ご喪家に向く賛同社の選び方

「ご紹介頂いた3社のご担当の方とお会いしました。どの方も安心してお任せできそうな感じがしましたが、今回は推薦いただいた葬儀社さんにお願いしたいと思います。実際にお会いしてみてその通りだと実感しました」
 
 センターのご相談フォームから事前のご相談を頂き、当方からもさらにご要望やその理由等をお伺いし、ご要望に見合った地元の賛同社からお見積りをお取りして、センターの見積説明書と共にお送りした方からのご報告です。

 葬儀社をご紹介するにあたり、ご質問の中でご葬儀の方向性も考慮し、予算と場所とサービスの質の三つがあるとするならば、あえてどれを優先されるかをお伺いして、地元の賛同社3社程をご紹介したところ、出来ましたら担当者とお会いする前にお勧め順とその理由もお聞かせ願いたいとのご連絡をいただきました。
 各社共甲乙つけがたい状況でしたが、ご相談者からの要請を受け、強いて申し上げればとの前置きで、今回は一番こぢんまりした社を推薦させていただきました。

 理由といたしまして、お身内だけの家族葬を御希望になり、ご会葬者の多くがご高齢者とのことで、ご要望として細かな気配りや適切なアドバイス等のサービスの質を挙げておられましたので、3社の中では永年ご葬儀に携わり、小規模ゆえに自営業的立場で、状況に合わせて小回りが利き、担当者の一存で即臨機応変な対応が可能な社を選ばせていただきました。

 但し、見積りの説明書でも申し上げておりますが、実際にお会いされて、ご紹介した担当者と合う、合わないという問題も時には起きて参ります。
 特に少人数のご葬儀では担当者との関係が密になり、重要になってきますので、実際にお会いになり、お話し合いをされてからご判断いただくよう申し伝えておきました。
 ご報告から4日後、御家族の皆様に見守られ、お母様は静かに旅立たれ、それから6日後のご葬儀となりました。

 最近はホームページをはじめ、週刊誌、テレビ等のマスコミを中心に、ご高齢者をターゲットにしたご葬儀に関する情報が氾濫の様相を呈していますが、熟読されて情報のハウツーをマスターしただけでは、ご満足のいくご葬儀を執り行うのは難しいのが現状です。
 
 ご喪家にはそれぞれご希望がございます。
 ご喪家のご要望をどれだけ汲み取れるか、ご葬儀の担当者も日夜努力しております。
 双方を取り持つ当方も、第3者として、常にご要望に合った担当者をご紹介できるよう、心がけていきたいと存じます。

斎場、葬儀社

葬儀社と斎場の関係がよくわからないという方は意外と多いのでは、と感じます。
消費者の方からの目線で見た場合、よく目にする葬儀場はどこが運営しているのかなど、あまり気にすることはなく、お身内の方が心配な状況になっても「あそこに式場があった」などの少ない情報で葬儀社を決めてしまわれることもあるのではないでしょうか。

葬儀場は、葬儀社が保有する自社斎場や、区や市など行政が運営している公営斎場、また、寺院や地域が運営しているような貸斎場など、管理している所が違うことによって、葬儀社を選ぶという選択肢があるにも関わらず、それに気づかないこともあるのかもしれません。

先日、事後のご相談でどの葬儀社でも対応ができる○○会館(民間の貸式場)を紹介してほしいとおっしゃる方がいらっしゃいました。
そのご相談者は斎場が葬儀を全て行ってくれると思っていらっしゃったとのことで、式場は葬儀社が予約を行ないますので、そこの式場に慣れている葬儀社をご紹介させていただく旨の説明をしたところ、ご理解されたということがありました。

また、他にも「○○斎場ですか」と、斎場と間違えてお電話をいただき、お話しを伺うと、その方も斎場に依頼すれば葬儀が行えるものだと思われていたということもあります。

たしかに、葬儀社が自社で運営している斎場は、葬儀会館=葬儀社ですが、そうではない斎場もたくさんあります。

使用したい葬儀場が葬儀社の自社会館であれば、その葬儀社に依頼することになりますが、公営の斎場や民間の貸式場の場合は、「葬儀を行う場所を貸している」だけですので、ご葬儀のお世話をする葬儀社はご利用される方が自由に選ぶことができます。
自社会館を持たない葬儀社は、自社会館を保有する葬儀社よりも多いです。
つまり、「貸式場を利用したい」と思われている方には、葬儀社の選択肢が多くあるということになります。

