半月ほど前、医科大学の不正入試でマスコミを騒がせた際「やっぱり男性医師にみてもらいたい」こんな声も大分囁かれていたような報道を耳にしました。
ご葬儀関係でも、一昔前までは大方男性担当者が主導権を握っておりましたが、近年は女性の進出も当たり前のようになり、ご葬儀によっては時に女性の方が向いているのではと思わせる程になって参りました。
ご葬儀の立会いにお伺いした際も、永年家庭を切り盛りしてきた女性ならではの目線で、細やかな事にも気を配り、臨機応変に対応している姿に、こちらからも思わず近寄って「よろしくお願いします」と声を掛ける程でした。
少々おせっかいに思える位の事でも、急なご不幸で気が動転しているご喪家にとってはそれがかえって潤滑油になっているようにも見受けられました。
「ご葬儀の折はただひたすら、ご遺族の傍に立っていて差しあげるだけですよ」謙遜する肝っ玉母さんのような担当者は、「目の前におばさんがうろうろしているから、何でもあのおばさんに聞けばよい」と、皆さんが気楽にものを言いやすいような雰囲気を大事にされているとのこと。
中にはご葬儀の間、親戚の伯母さん代わりに、永年の不満をやっと聞いてもらえる人に出会えたとばかりに話し込むご喪家の方もいらっしゃいますが、担当者はひたすら聞き役にまわり、喪主の奥様には小声でそっと「49日までは忍の一途ですよ」と申し上げておいたとの由。
ご葬儀中に、読経をされているご住職の奥様が危篤状態とのご連絡が入った折には、「生きている方が優先ですので、釜前の読経は省いて、ご住職を奥様のそばに行かせてあげてください」出棺間際にそっと喪主に耳打ちされ、ご了解をいただいたことも伺いました。
また、時には生後間もない赤ちゃんのご葬儀で、「読経の間抱いていたい」と柩の中の赤ちゃんを抱き寄せた若いママに、「ご自宅でお身内だけのご葬儀ですからいいですよ」と孫を亡くしたお姑さんの気持ちになって、黙認することもあるとの由。
男女差別の時代も、そろそろ終わりにしたいですね。