長期的なご相談で気にとめておくべきこと

 お母様は80代前半、いたって健康であるが、「葬儀会社より葬儀担当者がどんな方なのかが結構重要なのだと他の葬儀に参列した際に感じました。」という娘さんからの、事前相談がありました。

 たしかに、担当者は葬儀の良し悪し、満足度に大きくかかわります。できれば、担当者ベースで葬儀社を決めておくにこしたことはありません。

 ただ、長期におよぶ可能性のあるご相談には注意が必要です。
 葬儀会社は、人材の流動性が激しいです(葬儀会社‘は’ではなく、葬儀会社‘も’の経済状況になってきているかもしれませんが)。同じ担当者も、社が変われば、社の方針や状況によって変わることもあります。価格帯も在籍している社のものになります。

 担当者ベースとまでいかなくても、会社ベースにしても、浮き沈みも激しく、良い対応をしていた社が経営者や代が変わったとかで、変わってしまうこともありますし、場合によっては廃業や倒産するところも珍しくありません。

 さらには、希望する葬儀内容が変わる可能性もあります。一般葬を想定していたが、家族葬にするとか、近くに適当な式場ができたので、そこを利用したいとか。

 要するに、長期になればなるほど、状況が変わる可能性が高いということです。

 ですので、長期的な準備の場合は、現在収集した情報は参考情報ぐらいにされるのがよろしいかと思います。

事前相談

 葬儀の事前相談をすることをためらっている方は多いと思います。
 センターへ事前相談をされる方の中でも、「本人が頑張っているのに葬儀のことを調べるのは気が引けるのですが」とか、「義理の父(母)のことで相談したいのですが、妻(夫)が葬儀のことを考える気になれないよう
で」と、その配偶者の方が心配をして相談されることもあります。

 たしかに、大切なお身内のお葬式のことを考えるのはとても辛いことだと思いますし、いけないことをしているような気持ちになってしまうこともあるかもしれません。

 センターでは、ご相談者のお気持ちや状況に出来る限り寄り添える対応ができるように心がけています。

 葬儀について具体的に色々知っておきたい方や、まだ先の事ですが・・など、ご相談者の状況に応じて、準備しておきたいことやその方の知りたいことなど、心配で不安な状況であるからこそ、少しでも安心していただけ
るような対応ができればと思っています。

 実際にあるご相談では、娘である妻がまだお葬式のことは考えたくないと言っているが、いざというときにどうしたらいいのかわからないのでと、ご主人が心配してご相談されることや、夫の親の葬儀の事なのですが、今
までずっと同じ葬儀社にお願いしているので、ほかの選択肢を知りたくて・・ただ、私が勝手にやっていることなので家族には知られたくないのですが・・など、喪主の立場になる方の配偶者の方からご相談をいただくこと
も多いです。

 血縁である子供の立場より、配偶者の方の方が少しだけ冷静な感覚でいられることもあるように思います。

 無理にとはいいませんが、葬儀の事は何も知らないよりも、少しだけでも知っている方が安心できることもありますので、少しでも気になった際にはご自身がどのような立場であっても、一度ご相談していただくと落ち着くこともあるかもしれません。

クリスマスイブ

 今日はクリスマスイブですね。
 今年はいつにも増して、クリスマス感がない気がします。
 毎年、このころは都会に行って世の中のクリスマスを多少味わっているのですが、今年は忘年会もすべて地元だったせいか、イルミネーションやクリスマスの飾りを見る機会がなかったからかもしれません。
 たまには、こんな地味なクリスマスがあってもいいか、と、納得していますが、ご家族やお身内に心配な方がいらっしゃれば、クリスマスどころではないことでしょう。

 つい先日、友人のおばあちゃんが96歳でお亡くなりになったと聞きました。
 斎場が混雑していて、ご葬儀は一週間後だそうです。その間、ずっとご自宅にご安置されるとのことで、こちらのご家族もクリスマスどころではない状況。
 ひ孫にあたる子供たちにとってもその雰囲気は伝わっているようです。

