだ少なく、地域によっては、まだこのようなお別れが出来ないところもあるのが現状で、これから先、もう少し増えてくれるといいなと思っています。

 葬儀の式場も、自宅で葬儀を行なうことが当たり前だった時代から、その後、会館・葬儀場を使用して葬儀を行なうことが主流になり、家族葬が増えてきたので、広かった式場を区切って小規模な葬儀に合うような式場に改装したりなど、多くの使用者が望むかたちに変化してきているところで、これからは「火葬のみでもゆっくりお別れが出来る場所」が多くできるといいなと期待しています。

今年もインフルエンザの季節がやってきました。

 今年もインフルエンザが流行する時期に入りました。
 今年は例年より少し早いとのこと。この時期で既に流行りだしているそうで、友人のお宅では受験生がいるので、いつもはやらない予防接種を早々に家族全員が受けたそうです。

 我が家では、接客業の主人だけは毎年予防接種を受けていますが、私と娘はここ数年受けていません。
 しかし、去年は予防接種を受けた主人が一番最初にインフルエンザにかかり・・・。

 予防注射を受けている人はかかっても軽く済むとは言いますが、軽いか重いかは本人の感覚次第だとも思うので、本人が重いと思えば重いのでしょう。
 今年も早々に予防注射を受けていたようですが、受ける意味があるのか疑問です。 

 受験生をはじめ、ご高齢のご家族がいたり、家族の中に病気を患っている方がいらっしゃる場合にはウイルスを持ちこまないように十分ご注意ください。

担当者さんの心配り

 生花祭壇の花は、ご出棺前のお別れの時に皆様の手でお柩の中に納めることが多いのですが、祭壇が大きく、全ての花がお柩に入りきらないような場合、残った花で花束をいくつか作り、ご喪家やご親戚の方々にお持ち帰りいただくようは計らいをしてくれる葬儀社さんもあるようです。

 我が家ごとではありますが、以前義父の葬儀を行なった際、骨葬だったため葬儀の時には柩が無く、祭壇に使った花は片付けの際に花屋さんが持ちかえるものだとばかり思っていたのですが、ほとんどの花を花束にして、持ち帰れるように準備してくれていました。
 先に家族だけで火葬を行ない、後日に告別式を行なうという順番の違う葬儀だったため、最期のお別れが出来なかった義父の兄弟たちが、義父のために作った祭壇の花をよろこんで持ちかえって下さいました。仲の良かった兄弟でしたが、火葬に立ち会えなかった事には一切触れず、葬儀が終わって数日後に、「あの時もらった花のおかげで弟を偲ぶことが出来た」と伝えられた時、改めて葬儀社の担当者と花屋さんの心配りに感謝しました。

 葬儀社さんにとっては小さな心配りやあたりまえの気配りだったとしても、受け取る側にとってはとても大きく感謝したいものになることもあるようです。

担当者さんの想い

 「私、お節介すぎるんですよね」、女性の担当者さんが笑いながら話していました。「こうやった方がご喪家の方は喜ばれるかもしれない」と頭で考えるよりも体が動いてしまうそうで、結局自分が大変になってしまうのですが、良くしていただいてありがとうございました、と言われると、そのひと言で癒され、次も頑張ろう!となるそうです。

 葬儀社の担当者さんは、男性でも女性でも、根っからの世話好きタイプの方が多いように思いますが、大切な人が亡くなり、日常ではない数日間を過ごさなくてはならない状況のなかにいるご喪家の方にとっては、お節介すぎるくらいのお世話でもちょうどいのかもしれません。
 ご葬儀後にご協力いただいているアンケートでも、「担当の方を信頼していれば大丈夫と思えた」「会場でのリードが大変良かった」「感情面でもさりげなく、かつ十分にケアして頂きました」など、担当者のお世話ぶりに感謝をされている声が多く寄せられています。

 「お節介すぎる」女性の担当者さんは、ご納棺の時に必ず折り紙で折った馬を入れさせて頂くそうです。この折り紙の馬は、作り貯めしているのではなく、ご納棺の前に故人様のお顔を見て、ご葬儀が無事に執り行えるようにと念じながら一つ一つ折っているとのこと。
 「お節介すぎる」ことだけでなく、このような周りには見えない裏側での想いも、故人様やご喪家の方への想いとして、ご満足のいくご葬儀につながるのかもしれません。
 益々のご活躍を願っています。

その方のためだけの生花祭壇

 生花で作った祭壇が飾ってある式場に入ると、まず、花の香りが式場の中いっぱいに香っています。普通に生活をしている我々は、あれだけ沢山の花を見るのは、生花祭壇くらいなのではないかと思いますが、あのような綺麗な祭壇を数時間で飾る花屋さんの準備は本当に大変だと思います。
 限られた時間内で完成させなくてはならないわけですから、事前の準備もさぞ大変なことと思います。
左右のバランスのチェックやなど、細かな微調整を行なって造られた祭壇は大きい、小さいに関わらず、いつもとても綺麗にできあがっています。

