心配だと思うことは、皆同じこととは限りません。

 最近は、とてもありがたいことに当センターのサイトをよく読んでいただいたうえでご相談をいただくことも多くなってきました。
 葬儀のことを考えなくてはならなくなってくると、まず、葬儀社のことを調べ始め、ネットで目立つ会社、テレビやマスコミなどで目にしたことがある会社など、ちょっと検索すれば、≪なんとなく知っているような気がする≫会社がたくさんヒットすると思いますが、その中に、あまり目にしたことがない「葬儀社紹介センター」というサイトに気づいていただいた方が、センターの活動を、サイトを通じて見てくださり、直接電話やご相談フォームにご相談されるという行動をしてくださるケースが増えてきたように思います。

 センターでは、葬儀社を探している方のお役にたてるようなサイト作りを心がけています。
 葬儀についてまだ何もわからない人は、何を心配しているのだろうか、何が不安なのだろうか、また、ご自身で色々調べていらっしゃる方には、迷われていることをどの方向に進めていただければいいのだろうか、ということに重視して作っています。
 サイトはまだ皆様のご要望に対して「完全」な形にはなっていませんが、そこは、直接のご相談によって出来る限りフォローさせていただいています。

先日、センターのサイトをよく読んでくださったかたからご相談がありました。
 「一日葬で葬儀をやりたいと思っていましたが、菩提寺があるので、(当センターの)ホームページに菩提寺のご住職に相談したほうがいいと書いてあったのでまず住職にきいてみました」とのことです。
 ご相談者は、ご住職からの「故人様のために、通夜のお経もあげてあげたい」というご意向をうかがい、2日間の葬儀にすることに決めましたが、葬儀の参列者はご相談者とそのご主人様の二人だけなので、極力費用を抑える葬儀にしたいということから、センターへ直接ご相談をされました。
 ご相談者は、インターネットで他の葬儀社のホームページもいろいろ見ていらっしゃいましたが、ご自身の要望についてどれに当てはめたらいいのかわからないという状況でした。
 センターでは、詳細に伺った情報をもとに、葬儀社さんとのやり取りを経て、ご相談者にとって、現時点でよりよいと思われるご提案と、葬儀社のご紹介をさせていただきました。
 
 葬儀は、すべての人が同じ一例を見て決められるようなことではありません。
 不安なことや心配なことは、各個人によっていろいろとあることだと思います。

 センターでは、ホームページの情報だけではなく、更に個人レベルでのご相談にも対応しています。

100%かなえるのは難しくても・・。

ご相談では、事前・事後にかかわらず、ご安置いついてどのように考えられているかをお聞きしています。
 ご自宅でのご安置や安置所の利用など、状況やご家族の考え方などにより、お答えは様々ですが、長期のご入院の末、ご自宅へ帰ることができなかった、また、おそらくもう自宅には戻れないであろうという状況で、一度は自宅に連れて帰りたいと思われる方は多いと思います。
 しかし、住宅事情、また、さまざまな状況によって、最初から安置所でのご安置を希望されるかたも多く、その中には、本当は一度でも自宅に帰してあげたいと思われているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

 最近、「病院から自宅へ戻り、自宅で納棺、出棺をしたい」という相談をお受けしました。
 お話しを伺うと、ご自宅はマンションの2階、エレベーターは狭いのでお棺は入らず、階段を使うしかないという状況です。
 良心的な葬儀社さんでしたら、なんとかご要望をかなえて差し上げたいと思うことではあると思うのですが、マンションの階段はコーナー部分の広さによって、お柩がまわれるかどうか・・・。あとは葬儀社の担当者が実際に状況を確認したうえで判断してもらうしかありません。
 ただ、ご自宅からのご出棺は難しいかもしれませんが、ご自宅でご安置して、ご葬儀の日に納棺が出来るところへ移動して頂き、そちらでご納棺してから式場へ向かうことはできると提案させていただきました。
 結局、階段の状況からご自宅からの出棺はできませんでしたが、故人様はご自宅で数日お過ごしになり、葬儀社が保有する会館にてご納棺、お別れをしてご出棺となりました。
 ご葬儀を終えて間もないころ、ご相談者より、担当者の対応に感謝している旨のメールをいただき、無事に御満足のいくご葬儀を行っていただけたと安心いたしました。
 