 年末年始、なにかと忙しく、イベントが盛りだくさんの時期ではありますが、こればっかりは日を選ぶことができないこと。
 96歳まで長生きをされたおばあちゃんを気持ちよく送っていただけたらと思います。

 もう、来週の今日は大晦日。
 忙しい時期ではありますが、風邪なども流行っていますので皆様お身体をご自愛ください。

22年前のベストセラー「大往生」を読んで思うこと・・・。

先輩から譲り受けた永 六輔著「大往生」を、久しぶりに本棚から取り出しました。
 大ベストセラーとなり、当時流行語にもなった著書ですが、これからの高齢化社会に対処すべきことを、マスコミが取り上げた最初のブームの頃だったと思います。
 
 あれから22年、本格的な高齢化社会に突入し、気が付けば現実味を帯びた様々な障害や事故を目の当たりにする機会が、日常茶飯事の様に増えて参りました。

 その著者の永 六輔さんが今月7日ご逝去された報道が伝えられました。
 お悔やみ申し上げます。

 当時、巷では「あの方は大往生だった」という言葉が、うっかり日常的に使われておりましたが、大往生とは本来、「十二分に生き、寿命を全うされた」方のお身内が申し上げるお言葉であることを、改めて問い直された方もいらっしゃるのでは・・・。

 その「大往生」では歌手の坂本九さんのご葬儀について、家族ぐるみで付き合いのあった葬儀社さんが、友情込めた協力をされたことにふれ、ともするとご遺族はご葬儀中にもめたり、値切ったりすることはしたくないとの一心で耐えてしまうが、九さんの場合は気持ちの良いご葬儀だったと語り、一方の担当された葬儀社さんも「九さんに、うまい!といってもらいたかった」とお話しされていたことが書かれておりました。

 担当者の心意気が伝わってくるようなご葬儀にほっといたしますが、センターでも負けず劣らず、担当者の心意気に思わず「お願いしてよかった」と思わせる場面に出会うこともしばしばございます。

 以前、こんなアンケートをいただきました。
 「担当の方が自宅まで毎日足を運んで下さり、コミュニケーションがよく取れて何でも相談ができました。親父らしく見送りたい。曹洞宗に則りつつも、同時に和やかに故人を偲ぶ場にしたいという、私の意を正確に酌んで下さいまして、当日は完璧と言ってよい位にイメージ通りの葬儀を執り行うことができました」。
 「特にメモリアルコーナーや父が撮った15分程の短編映画を皆様にお見せできたことには、大変満足しております。晩年の寝たきりに近い親父ではなく、親父が若くて元気だった頃のイメージでもって偲んでもらうのが1番の狙いでしたから」。

 さらに別のご葬儀でも、上記の担当者についてのメッセージが届いておりました。
 「担当者の方からは、ご葬儀後に頂いたお手紙に、心に残る葬儀だったと書いて下さり、これで良かったのかなと悩んでいた私の気持ちが少し軽くなった気がしています。1人っ子の私でしたので、無事父を見送ることが出来、皆様のおかげだと感謝しています。ありがとうございました」。

 ご葬儀担当者の心意気に感謝しております。

データの整理

 最近、テレビはあまり見なくなったのですが、たまたま自動で録画されていた中に「デジタル遺品整理」というタイトルの番組があったので見てみました。
 「終活」というワードにひっかかって録画されたようで、終活のなかの一部として取り上げられていました。
 以前、知人が終活セミナーをやるというので、参加させていただきましたが、その時の主なセミナーの内容は「デジタル遺品整理」でした。
 最近はデジタル遺品整理の業者さんも増え、アプリまであるそうで・・・。
  
 今ではほとんどすべての事がIDとパスワードで管理され、また、同じパスワードは流用しないほうがいいなど、自分が登録したパスワードでもつい忘れてしまうことが多々あるわけで、自分が亡くなった後に家族がそれを導き出すのはほぼ無理なことだと思います。

 テレビでは、家族が遺したデジタル遺品が元で起きたトラブルの事例を放送していましたが、普通に考えただけでも、「今、自分が亡くなってしまったらどうなってしまうんだろう?」と思うものはたくさん思い浮かびます。
 やはり、一番有効なのは、大事なIDやパスワードはメモに記しておいて、そのメモのある場所を家族に伝えておく、ということだそうですが、家族に内緒でやっているアレやコレがある方は多そうです。

