ご葬儀のサプライズは如何に・・・。

ご葬儀の立会いにお伺いさせて頂く機会が多い昨今ですが、11月3日久しぶりに結婚式に出席いたしました。

披露宴では数十年前ご両家のご両親の結婚式が共に11月に行われたといういきさつから、サプライズとして新郎新婦のみならずご両親共々のケーキカットとなりました。
双方のご両親は知らされておらず、特に2度の大手術から生還された新婦のお父様の喜びのご挨拶の後だけに、列席者一同胸に迫るものがあり、早くも会場は泣き笑いの渦となっていました。

冠婚葬祭、人生の2大イベントではありますが、祝福の結婚式にはそれぞれ盛り沢山な演出が施され、少々過剰とも思える演出でも、ご列席の方々は直にお祝いの輪に入っていけますが、もう一方のご葬儀での演出はその緩急が少々難しいようです。

それでも時としてその方にピッタリの演出でご出棺となり、ご会葬者一同号泣されたお話などを伺うと、判で押したような最後のお別れの時間こそもう少し個性を発揮できるのではと立会いながら考えることがあります。

新旧3組のケーキカットのサプライズを目の前に、ご葬儀でもその方らしい最後の送り方の工夫がもっとなされてもよいのでは、と思い巡らしています。
但し、演出過剰は禁物です。
あくまでご会葬された方々の心の中に留めていただける範疇であることが大事です。

イスラム教徒の墓地不足とエンバーミングの関係や如何に・・・?

 先週、放送芸術科の学生さんから「ドキュメントでエンバーミングを取り上げたいので葬儀社さんを紹介してください」との電話をいただきました。

 エンバーミングのお話は時々マスコミを通じて伺いますが、直接依頼者からご希望されたことはありませんでしたので、賛同社に伺ってみますと、やっていますよというところ、お話は聞くがまだ実際には経験がないところと様々でした。
 矢張り、エンバーミングの設備を整えている葬儀社さんは積極的に取り組んでいるようです。

 腐敗を防ぐためにご遺体から血液や体液を取り出し、防腐剤を注入するエンバーミングは欧米ではごく一般的に行われ、特にアメリカではご遺体の移動時間により、州で義務付けられているところもある位とのことです。
 土葬が主流のアメリカでも特に南部地区はエンバーミング率95パーセント以上との報もありますが、例外を除いて火葬が殆どの日本ではマスコミに話題として取り上げられるほどには広がりをみせていないのが現状のようです。
 長期保存の必要性や感染症のリスクも少ないこともありますが、それ以上にご遺体から血液を抜くことに抵抗感を感じる方が多いのでは。

 そんな折、先日日本在住のイスラム教徒の方の墓地不足が深刻との朝日新聞の記事が目に留まりました。
 火葬が殆どの日本では、土葬による埋葬に嫌悪感を持つ方も多く、近隣住民からの理解がなかなか得られないのが実情とのことです。

 しかし、これから日本で永眠される外国の方も益々増えてくることでしょう。
 そうなれば宗教上の問題から土葬の墓地も容認せざるを得なくなり、多様な選択に抵抗感も薄れてくるかもしれない。

 エンバーミングの広がりも思わぬところから火がつく可能性を秘めているのでは・・・。

土地勘があると話がスムースになります。

 相談が当センターに寄せられたとき、該当地域について、こちらがある程度知っているのと知らないのとでは、ご相談者がいだく安心感は全然違うように感じています。

 地図からの情報はもちろん大事ですが、できれば、自分の足で歩き五感を使って、その土地を把握したいと思っています。なので、打ち合わせなどで出かけたついでに、その辺りを歩く時間があれば、それを計算に入れておいて徘徊したりしています。

 これまでは地図のコピーとケイタイの現在地確認とナビ機能を駆使して歩いていました。しかし、毎度事前に地図をコピーするのも紙がもったいないし、かといって、本体の地図を持ち歩くのでは重たいし、ケイタイの地図は見ずらいし、何か良い方法はないものかと思っていました。

