担当者とのコミュニケーションは如何に・・・。

 先日、口コミ欄へご投稿いただいた方からはご葬儀終了後、届いた請求書をご覧になって驚いたとのご報告を頂きました。

 以前のご葬儀でお願いした葬儀社さんに今回も安心してお願いされたが、見積りが二転三転していつの間にかに増額され、追加オプション等も勝手に付けられ、当初よりもかなり高額な請求書が届き、ご葬儀を執り行った葬儀社さんに説明をお求めになられたが、担当者と上司の方はひたすら謝るだけで、ご了解できる回答を頂けなかったとのお話です。
 
 信頼されていた葬儀社さんの対応ぶりに落胆され、皆様が今後このような被害に遭わないように、とのご忠告を込めて投稿されたとの由。

 当センターの場合は見積りだけではなく、出来るだけ事前にご紹介した社の担当者と面談をされ、担当者とのコミュニケーションを図って頂くようお願いしておりますが、拝読して改めて担当された方との意思の疎通の大切さを実感させられ、以前いただいたご葬儀後にお願いしておりますアンケートでの文面が思い出されました。

 そこには初めてのご葬儀をご不安の中、無事終えられ、ほっとされたお気持ちが感謝のお言葉として綴られておりました。

 「ボーっとしていたら(葬儀社に)いいようにされてしまった」とのお話はよく聞きますが、「ボーっとしていたら(依頼者である私共の)いいようにしてくださった」と感じました。
 「追加オプションを勝手に付けられた」とはよく聞きますが、担当者は「これは不要ですね」と削ってくださいました。
 との文面に、ご紹介した者として、ベテラン担当者の心意気を感じたものでした。

 お身内の方々を中心としたご葬儀が多くなった昨今では、ご喪家のお気持がよりクローズアップされてきますので、担当者はどのようなご葬儀をお望みなのか、ご相談者とのコミュニケーションを図り、より一層の細やかな気配り、気遣いを見せています。

 「高齢で長患いだった母を見送る気持ちの整理はすでに出来ていましたが、その気持ちを汲み取って頂き、時には明るい笑顔で対応して頂き、母を心静かに見送ることが出来ました」。

 一人娘で最愛の父を見送られた方からは、ご葬儀後、担当者から手紙を貰い「心に残る葬儀だったと書いて下さり、これでよかったのかなと悩んでいた私の気持ちが少し軽くなった気がします」との由。
 以上はアンケートからのご報告ですが、担当者はメンタルな面もしっかり支えていらっしゃいます。

 故人様お1人お1人が違うように、ご葬儀もお1人お1人全て違います。
 担当者はご喪家のご要望にどれだけ耳を傾け、どのような見送り方をご提案し実現できるか、ご相談者とのコミュニケーションの取り方で、ご葬儀の在り方も大分様変わりしてしまうように思われます。

一度はご自宅へ・・・。

 お義母様の事後のお問い合わせで、「病院からの搬送先はとりあえず自宅以外にお願いしたいが、ご葬儀までの日にちがあれば、途中から自宅への搬送もお願いできるか」とのご相談をいただきました。
 入院中は空き家同然になっていた1人住まいのお義母様のご自宅へは、お掃除してからお迎えし、何としても永年住み慣れたご自宅へお帰りになってから式場に向かわせたいとの由。

 最近はお身内だけでのお見送りをご希望される方が増え、入院先からご自宅に戻れば、ご近所に知られることとなり、後々面倒なことが起きないようにと、ご自宅以外に搬送先をご指定される向きが多い中、せめて一度はご自宅へと譲れないこだわりを持たれる方もいらっしゃいます。

 ご主人様の長い入院生活を病院近くのウイークリーマンションで支え続けた奥様は、ご長男一家とご兄弟だけでのご葬儀に先立ち、ご近所にはご葬儀後にご報告する手前、知られないように気を使われてのご帰宅となりました。
 病院から1年9ヶ月ぶりに戻られたご主人に奥様がいの一番にされたのは、長い間閉めっぱなしにしていた雨戸を開け、ご主人のご自慢だったお庭を見せて差し上げることでした。