 何年か前、遠方に住む友人が急逝しました。実際に何度か会った事がありましたが、普段の主なつながりはブログでした。
 彼女はご主人と二人暮らしでしたが、ご主人は彼女がブログをやっていることを知らず、たまたま近くに同じブログ仲間がいて、ご主人も含めて家族ぐるみでお付き合いしていたこともあり、生前、彼女がブログをやっていた事を知らされ、彼女が遺したブログを目にすることができたことをとても喜んでいたそうです。

 これは友人がご主人に隠していたというわけではないものだったので、ご主人も喜ばれていましたが、「家族には見られたくないもの」をパソコンやスマートフォンの中に持っている人も多いのでは・・・。

 テレビやセミナーでも言っていましたが、遺された家族が更に悲しい思いをしないようにしておくことはとても大切だな、と改めて思いました。

葬儀のことを考えると・・・

 センターに事前相談をされる方は、終活でご自身の将来のためにという方もいらっしゃいますが、それ以外のほとんどは医師から余命を伝えられたり、余命は伝えられてはいないもののそう長くはないと思われたりなど、大変心配な状況の中にいらっしゃいます。

 我が家ごとではありますが、元気だった高齢の実父が最近心臓を患い、入院、ペースメーカーを入れる手術をしました。退院後は生活がどのようになるのかまだわかりませんが、周りの家族も病人扱いをするでしょうから、恐らく今までのようにはいかない気がします。
 
 今回の件で、葬儀のことが頭をよぎり、ご相談者がどのような気持ちでセンターへ相談してくるのかなど、今まで分かった気でいたけれど、もっともっと深く不安に思っていらっしゃるんだと実感しました。 
 お葬式のことを考え始めた段階で、どこを選んだらいいのか、どうしたらよい葬儀で身内を送ることができるのか、また、それ以前にお葬式ってどうやったらいいのか全くわからないという方はとても多いです。
 
 センターの活動は、表向きは葬儀社を紹介するということですが、その内側には、ご相談者の不安を少しでも減らして頂きたいという気持ちがあります。
 万が一の時でも安心して任せられる葬儀社を知って頂くだけでも、少し気持ちが軽くなって頂けるのではないかと思っています。

 今回の父の一件で、色々と気付くことがありました。これからのご相談に活かせればと思っています。

 私の場合・・・・
 万一の時にはどこの葬儀社さんにお願いしようか・・・。選択肢が多くて、1社に絞らなくてはならないのが悩みになりそうです。

入院騒ぎで思うこと・・・。

深夜突然の腹痛で、1週間近くの検査入院を余儀なくされましたが、無事無罪放免となった病院からの帰り路、立ち寄ったスーパーの入口は、早くも新年のしめ縄飾りで埋め尽くされておりました。

 気が付けば、今年も後残りわずか、いつの間にか師走の声が聞こえ、1年の速さが身に染みる昨今ですが、これは単に年齢だけの問題ではなく、世の中の流れの速さも相まっている様に思われます。

 私共がお手伝いしておりますご葬儀の世界でも、お身内の方を中心とした家族葬や故人様のごく親しい方々を含めたこぢんまり葬が年々増え続け、一般に浸透してきたおかげで、最近では家族葬で執り行う旨お知らせすると、ご理解されて一般の方はご遠慮されるようになってきたとのこと。
 
 数年前までのように、ご近所にはどのように申し上げておけば、角がたたずに済むのかという心配も今や昔の話になりつつあるようです。

 そんな中、葬儀社さんのご紹介でも今年後半は特にリピートをご希望される方が目立ってきたようにも思われます。

 一昔前には2度と同じ葬儀社さんにお願いしたくないとの苦情も少なくないと伺っておりましたので、ぜひもう一度というリクエストはご紹介する身にとりましてはうれしい限りです。