 そんなとき、パナソニックが先日発売した「旅ナビ」の広告を見てしまいました。
「持ち運べる新感覚ナビ」のキャッチコピーをはじめ、「歩行ナビ・徒歩散策の道しるべ」「昭文社の【MAPPLEガイド】データ約100冊分をベースとして収録された施設情報は、全国で約8万件」「手にしたガイドブックをパラパラとめくる感覚で操作すれば、様々なスポットも簡単に見つけ出すことができます」

 昨日、商品が届いて電源を入れたばかりなので、まだ街では使っていませんが、これまでとは違った街の歩き方・見え方になるかもしれないと少し期待しています。

ご葬儀の仕方やお墓の建て方は分っても、それに伴うアクシデントの処し方が難しい・・・。

 あさがお葬儀社紹介センターには当センターの賛同社ご紹介以外のお電話も多々いただき、時としてお答えに窮するような場面もございます。

 「お墓のことで葬儀社さんをご紹介いただけますか」
 先日頂いたお電話ですが、どうやらご葬儀のご相談ではないようです。

 「公営霊園にあるお墓の納骨所(カロート)が一杯なので、どうしたらよいのか。カロートは下が土ではなくコンクリートなのでご遺骨がまけない。麻地を使ってご遺骨を入れる袋を自分で作らなくてはいけないのか。葬儀社さんの方で取り扱っていただけないものだろうか」とのご質問でした。

 公営霊園の事務所に伺っても6体まで収容できますとしかお答え頂けず、仏具屋さんもうちではないと言われ、困ってお電話されたとのこと。
 残念ながら葬儀社さんのお仕事の範ちゅうではないようです。

 カロートを開けるにしても石屋さんのご協力が必要になりますし、まずは墓石を作られた石材店さんにご相談されるのがよろしいのでは。石材店さんの方でご相談に見合った処理をお願いできると思いますのでと申し上げましたが・・・。

 また時に、普段触れることの無いお位牌の件でのご相談もございました。

 以前頂いた「白木のお位牌はどこで買えばよろしいのですか」との問い合わせには、思わず塗りの本位牌の間違いかと聞き返したこともありました。
 手元にはないので仏具屋さんで買えるのかとのご質問には少々慌てました。

 通常でしたら白木のお位牌はご葬儀の際葬儀社さんの方でご用意されるものですので、まずはご葬儀をされた葬儀社さんにお問い合わせいただくよう申し上げましたが、ご事情はあまりお話されたくないご様子でした。

 本来ならば、このようなご質問は地区やご親族の長老の方々にご相談されていたことでしょうが、都会では今や伺う術も難しい状況になってきています。
 情報が氾濫している昨今ではご葬儀の仕方やお墓の建て方は分っても、それに伴って起きる事柄やアクシデントに対処する術が見つからず、困惑されてご葬儀関係のところあちこちにお問い合わせされていらっしゃいますが、なかなかずばり回答は難しいようです。

この秋のトレンドはお葬式・・・?

 「イギリスではお葬式に流したい曲ナンバーワンはフランク・シナトラの『マイウェイ』を抜いてロビー・ウィリアムスの『エンジェルス』だそうよ」。

 昼下がりのラジオから軽快な音楽とおしゃべりがいつものように聞こえてきました。
 音楽に乗せて時の話題をテーマにしたその日の題材は『お葬式特集』でした。
 
 「今お葬式がトレンドの1つらしいわよ」と取り上げた茶の間の話題は映画の「おくりびと」からベストセラーになった島田裕巳著「葬式は、要らない」、イオンの「お布施表」公開の問題まで。
 そういえば、秋口になりこぞって毎週のようにどこかの月刊誌・週刊誌1でお葬式を中心にお墓、戒名、お寺、遺言等の問題を取り上げています。
 
 各社雑誌のタイトルは過激ですが、中で述べられていることはほぼ同じような内容になるようです。
 現場に立ち会っていない記者の方々の取材になりますので、時として葬儀関係者の方々は少し現状と異なるのではと異論を挟みたくなりそうですが、ここは我慢のしどころです。
 