 一方、都内の下町商店街で永らく魚屋さんを営んでおられ、ご自身のお誕生日3日前に病院でご逝去された方の場合は、ご家族のたっての願いで、最後のお誕生日をご自宅でお迎えになられました。
 お誕生日までの3日間は商店街のお仲間達が随時お集まりになり、皆様それぞれに最期のお別れをされたご様子です。
 誕生日を終えられた後、柩の脇に飾られた立派なケーキをご覧になったご葬儀の担当者は、少しでも皆様の思い出となるようにと写真に収め、柩の脇に飾られたとのこと。
 初めてのご葬儀でお気持の余裕がない中、担当者のちょっとした気遣いにも、ご喪家の方々は大変感激されたご様子とのご報告もいただいております。

 入院という非日常の中から、一旦かつて生活の場であったご自宅にお戻りになることで、送る方、送られる方双方がより日常に近づくことができ、それがお見送りされる方の心の支えになっているようにも思われます。

ご高齢者もお見送り

 先日、介護施設にご夫婦で入居されていらっしゃるお父様の状況が思わしくなく、目下病院に入院中ですが、万が一の際は直葬でのご葬儀をご希望され、葬儀社さんをご紹介願いたいとのご相談を頂きました。

 直葬をご希望されたのは、介護施設にいらっしゃるご高齢のお母様がご葬儀にご出席されるのが難しく、長時間の拘束に耐えられない状況の中、最期のお別れだけは是非叶えさせてあげたいとのお子様達のご要望からとのこと。
 早速に自社安置所を所有している賛同社をご紹介し、ご家族の方々は安置所で火葬前日にゆっくり最期のお別れをされ、炉前でのお別れはお母様優先にされることを提案させていただきました。

 一方、NPO法人で川崎市と提携している当センターのホームページをご覧になり、安心されて「そちらでお任せして頂ける葬儀社さんのご紹介を・・・」とセンターを全面的に信頼いただき、当方に賛同社の推薦をお任せになられたご相談者の唯一のご要望は、ご高齢でおみ足の不自由なお母様が、ご自宅からタクシーで行ける範囲でのお見送りでした。
 バリアフリーが完備された火葬場併設の浦和斎場でのご葬儀は、移動がなく、お母様も無事お父様とのお別れができ、ご満足されたとのご報告をいただきました。

 平均寿命が延び、斎場でのご葬儀が一般化される中、特にお身内でのご葬儀では最期のお別れをご希望されるご高齢の方も増え、対応する葬儀社さんの担当者も何とかお気持ちをかなえてあげたいと、あれこれ模索されていらっしゃるようです。

 以前立会いでお伺いしたご葬儀ではお父様のご逝去の折、ご相談者の喪主様は斎場に病身でご高齢のお母様を車椅子に乗せてお連れし、ご一緒にお別れをされましたが、このお母様を支えたのは葬儀関係者の中でヘルパーの資格をお持ちの方でした。

 お一人で歩行困難なお母様には、お式が始まるまでと、最後のお別れでのお花入れの準備が整うまでは、控室でお休みいただき、その際の車椅子への移動、またお手洗い等のお手伝いと、手際よく行動されていらっしゃるヘルパーさんの姿を拝見し、高齢化社会のご葬儀の在り方を目の当たりしたように感じ入ったものでした。
 