 お住まいになられている環境によっては、故人様のお体を第一に考えて、万が一の事故などがないようにするためにお望みを100%かなえることが難しいこともありますが、出来る限り100%に近づけるように対応してくれようとする葬儀社さんもいらっしゃいます。
 可能な限りご遺族の要望に対応しようとする心づもりのある葬儀社さんに出会っていただければと思っています。

ご葬儀と出会いの輪

当センターでは適切なアドバイスをするために、ホームページ上で一般のご葬儀に関する口コミを収集しておりますが、時としてご葬儀後、憤まんやるかたなしというような勢いのご報告をいただくことがございます。

 筆の勢いとは言え、にわかに信じられない程に、本当にそのようなことがあっていいものかと思われるようなケースも見受けられます。

 一方で、ご葬儀後、当センターがご紹介した葬儀社さんへのリクエストやお問い合わせをいただき、ご葬儀を通じての更なる輪が広がっていくのが感じられ、大いに励みになることもしばしばございます。

 先日も昨年のお父様のご葬儀に際し、当センターからご紹介した賛同葬儀社さんの気配りある対応ぶりに、感銘を受けたご相談者のお姉様から、ご主人の妹様が急逝され、神奈川と埼玉とでは場所も違うが、前回のような方のご紹介をお願いしたいとのご連絡が入り、早速にお近くのご要望に合う賛同葬儀社さんを複数社ご紹介させていただきました。

 ところが、お見積りを直接お取りになる段階で、ご主人のお父様が到着され、「娘の葬儀は知り合いの葬儀社さんに頼んできたから、全て私がやります」との突然のお申し出に、言葉に窮してしまわれたとのこと。
 電話口でのお姉様の「義父の気持ちですので、申し訳ございません。嫁の立場ですのでご了承ください」と平身低頭のご様子には、かえってこちらが恐縮してしまいました。

 それから、約1ヶ月後、先にご相談をお受けした弟様のご相談者から今度はお父様のお墓についてご相談をいただきました。
 目下、こちらはご葬儀を執り行いました葬儀社さんとご連絡を取り合い、ご希望のご予算、場所等に加え、愛犬のお骨と一緒のお墓をと、目下お探ししている最中です。

 また、昨年ご相談をお受けした方の中には、新たに5回目のご相談の方もいらっしゃいました。
 過去4回は同じ葬儀社の担当者にお願いされ、今回もお願いしたいとのご要望でしたが、なんとご連絡をいただいた1ヶ月前に、当の葬儀社さんはご事情で廃業されてしまわれたというハプニングがございました。

 ご相談者は過去4回の実績で気心がしれ、ご自身の時もお願いしようとまで思い入れていらっしゃったとのこと。
 すでに担当者とは改めてお話されなくても、ご事情を全て呑み込んでいて下さって、お身内のような感覚だったと残念がっていらっしゃいました。

 新たな担当者をご紹介するにあたり、こちらも前回までの方に勝るとも劣らない方をと思わず緊張いたしましたが、ご葬儀後、「家族一同、本当に感謝の気持ちでいっぱいの葬儀でした」との、ねぎらいのお言葉を頂き、安堵いたしました。
 今回を機に、また新たなご縁が始まる予感がいたします。

 このように、一つのご葬儀を機に様々な出会いやご縁の輪が、広がっていきます。
 ご相談をお受けしていると、時々「ご縁を大切に」の言葉が、耳元でリフレインしてくるように感じられる昨今です。

最後は家族に任せるしかないのだから・・・

 先日、ハンドメイド仲間たちとランチ会に行ってきました。
 話題はハンドメイド好きの人たちほとんどが悩んでいるであろう、材料の在庫をどうやって減らしていくかということ。
 ひとつ何かを始めると、材料や道具がどんどん増えていく、置くところがないからやっぱりやめておこうかと思う気持ちもあるが、だからといってやり始めないと気持ちがおさまらないからやっぱりやっちゃおうといってまた増やしてしまうというのはみんな同じのようです。
 一人は材料のあまりの多さに、最近『断捨離オークション』のようなものを見つけてせっせと出品しはじめたのだそうですが、量の多さもさることながら、メールのやり取りや発送作業が思いの外大変で、こんなに大変なら、もう捨ててしまおうかと思ってしまったと言っていました。