 知人のご葬儀に伺った折、葬儀社さんの対応が良かったので、お身内のご葬儀の時には是非にという方、ご葬儀の担当者と意気投合し、ご親戚のご葬儀の際に次々とご紹介される方、ご推薦いただける理由は様々ですが、良心的な葬儀社さんであることは勿論のこと、ご相談者のご要望に沿える葬儀社さんをいかにご紹介できるか、我々も更なる努力が必要です。

 師走の入院騒ぎも厄払いになるよう、来年に向け頑張りたいと存じます。

最後は家族に任せるしかないのだから・・・

 先日、ハンドメイド仲間たちとランチ会に行ってきました。
 話題はハンドメイド好きの人たちほとんどが悩んでいるであろう、材料の在庫をどうやって減らしていくかということ。
 ひとつ何かを始めると、材料や道具がどんどん増えていく、置くところがないからやっぱりやめておこうかと思う気持ちもあるが、だからといってやり始めないと気持ちがおさまらないからやっぱりやっちゃおうといってまた増やしてしまうというのはみんな同じのようです。
 一人は材料のあまりの多さに、最近『断捨離オークション』のようなものを見つけてせっせと出品しはじめたのだそうですが、量の多さもさることながら、メールのやり取りや発送作業が思いの外大変で、こんなに大変なら、もう捨ててしまおうかと思ってしまったと言っていました。

 私自身は、たくさんある材料をときどき引っ張り出して眺めているだけでも何となく幸せな気分になれるので、まだ処分することは考えていませんが、前に他の友人のお母様が亡くなられたときに、お母様が趣味で集めていた布の処分に困ってしまったという話を思い出しました。
 自分の趣味とは違う柄の布が押し入れ半間にぎっしり入っていて、自分では使い道はないけれど、捨ててしまうには気が引ける、だれか使う人がいればとは思うけれど自分の周りの人は多分興味もないだろう・・・。1か月ほど考えた結果、ほんの少しだけ残してあとは処分してしまったそうです。
 
 自分に万一のことがあったとき、この材料たちはどうなるのでしょう・・。
 この先、自分が満足してもうやらなくなってしまったら、自分で処分もできるでしょうが、こればっかりはいつどうなるかわからない。 
 せめて、家族がみてわかるように整理くらいはしておこう(自分が使うときのためにも)、と、分かりやすい整理の方法を考え中です。

 一般的に価値のあるものならば、どうにでもなるのでしょうけれど、自分だけの趣味だからこその悩みです。

お気持ちはわかりますが・・・。

 「町田の○○の名前で一昨年初め、あさがおさんにお願いして、ご紹介頂いた葬儀社さんでご葬儀をさせて頂いた折、とてもよくしていただいたので、今回急にお電話をさせていただきました」。
 お名前には聞き覚えがあります。
 古い友人に久しぶりにお会いしたように気持ちもなごみかけ、続きをお伺いすると、ご主人の妹様が急変されて、先程病院でお亡くなりになられたとのこと。

 「前回のような葬儀社さんをご紹介いただければ・・・。具体的なご葬儀のことは主人の方が詳しいので代わります」。
 奥様に代わりご主人が話始めた時「あ、すみません!今病院から妹の遺体が到着したので、妻と代わります」あたりの空気が一変したかのように、一気に緊迫したあわただしさがこちらにも伝わってきました。

 ご遺体の搬送までを病院付きの葬儀社さんにお願いし、ご自宅にご安置されましたので、慌てずにお見積りを取り、前回同様ご要望に合った葬儀社さんに執り行っていただきたいとのご希望でした。

 お話をお伺いして、早速ご要望に合うと思われるセンターの賛同社さんを複数社、ご紹介させていただきました。
 お見積りは直接お取りになりたいとのことで、ご紹介した賛同社さんには事情を説明し、お待ちしていたところ、ご相談者からのお電話が入りました。

 「すみません。主人の父が先程、こちらに到着して、葬儀は私の知り合いの葬儀社に頼むから。娘の葬儀は私がするからと・・・。ご相談に乗っていただけるところがあると言ったのですが・・・」

