大きな被害になりませんように。

 関東地域に大型の台風が近づいてきているとか。かなり大型で強い勢力の台風だそうで、このクラスの台風は2002年に関東に上陸した以来だとテレビで見ました。
 2002年の台風についてはどのような状態だったのかさえ思い出せず、過去の経験が全く活かされていませんが、前回の台風のときにベランダにあった飛ばされそうなものは下におろしたままなので、台風のシーズンが終わるまでそのままにしておこうと思います。

 関東では今晩から明日の午前中がピークと言われていますが、幸いにも明日は友引なので、今日のお通夜、明日の告別式でご葬儀が行われるのは、友引の日にも火葬に対応しているごく一部の火葬場だけです。
 ただ、明日のご出棺を予定されている方もいらっしゃると思うので、くれぐれもお気お付けいただきたいと思います。

 テレビのワイドショーや報道番組では、昨日から台風の話題を流しています。台風の通過地域での被害なども予想されていますが、大きな被害につながりませんよう、祈るばかりです。

事前に相談してもいいのでしょうか・・・。

 ご相談の当初、「まだ亡くなってはいないんですが、葬儀の相談をしてもいいのでしょうか」とお問い合わせをいただくことがあります。
 葬儀について事前に相談することは縁起でもないことかもしれないと思われている方、また、まだ生きているのに葬儀の準備をするのは心苦しいのですが、とおっしゃる方など、葬儀の事前相談に抵抗はあるけれど、やはりどこか気がかりになっているというご心情なのでしょう。

 事前相談は、物理的に葬儀の準備を進めるものではありません。気持ちの上で葬儀に対する不安を取り除くための手段であると思います。

 葬儀に対する心配や不安は、特に初めて葬儀を出すことになる方にとってはとても大きなもので、ご看病をしながらでも常に「万が一のことが起きたらどうしたらいいのか」ということが頭の中にあるのではないでしょうか。

 以前ご相談で、お母様がご入院中というご長女の方からの事前相談を受けました。インターネットで葬儀について調べていたところ、当センターのサイトを見つけて、相談をしてみようかと思ったとのことでしたが、この方もご相談当初は事前に相談をすることについて、「まだ入院している状況ですが葬儀のことを決めたりしてもいいのでしょうか」と少し戸惑われていらっしゃいました。
 話しを進めていくうちに、ご自身が抱えていた漠然とした葬儀についての不安なことが何なのかということが具体的にお分かりになってきたようで、一つずつご理解され、その結果、ご紹介した葬儀社と面談をして、万一の際にはその社に依頼することを事前にお決めになりました。
 ご葬儀で立ち合いに伺った際に、相談をされたご長女様から「事前に相談して葬儀社を決めておいたことは本当によかったと思います。葬儀社を決めた後からは、葬儀のことを気にすることなく母の看病ができました」とお話しされていました。

 事前相談についてはいろいろなお考えがあると思いますが、私の経験上では「事前相談なんてしなければよかった」という声は一度も聞いたことがありません。

 事前相談に抵抗のある方なども、葬儀について考えなくてはならない状況になった時に、「どんなものなのか」くらいの感覚でもけっこうですので一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

広い気持ちで…。

 子供さんの小さかった頃の思い出のもの、どうされていますか?

 
 先日、友人との会話でこんな話題がでました。
その友人の子供さんは中学生です。赤ちゃんの頃に着せていたお気に入りの服や、幼稚園の制服、通園バッグ、小学校のランドセルや校帽、図工の作品や絵画など、全部保管しているとのこと。それらを入れる箱に自分の手で布を貼り、可愛くしてとっておきたいのだそうです。
 子供の思い出の品に自分が手を加えたものを、子供が大人になったら渡してあげようと思っているとのことでした。

 もう一人の友人は、子供の一人は社会人、もう一人は大学生と、もうすっかり子育てが終わっています。その友人は、昨年、「断捨離」と言って、庭の物置小屋を徹底的に整理したそうなのですが、子供たちが小さい時に遊んでいた三輪車やなわとび、ボールなどが奥から出てきて、処分するかどうか、一瞬迷って、結局「これを見せられても子供はきっとなんとも思わないだろう」と処分したそうです。
 この友人は、とりあえずかさばらないものだけ、とっておいてあるけれど、それを子供に渡すかどうかはわからないと言っていました。