 私自身は、たくさんある材料をときどき引っ張り出して眺めているだけでも何となく幸せな気分になれるので、まだ処分することは考えていませんが、前に他の友人のお母様が亡くなられたときに、お母様が趣味で集めていた布の処分に困ってしまったという話を思い出しました。
 自分の趣味とは違う柄の布が押し入れ半間にぎっしり入っていて、自分では使い道はないけれど、捨ててしまうには気が引ける、だれか使う人がいればとは思うけれど自分の周りの人は多分興味もないだろう・・・。1か月ほど考えた結果、ほんの少しだけ残してあとは処分してしまったそうです。
 
 自分に万一のことがあったとき、この材料たちはどうなるのでしょう・・。
 この先、自分が満足してもうやらなくなってしまったら、自分で処分もできるでしょうが、こればっかりはいつどうなるかわからない。 
 せめて、家族がみてわかるように整理くらいはしておこう(自分が使うときのためにも)、と、分かりやすい整理の方法を考え中です。

 一般的に価値のあるものならば、どうにでもなるのでしょうけれど、自分だけの趣味だからこその悩みです。

ご相談者からのご報告

当センターでは事前・事後のご相談を様々な角度でお受けして、ご相談内容を整理し、またご不明な点やご質問等にお答えし、ご要望に沿った賛同葬儀社さんをご紹介することから始まります。

 そんな中、ご相談内容により、ご相談する側、される側の息がぴったり合ったご葬儀に出会うと、思わずご紹介したかいがあったと、我が事のようにほっとさせられます。

 先日も、ご葬儀が無事終わったご報告を、ご葬儀後のお忙しい中、早速にご相談者からいただきました。

 ご報告の冒頭には、ご相談者のご事情に合わせて色々と配慮された、葬儀社の担当者のお骨折りに対する感謝のお言葉が記されておりました。
 
 ご相談されるご年配の方もお近くにいらっしゃらない状況の中、唯一のご相談者である妹様と迎える初めてのご葬儀は、どの様にされたいかというご希望はあっても、実際にどこからどの様に手を付けてよいのか、さぞかしご不安であったことと存じます。
 そんな状況の中、担当者の的確な心づかいは力強い味方になったことでしょう。

 ご事情により、直葬をご希望されていらっしゃいましたが、一方でお父様との最後のお別れはされたいご要望も、お聞きしておりましたので、その旨担当者に申し上げておきました。
 担当者はご相談者のお気持ちを汲んで、炉前での短い時間に配慮し、荼毘に付される前日に、葬儀社さん所有の安置所にてご家族だけでゆっくりお別れされるようアドバイスをされ、それを受けたご相談者とご家族は、火葬当日駆け付けてくれたご親戚の方々に、お別れのお時間を譲ることができたことを、大変感謝されたとのこと。

 炉前の限られた短いお時間を譲ることができたお気持ちは、駆け付けた方々にも十二分に伝わったことと存じます。

 ご葬儀の形も多種多様になりつつある中で、小さなご葬儀が多くなるにしたがい、ご相談者を始め、ご喪家のお気持ちを如何に汲みとれるかが、これからのご葬儀の満足度にも大きく関わってくるよう思われます。

実際にご利用頂いた方の声は大切です。

 センターでは、以前ご紹介で葬儀を行なった葬儀社へ次のご葬儀もご依頼されたなどの場合、担当葬儀社さんよりその旨の報告を頂いています。
 これは、リピートでのご依頼があるということが、以前に対応させていただいたご葬儀がご依頼者にとってご満足のいくご葬儀だったということの表れであると思いますし、担当者の説明や対応が丁寧であったりなど、安心してお任せいただける葬儀社であるという最大の情報であると思っているからです。
 