 ほんの少し前までタブー視されていた話題をまずは茶の間まで引き上げてもらい、そこで切磋琢磨して磨き上げられた話題を皆さんの胸の中にしまっていただける日も遠くはないのではと期待しています。

 ご葬儀は金銭面だけではなく、それ以上に心の問題が深く関わってきます。

 雑誌の話題は親を見送る団塊世代をターゲットにした企画ものと言えなくもないが、次に団塊世代が自分の問題として最期をどのようにしたいかまでをイメージし、これからの自身の生き方を考えるきっかけになるのではと密かに期待しています・・・。

バッテリーについて

 携帯電話やノートパソコンに使われているバッテリーの話なのですが、昔は継ぎ足して充電を行っていくと、バッテリーの寿命が著しく短くなるので、使い切ってから充電していたと思います。
最近の携帯電話やノートパソコンには、リチウムイオン電池(Li-ion)が使われているそうです。この電池は、満充電で保存すると劣化が激しくなり、また保存温度が高いほど劣化が早く進むそうです。リチウムイオン電池を長期保存するときにはできるだけ冷暗所に保存し、あまり充電しない状態で保存することをお勧めします。とのことなのです。
満充電されているのに、充電器をつなぎっぱなしにされている方、
まだまだ多いのではないでしょうか?
このリチウムイオン電池は継ぎ足し充電をしても、電池に悪影響を与えることは少ないそうです。80%くらいまで充電し、10%くらいまで使ったら、また80%くらいまで充電をする使い方が良さそうですね。

最近の事前相談から・・・。

 当センターでは事前相談を主にメールと電話で承っております。

 現在の状況・ご希望等をお書きいただき、またお話いただいたところからスタートし、お伺いしたことに関してできるだけ具体的にお尋ねしていくところから、お話のやりとりをさせていただいております。

 スタート時点では何処からどのように手を付けたらよいのか漠然とされている方、希望されていることだけははっきりしているが後のことは漠としている方、頭に描いた理想形をどのようにしたら実現できるかお問い合わせされる方等様々です。

 こちらのつたない問いかけにお答えいただいているうちにお考えが整理されてきて、どのようなご葬儀をされたいのか、またふさわしいか納得されて行くご様子が伺えたところで、ご相談に即した賛同社をご紹介しております。

 今年上半期のご相談では御家族を中心にしたご葬儀を希望されたがために身近に菩提寺や戒名、法事、お墓の問題等をアドバイスしていただける方が見当たらず、ご葬儀後のご相談も引き続き受けてくださる葬儀社をご要望される方が目立っておりました。

 この傾向は都市を中心に今後さらに増え、進化していくのではと思われます。
 地域のことに詳しい年配者が姿を消し、ご相談相手に事欠く時代の新しいアドバイザーが必要不可欠になりつつあるようです。

 ご葬儀が一つのご縁となり、「まだ、ずっと折りに触れ、葬儀社の方にご相談させていただいております」とのお便りを1年前のご相談者からいただきました。

正確な死因究明が求められていますが・・・。

 東京23区には、専従の法医学者らによる監察医制度があります。明らかな病死や老衰をのぞく異常死を対象に死因究明のために法医解剖を行っています。

 監察医制度は、東京23区のほか、横浜、名古屋、大阪、神戸の4市で、その他の地域は大学がこれを担っています。監察医制度がある地域の解剖率は高く、その他の地域の解剖率は低くなっています。

 とすると、どこで亡くなるかによって、死因の判断が変わる可能性も大いにありえます。この死因究明の問題が大きくクローズアップされたのが、2007年に愛知県で起きた力士暴行死事件でした。遺族が動き出さなければ、病死として葬り去られてしまっているところでした。

 とすると、単純に、大学にもっと協力の要請をすればいいのではないかと思えるのですが、大学に重荷になっている現状が、一昨日の読売新聞の記事を読むとわかります。

「スタッフは減少傾向だが、件数は年々増加。解剖医一人が100件以上を担当した大学も10校もあり、秋田大では一人で284件を解剖していた。犯罪の見逃しを防ぎ、正確な死因究明が求められる中、教育・研究が使命の大学に依存する制度は限界に近い」と指摘しています。

「現状のままでは解剖業務を行える医師は将来いなくなる」(横浜市立大)にならないことを願うばかりです。

 2009年の日本の異常死解剖率は10%で先進国の中では最低ということです(フィンランドやスウェーデンの100%、英米豪の50~60%)。

きゅうりやナスの精霊馬、知ってますか?

