男女の差別なく、生活者の目線で・・・。

 半月ほど前、医科大学の不正入試でマスコミを騒がせた際「やっぱり男性医師にみてもらいたい」こんな声も大分囁かれていたような報道を耳にしました。

 ご葬儀関係でも、一昔前までは大方男性担当者が主導権を握っておりましたが、近年は女性の進出も当たり前のようになり、ご葬儀によっては時に女性の方が向いているのではと思わせる程になって参りました。

 ご葬儀の立会いにお伺いした際も、永年家庭を切り盛りしてきた女性ならではの目線で、細やかな事にも気を配り、臨機応変に対応している姿に、こちらからも思わず近寄って「よろしくお願いします」と声を掛ける程でした。
 少々おせっかいに思える位の事でも、急なご不幸で気が動転しているご喪家にとってはそれがかえって潤滑油になっているようにも見受けられました。

 「ご葬儀の折はただひたすら、ご遺族の傍に立っていて差しあげるだけですよ」謙遜する肝っ玉母さんのような担当者は、「目の前におばさんがうろうろしているから、何でもあのおばさんに聞けばよい」と、皆さんが気楽にものを言いやすいような雰囲気を大事にされているとのこと。

 中にはご葬儀の間、親戚の伯母さん代わりに、永年の不満をやっと聞いてもらえる人に出会えたとばかりに話し込むご喪家の方もいらっしゃいますが、担当者はひたすら聞き役にまわり、喪主の奥様には小声でそっと「49日までは忍の一途ですよ」と申し上げておいたとの由。

 ご葬儀中に、読経をされているご住職の奥様が危篤状態とのご連絡が入った折には、「生きている方が優先ですので、釜前の読経は省いて、ご住職を奥様のそばに行かせてあげてください」出棺間際にそっと喪主に耳打ちされ、ご了解をいただいたことも伺いました。

 また、時には生後間もない赤ちゃんのご葬儀で、「読経の間抱いていたい」と柩の中の赤ちゃんを抱き寄せた若いママに、「ご自宅でお身内だけのご葬儀ですからいいですよ」と孫を亡くしたお姑さんの気持ちになって、黙認することもあるとの由。

 男女差別の時代も、そろそろ終わりにしたいですね。

秋の空とコスモスに囲まれて・・・。

 青空の下、辺り一面に咲き乱れているコスモスの花が風に揺られています。
 暫しの間、昭和記念公園のコスモス畑の中に立ち、久しぶりに心の安らぎを覚えたものでした。
 
 人は誕生から最期まで何時でもお花と寄り添ってきていると言われます。
 お花との御縁は最期まで切れないようです。

 以前、ご葬儀の立会いにお伺いした折にも、柩いっぱいの花びらに囲まれたお顔は一段と明るく映り、今にもパッチリと目が開かれるのではと、ドキッとさせられたこともしばしばございました。

 花祭壇が主流になった現在では、以前の様に仏式だからと言って、お花を限定されることもなく、お好みの色やお花の種類をご指定される方も多く、母の日近くには真っ赤なカーネーションで祭壇を埋め尽くす方、また柩の上いっぱいに大好きな薔薇の花束をささげる方と様々です。
 
 特に薔薇はトゲがあり、お花は鮮やか過ぎて、ご葬儀には向かないお花と言われていましたが、立会いでお伺いしたご葬儀での印象は鮮烈でした。

 他界されたご主人のお歳の数と同じ60本の大倫の黄色い薔薇は、毎年奥様の誕生日にお歳の数だけプレゼントし続けたご主人への、奥様からの最初で最後の贈り物でした。

 また、柩の周りを白薔薇で飾り、1日だけのお別れ会としてパーティ形式のご葬儀では、献花も柩へのお花入れも全て白薔薇で埋め尽くされておりました。
 最後に奥様が一輪の真紅の薔薇を手向けられ、鮮やかな真紅の薔薇はご主人のメッセージを代弁しているかのようでもありました。

 秋の空としなやかなコスモスに囲まれて、ふと最期のお花を思い浮かべていました。

後は看病にお気持ちを集中していただければ・・・。

 「事前にご相談していくうちに、自分の気持ちもはっきりしてきて、残り少ない日々を看取ることだけに集中することができました」
 ご葬儀後、ご依頼者の方々から上記のようなご報告を度々いただきます。

