「複数の葬儀社から見積もりを取り寄せても・・・」

 当センターの紹介案件の中では、サポート事例に事後と事前の区分を設けているように、事後の相談も少なからずあります。事後の相談というのは、突然のことで、とか、事前相談するにも抵抗があったのでという方の相談というようなことになります。抵抗がある方の中には、「事前にHPは確認していて、相談しようと思っていたが・・・」というような場合もあります。

 以前依頼した葬儀社が良かったのでとか、知り合いがやっている葬儀社があるので・・など、もしものときも心配はいらないという人は別にして、抵抗感よりも心配や不安が大きければ、事前相談は不安を和らげる効果は一応はあるように思います。

 一応というのは、そう単純なものではないと改めて思ったからです。
 数日前の新規の事前相談において、「複数の葬儀社から見積もりを取り寄せても、どれが不要で見積もり以外にどんな請求をされるのか、不安でたまりません。」と相談フォームにありました。
 本当のことを言ってくれていると思える誰かを探し当てるまでは不安はなくならないということだと思います。

 万能ではありませんが、こうした場合の、有力な解決方法のひとつは対面の相談かもしれません。社の雰囲気や人など、HPや紙ベースではわからないことが得られるはずです。
 事前相談された方の、先日の施行後のアンケートにおいて、
「事前調査で2社を紹介して頂き、両社の事務所を訪問して話しを伺った。○○○○(葬儀社名)の○○さん(担当者名)の話しと見積りは詳細まで説明しての見積りで納得が出来た。もう一社の方は、話しも要領を得ず、見積りも大雑把で、この時点で○○○○(葬儀社名)に気持ちを固めた。」とありました。
 これ以後は葬儀社選びや費用などについて心配はなくなっているということになります。

葬儀社を比較するには・・

 複数の葬儀社を比較して決めたいと思われる方は多いと思います。
 1社だけではいい葬儀社なのか、そうではないのかの判断が付けられないからというのがその理由であると思いますが、複数の葬儀社から資料や見積りを取り寄せても、いざ比較するとなると、どのように比較したらいいのか分からないという方が多いようです。
 たくさんの資料を取り寄せれば取り寄せるほど、たくさんの葬儀社のホームページを見れば見るほど、何が自分にとって良いのかが分からなくなってくるのではないでしょうか。

 先日、「インターネットでたくさんの葬儀社のサイトを見ましたが、みんな良いことしか書いてないし、プランに入っているものもそれぞれで、何を信用していいのかわからなくなって・・」と、ご自身での比較が難しくなった方からご相談を頂きました。

 複数の葬儀社を比較して決めたいと思われる場合、費用や場所のほかに、対応面を重視される方は多いのですが、ホームページや見積り書、パンフレットの立派さなどで判断される方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけでは葬儀社がどのような対応をするのかを判断するのは難しいかもしれません。
 
 葬儀は担当者との信頼関係がとても大切だと思います。
 満足=担当者との関係が良かったと言ってもいいくらいなのではないかもしれません。

 
 事前に葬儀について調べたいと思う方で、お気持ちが許せるのであれば、資料の取り寄せだけでなく、是非、直接担当者と話しをして頂く事をお勧めいたします。

最優先にしたいことは?

 葬儀社を選ぶ際に、ご自身(またはお身内の方)が何を最優先にしたいかということが明確になると、選びやすくなると思います。

 費用を極力抑えたい、交通の便がいい式場で、温かい対応をしてもらいたいなどのほかにも、畳の部屋で安置してもらいたい、葬儀の日まであまり待ちたくない・・など。
 もちろん全てが叶えられることが一番いいのですが、環境によって叶えられないことなどもあると思います。

 以前、式場は自宅の近くにしたい、自宅には安置出来ないので、安置所を利用して、夜間の付き添いもしたいとご希望されたご相談がありました。
 ご自宅近くにちょうどいい規模の葬儀会館はありましたが、残念ながら、ご安置については夜間の付き添いに対応しておらず、それを叶えるためには少し遠くの安置所を利用するしかありませんでした。
 安置中の夜間付き添いという点を踏まえた提案をさせていただきましたが、よくお考えいただいた結果、夜間の付き添いはできなくても、「近い所」ということが最優先になり、ご安置中の面会は日中しかできませんでしたが、ご自宅から近い式場で葬儀を行うことができました。

