「遠方から高齢の兄弟が最期のお別れに上京すると思うから、宿の手配はしてもらえるか」
ご葬儀の相談でよく聞かれるご注文です。
葬儀社の担当者は斎場の最寄駅近くのビジネスホテルをご紹介し、予約は直接お願いしたり、時にはサービスの一環としてご予約まで引き受けたりと様々ですが、まずは依頼者のご心配のないようにして差し上げられるので大丈夫です。
通夜の晩、仏様のお線香を絶やさないようにというところから始まった通夜の仮宿泊も公営斎場の場合は親族控室を利用し、雑魚寝状態になるかもしれませんが、数名ほどはお泊りできるところがほとんどです。但し、夜10時頃までには消灯時間になってしまいます。
民営斎場の場合はお泊り不可の所から大広間に自由にどうぞと言う所までまちまちですが、最近は人数に制限なしという斎場も増えてくる傾向が見られます。
但し、ホテルと違って斎場にはシャワー設備のないところが多く、朝食も近くのコンビニに買いに走ることが多いようです。料理屋さんに朝食を頼む場合もありますが、割高な感は否めません。
先日も久しぶりにご親族が全員集合し、仏様には悪いが、30畳の大広間に貸布団を敷き修学旅行のように楽しかったと言うお話を伺って、実はこれこそ仏様のお引き合わせで、仏様も喜んでいらっしゃることではないでしょうか。
投稿者: 松山
お身内の予期せぬ死への対処法は・・・。
死はある日突然にやってくる。
まさか自分には直接関係無いことだろうぐらいにしか考えない方が大半だと思います。
しかし、ご相談の仕事をしていると、時として突然のことでどこからどう手をつけて良いのか見当がつかないとご連絡を受けることもあります。
お身内の方の長患いや、お医者さんからのご説明に、ある程度の覚悟を決めてご相談される場合と違って、パニック状態のお気持ちを、少しでも落着いてもらうことが第1です。
そのためには、お話をお伺いし、できる限りのお手伝いをさせていただきます。
昨年末には横浜のサラリーマンの方から、お母様と北陸に旅行中、突然お母様が倒れられ、お医者様から回復の見込みが無くいきなり覚悟の程を言い渡され、途方にくれているご様子の連絡をセンターにいただきました。
万が一の時の手続き等を説明し、一つひとつの疑問点を綿密な連絡を取り合うことでお気持ちが少し安定されたご様子でしたが、矢張りお母様は帰らぬ人となられてしまいました。
まず、お母様を横浜のご自宅までお連れする輸送の問題がおきてきます。
陸送ですと何時でも向うことができますが、なにぶんにも輸送代に高額な費用がかかります。
空輸ですと空港で飛行機に運び込む時までに、こちら側のご遺体を引取りに伺う葬儀社が決まっている必要があります。
空輸の場合、ご遺体は柩に入れた状態で、貨物扱いになり、貨物便のある飛行機に限られ、飛行時間外は翌日まわしになるなどの条件が出てきますが費用は陸送の何分かの一で済みます。
お母様の場合はスムースに空輸でき、無事横浜のお友達の待つご自宅に戻ることが出来ました。
後日、「思わぬ事態で、準備が全く無く、不意を突かれた状態でしたが、無事見送りができました」と丁重な礼状をいただき、ほっと、いたしました。
昨日、立会いで伺いましたご葬儀も、出先で突然倒れられ、2日後そのまま帰らぬ人となられた方でした。
終始気丈に振舞われていた息子さんもごあいさつで、「余りに突然のことで言葉を掛けることもできなかった」と悔やんでいらっしゃいました。
霊柩車の中で我が家をみつめる心中はいかばかりか
「斎場から火葬場までの中間近くですから運転手さんにお願いしてご自宅前を回って行ってもらいましょう」
霊柩車は柩を乗せ、住み慣れた町を曲がり、ご自宅前をゆっくり通り過ぎていきます。
いつかきっと自宅に帰ることを夢み、病魔と戦ってきたが、ついに力尽きてしまった。家人はなんとかして、ご自宅に連れて帰りたい。
しかし、ご葬儀はご家族・ご親族のみで執り行うようにとのご当人様からの申し伝えがあり、変更するわけにいかない。
ご自宅に搬送すれば、ご近所に知れ渡り、報告しなければいけない。
都会を中心に最近ではすでに一般化されている家族葬の場合は問題が生じやすい。
まずはご近所の目が。そっとお戻りになられても気配で分ってしまいます。
泣く泣く病院からご自宅以外の安置所に直行せざるをえない。せめて少し大回りをしながらでも、ご自宅付近に立ち寄ってから安置所に行ってもらうようにと、お願いする方もふえています。