 そして、私は、基本的には写真を撮って現物は処分しています。賞状なども。
 私の両親は、私の子供の頃のものを押し入れの奥の方に入れて保管していたのですが、ここ数年、少し片付けをして出てくるたびに、それらのものを私の所に持ってくるのです。写真などならいいのですが、ランドセルや賞状などは持ってこられても…と思ってしまうのです。もちろん、「懐かしいでしょ」という意味で持ってきてくれるので、ありがたい気持ちもあるのですが、これも困りものだと思いました。
 私の場合、子どもが小さかったころの思い出は、親が「あの頃」を思い出して懐かしむためのものだと思っています。
 将来、娘に渡すであろうものは、ハードディスクの中にあります。しかし、壊れたらおしまいという、とても危険なものであることと、将来、それを見ることができるハードがあるのかという微妙なものであることは間違いないので、少し落ち着いたら厳選してプリントしておこうと思っています。(見入ってしまって作業が進まない気がしますが…)

 たったの三人でも、考え方や、やり方は様々なのですから、百人いれば百種類の考え方があるのだと思います。
 ご葬儀においては、それぞれのご家族の考え方が特に表れる部分だと思っていますので、もっと広い気持ちで対応できるように心がけていかなくてはと、あらためて感じました。

信頼関係

 ご葬儀では、規模の大小にかかわらず、葬儀社さんをはじめとして、司会やセレモニーレディさん、花屋さん、料理屋さん、返礼品屋さん、車両の運転手さんなど、実に多くのスタッフが関わっています。
 中でも、葬儀社さんの担当者はご遺族のご要望を受け取り、それぞれの持ち場にいるスタッフに指示をだして、ひとつのご葬儀を成り立たせる中心人物であり、担当者の指示ひとつでご葬儀の雰囲気が変わってしまうこともあり得るという重要なポジションであるといえます。

 ご葬儀に限らず、この場面はこのスタッフに任せる、任されたスタッフは責任を持って対応する。これは、お互いに信頼関係がなければなかなかできないことだと思います。
 この信頼関係が築けるような担当者は、不安や悲しいお気持ちでいらっしゃるご喪家の方にとっても信頼し、頼れる存在なのだと思います。

 私たちがご葬儀に立ち合わせていただく際には、ご葬儀の様子を拝見させていただくだけでなく、葬儀社さんやスタッフさんたちとの連携や対応についても見させていただいていますが、開式前の準備段階での動きを見て安心してしまい、しばし、会葬者の気持ちになってご葬儀に集中してしまったこともありました。

 先日立ち会ったご葬儀では、女性の担当者さんが「私が担当するご葬儀では、花屋さんや他のスタッフはいつも同じ方が来てくれるんです」とおっしゃっていました。
 これも、ご葬儀に関わる関係者同士のコミュニケーションを図るのにはとてもよいことで、その後実際にご葬儀を拝見していても、そのよさが表れていました。

台風にお気を付け下さい。

 16日は敬老の日ということで、午前中に実家へ行って、軽くお祝をしてこようと思っていたのですが、台風が上陸するかもしれないということで急遽取り止めになりました。

 このような行事なら、簡単に取り止めや延期をすることができますが、これがご葬儀となると、当然、止めることはできませんし、日程の変更なども、火葬場やご僧侶の都合などを考えると調整が難しくなります。

 明日は友引の前日なので、通夜はやらないところが多いと思いますが、台風の上陸は日中と聞いています。ご葬儀をされる方は多いことと思いますので、ご喪家の方、ご参列される方は十分にお気をつけ下さい。