 「ご紹介いただいた社にはよろしくお伝えください。嫁の立場ですので、申し訳ございません」

 ご相談者の平身低頭ぶりに思わず「大丈夫です。どうぞお気になさらないでください。それよりもお気をしっかり持って、お嫁さんの立場だからこそ、お義父様を脇からしっかりサポートしてあげてください」と申し上げておきました。
 でも、お気持ちよくわかります・・・。

 以前、ご相談者から妹様のご主人が危篤状態の中「実の兄以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものにしたいと、妹と相談しながらのお願いです」とのお電話をいただいたことがございました。
 その時、ご相談者のお気持ちは分かりますが、義弟のご実家の方々のお気持ちやご意向はどの様に汲んでいらっしゃるのかをお尋ねいたしました。

 実は東北地方にお母様もご兄弟もご健在ですが、妹様のご主人とは永年疎遠になったままで、ご病気の報告にも梨のつぶて状態でしたが、さすがに万が一のことに関しては見逃すわけにはいかないご様子で、しかも勝手に進めているのが奥様のお兄様となれば、血の繋がりの無いあなたがなぜ…という目で見られており、双方の思いは益々気まずくなるばかりとのこと。

 しばらくメールでのやりとりをしておりましたが、「肝心の妹が動揺しておりますので、これ以上のご相談は無理な状態になってしまいました」と丁重なお詫びのメールをいただいたことが、今でも思い出されます。

 良かれと思ってされたことが、思わぬ波紋を広げるのも、ご葬儀に多く見られるようです。
 ご希望・ご要望にはどなた様のご意向かを確認することも重要です。

エンディングノートの出番です。

「もう、勘弁してよ!今年88歳になるお袋が、月1〜2回の割合で、猛然と家の中の整理をすると言い出して、せっかく仕舞ってあったものまで取り出し、ビニール袋に詰め込み、家中足の踏み場もない状態で、困った。この間も家に帰ったら、ビニール袋の間に挟まって逆立ち状態でいたんですよ!」
 電話の向こうの知人の困惑状態が手に取るようです。

 「でも、お母様は一生懸命整理整頓されているおつもりなんだから・・・」あまり良い答弁ではなかったなと思いながらも、似たようなご家庭が、増えているのでは・・・と、思わず親ごさんと同居されている独身の友人、知人を思い浮かべてしまいました。

 お電話はまだお元気なこのお母様の万が一を考え、いざという時には良心的な葬儀社さんをご紹介してもらえるかとのお問い合わせです。

 「勿論、任せておいてください。事後、病院からご自宅に戻っても時間は十分ありますので、見積りのチェックをされてから、葬儀社さんをお決めになっても大丈夫です」

 ちなみに17年前に亡くなられたお父様のご葬儀代を伺うと、都心でセンターが取り扱っている同じ地区での平均の2倍以上の金額に、こちらもビックリです。
 急にお亡くなりなられたこともあり、町内会の方からお近くの葬儀社さんを紹介していただき、見積書もいただいていないので、言われるままにお支払いし、その金額が平均だと思っていらっしゃったとの由。

 矢張り、当時はこの世界がかなりどんぶり勘定だったことが改めて思い知らされました。

 お話はお母様のことから、ご自身のことに移り、アメリカ在住のお兄様は当てにならないから、後見人制度の利用も考えていらっしゃるとのことでしたが、それはもう少し先のこととして、まずはエンディングノートを書くことをお勧めしてみました。

 5〜6年程前から、エンディングノートの存在がクローズアップされてきましたが、存在は知っていても実際に書かれていらっしゃる方は意外に少ないようで、当方の周りも又然りです。

 1ヶ月程前に対応したご相談者の場合も、ご葬儀はどのようにされたいのかをお母様にお聞きになりたかったが、すでに病状が悪化し、お尋ねできない状態とのことで、1人っ子のご相談者はお母様のお気持ちを推測するしか手立てがなく、それでも担当者とご相談しながら決めて行かれたが、はたしてこれでよかったのか、ご不安が残ったとのことです。

 ご自分の最期はどのようにされたいか、思いやご希望をお伝えしておくだけでも、残された方は安心してお見送りができます。

 思い立ったが吉日ではありませんが、まずは書きたいところからでも始めてみましょう。