安置所でのご面会重視の方向へ・・・。

 「ご葬儀までの間、姉妹で毎日お越し頂き、2時間程お母様との最後の時間をゆっくりとお過ごしになっていらっしゃいました」
 先日、ご葬儀を執り行って頂いた担当者から、自社霊安室での報告をいただきました。 
 2ヵ所ある霊安室の内、ご喪家にとっては少し遠方になりますが、ご面会時間の自由が効く方を選ばれたとの由。
 ご葬儀までの1週間、毎日通われて、お母様と心ゆくまでお話がお出来になられたのでは・・・。
 
 最近、ご相談者からご安置後のご面会が自由にできるところをとのご要望を、立て続けに頂きました。
  住宅事情等の関係もあり、以前の様にご逝去後ご自宅でのご安置が難しくなり、当センターでお受けするご相談でも、多くの場合ご自宅以外をご希望される傾向にございます。
 
 ご安置先の多くは葬儀社の自社安置所、または葬儀社が契約している安置所になりますが、ご安置先でのご面会は何時でも可能という訳ではありません。
 短時間での時間制限が多い中、最近は火葬式のみの場合でも、お別れだけは十分な時間を取りたいとのご要望も増え、徐々にではありますが、葬儀社さんサイドもご要望の多様化に臨機応変な取り組みが行われてきているようです。

 自社安置所を所有している葬儀社さんが少ない都心を除き、特に、周辺都市の自社安置所所有の葬儀社さんでは、毎日2時間ほどのご面会が可能なところ、ご相談に応じて自由に1日貸し切りでご面会可能なところ、安置所で火葬前日ゆっくりとお別れができるところ等、試行錯誤をされながらもご相談者のニーズに合わせた取り組みが見られるようになりました。

 最近、ご葬儀を待つ間、長時間自由にご面会できる葬儀社さんを第1条件にあげられたご相談者からは「葬儀社選びはとても大事です。希望を伝えて、ニーズに合った葬儀社を紹介してくれました」とのアンケートのご回答をいただきました。

自宅葬の場合

 最近、自宅から送り出してあげたい、という自宅葬を希望される方からのご相談が続きました。
 昔ではあたりまえだった自宅での葬儀も、首都圏では今は様々な事情で葬儀式場を使う方がほとんど、という状況ではありますが、ご自宅で葬儀をあげられる状況にあるご家族にとっては、ご本人やご家族の「今まで一緒に生活をしていた家から送ってもらいたい、送ってあげたい」という気持も大きいと思います。
 
 自宅で葬儀をあげたいとお考えの場合には、葬儀社も自宅葬の経験があり、臨機応変な対応ができるところを選ぶことが大切です。
 そして、可能であれば事前にご自宅とご自宅の周辺をプロの目でみてもらうことをお勧めします。

 先日、事前相談でご自宅で葬儀を行うことをご希望になっているご家族とお会いし、お話を伺ってきました。
 ご本人が、ご自身が万が一の時には自宅から送り出してほしいと希望されていらっしゃるとのこと。
 ご家族はできる限り希望をかなえてあげたいと、ご相談されました。
 その後、複数のご紹介葬儀社にご自宅を見てもらい、ご検討されています。

 また、先日ご自宅で葬儀を行ったご相談者も、実際に担当者にご自宅に来てもらい、ご相談されながら葬儀社をお決めになりました。
 そのご相談者からご協力いただいたアンケートでは、「こちらの立場(自宅で行いたい)をご理解いただき、プランニングしてくださったので、ありがたかったです」とのご回答をいただきました。

 ご自宅で葬儀をされたいと考えている方は、可能であれば事前にご自宅を担当者に見てもらうことをお勧めいたします。

3択

 普通の人が頭の中で認識して、きちんと比較できる選択肢の数は3つが限度だそうです。

 葬儀社を探している方で、センターにご相談された方に、ご自身でたくさんの葬儀社から資料をもらったが、どこを選んだらいいかわからないというご質問を頂くことが増えています。
 ネットの上位に出てくる葬儀社のあちらこちらに闇雲に資料請求をして、送られてきた資料の数に翻弄されてしまうケースや、センターへご相談され資料請求をしてみたが、必要以上の資料が送られてきたり、複数からかかってくる葬儀社の電話の対応に追われてどこと何を話したのかなど、どうしたらいいかわからなくなってしまったという方も少なくありません。