 ご喪家の方と同様に、葬儀社さんもとても心配されていることでしょう。必要以上の準備をされているのではないでしょうか。  

 明日、ご葬儀をされるご喪家の方、また、ご葬儀に関係される方々が無事にご葬儀を終えられますよう、祈るのみです。

お母さんの苦労

 ご葬儀で赤ちゃん連れの方が参列されることはよくありますが、ご両親はきっと葬儀中ずっと「ぐずりませんように…」と思っていらっしゃることでしょう。一歳にも満たないくらいの赤ちゃんにとっては、いつもと全く違う雰囲気の環境で、「何かが違う…」と思っているのかもしれません。
 長時間、イスに座った状態のお母さんに抱っこされて、おとなしくしていなくてはならないというのは、赤ちゃんにとってはとても難しいことです。  以前、ご葬儀中、式場の中に入ると赤ちゃんがすぐに泣いてしまうため、ずっと外で抱っこしているお母さんがいらっしゃいました。  お母さんがあやしてくれる声も小さな声で、いつもと違う様子に不安に思ってしまうのでしょうか…。    立会いの時にはいつも式場の後方で拝見しているので、前方を向いているお母さんに抱っこされている赤ちゃんは後ろを向いているのでよく目が合います。  厳粛なご葬儀の最中で不謹慎なのかもしれませんが、赤ちゃんに見つめられると、緊張している気持ちも緩んでしまいます。  先日、ご葬儀中ずっとお母さんに抱っこされてニコニコしている赤ちゃんがいました。式中に動くセレモニーレディーさんをずっと目で追っていたり、時には人の目をじっとみてにっこりと。  ご機嫌だったその赤ちゃんが途中で少しぐずりはじめました。お母さんもヒヤっとしたのではないでしょうか。しかし、ほんの一瞬ぐずったと思ったら、急にすやすやと寝てしまいました。  また、この寝顔の可愛いこと。後方に立っている私にまで寝息が聞こえるほどで、またしばらく目が離せなくなってしまいました。  私もまだ赤ちゃんだった娘を連れて葬儀に参列したことがあったのですが、それもなかなか大変でした。式場の外にでてずっと抱っこをしていたクチです。緊張と心配と疲労で葬儀の一時間がとても長く感じたのを思い出しました。

気になる音

 複数の式場がある葬儀場でよくある問題点として、隣接する式場からの音が気になるという点があります。

 公営斎場や、複数の式場を持つ斎場で隣の式場と壁一枚の環境であったり、開式時間のズレによるものであったりと理由はさまざまですが、厳粛な式中に聞こえる音には気になる方もいらっしゃるかもしれません。

 ある式場では、駐車場や会葬者の流れの混乱を防ぐために、式場側で隣接する2つの式場の開式時間をずらすという工夫をしています。
 しかし、時間をずらしたことにより、片方の式場では既にお通夜が始まっていて厳粛な時間が流れている一方で、これから通夜をむかえる式場を利用される会葬者の方が式場脇の共通の通路を歩くヒールの音や、話し声、またある時には小さなお子様がはしゃぎながら通路を行ったり来たりしていたなど、式中に聞こえる音に煩わしさを感じることがあるようです。
 
 特に葬儀社の担当者やスタッフは、仕方がないこととはいえ、厳粛に進んでいる式中の外部からの音には敏感になっています。
 ある葬儀社さんは、つい立てに「ご葬儀中ですのでお静かに通行願います」のような張り紙をして注意を促したとおっしゃっていました。

 また、他の斎場では、出棺の時間が重ならないように隣接する式場は告別式の時間をずらすという配慮をしていますが、片方の式場はまだご葬儀中である中、隣の式場では出棺を終え、精進落しのお料理のセッティングが始まり、食器がぶつかる音が気になったという場面に遭遇したことがあります。

 ずいぶん前に、セレモニーレディさんからヒールの音が気になると注意されたことがあったと聞いたことがあります。それ以来、その社では、石の床でも足音がひびかないような靴をはくことにしたとのことです。

 一日一ご喪家で執り行える斎場では全く問題はないことですが、都心部などの便利な斎場や公営の斎場では、利用希望者が多く、少しでも多くの方に利用していただくために複数の式場を用意していると思うので、ある程度の音についてはいたしかたないことなのかもしれません。

 葬儀社さんのスタッフも含め、斎場を利用する方一人ひとりの少しの気遣いがあれば、ずいぶん改善されることなのかもしれません。

暑い日が続きますが・・・。

 8月が終わると秋の気分になりたいところですが、まだまだ暑さは続きそうで、秋が来るのが待ち遠しい時期です。

 気温は夏と変わらないのに、夏の装いに抵抗を感じるので、これからしばらくは着るものを選ぶのにも苦労します。
以前は季節の変わり目も毎年同じ時期にきちんと変わっていたような気がしますが、ここ数年、暑さも寒さも少しずつずれこんでいて、調整するのが難しい。
 デパートなどのクールビズの期間は、今年は10月31日までだとか。10月に入ればさすがに過ごしやすくなっているとは思いますが、それまではユニフォームなどは夏仕様のままということなのでしょうか。

 これから少しずつ過ごしやすくなってくると思いますが、仕事でジャケットを着用しなくてはならない方たちはもう少しの間、頑張らなくては・・・。
 鈴虫の鳴き声を聞くのが待ち遠しいです。

 子供の夏休みも明日で終わり。朝のお弁当作りから一日が始まる日常に切り替えです。

遺品整理ではなく・・・

 先日、友人から「おじいちゃんの部屋を整理したいので、知っている遺品整理の業者さんを教えてほしいんだけど」と聞かれました。
 「私が数年前に利用したことがある遺品整理屋さんなら知っているけど…」と答えかけて・・・あれ?おじいちゃん、入院されているとは聞いていたけど、まだ亡くなってませんよね?