 本来なら全ての要望が叶えられることが一番であるとは思いますが、それが難しい状況にある場合には、ご要望の中の何が一番大事なのかということを明確にして頂くと、葬儀社を比較して選ぶ時にも役立つと思います。

比較したほうがよいと言われても・・・。

 先日、事前相談のお電話を下さったご相談者が、「インターネットで葬儀社のサイトをいくつも見て、資料などを頂いたりしたのですが、結局どうやって選んだらいいのか分からなくなってしまって・・」とおっしゃっていました。
 また、他のご相談者は、「近所の葬儀社から見積りはとってみましたが、その金額が適正なのかわからなくて」など、いざ、ご葬儀のことを考えなくてはならない状況になり、調べ始めたところ、その判断をどうしたらいいのか迷われているご相談が多くなってきたように思います。

 複数の葬儀社で比較したほうが良いという情報はあちらこちらから耳にすると思いますが、実際にたくさんの葬儀社から多くの資料を取り寄せしても、どのように比較したらいいのかわからない方が多いのではないでしょうか。
 
 たくさんの情報を一度に手にしても、逆に混乱してしまう方もいらっしゃると思います。また、たくさんの情報を仕入れたくても難しい状況にある方もいらっしゃると思います。

 センターでは、事前のご相談でも、ご相談者と詳しいやり取りをさせて頂いたうえで、1社だけをご紹介させていただくことがあります。
 もちろん、ご相談者が複数の葬儀社で比較したいというご希望であれば、それを第一に優先させて話しを進めますが、ご相談者と詳細なやりとりのなかで、その方がどのような紹介方法が合っているのだろうかと言うことも考えながら対応しています。

葬儀屋さんを選ぶのは自由です。

 葬儀社を選ぶということが消費者に浸透し始めてどのくらい経ったでしょうか。
 最近では、依頼する葬儀社を選びたいと考えられている方が増えているかと思います。

 以前、ご長男の奥様という立場の方から、義理のご両親の万一の時に備えてのご相談を承りました。
 ご親戚を含めて、今までずっと同じ葬儀社にお願いしているのだが、他の葬儀社はどうなのだろうかと疑問をお持ちになり、比較してみたいと思われたそうです。
 お嫁さんの立場ということで、実際の葬儀のときには自分の意見が通るかわかりませんが・・というご相談でしたが、ご要望や詳細をお聞かせいただき、葬儀社のご紹介と併せて概算の見積書を他のご家族にわからないようなかたちでお送りいたしました。

 また、他に、祖父母のご葬儀はご両親が仕切り、お父様のご葬儀のときはお母様が仕切っていたのですが、そのお母様も今はご高齢で万一の時には自分が仕切らなくてはならず、何も分からないので・・とのご相談をいただきました。
 昔は何も気にすることなく近所の葬儀屋さんにお願いしていて、それが当り前だと思っていたような時代でしたが、お母様がご高齢になり、いつどうなってもおかしくないという状況のなか、いろいろな情報があり、近所の葬儀社にこのまま頼んでしまっていいのだろうかと疑問を持ったとのことです。調べ始めると、多すぎる情報にますます不安が大きくなり、どこに頼めばいいのか分からなくなって・・とのご相談でした。

 昔からお願いしている葬儀社さんの場合、ご依頼する側も慣れている葬儀社というところで頼みやすいと思いますし、また、今までのご葬儀に不満が無ければ全く問題のないところです。
 ただ、ご依頼者が葬儀社を選ぶことは自由なことですので、気になることや、このままでいいのかなどの疑問を持たれた時にはご相談いただければと思います。

直葬でのお別れの仕方

  「皆さんほぼ1日中いらっしゃいましたね。ずっとですからちょっと大変でした。さらに喪主様の息子さんは火葬までの4日間、毎日のようにお見えになられましたから・・・」

 ご葬儀の式は執り行わずに、火葬のみをご希望されたご相談者から、お母様の事後の相談をお受けし、自社に霊安室を所有している賛同社さんをご紹介させていただいた、後日談のことです。
 
 小規模なご葬儀を得意とされている賛同社さんは、「丁度その間、霊安室での他家のご面会がなかったので、なんとか大丈夫でした」とのことですが、年明けのお忙しい時期と重なり、担当者も時間の調整が大変だったご様子です。
 定員5〜6人の安置室ですが、20名近くのご親族の方々がお見えになり、2階の休憩室でお待ちになりながら、交代でご面会されたとのこと。