 センターでは、過去に行なった葬儀で二度と同じ思いをしたくないという経験をされた方からのご相談が寄せられる事もあり、葬儀社を選ぶ段階でとても用心しているご様子の方などもいらっしゃいます。
 このような方をはじめ、初めて葬儀を行なう方にとっても、リピートで利用されるような葬儀社であるという情報は、まず大きな安心材料になるのではないかと思うと同時に、過去のご葬儀を、当センターからの紹介であったことを覚えていて、報告をしてくれるという几帳面さも、信頼できる葬儀社さんとして安心してご紹介できる大事な要素だと思います。

 また、センターでは、このほかにも、実際にご葬儀を依頼された方へご葬儀後にアンケートのご協力を頂いています。
 アンケートには「お知り合いなどに、今回利用した葬儀社を勧めたいと思いますか」という設問がありますが、『ぜひ勧めたい、機会があれば勧めたい』と頂いたご回答もリピートでのご利用と同等の情報として、ご紹介の際の参考にさせていただいています。

 実際にご利用頂いた方からご協力いただくありがたい情報を活かして、これからもご相談、ご紹介につなげていきたいと思っています。

来年も再来年も・・

 1年半ほど前に、ご自身達ご夫婦の葬儀についての事前相談をされていた方から、先日、再度のご相談をいただきました。
 前にご相談をいただいた際に、数社の葬儀社をご紹介させていただき、その時点での概算見積書を提出しましたが、長期にわたるご相談でしたので1年程を目安に見積もりの見直しなどをして頂くことをお勧めしたことで、1年を過ぎたころから気に掛けられていたそうです。
 
 今回の見直しでは、以前は自宅近くの斎場を希望していたので、それに合うような提案・ご紹介をしましたが、今回はこの1年半の間に参列されたご葬儀で使われた斎場が気に入ったので、そこに変更したいとのこと、また、ご会葬の人数も30名から20名に変更したいと、ご要望に変更がありました。
 センターでも、この間に新たな賛同葬儀社として参加して下さった社も増え、ご要望の変更を踏まえて、改めてタイプの異なる社をご紹介させていただきました。

 長期のご相談では、ご相談者の状況や要望に変化があることもありますし、センターや賛同葬儀社さんにおいても変化があることもあります。
 また、今の時代は消費税の増税や葬儀に関わるものの価格変更など物価の変動もあるかもしれません。
 
 ご相談者がお電話で「一日一日、先延ばしにしていて、そちらに連絡するのが今になってしまって・・」とおっしゃっていましたが、先延ばしにするのは、お元気でいらっしゃるからだと思います。

 来年も見直しのご相談をお待ちしています。

どう聞いたらいいのかわからないこともあると思います。

 事前のご相談で、お亡くなりになられてからご安置までの連絡や流れなどについてのご質問をいただくことがあります。
 そういえば、私自身も葬儀の仕事に携わる前の頃は、葬儀を出した経験もなく、流れや段取りについての知識も全く無い状態で漠然とした不安を持っていましたが、誰に、どのように聞いたらいいのかもわからずに過ごしていました。

 今ではアドバイスをさせていただくような環境に身を置いていますが(まだまだ勉強不足ですが)、以前、「こんなことをこちらに聞いていいのかわからないのですが・・。病院で亡くなったら、私はどうしたらいいのでしょうか。」とのご質問をいただいたことを思い出しました。
 最初の漠然とした質問は、わからないことをどのようにきいたらいいのかもわからないというご相談者の不安な部分かもしれません。数回のやり取りを経て、ご自身の疑問点を明確にされていかれました。

 「初心」よりも前の記憶を忘れずにいたいと思います。
 ご相談される方が何を聞きたいのかをくみ取るのには、何も知らなかった頃の自分が役に立つ時もあるのかもしれないと思いました。

幸せな思い出とは・・・。

「パーフェクトです。順調ですよ・・・」張りのあるお医者さんの言葉に、思わず笑みがこぼれます。
 私事で恐縮ですが、先日、目の手術をした後、翌日まで何となく違和感が残り、一抹の不安を感じながら診察を待っていましたが、お医者さんの一言で、急に霧が晴れたように気持ちも落ち着き、安堵いたしました。