 よくよく話しを聞くと、医師から、おじいちゃんはもう家には帰れないだろうと告げられたこと、また、痴呆症のため、すでにどこに何があるかもわからない状況になっているなどのことから、一人住まいだった部屋を整理したいと思っているということでした。
 おじいちゃんがお住まいの部屋は、都営の高齢者住宅で、入居待ちをしている人がたくさんいるため、もう戻れないのなら早く出てあげた方がいいと思って・・・と話していました。

 遺品整理の業者さんの場合、遺品になりそうなものがあると、ご家族に判断してもらうため、引き取るまえに確認させてくれたりします。(我が家の場合は、自分たちでは見つけられなかった袋に入った写真や年代物のカメラ、瓶に入った小銭など、大きな紙袋1袋分がありました。)
 そのために、不用品引き取りの業者さんではなく、遺品整理専門の業者さんにお願いしたいと思ったのだそうです。

 遺品整理というと、お亡くなりになってからの作業だと思いがちですし、また、まだ「遺品」ではないので、縁起でもないと、気持ち的にも躊躇してしまうかと思いますが、友人の想いもわかるような気がしました。
 決してお勧めすることはないと思いますが、このようなやり方もあっていいかもしれませんし、実際、生前に整理することもあるのかもしれないと思いました。

記憶に残る葬儀にするには…。

 つい先日、友人たちと数人で「5時間ランチ」をしました。みんな同年代で、子供の年齢も近く、話しは尽きることなく・・・・・で、5時間です。

 最近子供が生意気でしょうがない!どうしたらいいか、や、子供に怒っている時にかんでしまい、それがすごく悔しい!などの「母ならではのあるある」な話しや、自慢のカンタン(←この「カンタン」が大事です)おやつレシピなどの話しが続く中、仕事の話題から葬儀の話しへ…。皆、同年代ということは、その親もほぼ同年代なので、葬儀の事はやはり気になっているようです。
 そして、聞ける人がいるということからでしょうか、私がいると葬儀の話しになることが多いような気がします。

 この日に会った友人は皆、一度は葬儀を出した経験がありますが、もちろんその状況は様々です。

 このうちの一人、Aさんは、私が葬儀関係の仕事に携わっていることを知っていたので、私は義理のお母様の余命が宣告された時点から事前の相談を受けていました。葬儀について、一つ一つ説明し、自分達に必要なことは全て理解してもらったうえで葬儀に臨んだので、葬儀では義母様を見送ることに専念することができ、数年経った今でも病院でお義母様が亡くなった時点から、無事葬儀が終わるまでを今でも鮮明に覚えているそうです。

 もうひとりのBさんは、私と知り合う前にお父様を亡くされ、どこの葬儀社に依頼したらいいかもわからない状態だったので、入院していた病院に入っていた葬儀社さんにそのままお願いしたそうです。お父様が病院からどのように搬送されたのかも今では思い出せず、葬儀の打ち合わせでも、何をどのように決めたのか全く覚えていないとのこと。覚えているのは「遺影写真をどれにしようか、写真・・写真・・・・・」と、遺影写真ばかりに気を取られていたことくらいだとか。
 そして、葬儀が終わった後、お母様が、「祭壇が打ち合わせの時に話していたのと違っていた。」と言いだし、その後の葬儀社の対応にも不満が出てしまい、今でも後悔しているとのことでした。

 この話しを聞いて、やはり事前相談はした方がいいと、あらためて実感しました。
 そうでなくても大切な人が亡くなるということは遺された遺族にとっての悲しみは深く、気丈に振舞っていても動揺はあります。大事な話しでもつい、うわの空になってしまうことも少なくないと思います。
 個人の性格にもよることではありますが、「自分で理解している」と「いわれるがままに」では、葬儀で見送りに専念できるかどうか、また、後々の記憶の残り方にも大きな違いがでてくるようです。

 私を含め、彼女たちも、将来、また葬儀を出すことになります。その時に後悔しないように、私から吸収できることは全て吸い取ってもらい、きちんと見送ったと記憶に残してもらえればと思います。