ご利用者からいただいたアンケート

 ネットショップで買い物をしていると、たまに「レビューを書くと×××円→○○○円」と、商品の感想を書くことを条件にその商品が安く買えるという特典付きの商品に出逢うことがあります。
 もちろん、「レビューを書く」の方を選択してお買い得の方を購入するのですが、商品が届き、レビューは「後で書こう」と思いながら、そのまま書かずに放置してしまっていたことが何度かありました。

 センターでは、ご利用いただいた方に後日、アンケートの用紙を送らせていただいていています。残念ながら、特典などのご用意はないのですが、それにも関らず多くの方からご回答のご協力をいただき、ご葬儀後のまだ落ち着かれないような時期に書いていただいていたと思うと感謝の気持ちでいっぱいになります。
 また、センターのホームページでは、これからご葬儀を考える方に参考にしていただくために、掲載を許可していただいたアンケートを掲載させていただいていますが、この掲載についても多くの方にご協力をいただき、とてもありがたく思っています。

 利用した人にしかわからない、率直なご意見は、センターにとっても貴重な財産になります。

 私はこの仕事に就くまでアンケートに協力してもらうという立場になったことがありませんでしたが、ご協力いただいたアンケートがこんなにも励みになるんだということを実感しています。

 
 過去に書き忘れた「お買いものレビュー」は、古いメールをひっくり返して、まだ書けるものについては全部書きました。

遺影

 このところ、歌舞伎界を初め、著名人の現役世代の訃報が相次ぎ、ファンならずとも同時代を生きた人達の感慨もひとしおのようです。

 久しぶりの旧友との話題も、お元気な頃の活躍ぶりを思い出し、話の種は尽きませんが、テレビに映し出された遺影を見ていると、一枚の写真に託された気持ちがファンの心に焼付いて、これからもずっと語り継がれていくのではと心強い思いが伝わってくるように感じられました。
 遺影の力は大きいです。

 ご葬儀立会いの節には遺影と必ず一期一会のご対面となりますが、皆様著名人に負けず劣らず、飛び切りの笑顔で最後のお別れをされていらっしゃいます。

 先日も笑顔の素敵な遺影との出会いがありました。
 正装をして写真館で撮ったむりやりの笑顔と違い、同じ正装姿でもあまりに自然な笑顔に、しばらく見入ってしまうほどでした。
 聞けば、息子さんの結婚式の時の写真とか。
 本来ならば、うれしさが溢れている笑顔に、思わず“おめでとう”と声を掛けてしまいそうな写真です。

 しかしながら、当時この笑顔がご自身の遺影になるとは露ほども思わなかったでしょうに・・・。
 それを思うと、60代の若さで亡くなられた無念さが笑顔と二重写しになり、しばしかける言葉も見つかりません。
 それでも、お母様は毅然と微笑んでいます。
 お母様は後に残したご家族に悲しみを見せないように、思い切りの笑顔を見せて旅立たれたように思われます。
 遺影の力は偉大です。

斎場の取材

 先日、お通夜の立会いに伺いました。その際に、一緒に斎場の取材もと思っていたのですが、その日は全ての式場が使われていて、取材どころではなかったので、近い斎場だったことから、日をあらためることにしました。

 数日後、改めてお邪魔させていただいたのですが、斎場の関係者の方は突然の訪問にも関わらず、快く対応してくださり、お話もゆっくり聞かせていただくことができました。
 斎場内や控室の写真撮影も、「ご自由にどうぞ」と許可をいただきました。
勝手にお邪魔して写真を撮っているにもかかわらず、ご葬儀後で控室のお掃除をしていた方にも「これどかした方がいいわね」などのご協力をいただき、無事に斎場取材を終えることができました。

今までにも斎場の取材にお伺いすることが何度もありましたが、関係者の方はとても協力的で、斎場の隅から隅まで案内をしてくれる所もあり、ありがたいかぎりです。

これからも、まだまだ、行かなくてはいけない斎場が沢山あります。
斎場を選ぶ際にセンターのホームページを見ていただく方にとって、わかりやすく、より詳しくご案内できればと思っています。

会葬者数を調べるには・・・。

1ヶ月ほど前の新聞の投書欄に、過去数十年の年賀状をひと思いに「燃えるごみ」に出してしまい、中には結婚される前の奥様や生前のお母様をはじめ、大切な方からのものもあり、今では後悔していらっしゃるとの投書が載っていました。

 今更ながら保存方法を考えると、どれを捨て、どれを残していくかを選択し、大切な方の分だけに絞って、名前のあいうえお順にクリアファイルに整理しておけば、いずれ亡くなった時には子供達がファイルを見れば、親の交友関係の一端を知ることが出来るのでは、とありましたが、まさにこれはご葬儀の時にも当てはまる、重要な要素になります。