 後日ご相談者からいただいたアンケートでは、お別れの時間が取れたことへの、感謝のお言葉が綴られておりました。

 様々なご事情で、通夜、葬儀・告別式のお式を省いて、直葬の形で火葬のみをご希望される方が年々増えておりますが、火葬場ではすでにご葬儀でお別れされていることが前提になっておりますので、炉前でのお別れの時間は、殆どの場合5〜10分程しか取れないのが現状です。

 そんな中、ご葬儀のお式をご希望されない方の中にも、ご自宅以外にご安置されている方とのお別れの時間だけは、ゆっくりお取りになりたい方が増えているのも事実です。

 様々なご要望にお応えすべく、臨機応変な対応が可能な葬儀社さんの中には、お部屋にご安置して、最初から柩のお蓋をお取りして、1時間の自由なお別れの時間を設けたり、中には前述のように、サービスで時間制限がなく、安置所にてご自宅でのお別れのようにゆっくりできる葬儀社さんもございます。
 お別れの仕方も様々に変化してきています。

 今後さらに、ご要望の細分化に伴い、それに似合うべく努力を惜しまない葬儀社さんもいらっしゃいますので、ご葬儀に関するどのようなことでも構いません。
 まずはご希望をお尋ねされることから、始めてみましょう。

コミュニケーションの取り方

昨年、暮れも押し迫った頃、「入院中の父の容態が予断を許さない状態になってきて、お医者さんからも準備をしておくようと言われているが、どのようにすればよいだろうか」途方にくれたご様子のお電話をいただきました。

 ご相談者は1人っ子で、当のご両親は離婚され、ご親戚の方々とは疎遠になっており、ご葬儀のご相談をされる方がいらっしゃらないとのこと。
 お父様は生活保護を受けていらっしゃるので、そちらからご葬儀費用を出してもらえないかとのご質問には、葬祭扶助をお受けになると限度額が決まっておりますので、火葬のみが現状な旨お伝えし、お話をお伺いする中で、葬儀社の担当者に直接ご相談されたいとの要請がありましたので、お近くで適任者ではと思われる、賛同社の担当者をご紹介させていただきました。
 担当者にはその旨お知らせして、対応をお願いいたしました。

 ご相談者はやっとご相談できるお相手が見つかったとばかり、矢継ぎ早にご質問をされたご様子で、「時にこちらからも提案をさせていただきましたが、良い感じでお話をさせていただきました」と担当者からの報告が間もなく届きました。

 年明けのまだ寒い時期でしたが、お父様のご逝去をいの一番に告げ、「提案していただいたように、父と最後のお別れをする友達の方々のため
にも、1日葬にすることに決めました」と決意のこもったご報告が、担当者に届けられたとのことです。

 また、最近も事前相談で直葬と1日葬のお見積りをお取りして、担当者とご面談された方からは「迷っている点を適格に察知して説明をしていただき、オプションもそちらでご用意できるようだったらそうした方が良い、とのアドバイスやご提案をいただき、万が一の時は安心してお任せできますので、これからは父との残された時間を大切にしていきたい」とのご報告いただきました。

 このような小規模なご葬儀のご相談においては、特に顕著に表れるようですが、ご満足いただけるか否かは、担当者とご相談者のコミュニケーションの取り方が大きく関わってくるようです。

 ある担当者はご相談の折、まずはご希望を伺い、メリット、デメリットをその場で説明し、全てをコーディネイトしてあげることが大切で、ご相談者とはどこまでプロとしてアドバイスできるかにかかっているとのお話でした。
 特にご葬儀事は終わっても後々のことを考える必要が出てくるとのこと。
 ご親戚とのお付き合いで、ご理解が無ければ、後々何やかや言われますので、そこまで考えてコーディネイトして差し上げる必要があるのではと。

 また、ご喪家とはとことん二人三脚で行きます、とおっしゃるベテランの担当者は、いかに初めてお会いした方に、短時間で心許してもらえるかが大切だとおっしゃいます。
 「いかにこの人は大丈夫だという安心感を持たせるか」。
 大丈夫だと理解していただくためには全力投球するが、葬儀屋さんの葬儀ではないから、お手伝いするだけですからというニュアンスで、一緒に歩きましょうというスタンスをとっているとのこと。
 早めに打ち解け、この人は大丈夫だという安心感を持たせてもらえれば、相手も聞きやすく、いろいろとお話を聞くうちにおおよそのことが分かってきますのでと。

 担当者それぞれのコミュニケーションの取り方で、ご相談者との距離を測っているようです。

ご自身の葬儀をどのようにしたいですか?