 介護経験のないものだけでは難しい状況を垣間見、ヘルパーさんの存在はこれから増々葬儀関係者にとって欠かせない要素になるのではと実感させられた場面でした。

ベテラン女性担当者の出番です。

 悲しみまでもドーンと引き受けてくれそうな気配が伝わってくるのでしょうか。
 頼もしい女性担当者の出番が増えて来ているようです。

 入院中のご主人の容態が厳しい状況との報告を受けた奥様から、センターのご相談フォームにお問い合わせをいただきました。
 ご主人からは「家族で見送ってもらえれば・・・」と言われているが、交友関係も広く、一方寂しがり屋の面も持ち合わせていらっしゃる。今の段階で、どのようなご葬儀をされたら良いのか見当もつかないが、それよりも、ご存命のうちに、このようなご相談をすること自体を躊躇されていらっしゃるとのこと。
 お気持が揺れる中、葬儀社さんを決めるだけでも落ち着くかもしれないとご相談に踏み切られたご様子です。
 早速に、奥様のお悩みには、女性同士、より素直なお気持でお話しできるのではとの期待を込めて、地元賛同社で今まで数々の実績を持っていらっしゃる、女性担当者の方をご紹介させていただきました。

 ご逝去の後、火葬場併設の斎場が混み合い、ご自宅でのご安置が長引きましたが、その間、担当者はドライアイスの交換にお伺いする度、奥様お1人で準備をされるプレッシャーやお気持の揺れを受け止め、じっくりお話し合いをされたとの由。
 ご葬儀後、奥様から大勢の御会葬者をお招きして、ご葬儀に臨むことが出来,ご満足されたとのご報告をいただきました。

 女性担当者の活躍は特に少人数のご葬儀で発揮され、段取りや規則以上に、永年家庭を切り盛りしてきた女性ならではの目線が生きてくるようです。
 常に生活者の皮膚感覚で行動し、時に応じて対応できる肝っ玉母さん的存在は、都会の多様化した、ご相談相手もなかなか見当たらないご葬儀では、益々欠かせない存在にていくかと思われます。
 普段おせっかいに思える位の事でも、気が動転しているご喪家にとっては、それがかえって潤滑油になる場合も見受けられるようです。

 中には「ご葬儀の折はただひたすらご遺族のそばに立っていてあげるだけ」とおっしゃる担当者もいらっしゃいます。
 「目の前におばさんがうろうろしているから、おばさんに聞けばよい」と、皆さんが気楽にものを言いやすいようにうろついていらっしゃるとのこと。
 
 その女性担当者が生後数か月の赤ちゃんを取り扱った時は「時として孫を亡くしたお姑さんの立場になって、プロの気持ちも揺らぐこともあるが、それはそれでいいのでは・・・」とまでおっしゃいます。
 読経が始まると「ずっと抱いていたい」と若いお母さんは柩の中の赤ちゃんを抱きよせ、担当者が「ご自宅でご家族だけのご葬儀ですからいいですよ」とご返事すると、お経の間中、我が子を抱きしめていらっしゃったと伺いました。

担当者のアドバイスで安心を・・・。

 「入院中の父の容態が油断を許さない状態になってきたが、万が一の時はどうすればよいだろうか」電話口の声は不安いっぱいのご様子でした。
 ご家庭が複雑で、ご両親は離婚されており、お父様は生活保護を受けている身で、ご相談できる方がいらっしゃらない。
 また、お父様のご実家の方々とも疎遠で、生活保護の範囲でご葬儀を出すか否かも決めかねていらっしゃるご様子とのこと。

 生活保護の葬祭扶助の場合は限度額が決っており、式は難しく、火葬のみでのお見送りになってしまう現状を申し上げたところ、葬儀社の担当者から直接お話をお伺いしたいとの要請を受け、センター賛同社の担当者をご紹介させていただきました。
 早速に担当者から福祉と一般のご葬儀の場合の違い等の説明を詳しく伺い、お父様のお友達が多いようでしたらご葬儀をお考えになられた方がよろしいのでは等、具体的なアドバイスを受け、お気持も大分整理されて、1日葬にお決めになられ、なによりもご相談できる相手にめぐり合い、安心されたご様子です。