 我々、ご相談を受ける立場の者といたしましては、ホッと安堵するひとときでもございます。
 当センターの設立間もない頃に比べ、最近ではマスコミを中心とした情報過多の傾向もあり、ご葬儀の内容も表面上は大分様変わりして参りましたが、あらかじめ事前にご相談される方のお気持は、以前も現在もあまりお変わりないように思われます。

 事前にご相談されるお気持やお立場はそれぞれですが、やり直しがきかない未知のことへの不安や、必死に戦っていらっしゃる方を目の当たりにして、大方は自己嫌悪に陥りながらも、無事やり遂げねばとお気持ちを奮い立たせてのご相談かと存じます。

 限界が近づいてきて、なんども「もしかしたら」がよぎり、「その時」をどうすればよいのか、具体的に何も分からない状態のまま、まずは当センターにご相談された方からは、看病しながら一方で同時に葬儀の準備に入る行動に罪悪感を覚え、悩みながらのやりとりの中で、センターのホームページを読み込んでいくうちに 、あらかじめ知っておくことが、ひいてはキチンと送ってあげることに繫がるのだ、と思えるようになってこられたとのご報告も承っております。
 
 お気持も次第に落ち着き、残り少ない時間でしたが看病に専念でき、悔いを残さずお見送りが出来たとのことです。
 
 当惑しながらもメールやお電話でのやり取りをしていくうちに、不安や疑問が一つずつ取り除かれ、お気持も次第に整理されて、後は安心して看病に集中されたご様子が伺われます。

 ご葬儀だけはやり直しがききません。
 ご相談された後は、悔いが残らないように、精一杯の看病をして差し上げてください。

ご喪家に向く賛同社の選び方

「ご紹介頂いた3社のご担当の方とお会いしました。どの方も安心してお任せできそうな感じがしましたが、今回は推薦いただいた葬儀社さんにお願いしたいと思います。実際にお会いしてみてその通りだと実感しました」
 
 センターのご相談フォームから事前のご相談を頂き、当方からもさらにご要望やその理由等をお伺いし、ご要望に見合った地元の賛同社からお見積りをお取りして、センターの見積説明書と共にお送りした方からのご報告です。

 葬儀社をご紹介するにあたり、ご質問の中でご葬儀の方向性も考慮し、予算と場所とサービスの質の三つがあるとするならば、あえてどれを優先されるかをお伺いして、地元の賛同社3社程をご紹介したところ、出来ましたら担当者とお会いする前にお勧め順とその理由もお聞かせ願いたいとのご連絡をいただきました。
 各社共甲乙つけがたい状況でしたが、ご相談者からの要請を受け、強いて申し上げればとの前置きで、今回は一番こぢんまりした社を推薦させていただきました。

 理由といたしまして、お身内だけの家族葬を御希望になり、ご会葬者の多くがご高齢者とのことで、ご要望として細かな気配りや適切なアドバイス等のサービスの質を挙げておられましたので、3社の中では永年ご葬儀に携わり、小規模ゆえに自営業的立場で、状況に合わせて小回りが利き、担当者の一存で即臨機応変な対応が可能な社を選ばせていただきました。

 但し、見積りの説明書でも申し上げておりますが、実際にお会いされて、ご紹介した担当者と合う、合わないという問題も時には起きて参ります。
 特に少人数のご葬儀では担当者との関係が密になり、重要になってきますので、実際にお会いになり、お話し合いをされてからご判断いただくよう申し伝えておきました。
 ご報告から4日後、御家族の皆様に見守られ、お母様は静かに旅立たれ、それから6日後のご葬儀となりました。

 最近はホームページをはじめ、週刊誌、テレビ等のマスコミを中心に、ご高齢者をターゲットにしたご葬儀に関する情報が氾濫の様相を呈していますが、熟読されて情報のハウツーをマスターしただけでは、ご満足のいくご葬儀を執り行うのは難しいのが現状です。
 
 ご喪家にはそれぞれご希望がございます。
 ご喪家のご要望をどれだけ汲み取れるか、ご葬儀の担当者も日夜努力しております。
 双方を取り持つ当方も、第3者として、常にご要望に合った担当者をご紹介できるよう、心がけていきたいと存じます。

地元葬儀社さんならではの強み

 当センターではご相談に応じて、地元の賛同葬儀社さんをご紹介しております。
 各社共、地域のことに詳しく、如何にご要望に応じたご葬儀が執り行えるか、担当者さんはご喪家のお気持ちを汲み取り、臨機応変な対応を心がけ、ご葬儀後のアンケートのご回答でも大いに感謝されております。