 お盆とは、仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)を略したもので、語源は梵語(ぼんご)の「ウランバナ(ullanbana)」、直訳すると「逆さ吊り」という意味を持つそうです。

 お釈迦様の弟子が、亡くなった母親が餓鬼道に落ち、逆さに吊るされている様な非常な苦しみを受けているのを知り、何とか救おうと、お釈迦様にお願いしました。そのお導きで多くの僧を招いてご供養の大布施をした甲斐あって、母親は餓鬼の苦しみから逃れる事ができ極楽往生が出来たそうです。

 このようなもともとの意味はともかく、今は祖先の霊を祀る一連の行事がお盆と言って差し支えないと思われます。仏教的な意味合いだけでなく習俗や地域の風習などが混ざり合って、今のような形になってきたようです。

 地方によっては、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬」と呼ばれるきゅうりやナスで作る動物を用意するところもあります。(他の地域のことを知らないと、きゅうりやナスの精霊馬が日本のどこでも行われていると思ってしまいますよね)

 私の生まれ故郷の遠州地方では、新盆を第2のお葬式と呼んでいます。新盆を迎える家の庭先で大念仏供養を行います。地元では「とったか」と呼ばれた「遠州大念仏」です。

 記憶の中では、遠くから太鼓や笛の音が聞こえ、その音が段々近づいてくるのをわくわくしながら待っている。やがて庭先に集まった花笠を背負った男衆が電球の明かりに照らし出され、総勢30人以上で勇壮活発に太鼓を叩きながら乱舞する様が思い浮かびます。
 

旅行中に帰らぬ人となった時は・・。

 学校や職場も夏休みに入り、各行楽地は親子連れで賑わっているようです。
 お子様ばかりでなく、親孝行はこの時とばかりにご高齢のご両親をお連れしての夏休み旅行を計画されていらっしゃる方も多いのでは・・・。

 昨年夏、お元気なお母様と久しぶりの山陰旅行された方は、観光地を散策中に突然お母様が脳内出血を起こされ、直ちに救急病院に運ばれましたが意識不明のままお医者様からは回復の見込みのない旨を告げられました。
 慌ててインターネットで当センターを検索され、ご連絡をされたとの事。
 万が一の時の準備をとのご相談ですが、お気持は「ご自宅に帰してあげたい」一心のご様子でした。

 遠方の場合、万が一の後ご当地で荼毘に付される以外は、ご自宅に搬送する必要が出てきます。
 搬送方法としては搬送車でそのままお帰りになられるか、最寄りの飛行場から空輸でのご帰宅になります。
 搬送車では出発時間の制限がありませんし、ご遺体を柩に入れずにそのままの状態でも運べますが、遠距離の場合かなりの高額になります。
 一方の空輸では最寄りの空港までご遺体を搬送する前に、到着する空港に迎え出る葬儀社を決めておき、スタンバイしていることが条件になります。ご遺体は柩に入れた状態での搬送で、貨物扱いになりますので、貨物便がある飛行機に限られたり、飛行時間内等の制約がありますが、搬送車との金額の差は歴然です。

 一生懸命頑張られたお母様は1週間後無言のご帰宅をされ、大勢のお友達に見送られての旅立ちとなりました。
 あまりの突然の出来事に、心の中の整理がなかなかつかず、ようやく1周忌のご報告ができましたと旅をご一緒された息子さんからご丁寧なお手紙を頂きました。

 旅行中の病気や事故は思いがけない時にやってくることをいつも頭の片隅に置いておく必要もあるようです。
 今日もまたスイスで観光列車の脱線事故に日本人旅行者が多数巻き込まれ、亡くなられた方も出てきているとの報道がなされています。

 謹んで、ご冥福をお祈り申し上げます。