 1ヶ月後ご逝去の報が担当者に伝えられ、丁度年明けの混雑している時期とぶつかり、ご葬儀まで1週間以上の待機となりましたので「専門家の手により綺麗なお顔で、お友達と最後のお別れをされてはどうか」との担当者の提案にも、ご納得のご様子でした。
 要所々での的確なアドバイスをされた担当者は、ご相談者にとって心強く頼もしい存在となって頂けたようです。

 一方、ご相談者にとって良いご葬儀になるか否かはご紹介した担当者への信頼度が大きくものを言うようです。
 事後のご相談では、ご紹介した社の担当者がいきなり登場という形もございます。
 深夜、ご家族の皆様のお疲れもピークに達しているところに伺う担当者は力量が問われますが、ご喪家のご要望を素早く汲み取り、臨機応変な対応ぶりに、ご喪家の皆様も安心してご葬儀に臨まれたとのご報告も頂いております。
 
 故人様をまずは自社の安置所にお預かりし、お疲れの皆様には一旦お休みいただき、翌朝皆様が再びお集まりになられる中、担当者の手で目や口を閉じ、お顔を整え、髭剃りをして差し上げると、お元気な頃のお父様が彷彿とされ、ご喪家との距離も一気に縮まったご様子とのこと。
 その後に続く納棺の儀では故人様との最後のお別れを、あえてご喪家皆様の手を煩わせた形で執り行い、更にご予算を出来るだけ抑えたいご喪家の為に、午後からは市営斎場の霊安室へ移動し、その柔軟な対応ぶりにご家族からの信頼も高まり、ご葬儀後担当者がご自宅にお伺いした際「今度ご葬儀があったら、いの一番に推薦しますよ」と口々にお声を掛けて頂いたとのことです。

 また、メールでのご相談をお受けしていた矢先に病状が急変されたとのご連絡を頂き、急遽お見積りをお取りしてお送りした数時間後のご逝去のことでした。
 緊迫した中、ご紹介した葬儀社さんとの初対面でのやり取りに、当初ご相談者は警戒されたご様子でしたが、ご自宅以外へとのご希望で、自社安置所に一旦搬送された後、しばらくして今度はお母様のご要望で、担当者はご自宅への搬送に切り替えも快く引き受け、その間の費用はサービスされたことで、一気に信頼感を得、以後担当者を大変頼りにされていらっしゃったとのことです。
 
 ご自宅でのご安置をできるだけ長くし、その間にご近所の方々とご面会され、最後のお別れをして頂けるように助言し、ご仏壇の購入に際しても取引のある仏具屋さんが都内のみでしたので、わざわざご相談者の住む市内の仏具屋さんに足を運び、推薦できる店を調べ、ご購入の際には実物を良くご覧になっていただくよう忠告されたとのこと。
 早速「忠告に従って購入しました」とご相談者からご報告が届きました。

 ご要望一つひとつに対処される担当者の骨身を惜しまない姿勢は、ご相談者の共感を呼び、旅立ちの大きな手助けとなっているようです。

ご葬儀のリピート

 「5年程前、母の葬儀の折、御社にご紹介頂いた葬儀社さんには大変お世話になりましたが、今朝方、今度は入院中の義母が亡くなりましたので、又よろしくお願いいたします」。
 最近ご相談頂いたご葬儀のリピートです。

 ご葬儀のリピートをお受けする際は、お伺いする当方も前回のご葬儀を評価いただいたお印とばかりに、「是非お任せください」と思わず力が入る一瞬でもございます。

 昨年末には8年前のお父様のご葬儀から数えて6回目のご依頼をご相談者から頂きました。
 
 実は5回目のご依頼を頂いた直前、前4回のご葬儀を担当された賛同社さんが突然のご事情で廃業されるというハプニングに見舞われ、急遽新たな賛同社さんをご紹介する羽目になりましたが、今回6回目のご依頼では、5回目の賛同社さんをご指名いただき、前4回に匹敵する賛同社であることが証明されて、ご紹介した当方もほっとした次第です。
 
