介護ヘルパーは見た

 ご相談者が当センターを知ったきっかけに、介護ヘルパーさんから教えてもらったということが時にはあります。また、先日は、ある地域のケアマネージャーの研究会のようなところから問い合わせがありました。現場でご家族の方から葬儀のことを聞かれることが稀にあるので、研修会でテーマとして取り上げたいので協力してもらえるか、というような内容です。

 たしかに、家の中に入りこんでケアし、人間的な信頼関係もできてくれば、そうした会話が生まれてくるのも想像できます。
 
 しかし、私なんかの介護業界の知識と言えば、マスコミから流れてくるぐらいの情報で、成長分野ではあるが、現状では、仕事はきつく、待遇も悪く、離職率も高い・・・というようなイメージしかありません。人間的な信頼関係がでてくる余地はどこにあるのだろうか?

 『介護ヘルパーは見た』という現役ヘルパーの人の本を読みましたが、マスコミが流してくれる情報以上に、酷く暗くなります。

 介護職の離職率は年20%で、5年間で全員が入れ替わるほど人の出入りが激しい業界。在宅介護現場では約7割が登録・パートのヘルパーだそうですが、極端な実例とすると〜

 時給1300円として、朝・昼・夜の各30分ずつの訪問で、移動時間は時給計算されない事業所が多いので、実働分90分・1950円が1日分の給料。しかし朝昼晩なので1日拘束される感じになる。実働分1950円×20日=3万9000円の手取り。一か月20日働いて4万円弱!

 支出を抑えるために好き好んでやっているわけではないでしょうが、介護保険制度自体が、余裕のない、効率的な、人間味のないものへ進んでいっているも恐ろしい。(各現場では、こうした状況の中でも、できるかぎりの努力はされているとは思います)

 著者が危惧する、「気づいたら、ヘルパーがいなくなっていた」にならなければいいのですが。

喜んで貰っていただける方に、差し上げるのが1番

  「こんな立派なもの、いただいてよろしいですか。気軽にいただきますって、ご返事しちゃいましたが・・・」
 お料理教室の先生はしきりに恐縮していますが、桐の箱を大事に抱えてきた先輩は、満足そうにニコニコ顔です。
 
 箱の中身は、先輩がかつて韓国の展覧会場で見つけた土瓶でした。
 備前焼きに似た風情のある土瓶を手に取り「喜んで貰っていただける方に、差し上げるのが一番」とほっとされたご様子に、取り囲んでいた中高年の生徒さん達も、我が事のように頷いています。

 80歳を疾うに過ぎた先輩は、今まで大事にされていたものを、次々と身近な方に託しています。
 
 先輩程のお歳ではありませんが、独り住まいの友人も、かつて長年の夢とばかりに、大枚をはたいて手に入れた、幅1メートル以上もある、信楽焼きの陶板の行方が心配になり、落ち着き先を思いあぐねていたようですが、ある日新聞で、山陰のお寺が全焼した記事を見て、ここだと直感で思いついたとのこと。
 早速にご住職と連絡を取り、お送りしたと興奮気味に話してくれました。

 1年後、一時は失意のどん底にあったご住職から、再出発にあたり、インドに出向いて、これぞと思う白檀を手に入れ、新たな仏像を完成させ、ご安置されたので、是非にとのご招待を受けたとのこと。
 白檀の仏像と我が子の陶板の双方に会える楽しみができたと、安堵とうれしさを隠し切れない報告があったのは言うまでもありません。

 先輩や友人の報告を受け、大分昔になりますが、明治、大正、昭和の子供たちが遊んだ紙細工の数々を、広い部屋いっぱいに広げて見せていただき、写真に収めた記憶がよみがえりました。
 「まだまだ奥の部屋にも沢山あります」と、嬉しそうにお話しされていた、ご高齢の収集家のご逝去の報を知ったのは、それから丁度1年程後でした。