 ご葬儀での会葬者数の予測を立てる場合に、よく故人様の年賀状の枚数等が引き合いに出されますが、儀礼的な年賀状も多くあり、ご家族が正確な数を読み込むことは難しいようです。
 その点、ご自身で整理されたものがあれば、正確を期することができ、まさに鬼に金棒です。

 ご葬儀では会葬者の人数が分かれば、お食事や返礼品などの他に、場所の設定等の大方のことが決められますが、時としてつかみにくく、ご喪家の方から伺った色々なお話の中から葬儀担当者はある程度の予測を立てながら、当日を迎えることになります。
 おおよその予測範囲内であれば問題はありませんが、時には予想を裏切り、大勢の方々がお見えになったご葬儀に立ち会ったこともありました。

 ご家族・ご親族のみの家族葬のはずでしたが、メール等の伝達手段の発達で、お仕事仲間にご葬儀の情報があっという間に広がり、とるものもとりあえず駆けつけた人達で狭い式場が埋まって、身動きできない程になってしまいました。
 フリーでお仕事をされていらっしゃったので、ご家族は仕事仲間の把握ができなく、予測不可能な状態でしたが、ベテランの担当者の計らいで、駆けつけた方々に故人様とのご対面時間を設け、その分通夜のお清め時間を短くするなど、臨機応変な対応でなんとか事なきを得ました。

 自分のことは自分で・・・。エンディングノートとともに。
 思い立ったが吉日、今年届いた年賀状から早速始めてみましょう。

アンケート

前略
 本日、母の1周忌法要を執り行いました。
 母と旅行に出かけた日のこと、母が倒れたときのこと、あさがおさんに初めて連絡させて頂いたときのこと、通夜告別式のことなど、ここ最近十日ほどの間、毎日「1年前の今日は・・・」とおもいだすことが色々とあり、いまだに目頭が熱くなります。

 ご同行されたお母様が北陸の地で倒れられ、帰らぬ人となられてしまわれた方から丁度1年後にいただいたアンケートの前文です。

 当センターではご葬儀が終わり、皆様のお気持ちが少し落ち着かれた頃を見計らい、ご依頼を頂いた方にアンケートのお願いをさせていただいております。
 アンケートの内容はセンター、葬儀社、斎場に関するご質問ですが、忌憚のない意見をお聞かせいただくことで、至らなかった点を反省すると同時に、センターにとり更なる発展をする上での重要なヒントを与えられたことにもなります。
 お褒めのお言葉に勇気を与えられ、素直に喜んでおりますが、それ以上にその時お感じになられた率直なご意見に教えられることも度々です。

 また、ご葬儀という特殊事情からお答えいただける時期も各人のお気持ちにより様々で、中には上記のように、1周忌を区切りにご回答される方もいらっしゃいます。
 時期を選ばず、お感じになられたことを率直にお書きいただければ結構ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

 現在、様々な分野でアンケートは行われておりますが、有効に活用されているのはどの位でしょうか。

 以前、アンケートを大事にされているダンススクールの先生からアンケートの効用についてお話をお伺いしたことがありました。
 スクールではスタジオでのパフォーマンスとして、生徒さん達が観客の前で各人の作品を発表した後、お客様にいつもアンケートをお願いされているとのこと。
 アンケートの結果を見て自分の意としたことがうまく伝わらなくて落ち込む生徒もいますが、そこが大事で、うまくいかなかったことがチャンスだ。失敗を考えることで自分というものが見つかってくると力説されていらっしゃいました。
 アンケートの活用法も様々あるようです。

思い出コーナーは自主参加型で・・・。

 昨年末、鎌倉で催された日本初のバレエスクールの回顧展に足を運んだ折、主催者からコーナーの一角にお弟子さんや関係者から送られたスナップ写真を展示し、これが大きな反響を呼んでいるとのお話を伺いました。

 ロシア革命から逃れ、日本に亡命されロシア時代に培ったバレエを紹介し、昭和の初め、鎌倉・七里ガ浜の地にバレエスクールを開設し、多くのお弟子さんに慕われたパヴロバ一家の回顧展には当時のスナップ写真が集められ、開催中は連日大いなる賑わいを見せていました。

 鎌倉には孫弟子まで含めると、現在も多くの関係者が在住しており、皆さんがご自身のアルバムに大切に保管されていたスナップ写真は当時を思い出させ、お互いにお話が弾み、まさに会場は同窓会の趣を呈するほどだったとの由。
 気楽に撮られたスナップ写真だからこそ、思い出の糸口も広がり、大いに盛り上がりを見せたようです。