 納棺に間に合わなかった弟様の願いは「最後の一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。
 ご自宅でご逝去されたお父様は、当初ご自宅での納棺後、日華斎場での1日葬との段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちの状況には、お仕事の関係で難しく、急遽担当者さん提案の地元のお寺でのご葬儀に切り替わりました。
 通夜を執り行わない1日葬の為、式場費も半額でしたので、通常のお泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者さんが掛合い、2階の空いている和室をご提供いただけることになりました。
 但し、1階にご安置された柩を2階に運ぶ手立ては階段しかありません。
 御兄弟3人で力を合わせ、柩を2階和室にお運びし、お父様を囲んで最後の晩をお過ごしになられたことを、感無量の面持ちのご相談者からお話頂いたのは言うまでもありません。

 また、九州にご実家のあるご相談者からのご要望は、九州での義母様のご葬儀の際と同様に、老人ホームに入居中の義父様のご逝去からずっと付き添い、遅くともご葬儀を3日後には終わらせたいとの由。
 ご要望は地方と東京でのご葬儀の格差が一番顕著に表れるところですが、こちらもご紹介した担当者さんの計らいで、見事にクリアできました。
 こちらの地元の老人ホームでは、1晩付き添いが可能なことを、担当者さんはご存知でしたので、ホームで看取った後、ホームの許可を得て、ご相談者は義父様に1晩付き添う形となりました。
 さらに、ご自宅近くに新しい家族葬用斎場の情報を得た担当者さんは早速にこちらでのご葬儀を決め、混雑している多磨葬儀場での火葬は特別賓館での火葬となりましたが、全体的に費用を抑えたため、無事予算内でご葬儀を執り行うことができました。
 ご葬儀を終えた夜、ご相談者からはお疲れの中、早速にご納得のいくご葬儀ができたこと、ご要望通り、最善の日程で実施出来たことへの感謝のお言葉を頂きました。

 ご喪家のご要望も、一つひとつ違います。
 地元のことを知り尽くしている担当者さんの、臨機応変な対応に、期待が掛かっております。

搬送先はどちらに・・・。

病院でご逝去された後、まずはご遺体の搬送先をどちらにされるか。
咄嗟に頭をかすめるのは永年住み慣れたご自宅に・・・。

しかしながら、都会の住宅事情やご家族のみでお見送りされる場合のご近所へのご報告の煩わしさ等が頭をよぎり、昨今はご自宅以外をご希望される方が圧倒的に多くなってまいりました。
そんな中、たとえ一日でも、との強いご要望もございます。
ご自宅以外の安置所になりますと、ご面会の時間も制限され、場合によっては通夜当日までご面会すらままならない場合もございます。

先日ご相談頂いた方の場合は、長年お1人で団地住まいをされていらっしゃいましたが、一人娘さんのたっての願いで、一旦ご自宅にお戻りになりました。
ところが、古い団地の為、エレベーターに柩が乗らず、3階まで担当者がご遺体を抱えて階段を登られたとのこと。
担当者からはごく自然にご報告いただきましたが、お仕事とは言え、頭の下がる思いでした。

団地のエレベータ―で、思い出すことがございます。
お1人でお住いのお母様がご逝去され、最寄りの警察で検視を受けた時点でご相談を頂きました。
ご紹介した賛同社の担当者が早速に警察に出向きましたが、医務院での解剖が施され、処置された後での搬送と決まり、搬送業務は医務院扱いとなりました。

当初、都内のご相談者宅への搬送をご希望されていらっしゃいましたが、お住いの団地のエレベーターに柩が入りきれず、解剖処置後のご遺体を階段で運ぶのは無理なことが判明し、ご相談の結果、急遽血縁者ではないご相談者の奥様の都下のご実家への搬送に変更されるという報告を受け、思わぬハプニングに担当者も慌てて念を押してしまうほどでした。