 しばらくして、あの膨大な紙細工の行方が心配になり、収集家をご紹介いただいた方にお伺いしたところ、すでに全て廃棄されてしまったとのこと。

 時代のサブカルチュアとしての貴重な資料も、お宅の方々にとっては膨大な紙屑に映っていたようで、ご逝去後、真っ先に処分の対象となってしまったご様子です。

 後の祭りとなってしまいましたが、残したいものは、早め早めに託す人や場所を決めておく必要があるようです。

 思い立ったが吉日。

 わが身を振り返れば、先輩や友人のように高価なものは見当たりませんが、収集家に近い環境にあることは確かです。
 長年撮りためた、膨大なフィルムを前に、「いつやるの。今でしょ」と、発破をかけていますが、フィルムの行方が心配です。

葬儀の雑誌

 先日、いつも行くコンビニで雑誌コーナーに葬儀の雑誌があるのが目に入り、普段なら雑誌はほとんど企業の宣伝だから・・と素通りするのですが、その日はなぜか、たまにはいいかもと、手に取りレジに。

 家に持ち帰り、パラパラめくってみていると、ビールが注がれたビールジョッキをかたどったキャンドルや、ワンカップ、湯呑など、色々なキャンドルが掲載されていました。
 ローソクのメーカーさんの宣伝なのですが、故人の月命日に灯して語り合うというような商品だそうで、「なるほど!」と思いました。

 当センターの仕事は商品を扱いませんので、このような新商品や次々と出てくる手元供養の商品などの情報をいち早くキャッチする必要はないのですが、たまに見るとなかなかおもしろいものです。

 他にも葬儀やお墓についての役に立つ記事は沢山あり、久しぶりに買った雑誌に一通り目を通し終わった頃、将来、『今日はママの月命日だからこのキャンドルを灯そう』と、毎月ビールジョッキのキャンドルに火をともしてもらえるように、これからの人生、ちゃんとしないとな、と、久しぶりに買った雑誌の広告が意外にも私のツボにはまったようです。

 たまに珍しいことをしてみるといいかもしれません。

夏はもう終わりでしょうか?

 8月が今日で終わり、夏休みも今日で終わり。
 ここ数日涼しい日が続いていたせいか、いつもとは少し違う感覚で過ごしています。

 明日から新学期ということで、近所の子どもたちも宿題に追われているのでしょうか、心なしかいつもの日曜日とは違って、周囲がとても静かな気がします。
 夏休みはダラダラ過ごしていた我が家の学生も、明日からはまた規則正しい生活にもどらなければならないのですが、このタイミングでの24時間テレビ。昨夜は一晩中見ていたようで、生活のリズムがすぐに戻るのか心配です。
 そして、私も朝のお弁当作りが無かった分、ゆっくりさせてもらっていましたが、明日からはまた早起きの生活に切り替えです。 

最近、私の周囲では風邪をひいたりなど、体調を崩している人が多いようです。 
天気予報では、今週はまた暑さが戻ってくるようなことを言っていたので、皆さまにおかれましては、気温の変化で体調などを崩されませんようお気を付け下さい。

お墓参り

 お盆の時期です。お盆休みを利用してお墓参りに行かれている方も多いかと思いますが、我が家でもやっとお墓参りに出かける日が決まりました。
 結局、家族の日程が合わず、お盆の時期は外れてしまいますが、主人の父母が眠っている方のお墓参りには行くことになりました。
 都内にあるので、電車で行っても1時間足らずで行けるという気軽さのせいか、いつでも行けるからとなかなか日程の調整をしてくれず・・。結局はお盆とお彼岸くらいしかお参りに行けません。
 
 先週の日曜日からお盆休みに入った友人は、早々に東京を離れ、実家がある秋田県へ帰省。途中、「新幹線に乗ってます〜!お墓参り行ってくるよ〜!」と連絡が入りました。
 つい先日、そんな話しをしていたからでしょう。今年は普段会えない親戚にも会えるから、一緒にお墓参りに行ってくるとのことでした。