 5回目の新たな賛同社をご紹介するにあたり、ご相談者からは「父の葬儀から今まで4回もお世話になり、私共のわがままになりがちな要望もきちんと受け止め、対応していただきましたので、私共の気持ちを受け止め、よりよい見送り方をご一緒に考えていただける担当者さんを希望します」との切なる願いをお伺い致しましたので、前の担当者に匹敵する方、またそれ以上の方をと意気込んでご紹介させていただきました。
 ご葬儀後のアンケートでは大変お褒めの言葉をいただきましたが、6回目のご依頼で、また新たな一歩が踏み出せた気がいたしました。

 また、リピートでも前回ご紹介した賛同社に直接ご相談される場合もございます。
 双子のお姉様の方が1年程前、先にご逝去された案件では、義理の娘婿様からお姉様の時にご紹介した賛同社さんの担当者に直接ご連絡が行き、担当者から妹様のご逝去の報を伺う形になりました。
 ご希望は出来るだけお姉様同様のご葬儀をお願いしますとのこと。
 お姉様のご家族に対して出すぎることのないようにとお気遣いをされながら、妹様のご希望も考慮し、お料理はワンランク上のものにいたしましたが、生花祭壇はお姉様と同様のお花をご注文されたとの由。
 前回の担当者がそのまま引き継ぎましたので、お姉様のご葬儀の様子も分かり、比較も出来ますので、ご喪家のお気持を十分にくみ取ってあげられたのではと存じます。
 これからも、どの様な形であれ、リピートの輪が、更に広がっていくことを願って止みません。

ご葬儀後のご報告

 当センターではご相談をお受けする際、どのようなご葬儀を希望されていらっしゃるか、様々な角度からお話をお伺いし、ご要望に見合った地元の賛同葬儀社さんをご紹介させていただいておりますが、ご葬儀終了後ご相談者から頂くご報告は、我々スタッフにとりまして大きな支えの一つとなっております。

 突然の訃報に気持ちだけが前のめりして、どこからどのように手を付けてよいか、困惑されていらっしゃるご相談者に、ご紹介した賛同社の担当者が一つひとつご納得いく迄説明してさしあげ、ご葬儀後ご相談者から「無事お見送りができた」とのほっとされたご報告を受け、橋渡しをした我々スタッフも、思わず安堵の胸を撫で下ろす一幕も度々ございます。

 とても親身になってご対応くださり、分からないことも伺うときちんと答えてくれるので、安心してお願いすることができました。
 ご葬儀前、ご葬儀後のフォローも行き届き、葬儀そのものも大変満足いくものでした。その後の49日の法要もお願いすることにいたしました。

 オプションの追加を勧められるのではと思っていたが、「これは十分」「これは必要ない」と正直に言っていただき助かりました。

 2度違うお式での見積りをお願いし、いやな顔一つせず対応して頂き、有難かったです。自分の中で納得のいく葬儀ができました。等々。

 また、様々なご相談が寄せられる中、臨機応変に対応していただいた担当者の采配ぶりのご報告も頂いております。

 生前ご相談者のイベント企画のお仕事を十分ご理解されていらっしゃらなかったお父様の最期を、ひとり娘であるご相談者ご自身の手でお見送りされたいとのたっての願いに、担当者も納得され、ご葬儀の進行役の担当者は傍でアドバイザーとして見守り、ご相談者主導のもと無事ご葬儀を終えることができました。
 「最後にこれで父も私の仕事を理解してくれたと思います」のご相談者のご報告には、思わず身内のような安堵感を覚えたものでした。

 アンケートをはじめとするご葬儀後のご報告は、これからもご相談者の目線に立ってご相談をお受けする我々スタッフ、ご紹介する担当者にとりまして、ある意味バイブルのような存在と言っても過言ではありません。 