その夜、お母様サイドのご親族は、ご相談者の奥様のご実家を初めてご訪問される方が殆どでした。
しかしながら、急な成り行きにも、ご実家の皆様は当然のように受け止められたご様子とのこと。
困った時はお互い様ではありませんが、関係者一同、お別れの場を提供されたご実家の計らいに深く感謝され、最後のお別れの日は葬儀・告別式はなく火葬のみになりましたが、ご焼香と柩へのお花入れのお時間を十分に取られてのご出発となられたとの報告を担当者からいただきました。
担当者もご実家でのご安置の間、何時どなたがいらっしゃってもご焼香ができるように、準備されたのは言うまでもありません。
ご葬儀に不謹慎かとは存じますが、なぜかホッとした思いがよみがえってきます。

ご要望に応える担当者

 「先日の母の葬儀では、葬儀社の担当者の方に大変良くしていただきましたので、何かお礼をした方がよろしいでしょうか」
 ご葬儀後のお忙しい中、ご相談者から早速にお礼のお電話を頂きました。
 スタッフ共々、思わずホッとする瞬間でもあります。
 「そのお気遣いは大変有難く頂戴いたしますが、お言葉だけで十分でございます。早速に担当者の方にお伝えしておきますので・・・」とお礼を代弁させて頂き、センターからは後程お送りするアンケートへのご協力をお願い致しました。

 「晩年父は病の連続で、医者にも恵まれず大変な思いをしてきましたが、最後に良い葬儀社さんと良いご住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったかな・・・と思っております。まだまだやることは山ほど残っておりますが、お蔭様で告別式は無事終わりました」。

 「母は担当者様を大変気に入り、良い葬儀社さんだったわとご近所の方々にもお伝えしておくわねと申しております」
 悲しみの中にも、ご葬儀を無事終えた安堵感が、お電話やお手紙から直に伝わって来ます。

 昨今は御家族・ご親族中心の小規模なご葬儀が多くなるにつれ、ご喪家のご希望も夫々で、家族葬とひとくくりにされますが、ご喪家のご要望も十人十色の様相を呈しています。
 担当者はご喪家のご要望をお伺いし、目配り、気配り、心配りをされながら、ご葬儀に向かうことになります。

 当センターでは地元の賛同社の担当者レベルまで常に把握しており、ご相談者のご要望に対し、臨機応変に対応して頂ける担当者のご紹介させていただいております。
 これは、当センターの特徴の一つでもあります。

担当者の気配りは如何に・・・。

 「お忙しいところ昨晩の通夜にお越し頂き、ありがとうございました」
 緊張した面持ちでエレベーターを降りた老夫婦は、ご葬儀の受付けに向かう途中で声を掛けられ、思わずほっとされた御様子で、安心されたような表情を見せていらっしゃいました。

 声の主は葬儀社の担当者でした。

 緊張のあまり、日頃の気配りができにくい喪主やご喪家に代わり、常に俯瞰の目で周囲に気を配りながら、いち早く対応できることも担当者の重要な役割の一つだと思われます。

 ご葬儀は夫々のお宅に見合う見送り方があり、ご葬儀のノウハウだけでご満足のいくご葬儀を執り行うのは難しいのが現状です。

 昨今多くなりましたお身内だけのご葬儀では、担当者との接触も頻繁になり、ちょっとした気配りが満足度の大きな要因になり、ご相談内容によりましては、様々な経験を積んだ担当者に一理あり、委ねる場合もございます。

 先日もご相談者から万が一の際のご要望をお伺いし、地元の賛同社でご希望に沿えると思われます複数社より見積りをお取りし、賛同社と見積りのご説明等をさせていただき、時間がございましたら、是非担当者と面談をされるよう申しあげましたところ、ご面談前に当方の推薦社とその理由をお知りになりたいとのご返事を頂きました。

 ご予算も大事ですが、サービスの質を第1に挙げ、ご会葬者はお身内のみで、お年を召した方が多いとお伺い致しましたので、ご紹介いたしました複数社の内、小規模ながら長年ご葬儀に関わり、経験豊富で状況に合わせて小回りが利き、その場その場で臨機応変な対応が評判の担当者を今回は推薦させていただきました。

 但し、ご相談者と合う、合わないということもございますので、その点はご配慮いただくよう申し伝えておきましたところ、各社担当者と面談をされた後、万が一の際は当方が推薦した社にお願いされたいとのご返事をいただきました。

ご葬儀だけは、やり直しがききません。

 先日、数名の家族葬でしたが、予想以上の請求金額にビックリされ、揚げ句にお支払い後、領収書も出してもらえず、税理士の方にも問い合わせをしていただいたが、未だに領収書が届いていない状況との口コミを頂きました。