さらに、斎場がご自宅近く、もしくはご自宅が火葬場に行く途中にあるという好条件の場合は、冒頭のようなシーンも見受けられます。
但し、霊柩車の種類によってはかえってご近所の注目を集めてしまうことにもなりかねませんので、注意を払う必要ありです。
最期のお看取りとご葬儀が「幸せな思い出」になれるには・・・・。
「父を看取ることだけに気持ちを集中することが出来ましたので、ご相談させていただいてよかったと思います。」
こんな文面をみると相談者冥利に尽きる思いです。
ご相談者は、どなたも不安を抱え込んでいらっしゃいます。
その不安も漠然としたものから、ご自分で整理され、疑問な箇所をお尋ねされる方まで様々です。
まずは不安材料を出来るだけ取り除く作業から始まります。
次に状況をお伺いし、ご要望を伺い、万が一の時の対処の仕方をお話し、ご葬儀の準備へと入っていきます。
大まかなところで、場所、規模、予算、内容、日程などが決まってくれば、大よその準備が整ってきます。
どこから手をつけてよいのか見当がつかないといわれた方も、お話を整理していく内にご自分のお気持ちも次第にはっきりされてくるようです。
待ったなしの進行状況に振り回され、不安材料を抱え込んだままのご葬儀で疲労困ぱいになって後から後悔されないためにも、前もってご相談いただければ当センターのスタッフも出来る限りの対応をさせていただきます。
不安材料を取り除くことで、お気持ちも楽になり、少しでも最期を悔いなくお見送りできるような手助けを目標に頑張っております。
前出の方は心ゆくまでお父様の介護をされ、最期を看取り、その後のご葬儀までも「幸せな思い出」となっていらっしゃることに気付かれたとのことでした。
その思い出に繋がる第1歩は、当スタッフが与えた安心感だそうです。
万が一の時、ご親族にはどなたまでお声を掛けますか。
都会を中心にお身内だけの家族葬が増えている中、万が一の時どなたにまでお声をかけるべきかということで悩まれる方も多いのではないでしょうか。
時には、故人の遺志によりご家族だけでお見送りをしたいので、ご親戚もお呼びしないという方もいらっしゃいます。
それぞれのご家庭の普段のお付き合いの度合いにもよりますでしょうが、どなたもお呼びにならないということは、都会生活者とは言え、面倒なことが起きないとは限りません。
故人の遺志とばかりに、故人と血の繋がりのあるご兄弟までも排してしまうのは如何なものでしょうか。後々のご親戚の付き合いにもひびが入りかねません。
せめて特に、生前ご縁のあった方々のお見送りしたかった、というお気持ちを酌んであげる配慮も、必要なのではないでしょうか。
また、ご親戚をお呼びする場合でも、ご当人様がお元気な内にどなたまでお声を掛けるかご相談され、生前にリストを作っておかれるのも一案かと思います。
ご希望された方々に見送られるのにはどなたも異存はないはずですから。
斎場選びは駅前だけにこだわらなくなくても大丈夫です・・・。
最近のご相談者の中には駅近くや駅前の斎場にこだわりを見せる方が多く見受けられます。
特に、ご高齢の会葬者や会社関係者が多くいらっしゃる場合は、足の便が重要なポイントになるからのようです。
しかし、実際駅前にある斎場は葬儀社の自社斎場が多く、所有されている葬儀社しか使用できません。
では、駅前に自社斎場を持った葬儀社しか頼りにならないのかといえば、そうとも言い切れません。
むしろ、距離に余りこだわり過ぎて全体を把握できないことの方が色々と問題を含んでいるようです。
先日も公営斎場は電車やバスの乗り継ぎがあり、会葬者に負担がかかるから考慮に入れていないと言う方がいらっしゃいました。
しかし、公営斎場のメリットも沢山あります。端から除外するには惜しい式場です。
たとえば、最寄駅からマイクロバス(定員26~7名)のピストン輸送という方法もあります。
ご家族・ご親族中心のご葬儀等では通夜の1時間前に1回目をご親族様用に出し、2回目は20分後、3回目は40分後と一般会葬者用に出せばクリアできる問題ではないでしょうか。
また、ご近所の方々が多数お見えになる場合では、ご喪家のご自宅に集合して、こちらからマイクロバスで往復するということもできます。
勿論、公営斎場だけではありません。民営の貸斎場然りです。
さらに、出来る限り、事前に斎場をチェックされることも希望します。