 状況は異なりますが、普段ご葬儀のご相談を承り、ご不安を抱えたお問い合わせにお応えし、少しでもご安心していただけるよう対応している身にとりましては、ご相談者の不安と安心のお気持ちを、改めて認識させられた日でもありました。

 ご葬儀のご相談では、ご喪家としての経験をされたことのない方が大半を占め、どこから進めてよいのか見当も付かない、という方も多くいらっしゃいます。
 漠然としたお気持ちの中から、ご要望をお尋ねして、まずはポイントを少し整理させていただき、ご要望に適した賛同葬儀社さんを選び、お見積りをお取りして、ご紹介をした後は葬儀社さんの担当者さんに委ねる場合が多いのですが、担当者さんとのコミュニケーションもスムースに運び、安心してご葬儀に臨むことができましたと安堵のご報告も数多く頂いております。

 ご報告の中では、担当者さんの親切丁寧な対応は言うまでもなく、ご葬儀前のご不安な状況を察して、電話や手紙で励ましてくださったり、また、ご相談者と同じ目線で一緒になって考えてくださったり、時に心のよりどころとなってアドバイスをしていただけたりと、感謝の言葉が綴られています。

 中でも、当センターとご紹介した賛同葬儀社さんにご葬儀をお任せしたおかげで、その後は安心した気持ちのまま、お父様を最期まで看取ることができ、また担当者さんのきめ細やかな働きにより、温かい雰囲気の中で、お見送りすることができたとのこと。
 また、ご葬儀が終わって振り返ると、不思議なことにその間が「幸せな思い出」となっていることに気づかされ、今では、お父様の死に関わってくださった皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです、とお忙しい中、早速にお礼のお手紙をいただいたことは、安心の言葉と共に、印象深く残っております。

皆様、おいでください。

  5年程前のご相談メールとその時頂いたアンケートのコピーを、時々手に取っては読み返しています。

 病院にて闘病中のお父様のご容態は、今すぐどうということではないが、お父様の為にもできるだけ慌てないで対処したいと思い、ご連絡をいたしましたとの文面から始まっております。
 
 お見舞いに日参しているお母様の身体を気遣い、最期は家族だけで静かに見送ってほしいというのが、お父様の願いです。

 当初、万が一に備えてのご相談をされる一方で、病院に日参されているご自身の行動に、冷たい人間だ・・・という罪悪感を覚え、どこかでお父様を裏切ってしまったのではという思いまでされたとのことです。

 しかしながら、当センターとメールでのやり取りをして、ホームページを読み込んでいくうちに、やがてあらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることに繋がるのだと思うようになってきたと、心の経過報告をされていらっしゃいましたが、それでも一つだけずっと心に引っかかったままの状態があるとのことでした。

 センターのホームページの中で「ご家族だけでお見送りすることも大事だが、永年のお付き合いの中で、最後のお別れをされたい人の気持ちを汲んであげることも大切」とのくだりが頭の片隅にこびりついて離れずにいると述懐されていました。

 それでも幾つかの山場を越え、揺れる思いも、ご葬儀直前には「父には申し訳ありませんが、結局は私たちがどれだけその人たちの気持ちを受け止められるか、というような気がする」とのお気持ちに定まり、「お見舞いも拒否され、最期のお別れもできないなんて辛すぎる」とのご親戚からのお言葉に、「どうぞお願いします。来てください」と言えました、とのご報告をいただきました。

 ご親族の皆様が久しぶりに一同に会された通夜の晩、皆様で大広間に雑魚寝をされ、さながら合宿所のような様相を呈し、一晩が思い出深く心
に刻み込まれた気がして、お父様が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えたとのことです。

 「翌朝、バケツリレーのように、大広間に次々とお布団の山が築かれたのは、圧巻でした。全てが過ぎ去る前に気づけたお陰で、ご列席の皆様にも、家族にも一生の悔いが残らずにすみました。涙も笑いもあるご葬儀でした。ありがとうございます」との文面が最後に記されておりました。