 ただ、きちんと比較できる数を3つに絞ると言っても、ネットに山ほど出てくる葬儀社を適当に3つに絞ればいいというものでは無いと思います。

 一番大事なことは、ご相談者のご要望をできるだけ叶えてくれるところから選ぶということが大事になります。

 センターでは、お話を伺い、伺った状況、ご希望から、まずこちらで絞ってから(センターのフィルターをかけます)ご紹介させて頂き、そこからご相談者ご自身に合う・合わないなどを含めてご検討いただいています。

 たくさんある可能性の中から選びたいという心理も分からないわけではありません。
 実際、時間と気持ちの余裕があれば、山ほどの情報の中から吟味して選んで満足できるかたもいらっしゃるでしょう。
 ただ、普通に生活している人が、きちんと比較するためにはそもそも最初の段階で選択肢は多くない方が良く、その前に、安全なフィルターがかかっていれば安心の中から合うものを選ぶことができるのではないかと思います。

その社が選ばれなかった理由

 なぜ、その社に依頼したのかの理由を聞くことは大事です。本当のところを聞き出せれば、自社の強みを再確認するためにも役立ちます。

 ただ、形式的な聞き方だけでは、本当のところはなかなか語ってもらえないかもしれません。自分なりの仮説をもって、検証するぐらいの意識で臨みたいものです(なかなか難しいですが)。

 先日、当センターの紹介社で施行した人から、紹介社を選んだ理由と、他社でも直接話をしていて、そこが選ばれなかった理由を聞く機会がありました。
 面白かったのは選ばれなかった理由で、まとめると次のようなものでした。

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 〇〇さん(選ばれなかった社)は、とにかく低姿勢で言葉遣いは丁寧なのですが、節々に自社の既定の葬儀の流れで進めさせようとする面が見られあまり柔軟には対応していただけない印象を受けました。
 打ち合わせに喫茶室を利用したのですが、会計時の店員さんへの態度が高圧的で、もしかすると、自分たちも同じような対応をされるかもしれない、という不安も感じました。
 お話を伺った限りでは、ベテランの葬儀社であることは理解できたのですが、やはり、人柄を重視したいと思いましたので、〇〇さんにはお願いできない、という判断をしました。
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 ただでさえ、葬儀社は取引業者に対して高圧的な態度をとることに慣れてしまっている感もあります(どの業界も仕事を発注する側は多かれ少なかれそうでしょうが)。人にどう接するのかの態度は、長年にわたって積み重なってきたものなので、すぐに変えられるものではありませんが、お互い気をつけたいとこころです。

再度依頼される葬儀社は安心感があります。

 当センターでは、紹介社で一度葬儀を行い、その後、別の人の葬儀に伴い再度その社に依頼があった場合に、紹介社さんより、その報告をしてもらっています。

 我々はリピート施行と言っていますが(他に適当な言葉がないのでそう呼んでいます)、実際にご利用された方が再び同じ社にご依頼されるということは、安心の葬儀社であるという最も大きな情報であると考えるからです。

 「前に利用した葬儀社へは二度と頼みたくないので」、とご相談をいただくことも少なくない中、リピートで依頼がある葬儀社であるという情報は、大きな安心材料です。

 と同時に、今回の施行においても紹介葬儀社の担当者さんが気を緩めることなく、変わることなく、ご葬家に満足してもらっているか確認したいためです。

 つい先日に葬儀社さんから報告された案件は、昨年末にお父様の葬儀を行ったご家族から、お母様の葬儀においても、依頼されしました、というものでした。お父様の葬儀のときと同じ堀ノ内斎場で行われました。

 再度お願いしたご家族へのアンケートにおいて、「前回、満足して信頼がおけたため、再度、同じ社に依頼しました」とあり、「誠意が感じられる。きちんとした対応、安心と信頼が持てる。細かな対応をも気持良くスムースに運んで頂ける」との感想をいただきました。