少しでもお時間がありましたら実際に葬儀社の担当者とご一緒し、ご自分の目で確かめることも大切です。
ご一緒した担当者の態度・行動も客観的に観察できますし、斎場までの所要時間も会葬者の顔ぶれを頭に描きながら大丈夫かどうか判断でき、斎場の雰囲気、1日1ご喪家だけでない場合の周りの騒音なども具体的にチェックできます。
意外なことには、斎場のお掃除の行き届き方が目につくとよく言われます。
立派な建物でも、たった一つのことで台無しにされてしまいます。掃き清められ、清々しい中からお見送りしたいものです。
葬儀内容も今後益々多彩になる予兆が見受けられます。
新年明けまして おめでとうございます。
昨年中はお世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
不景気の嵐の中、それでも世間の人々はつかの間の小休止で、家族団欒のひとときを過ごしていらっしゃいますが、人の死だけは待った無しです。
お正月3が日はほとんどの火葬場がお休みです。
今年も電話での切羽詰った問い合わせで新しい年を迎えました。
近年、ご葬儀に関する話題もマスコミを中心に取り上げられ、事前にご相談される方も増えてきました。
お亡くなりになってからご連絡いただく場合がほとんど従来型でのご葬儀に対し、時間に余裕のある事前相談ではご希望が多く、さらに膨らんで演出型のご葬儀をご要望される方もでてきて、この傾向は今後さらに増える気配が感じられます。
演出型のご葬儀でのご希望は、お集まりいただいた方々に対する儀式として、結婚式が一つのヒントになっているようです。
しかし、ご葬儀を取り扱う葬儀社の担当者は演出家ではありませんので、無理にやるとぎごちなくなったり、またイベント化されてしまう危うさも含んでいます。
さらに、斎場は一般的に結婚式場のような多彩な装置がありません。
いきおいスタッフも専門家にまた装置も外注するはめになり、思わぬ高額な出費になってしまうのが現状のようです。
昨年取り扱ったご葬儀の中で、3面のスクリーンに故人様の生い立ちを数十分間映したいのでパソコンでの操作に精通した担当者とビデオ用のプロジェクターが揃う葬儀社と斎場を紹介してほしいとの依頼がありました。
指定された地域の賛同社に問い合わせ、A社は機材持ち込み専門スタッフ派遣、B社は自社の小型スクリーンと写真部スタッフ派遣という形の見積りになりましたが、依頼者の予算との折り合いがつかず、二転三転した挙げ句、スクリーンはカットされC社の金額を抑えた無宗教葬に落着きました。
依頼者としては葬儀担当者自身が取り扱い、費用を抑えた形をご希望でしたが、現状で条件が揃うことの難しさを痛感させられた1件でした。
最近のアンケートの言葉で今年を締めくくります。有難うございました。
今年も多くの依頼者の方々から当センターの相談フォームを通じて、またお電話でのご相談を頂きました。
「どこから何をどうしてよいか分らないという状態だ」とおっしゃるご相談者から、お話を整理して、順序立ててお聞きするところから始まり、メールのやりとりをし、ご要望に添った概算の見積りを取って説明し、賛同社をご紹介する。
これだけのことが、ノウハウではなく、お1人おひとりのお気持ちと如何に向き合うことができるか色々勉強させられた1年でもありました。
おかげさまでご葬儀後のアンケートも、お忙しい中メールや郵便での返信を多数いただき、賛同社の担当者共々恐縮すること頻りでした。
当センターの賛同社はどちらかといえば、小所帯の葬儀社の方が多いのですが、その分担当者も最初から最後まで面倒が見られ、全体を把握できるという強みがあります。担当者は依頼者のお話を伺い、最良のご葬儀にするための臨機応変な対応ができる方が多く、アンケートでも対応の良さにお礼の言葉が多く寄せられていました。
主旨をすばやく理解して、同じ目線で一緒に考えてくださったと思う。おかげで父らしい葬儀ができました。
希望の斎場が1週間近く塞がって、急遽別な式場に変更したが、かえってよかったです。
気軽に何でも相談できて、教えてもらいました。
何度もの人数変更等の連絡にいつも快く引き受けてくださいました。
細かい気配りをいただき、折々に相談に乗っていただき、大変感謝しています。
遺体に対しても、遺族に対してもスタッフの方々の温かい誠意が伝わってくる葬儀社でした。
分らないことだらけの我々に、いつも携帯で対応してくださったのには、助かりました。