 一方、ご葬儀を施行する葬儀社さんもサービスの一環として、最近では式場の一角に思い出コーナーを設け、お元気な頃ご家族ご一緒に撮られたスナップ写真をご会葬の方々にお見せする社が多く見受けられるようになりました。
 しかし、時として急場しのぎ的な展示の仕方が目につき、ご会葬の方々の反応も今ひとつ盛り上がりに欠ける場面に出くわすこともあります。
 当然、写真の良し悪しだけではなく、ご喪家の展示する写真に対する思い入れやその写真にご会葬の方々との接点がどの位あるかで、かなり違ったものになるようです。

 以前、お身内を中心とする葬儀はできるだけ家族参加型を提案されている担当者のご葬儀に伺った折に、喪主の方から大いに感謝されたことがありました。

 「思い出コーナーはお孫さん達の手作りで」と担当者から提案され、賛成はしてみたものの色々と心配でしたが、お孫さん達からは写真を張ったり,レイアウトしたり,飾りつけをしたりとおじい様への最後のプレゼントを皆で気持ちをひとつにして完成させ、よき思い出になりましたと感謝され、出来上がった作品を見て感慨もひとしおだったとのことでした。

 また、下町で踊りのお師匠さんをされていらっしゃった方の場合は、「ご会葬者の多くが踊り関係の方々で、踊りのビデオをお見せしたい」とのご要望でしたので、葬儀社さんがビデオの持ち込みをサービスとしてご用意し、大変喜ばれ、コーナーは常に黒山の人だかりで、中には1日中でも観ていたいという方もあらわれてくるほどの反響がありました。

片付け

 数年前から、断捨離がブームのようになっているので、私も便乗してみようと何度かやりかけてみたことがあります。
 しかし、いつも途中で断念。普段は引き出しの奥や押し入れの中に入っていて、あえて出して見ることもないような思い出のあるものがなかなか捨てられず、また同じ位置に片付けてしまい、結局、あまり変化なく終えてしまう。そして、また新しい物が増え…の繰り返し。
 そろそろまた物が増えてきたので整理をしようと思っているのですが、また同じことの繰り返しになりそうでなかなか始められずにいたところ、つい先日、たまたま何かで読んだ、一文を思い出し、一気にやる気がでてきました。

「自分が死んだ時、遺族が代わりに捨てるだけ」 

 自分がなかなか捨てられないものを、遺された家族が処分するのはなかなか大変なことなのでは…と。物が多ければ多いほど、ひとつひとつ思い出に浸りながら…などしていられなくなり、一気に処分されてしまうのではないかと気付かされた一文でした。

 視点を少し変えて、家族の立場として自分の物を整理した時、意外と潔く処分できたりするかもしれないと思いました。
 そう思うと、今まで何気なく目に入っていた物も、「あ、これいらないかも」などと考えながら見るようになってきます。

 何日かかるか、何カ月かかるかわかりませんが、必要な物だけで暮らせるようになると、また何かが変わるかもしれないという楽しみにもなりそうです。

新しい年を迎えて

 新年明けまして
 おめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 早いもので、当センターも今年で設立9年目を迎えます。
 昔から1年の計は元旦にありと言われておりますが、刻々と移り変わる業界の中で当センターはNPO組織であることをかたくなまでに守りながら、いかにしたらご相談いただいた皆様一人ひとりのご要望にそえられるかを目標に、今年もスタッフ一同試行錯誤しながらマイペースでまい進していくつもりです。

 当センターでは設立当初から、ご依頼者の方々にご葬儀終了後アンケートをお願いしておりますが、新しい年の計画を模索する中で、このアンケートが重要な役割の一端を担うこともしばしばあります。

 年末になると今年のみならず、過去のアンケートも合わせて読み返す機会も増え、合わせて読み返すと次なるステップへのヒントに繋がるようです。
 さらに過去のアンケートも少し寝かせて改めて読み返すと、予想以上の力が発揮されるように感じられます。

 一昨年前までのアンケート調査の冒頭ではセンターをご利用の経緯を出来るだけ具体的にお書きいただいておりました。
 インターネットで探している内にご希望の条件に合致した方など、経緯は様々ですが、総合満点度10をお書きいただいた方からは
 ①居住地に多少とも知り合いの葬儀社がいなかったこと。
 ②家族の希望で会葬者が最小限のできるだけシンプルな葬儀を希望だったこと。
 ③会社の福利厚生関連の葬儀社は全てパックの葬儀プランだったこと。
 ④なかなか打ち合わせにくい金銭面こそ重要とホームページに記述があったこと等の理由により葬儀社を紹介させていただきたく、連絡させていただきましたとの経緯が記されていました。