ホームぺージだけではわからないこと

 過去に経験された葬儀で葬儀社に対しての不満が残り、次に葬儀を出すときには同じ思いをしたくないので、とご相談を頂きました。

 その時のご葬儀は直葬だったとのこと。
費用を抑えたいという理由からではなく、故人様のご兄弟も皆様高齢で葬儀に参列するのが難しく、ご相談者ご夫妻のみで送ることにしたため、直葬というかたちを選ばれたそうです。
 初めての葬儀で、葬儀社はインターネットで探して依頼したとのこと。
 「同じ直葬での葬儀ならば、高いよりは安い方がいいと思い、価格を比較して低価格を謳っている葬儀社に依頼してしまったことが失敗でした」とおっしゃっていました。
 詳しい説明もなく、火葬日当日、葬儀社の担当者はヨレヨレのスーツを着て時間ギリギリにやってきた。お盆に入っている花はしおれているし、対応に雑さを感じたとのこと。
 直葬の葬儀とはこんなものなのでしょうか・・と聞かれたので、直葬でも丁寧に対応してもらい、ご要望にも可能な限り対応してもらって、とてもご満足されている方もいらっしゃいますよとお話しすると、「将来、また葬儀を出すことになるので、また相談させてください、その時は、何もわからないからと全部葬儀社任せにしないで、ちゃんと要望は伝えようと思います」とおっしゃっていました。
 値段だけで選んでしまったことだけでなく、何もわからない状態で葬儀社にまるごと任せてしまったことも後悔につながっていたご様子です。

 不慣れで不安な状況の中、その道のプロに全てお任せしたいと思うことは自然な事だと思いますが、お任せするには『ご依頼者が信頼できる葬儀社』という大前提があります。
 しかし、信頼できる葬儀社なのかどうかは、ホームページを見ただけではわかりません。

葬儀社を選ぶ

 センターは、お身内の方を送るというとても大切な最期の時間となるお葬式をご満足のいくかたちで過ごして頂きたいという想いで活動しています。
 そのために大事なことは、誠心誠意対応してくれるような葬儀社をお身内の方が選んで頂くことだと思っています。

 しかし、「葬儀社を自分で選べる」ということを知らないでいる人も多いのでは・・と、思うことが度々あります。

 以前、知人が経験したことですが、近所の人たちがよく使っているからうちもそこで・・と葬儀を依頼し、家族7名、料理や返礼品は不要という葬儀で100万円以上かかったという話しを聞きました。
 後からご友人に、○○葬儀社だったらそんなに費用をかけなくてもちゃんと葬儀はできたよ、という話しを聞いて、知らなかったことに後悔したそう。
 私もその人と事前に葬儀社を選んだ方がいいよと話しをしていなかった事に後悔しました。

 センターへご相談される方の中には、以前の葬儀で後悔された方や初めてのことで不安が大きい方、葬儀社から強引に勧められた事を断る自信がないとおっしゃる方など、様々な気持ちをお持ちの方も多く、ご相談者一人ひとりの気持ちに添えるようなかたちで、葬儀社を選んで頂くようなかたちで対応しています。

 葬儀社は選べるということをもっと広げたいと思っています。

長期的なご相談

 センターでは、長期的なご相談の場合、折を見て見直しをして頂くようにご案内させて頂いています。
 先日、立て続けに2件、以前長期のご相談に対応させて頂いた方から再度のご相談がありました。

 一件は一年半ほど前に承ったご相談で、希望式場の変更による再見積りのご依頼、もう一件は3年以上前に最初のご相談をいただき、今回は3度めのご相談で、2回目のご相談の際に追加でご紹介した葬儀社にお決めになられていましたが、状況がかわり、やはり最初にご紹介させていただいた社の中から選ぶことにしようと思うというご相談でした。

 今すぐにということではないが、高齢なのでいずれ訪れる葬儀の際に慌てないように、という流れでのご相談や、大変ご心配な状況にあった際にご相談いただき、その後ご回復されて長期的なご相談になる、など、理由は様々ですが、どのような場合においても、一年ほどをめどに、再度ご相談していただくことをお勧めいたします。

 ご相談者側の状況やご要望が変わるかもしれないということだけでなく、世の中の状況が変わったり、また、新しいご提案ができるかもしれません。
 
 1年以上前にご相談された方は、何かの折に、今一度ご検討していただければと思います。