 明日・明後日あたりのニュースはどの番組でも恒例のUターンラッシュ情報でしょう。

 田舎から帰ってくる方、田舎へ帰る方は事故などに気をつけて無事にご自宅へお帰りになってください。

お盆が近づいてくると・・。

 近年、お彼岸とお盆だけしか行かなくなってしまったお墓参り、しかも、自分の実家のお墓にはここ何年も顔を出していません。
 個人的に行くには少し遠すぎるので、できれば家族みんなでと思っているのですが、仕事の休みも時間もバラバラなので調整が難しく、結局いつも父母のみでお参りに行ってもらっている状況です。高齢なので、父の運転もそろそろ心配になってきているのですが・・・。

 何年か前から、近所の霊園に移そうという計画がたっているのですが、なかなか実現するまでに至りません。菩提寺はないので、自分達で勝手に決めてしまうことができる環境ではあるのですが、こまかい手続きや費用の面など、話しがなかなか進まない状況で、きっと、まだそのタイミングではないのだろうとも思うのですが。

 実家のお墓は、郊外の霊園にあり、私が子どもの頃に父が購入しました。
 先日、なぜその場所に買ったのかを聞くと、「山も川もあって、家族でレジャーに行く感覚でお墓参りができると思ってそこにしたが、この歳になるとさすがにきついな〜。近ければもっと頻繁に行けるのに」と。
 やはり、なかなかお参りに行けないことを気にしているようなので、そろそろ話しを進め始めないと・・と思いました。

 ご相談でも時々お墓を近くに引っ越したいとおっしゃる方がいらっしゃいます。菩提寺や、先祖代々のお墓等の場合には、なかなか自由にできず、分骨してもらい、ご自宅でご供養されることを選択される方もいらっしゃるようです。
 
 今年のお盆はお墓参りにいけるのでしょうか・・。実家から都合を聞かれる時期が近づいてきました。

夏バテしませんように。

 近所の小学校も夏休みに入り、朝からプールに向かう小学生のにぎやかな声が聞こえてきます。
 もう7月も残すところ一週間。暑いわけです。
 昨年までの今ごろは、省エネすると言いながらも、すっかりエアコンのお世話になっていたように思うのですが、今年はまだ扇風機でしのいでいます。ただ、朝起きると体がとてもだるいので、しっかりと眠れるように、そろそろエアコンにお世話になった方がいいのかもしれません。

 これからの時期は、病院等へお見舞いに行くご家族なども大変なことと思います。病院内は過ごしやすい温度に設定されていますが、ご家族は行ったり来りの往復だけでもお疲れになることと思います。
 また、特にお身内に心配な方がいらっしゃる場合には、ご心労も加わって体調を崩されやすくなっているかと思いますので、どうかご自身のお身体をご自愛ください。

 少し涼しくなるまであと1カ月半くらいでしょうか、私も夏バテしないように乗り切りたいと思います。

ネットにも護身術が必要になってきた

 「1種類のパスワードでほぼすべてのサービスを使う」(16%)、「2〜3種類」(56%)と約7割が3種類以下のパスワードをサイトで使いましているそうです(トレンドマイクロの調査)。

 私も最近まで、数種類のパスワード、IDも自分で決められるのは同じようなものにしてやっていました。もちろん記憶していて、いちいち記載してあるところを参照する必要もありません。しかも単語登録して簡単に呼び出すことができるようにしていました。オートコンプリート機能(IDとパスワードの自動入力支援)が使えないような場合は、時間もかからず確かに楽でした。

 そろそろ、対策をしないと危なそうだと思い始めたのは、アメリカCIAの局員だった、スノーデン氏が、たしか“ネット上に流れる情報で取得できない情報は何もない”というようなことを言ってからです。

 やはりそうだろうな、と。

 今日もワイドショーでやっていた「LINE」の不正ログインはかわいいもので、ネットバンキングを利用していれば、いつ不正送金されるかわかったものではありません(少し大げさか)。

 そういえば、利用サイトから、“パスワードが長い間変更されていません。定期的に変更下さい”みたいな、メールもちょくちょく送られてくるようになっていました。
 パスワードを変えるぐらいで大丈夫かな? もうちょっと何かと思っていたら、本屋さんで『ネット護身術入門』(朝日新書)というものを見つけました。読んでよかったと思うことを一つ紹介します。