直葬でもゆっくりお別れができる方法とは・・・。

 「霊柩車だけお借りできますか・・・」
 深夜、戸惑いのお電話を頂きました。
 思わずご事情をお伺いしたところ、お身内の方がご逝去され、火葬のみをご希望とのことで、ご葬儀をされないので葬儀社さんを頼まずに、ご喪家の方々がご遺体を火葬場に搬送すれば、その後のことは全て火葬場にお任せできるのではと思われていらっしゃるご様子です。

 直葬の場合も通常のお式をされる場合と同様に、葬儀社さんの方で搬送から火葬が終わるまで、また役所の手続き等も含め全て執り行っていただける旨御説明をし、地元の賛同社をご紹介させていただきました。
 電話口のお声も少し落ち着かれたご様子です。

 ご葬儀のお式を省くことは分かっていても、現状の認識はまだまだのようですが、夫々のご家庭の事情やご喪家のご要望で直葬をご希望の方は確実に増えてきているようです。

 それに伴い、最近は執り行う側も臨機応変な対応が垣間見られるようになってまいりました。
 ゆっくりお別れができないという直葬の難点も、ニーズに合わせた工夫が施されつつあるようです。
 当方がご相談をお受けした中でも目につくようになりました。

 当初、関西のご実家で本葬を執り行い、こちらではご家族・ご親族のみの家族葬でお見送りされるご予定でしたが、式場は8日先まで塞がっており、火葬だけでしたら2日後の朝9時台の枠に空きがあるとの情報を得たご相談者は、急遽日にち優先で火葬のみに変更をご希望になりました。

 ところが20名近くのご親族の方々にとって、炉前のみのお別れはあまりにも短すぎるとのことで、ご葬儀の担当者は急遽自社の安置所を火葬前日に解放し、当日お集まりいただいたご親族の方々は2階休憩室でお待ちになりながら、定員5~6名の安置室に交代で出向き、心ゆくまで日長ゆっくりとお別れをされたとの報告を受けております。

 また、直葬をご希望の方のために、自社安置所でゆっくりとお別れのお時間が取れる葬儀社さんの存在も目立ってきているようです。

 直葬をご希望になり、お母様と姉妹だけでお父様をお見送りされるご予定でいらっしゃったご相談者から大いに感謝されたことがございました。
 火葬当日、突然でしたが、2組の叔父様御夫婦と従妹様のご列席を頂いたとのこと。
 お母様とご相談者姉妹は前日にご家族だけで霊安室にお花を飾り、ゆっくりとお父様とお過ごしになられ、お別れができておりましたので、慌てることなく、火葬場の炉前での時間は、駆け付けてくれたご親族の為に時間を譲ることができましたとのご報告をいただきました。
 「霊安室併設の葬儀社さんをご紹介くださったことはとても大きかったです」
 ほっと一安心されたご様子が、目に浮かびます。

ご自宅にこだわる想いは・・・。

 「自宅からのご葬儀は私の願いでした」
 ご主人を亡くされた奥様から、先日ご葬儀のご報告をいただきました。
 「区内にも斎場は沢山ありますが、今回は夫と働いて家を建て、この良い環境の所でと私の長年の願いからです」

 以前はご自宅からのお見送りがごく一般的でしたが、昨今は都会を中心に、住宅事情やご近所への配慮、はたまた準備への煩わしさ等、色々と取りざたされ、病院から安置所、斎場、火葬場とのコースがいつの間にか主流を占め、ご家族の思い出が詰まったご自宅の存在が薄くなり、ご葬儀の流れも大分様変わりをしてまいりました。