 「自分の場合だったらこのようにしたい」とご自分の葬儀をイメージされ、相談される方が増えてきたようです。。
 いざという時慌てないため、残された奥様やお子さん達が混乱しないようにと葬儀のやり方や葬儀社を決めておきたいという思いからかと思います。。
 以前から気になりつつも延び延びになっていたのがインターネットの普及で葬儀に関することが解りやすくなり、決心がついた方が多いようです。
 ご自分の最後をイメージし、決めるのも今が健康だからできることでもあります。
 
 第1条件にこじんまりした葬儀を望む方の場合、家族と近しい親族と親友という本当に別れを惜しんでいただける方のみにきていただきたい。
 これまでに多くの葬儀に参列されたが亡くなられた方とはほとんど面識もなく、ご家族への義理で伺ったことからの反省の意もあるようです。
 参列して頂かなかったお知り合いの方にはしかるべき時点で、ご家族から亡くなった旨をはがきで知らせてもらうようにするとのことです。
 予算、場所、サービスの順序も集まっていただくのは大切な方ばかりですので、まずは何をおいてもサービス第1。
 葬儀社の決め手も、いざという時当の本人はおりませんので、「約束を守り、誠実にやっていただけるところが第1です」とのことです。

 ご自身のいざというとき、遺された家族の大きな不安は少しだけででも小さくなることかと思います。

「葬儀社だけでなく担当の方が重要だとつくづく感じました」アンケートより・・・。

 インターネット上では、安売り合戦のように葬儀一式幾らからと文字が飛び交っていますが、勿論それだけでご葬儀全てまかなえることではありません。
 それでも安い文字が躍っていると目移りがして、あちこち検索している内に益々混乱してしまい、「ところで、相場は幾らですか」というお電話を度々いただきます。

 センターとしては家電製品のように幾らになったから安い、高いとは言い切れるものではなく、相場が幾らというよりも葬儀のよし悪しはむしろ担当者のサービスの質で決まってしまうことをアピールしています。
 一般的にはご葬儀の機会が殆どなく、サービスと言っても分りづらいようですが、直に経験されるとそれを初めて実感されるようです。

 センターがおこなっている施行後のアンケートではそのことを如実に物語っています。
 先日も「葬儀社だけでなく担当の方が重要だとつくづく感じております」とのアンケートをいただきました。
 「担当の方は何も知らない私に親切丁寧に教えてくれただけでなく、一般的にはこうだけれども、この地域ではこうだと判断する材料をくれて非常によかったです」とお褒めの言葉を頂き、会葬者からも「私もこういう式がよいと思った」と言われ、家族全員で満足されたとのことです。

 またある方は「最初に電話した時からとても感じが良く、こちらの主旨を素早く理解して下さり、同じ目線で一緒に考えてくださったと思います」とありました。

 他にも「担当者は自宅まで毎日足を運んでくださり、コミュニケーションがよく取られ、何でも相談できました。私の意を正確に酌んで下さり、イメージ通りの葬儀を執り行うことができました。さらに担当者の誠意ある対応を見て、自分の時もこちらにたのもうかなという親族もいました」。
 
 担当者の熱意が直に伝わって来るようです。

葬儀社の役割

 ときどき次のような電話をご依頼者から受けます。

「○○会館で式をしたいのでですが、どのように申し込めばいいのでしょうか?・・・」

 自分たちで斎場は見つけてとらなければならないと漠然と思っている人がどうしていいかわからず問い合わせてきます。

 しかしながら、斎場の手配はほとんど葬儀社がやっているというのが現状です。それは斎場の手配にとどまらず、料理の手配や返礼品の手配、さらには宗教者の手配までします。つまり、お亡くなりになった後、病院からの搬送から、ご安置、通夜、葬儀告別式、火葬、会食にいたるまで、すべてのことが滞りなく、進行するように段取りしてくれるのです。

 それゆえ、よい悪いはともかくとして、ご依頼者にとって「よい葬儀」にできるかどうかは、葬儀社(および担当者)選びにかかっているということになってきます。