 御家族の方が病院で亡くなられ、病院付きの葬儀社さんにお任せになられた揚げ句、予想以上の金額になり、説明をお伺いしたが、脅迫まがいの言葉になすすべがなかったご様子です。

 急なこととは言え、もう少し早く準備をしておくべきでしたと自戒の念を込めて投稿されたとのことですが、ご葬儀だけはやり直しがききません。

 双方それぞれの言い分があったとしても、それを客観的に見ることは難しい場合もありますが、当センターでは第三者機関としてその都度最後までチェック致しますので、お蔭様で設立以来このようなトラブルはございません。

 ご葬儀後のアンケートでも率直なご意見をお伺いしておりますが、ご紹介した担当者の采配ぶり、ご納得のいく説明ぶりをご評価いただくことが多く、事あるごとにお話申し上げております。

 「ボーとしていたら(葬儀社に)いいようにされてしまった」とはよく聞くが、「ボーとしていたら(依頼者の私共の)いいようにして下さった」と感じました。
 追加オプションを勝手に付けられたとはよく聞くが、「これは不要ですね」と削って下さった。
 ご葬儀当日だけでなく、後日もお世話になり、申し訳なくなる程手厚く助けて下さった。
 どんな小さな疑問にも相談にも丁寧に答えてくださり、お願いしてよかったです。

  センターでは地元の賛同葬儀社さんをご紹介しておりますので、ご相談いただければと存じます。

予期せぬ展開も腕の見せどころ・・・。

ご喪家のご希望として、ご葬儀はご家族・ご親族、又はごく親しい方のみで執り行いたいとのご要望をお伺いしておりましても、時として大勢の方が詰めかけ、予期せぬ展開をお見せすることもございます。

先日も、家族葬をご希望になり、当初お決めになられた葬儀社さんと打ち合わせに入った段階で、ご要望に食い違いが出てきてしまい、改めて当センターに賛同社のご紹介をとの要請をいただきました。

ご葬儀はご家族ご親族のみで質素にお見送りされたいとの意に反し、故人様が現役でお仕事をされていらっしゃる方でしたので、先の打ち合わせ中にご葬儀の情報が洩れ、瞬く間に広がってしまい、通夜当日まで会葬者数が読めず、結果大勢の方にお越しいただく羽目になってしまいましたが、ベテランの担当者の手により、無事難局を乗り越えることが出来ました。

この様に御家族の思惑とは異なった場合の対処の仕方も様々ですが、お話を伺い、以前、ご葬儀に立会いでお伺いした際の、ベテラン担当者の見事な手綱さばきがにわかに思い出されます。

当時、親族10名程でのアットホームな家族葬をとお伺いしておりましたが、通夜前日から急に葬儀社に問いあわせが殺到致しました。

担当者は急遽お清めを増やしましたが、故人様は50代のフリーの出版関係の方でしたので、大勢の方の知るところとなり、通夜当日お客は増え続けていました。
さらに都合が悪いことに、斎場はお清めどころまで見渡せるオープンな空間でしたので、担当者はできるだけお食事からご会葬者を遠ざける策に出ました。

故人様の大好きだったチャップリンの映画音楽を流し、その間ご会葬の方々は故人様の作品や本を回し読みされ、故人様との思い出にひたって一段落したところで開式に持って行き、奥様の御挨拶から始まり、ご焼香が終わった後、柩の蓋を開け、通夜にしかお越しになれない方々のためのお別れ会として、お花入れしていただくことで、お清めのお時間は大分カットされた御様子です。

翌日告別式も多くの友人知人がお集まりになり、「故人の固い意志で無宗教にさせて頂きました」との司会で始まり、友人3名様には、ご会葬者数には関係なく、ご喪家のアットホームな雰囲気の中で進行したい旨をお伝えすると、用意された弔辞をポケットにしまわれ、遺影に向い夫々ご自身のお言葉でお話になりました。

昨晩同様に、チャップリンの映画音楽が流れる中、ご焼香となり、最後のお別れ花は会葬者全員で手向けられました。

御家族だけでお見送りのご予定が、会葬者160名近くまで膨れ上がってしまいましたが、ベテラン担当者の采配で無事定刻5分前にはご出棺となりました。

式場片隅で成り行きを見守っておりました当方も、思わずほっとして頷いていたことが昨日のことのように思い出されます。