 それでも、ベテランのご葬儀の担当者の方は「できれば一旦はご自宅の方へ」とアドバイスをされるとのこと。

 以前、ご葬儀の立会いでお伺いした折の「奥様の想い」が思い出されます。
 長患いの末、お亡くなりになられたご主人の長い入院生活を、病院近くのウイークリーマンションで支え続けた奥様は、ご主人とご一緒に1年9ヶ月ぶりにご自宅に戻られ、最初にされたことは、長い間閉めっぱなしになっていた雨戸を明けて、ご主人のご自慢だったお庭を見せてあげられたことでした。
 お疲れのお顔がほっと安堵されたご様子に、お伺いした当方も思わず大きく頷いたものでした。

 ご自宅での御葬儀はご喪家の方々にとりましてご負担とお感じになる方もいらっしゃるようですが、最近も病院でのご逝去後、一旦ご自宅に搬送され、数日間をお過ごしになられた後、ご葬儀は斎場にて執り行われた例もございます。
 ご自宅でお過ごしになられた数日間はご近所の商店街の方々が多数、最後のお別れにお見えになり,にぎやかなお別れとなられたご様子です。
 ご葬儀はお身内だけでしめやかに執り行われたとのご報告をいただいております。

 また、以前いただいたご報告には、ご自宅への想いが綴られておりました。
 「亡くなるずっと前に、病院から安置所へ行く途中で、自宅前を通ってほしいと要望を伝えておりましたが、亡くなった当日、私も家族もそのことをすっかり失念しており、葬儀社さんが思い出して自宅前で暫し停車し、お祈りをしてくれました。元気で帰ってこれなくて・・・悲しいし、無念でしたが、一瞬でも立ち寄って頂けたことで、心が救われた気がします。このタイミングをおいて他になかったですから。また、この際に、足が痛い母を一緒に車に乗せていただき、本当に助かりました」。

さり気ない気遣いが、大きな力となります。

 お身内のご不幸で、心が乱れ、不安で押し潰れそうなご家族の方々にとって、平常心を保つことが困難な状況の中、ご葬儀の担当者からさり気なく受ける気遣いが、何にも増して大きな励みとなっているようです。

 今年初めにいただいたアンケートでも、お誕生日間近にお亡くなりになられたお父様を病院から一旦ご自宅にお連れし、ご自宅にて最後のお誕生日をお迎えになられた後、ご葬儀が執り行われる斎場の安置所に移動される際、柩の脇に置かれたケーキが処分されそうになるのを見つけた葬儀社の担当者は、少しでも皆様の思い出となるようにと家族の思いが込められたケーキをカメラに収め、納棺されたお父様のお手元に置かれたとの由。
 最後のお誕生日のケーキはご家族皆様にとりましても、特別なものとなられたご様子です。

 また、お母様を先に亡くされ、お父様のご葬儀を出された1人っ子のご相談者からは、ご葬儀の後、担当者から「心に残るご葬儀だった」とのお手紙を頂き、ご相談する相手もなく「これで良かったのかなと悩んでいた私の気持が少し軽くなったような気がしています。1人っ子の私でしたので、無事父を見送ることが出来たのも、皆様のおかげだと感謝しています」とのご報告をいただいたことが思い出されます。

 さらには、お父様のご葬儀の打ち合わせの時から簡潔で分かりやすい説明をして、親身になって頂いたとご回答いただいたご相談者からは、耳の遠いお母様に聞こえるように話してくれ、他の担当者と打ち合わせ中にも、お母様だけが一人でポツンとしないように常に心掛けて話しかけてくれたのが、当事者のお母様にとって何よりも嬉しかったようですとのご報告もいただいております。

 ご高齢で長患いだったお母様をお見送りするお気持ちの整理は出来ていた、とおっしゃるご相談者からは、ご葬儀の担当者がご喪家のお気持をくみ取って、時には明るい笑顔で対応していただき、心静かになることができましたとのご報告もいただいております。

 小規模なご葬儀が増える中、ご喪家のお気持を汲んだ担当者の気遣いが、より重要視されてきているようです。