 また、同じように満点をいただいた方からはご葬儀について下調べを始めましたが、お母様から「低予算で家族葬」とだけ確認を取られ「インターネットで調べましたが、何を基準に選択するべきか悩み、それがストレスとなるほど途方にくれていた時にセンターのホームページに出会い、私にとってまるで葬儀の百科事典のような存在となって葬儀の流れや注意点を学ぶことができ、しかも必要確認事項をフォーマットに記せば、私に代わって見積りを取ってくれるサービスには助かった」とのこと。
 さらに「担当者には丁寧に対応していただき、同送された手紙にはなぜその葬儀社を勧めるかの理由が細かに記されており、この手紙が一番の安心に繋がった」と詳しい経過もお書きいただきました。

 このようにアンケートに励まされ、叱咤激励をいただく中から、次なる問題点を見つけ出し、我々も新たなステップを踏むことができるのです。

 今年も皆様のダイレクトな声をお伺いしながら、センタースタッフ一同、更なる挑戦を続けて行きたいと存じます。

香典返しについて考える。

 久しぶりに大好きな舞台女優・吉行和子さんの著「老嬢は今日も上機嫌」をめくると、先日お亡くなりになられた小沢昭一さんと句会での出会いがユーモラスに書かれており、お会いした時のことが懐かしく思い出され、思わず先を読んでいくと今度は「香典返しはなくそう」という勇ましい?タイトルが目に飛び込んできました。

 昔の芝居仲間が突然お亡くなりになり、ある日香典返しのカタログが届き、何か味気ないと思いつつもスタンドを注文されたそうですが、この香典返しには前から疑問に思っていらしたとのこと。
 香典返しというものはなくていいのではないかと。

 よく言っていただけました。
 香典返しはご葬儀の後、49日をめどにご香典を頂いた方々に半返しとしてお送りしていましたが、昨今は即日返しという名のもと、ご香典を頂いた日に香典返しに代わるお品をお渡しすることが多くなりました。
 ご葬儀の後の繁雑さを考慮して、大方のご香典はご葬儀終了と共に片付けてしまいたいという思いからでしょうか、これでは本来の意味合いも薄れて形だけのものになりかねません。

 私もご葬儀の立会いに伺い、ご喪家側もご香典を出された方も当然の様に即日返しを受け取ってお帰りになられる型通りの姿に、時に漠とした違和感を覚える時もありました。

 昔からあるご葬儀の慣習だからと言ってしまえばそれまでですが、都会ではすでに昔からの村落共同体の意味合いも無く、どこかで断ち切る必要もあるのではないかとの思いがいたします。
 今の時代にふさわしいご葬儀の仕方として、親しかった方々のみでのお見送りが多くなってきておりますが、香典返しだけは相変わらず続いております。
 
 吉行さんは「香典返しはもっと有効に使おうではないか」と提案をされています。
 頂いたご香典はご葬儀に使われた費用の一部にご喪家がお使いいただいてもよし、余裕があればしかるべきところにご寄付されたらいかがでしょうか。
 それで幸せになる人がいれば、その方がよほどよいとおっしゃっています。
 私も同感です。

家財道具

以前、遺品整理業者さんに依頼をしたことがありました。一人暮らしの身内が亡くなり、引き受けることができない大きな仏壇の処分に困ってのことだったのですが、一緒に不要な家財道具の全てを引き取ってもらいました。 身内の者は皆、夫婦共働きで、葬儀や葬儀後の手続きなどにも忙しく、アパートも早いうちに引き払わなくてはならないため、自分達で全ての処分をするには無理がありました。 遺品整理の当日には、専門の業者さんが手際よく荷物を運び出してくれ、簡単な掃除までしていただき、6畳一間の部屋は3時間ほどできれいな元の状態になっていました。引き取っていただいた大きな仏壇は、ちゃんとお焚きあげの供養をしていただけるのがありがたかったです。 先日、つけっぱなしだったテレビで「遺品整理業」の特集をしていたので、見入ってしまいました。 依頼主はアパートの管理人さん。その部屋の借主は死後数日たって発見されたとのことでした。業者への注文は、「全て処分」。親族がいるのかわからない状況なのですから、この場合は仕方のないことだと思います。 親族からの依頼でも、「全て処分」を依頼するかたもいらっしゃることでしょう。持ち主のいなくなった家財道具の最後の片づけをする遺品整理業者さんの「愛されていない」という言葉が印象的でした。