人の痛みや悲しみを分ってくれるスタッフだったのでとてもよかった。父の葬儀もお願いしようと思っている。
その他寄せられているアンケートの中でも面倒見がよい担当者が多く、葬儀後も折に触れご相談されている方が多く見受けられます。
一つひとつに誠意を持って全身で当ってくださっている賛同社の皆さんにも感謝し、来年もよろしくお願い致します。
今年はご葬儀に関する話題がマスコミの表舞台に取り上げられた年でもありました。
いよいよ今年も残すところ後1週間となりました。
振り返って、今年は近年になくご葬儀の話題が表立って取り上げられたように感じられました。
納棺師の生き方を描いた映画「おくりびと」の話題から、団塊世代が還暦に突入し、会社から開放されたこれから先の生き方を一人ひとりが問われ始め、自身の最期も視野にいれ、どうすべきかを提案するマスコミ報道まで色々な角度から語られてきました。
少し前までどちらかといえばタブー視されていたことが、気が付いたらごく当たり前のように語られ始めた年、と見てもあながち的外れにはならないように思われます。
2~3年前から都会を中心に、ご家族ご親族の近親者のみで執り行う家族葬なるものが急増してきましたが、今年後半に入り世の中の状況ともかみ合って、ご自宅もしくは病院から自宅以外の安置所を経由して直接荼毘に付される直葬希望が話題になり、実際にご相談も目立ってきました。
但し、直葬も金銭的な問題ばかりではなく、自分の最期の始末はどうするか自分に問いただした結果、これでよしと決断される方も増えています。
今年はまた各人が、各家庭にあったやり方を模索し始めた年でもあり、これから益々ご葬儀の選択肢も様々な様相を呈してくるようになると思われます。
先日はご家族4名様だけの立会いのもと、菩提寺のご住職を火葬場の特別室・炉前ホールにお呼びして、15分ほどの読経後お別れになられたご喪家もありました。
火葬のみで菩提寺からのクレームは大丈夫かと担当者に聞くと、ご住職も納得されてのことだそうです。
形式にこだわるよりも、気持ちをはっきりお伝えし、納得のいく形を見つけることも
大切な要素になるようです。
この時期、朝、新聞を開くと死亡欄が気になります。今週も続けざまに知り合いのお2人の名前を拝見し、ドキッとさせられました。お2人ともまだまだ現役バリバリの方でしたので、これからゆっくりお話をお伺いしようと思っていた矢先で、それももはや叶わぬ夢となってしまいました。
ご冥福をお祈りいたします。 合掌。
ご心配の余りと親戚の方が口出しするのは難しい。
最近はメールでのご相談を、ご家族の方(万が一の時は喪主か施主になられる方並びに伴侶の方)以外のご親戚の方から受けるケースが目につくように思われます。
特にご当人様と親しい間柄であればあるほど状況を見てご心配の余り、居ても経ってもいられなくなり、ご家族にお断りなくご連絡いただくということになるようです。
ご相談自体は大いに結構なのですが、当方とのやりとりをして、見積りを取り、ご検討いただいても、いざという時にご喪家から「なぜ、あなたが」というような見方をされないとも限りません。
ことここに来てはじめてご本人とは親しいだけで直接な血のつながりがないことに思い至り、二重の落胆をされる破目になってしまいます。
少し前のことですが、横浜の義兄の方からご相談のメールを頂きました。
同じ横浜在住の妹さんのご主人が危篤状態とのことでした。
義弟のご実家は東北地方ですが、「実の兄弟以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものとしたい一心で、妹とも相談しつつのお願い」とのことでした。
依頼者は妹さん1家の状況もよくご存知で、また妹さんも喪主に当られますが、御2人ともご当人様と血のつながりはありません。
一方、義弟の方にはお母様、ご兄弟がいらっしゃいます。
依頼者の独断の形で話が進んだことに、途中ご兄弟から異論がでてきたようです。
最後は血のつながりがものを言いました。
一言先にご実家にご相談すべきでした。
これでは双方ともに気まずい思いだけが残ってしまいます。
良かれと思ったことが思わぬ方向に行かないためにも、如何なる状況であれ、ご了解を取ってから事に当る必要があることを改めて思い知らされました。
当方としても大いに反省の材料とさせられました。