 ブラウザ上にパスワードを保存しないこと。

 オートコンプリート機能によってブラウザ上に保存されているIDとパスワードがウイルスによって盗み出される可能性があるからです。
 いずれにしても、内部からの情報漏洩に気をつけないといけない状況にますますなってきています。

盆義理の季節

 「15,16日あたりはお坊さんの確保が難しいですよ。お忙しくて場合によっては断られることもありますので・・・」
 実感がこもった電話口の賛同葬儀社さんの言葉に、思わず季節の移り変わりの速さを感じた次第です。

 今年も早お盆の季節がやってきました。
 地域によっては8月の旧盆を指すところと、当方の実家のあたりのように7月をお盆の季節と呼んでいるところとそれぞれですが、日本の原風景のようなお盆風景もまだ各地で見受けられるようです。

 お盆行事を大切にしている実家の遠州地方での新盆は、第2のお葬式とまで言われ、ご葬儀顔負けのように盛大な習わしが今も脈々と受け継がれています。

 新盆のお宅は金銀の飾りで満艦飾の祭壇が用意され、ご訪問者をお待ちしております。
 ご葬儀に伺った方は「盆義理」と称し、1年間にお伺いしたお宅を、お盆の夕方に再び1件1件訪問する習わしがあり、この間車は渋滞し、街中が黒服だらけになるとまで言われています。

 ご葬儀と違い、バラバラにお見えになる大勢の訪問客をお迎えする方も大変ですが、故人を偲び、義理人情を彷彿させるこんな風習は今では貴重な存在です。
 
 少し前でしたら無駄なように感じられた方も多かったと思いますが、大震災以来新たに地域の絆の大切さが見直されており、花笠を背負い勇壮活発に笛や太鼓鳴らしながら念仏を唱和して、新盆のお宅を回る遠州大念仏と共に残してほしい風習の一つになっているようです。

 母の新盆の折には親戚・従妹達が集まり、たいまつの火を消さないように皆で門前までリレーで運び、火が燃え尽きるまで円陣を組んで、久方ぶりのおしゃべりに話が弾んだ、送り火の風景も懐かしく思い出されます。

 今年も間もなく迎え火のお時間がやってまいります。

梅シロップの作り方を調べたのですが・・。

 先日、スタッフの(松)さんから梅の実をたくさんいただきました。
 粒の大きな立派な梅です。
 私にとっては「初・梅しごと」です。
 梅酒にするか、梅シロップにするか…。
 梅酒で失敗するとショックがおおきくなりそうなので、子どもも一緒に楽しめる梅シロップを作ることにしました。

 まずは、インターネットで作り方の検索。
 瓶の消毒や梅の実の扱い方など、調べれば調べるほどどうするのが一番いいのかわからなくなってしまい、最終的には実家の母に聞いて、「テキトウに作ってもうまくいく」という結果に至り、ちょうどよさそうな大きさの瓶と氷砂糖を買ってきました。
 母に聞いた情報と、ネットで知った情報をミックスし、瓶の消毒や梅の前準備に丸一日かかって、やっと瓶に投入。あとは、毎日瓶を振って出来上がるのを待つだけです。
 計量もしないでテキトウに作ったので、大きな瓶2本それぞれ、梅、氷砂糖、お酢のバランスが違います。出来上がりにどんな差がでるのか、一カ月後の楽しみが増えました。

 インターネットでの調べ物は気軽にできるのでとても便利なのですが、深く調べようと色々見てしまうと、何が良くて、何が良くないのかわからなくなってきます。
 今回の梅シロップの作り方ひとつをとっても、梅の実にキズをつけないようにと注意する人もいれば、竹串などであえて傷をつけると書く人もいます。瓶の消毒もやらなくていいと書く人のサイトもありました。
 どっちも正解なのでしょうが、初めてそれに触れる人にとっては判断に困ります。
 また、自分が選んだものは正しいのかどうかも迷うことがあり、そんなときは結局信頼できる人に聞いてみるのが一番いいと思いました。
 
 一カ月後、暑い季節にぴったりのさっぱりした梅ジュースがいただけるように、毎日瓶を振っています。