 祭壇と共に念入りに位置を確認しているのは供花です。左右対称の位置に飾られた供花は、祭壇と共に配置のバランスを念入りに調整し、祭壇を更に大きく見える手伝いも担っているかのようです。
 供花は、白い菊をメインにしたものや洋花で造られたものが多いかと思いますが、以前立ち合いで伺ったご葬儀では、祭壇に使っている花と同じ花を使用した供花を飾っていました。まるで一つの大きな祭壇のように見えるほどとても綺麗だったのを覚えています。

 センターでは、立会いに伺えなかったご葬儀は、葬儀社さんにご協力いただき、祭壇やご葬儀の様子の写真を拝見させていただいています。
 祭壇は各社それぞれのデザインがあり、また、故人様のためだけに作るものということから、ご家族の希望で個性的な祭壇になる場合もあります。実際の立会いや施行写真を拝見し、多くの祭壇を見てきましたが、みな同じではないというところが、生花ならではのいいところだといつも思います。

 最近では、白木祭壇よりも生花祭壇の方が費用を抑えられるプランを用意している葬儀社さんも多く、最期に故人様のお棺に沢山のお花を入れてあげることができる生花祭壇は、これからもますます希望される方が増えていくのではないでしょうか。

20年前の合同葬

 センターのホームページに掲載している社葬のページをもう少し詳しくてわかりやすいものにしようと、改めて勉強しています。
 今手をつけているのが、「中小企業の社葬」のページです。
 社葬というと大手の企業が行なうもののように思う人も多いと思いますが、中小企業でも創立者や役員などの葬儀を社葬で行うことは珍しくありません。

 私も以前勤めていた会社で社長が亡くなり、社葬(合同葬)での葬儀を経験したことがあります。
もう20年も前のことで、お葬式に参列した経験もあまりないような頃、葬儀についてなにもわからず、受付に立って、指示されたことをただただ慌ただしくこなしていた記憶しかありませんが。
 ただ、今思うと、役員を含めても総勢10人に満たない会社でしたが、なぜ社葬にしたのかの意味がよくわかります。
 役員は皆、親族という、同族会社でしたが、社長だけはオーナーがお願いして引き受けてもらった、いわゆる雇われ社長でした。
社長が亡くなり、葬儀には会社関係の方もたくさん会葬に来るので、規模の大きな葬儀になることが予測され、ご遺族の費用面での負担を抑えるために、会社と遺族の合同葬という形にしたということ、また、新社長は20代とまだ若かったのですが、若くても会社のトップとして活躍できるというお披露目の意味もあったと思います。

もう20年も前のことですし、その当時は葬儀の事に何の興味もなかったため、何人の会葬者が来たのかとか、葬儀にいくらかかったのか、どんな祭壇だったのかなど、全く覚えていませんが、「葬儀社を選ぶ」など考えもしなかった時代のことなので、けっこうな費用がかかったということは明らかです。

今は、葬儀社を比較して選べる時代です。また、これから色々なことが変わってくるかもしれません。社葬や合同葬を考える企業からの相談にも新しい情報をきちんと案内が出来るよう、更に勉強をしていこうと思います。

生活保護を受給されている方の葬儀

 先日、生活保護を受けている方から葬儀社を紹介して欲しいというご相談を受けました。
 詳しいお話しを伺うと、ご対象者は同居されているお父様で、自宅治療を行なっているとのこと、医師からは今晩から明日が山と伝えられ、ご自身で数社の葬儀社に問い合わせをしたが断られてしまったとのことでした。
 深夜の時間帯で福祉事務所の担当者にも相談することが出来ず、万一のことが起こった際にはどこに連絡をしてどのような手続きをしたらよいのか、など、お電話口の声はとても不安そうなご様子でした。
 センターからは、万一の際にはすぐに動ける葬儀社さんを紹介させていただき、直接事前相談のやりとりを行なっていただきましたが、その葬儀社さんに次に電話が入ったのは、ご相談から3時間後のご逝去の連絡でした。

 病院でご逝去された場合には、事前に葬儀社の情報は持っていなくても、紹介などにより、少なくとも依頼できる葬儀社の見当はつけることが出来ると思いますが、ご自宅で看取られる場合は情報も少なく、しかも、お身内のご逝去という一大事という状況で、自分ではどうにもできないという不安はとても大きなものだと思います。

 ご相談者からの問い合わせを受けた葬儀社さんがどのような理由で断ったのかは定かではありませんが、たとえ対応できない状況だったとしても(対応できない状況とは考え辛いところですが)、葬祭扶助で行なう葬儀についての手続きなどのアドバイスだけでもしてもらえたら、少しは安心できたのかもしれません。

 葬儀社の紹介は電話で行ないましたが、ご紹介の際にこちらからの「今、メモをして頂くことはできますか?」との問いに、「はい!大丈夫です!」と、声が少し明るくなったように感じました。