葬儀の仕事をやっててよかった

「葬儀の仕事をやっててよかった」

  一年半ほど前、息子さんからご相談をいただき、紹介させて頂いた葬儀社の担当者から葬儀を終えたとの報告をいただいた時に言っていた言葉です。

 センターからのご紹介後、ご両親と息子さんとでその葬儀社と面談をした際に対応した担当者で、その対応が好印象だったことから、ご両親は自分に万一の事が起こったら葬儀は「○○さんにお願いしたい」と担当者ご指名でその社へ依頼することをお決めになられていたそうです。

 お父様がご逝去される数日前、息子さんから担当者に連絡がはいり、心配な状況になったので、万一の際はお願いしますと依頼されたとのこと。
 数日後のご葬儀はご自宅にてご家族のみの家族葬となり、和やかな雰囲気の中執り行われました。
 葬儀社の担当者はお世話をする立場ではありますが、ご葬儀を行なった場所はご自宅、ご家族のホームということで、「○○さんにお願いして良かった」と、逆にもてなしていただいた場面もあったようです。

 「○○さんにお願いして良かった」と言っていただき、担当者は「葬儀の仕事をやっていて良かった」という気持ちになったと言っていました。

 「この仕事は大変ですが、やってて良かった。励みになります」と更にやる気がパワーアップされたようです。

葬儀の話題に花が咲く。

 先日、プライベートで、多くの初対面の人達に合うという機会がありました。そこから引き続いて会場を別の場所に移し、偶然同じテーブルについたのは7人。
 みんな初対面です。はじめましてのご挨拶ではじまり、それぞれがお互いのことを知ろうと質問がはじまります。
 雑談に交じりながら、それぞれがなんとなく自己紹介のような流れになり、仕事の事を聞かれたので、「葬儀社の紹介」の仕事をしているということを少し詳しく話してみると、「そんなことをしてくれるところがあるのか!」という反応。(大げさではないです、本当に語尾に「!」がついているような・・)

 このような場面で、この仕事のことを話すとたいてい同じような答えが返ってきます。そして、知りたいこと、疑問に思っていたこと、過去に行なった身内の葬儀の経験など、葬儀の話題になってしまうのですが、それだけみんな「お葬式」について興味があるけれど、聞くところがわからない、聞くきっかけが無いということなんだろうなと思います。
 たしかに、葬儀について調べなければならない状況にならないと、自分からはなかなか積極的に行動を始めるようなことでもないので、このようなきっかけが少しでも多くの人に伝わればと思っています。

 この会で私を外した6人の人に話しをしましたが、過去に経験したご葬儀で、よく聞くトラブルの中の「よくわからないうちに色々と勧められて、いざ請求書を見たらびっくりした」という経験をした人がいました。話しの途中で「耳が痛い〜」と耳をふさいでいましたが、今までにもそのような経験をした事がある友人などを含めると、けっこう多くの人が知らず知らずのうちに経験しているトラブルなんだと改めて気づかされたりします。

 その後はまた場所を移して、二次会です。みんなで連絡先を交換したりと、楽しい会になりました。

 その時の人達を介して、お友達のお友達・・・などに広まって、少しでも多くの人が葬儀のトラブルに巻き込まれないようになればと思います。

ご相談者と血の繋がりは・・・。

先日「身内の者が危篤状態なのですが、家族葬での相場はお幾ら位でしょうか」との最初のお電話をいただいてから3時間後、ご相談者からご逝去の報が入りました。

 その間、ご相談者からは、お見積りに関するご質問やご依頼があり、緊迫した状況が刻々と伝わってきました。

 初めてのご葬儀とのことで、「病院付きの葬儀社さんからドライアイスをすぐに入れないとダメだと急かせられているのですが・・・」とのお問い合わせには、そんなに急ぐ必要がないこと、葬儀社さんはすでに決めていらっしゃることを先方に申し上げ、担当者がお迎えに上がるのを、お待ちいただくよう、お伝えいたしました。

 搬送、ご安置をされた後、葬儀社の担当者は大筋の打ち合わせだけをして、翌日ご自宅にお伺いし、本格的な見積りの作成に入りましたが、ご相談者がご葬儀のご相談で立ち会ったのは、安置後の打ち合わせまでとお聞きしています。

 ご相談者は故人様の娘婿に当たられる方で、その後の打ち合わせは全て、奥様と喪主のお義母様に、バトンタッチをされたとのことでした。
 ご逝去直後のお義母様と奥様のお気持ちを考慮され、ご葬儀に関する情報を一手に引き受け、一つひとつのご葬儀の内容はお二人に全てお任せされたご様子とのこと。
 
 役割分担をきちっとされた模様で、奥様のご親族の方々にも、きっと好印象を持って迎えられたのでは。

 と申しますのは、担当者からの報告を伺って、真っ先に思い浮かんだことがありました。

 以前、横浜在住の妹様のご主人が危篤状態との、ご相談をいただいた時のことでした。

 「実の兄弟以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものにしたいと、妹と相談しながらのお願いです」とのご相談でしたが、義弟のご実家のことをお尋ねすると、東北地方にお母様もご兄弟もご健在でいらっしゃいますが、長年疎遠になったままの状態とのこと。

 しかしながら、ご病気のご報告には、なしのつぶてのご兄弟も、万が一のことに関しては見逃すわけにはいかないご様子で、しかも勝手に進めているのが、奥様のお兄様となれば、血の繋がりがないあなたがなぜ、という目で見られ、双方の思いは益々気まずくなるばかり。
 
 「肝心の妹が動揺しておりますので、これ以上のご相談は無理な状態になってしまいました」と丁重なお詫びのメールをいただいたことが今でも思い出されます。

 ご葬儀は好むと好まざるとにかかわらず血縁を意識させられる唯一の場でもあり、ご相談者の立場も微妙です。

アンケート調査

 当センターのホームページ内に引用させていただいている過去のデータを最新版に書きかえるために、日本消費者協会が発行している「葬儀についてのアンケート調査」報告書の最新版を読んでいます。今年の1月に発行されたもので、情報が新しく、センターへのご相談内容と照らし合わせてもうなずける内容が多いと感じました。

 私自身は葬儀業界に携わってからまだ8年ほどしか経っていませんが、それでも最初の頃と今とでは色々なことが変わってきていると実感しています。

 特に家族葬や直葬などの小規模なご葬儀に興味を持つ方が年々増えているというのは、それに賛成か反対かは別としても誰もが思われていることかと思います。

 「葬儀についてのアンケート調査「報告書」は、センターの対応地域である部分を主によく読んでいるのですが、興味深かったのが『地域で守られている葬儀に関する風習、しきたりについて』の項目です。
 地方では、その風習を大切に守っているところなども多くあるようですが、首都圏では、まだ自治会や町会の方が関与する所も残っているものの、近隣の方が亡くなられていたことを後から知る、また、以前は連絡網がまわり葬儀に参列していたが、近年は「近親者のみで執り行った」という回覧板で葬儀が合ったことを後で知るなど、ご家族だけで葬儀を済ませることが多くなってきており、センターでも、「家族葬で行いたいが近隣の方にはどのように知らせたらいいか」などのご相談を受けることがあります。
 とくに昔からそこに住んでいる方は、ご近所の方とのお付き合いの仕方によって悩ましい問題になるのではと思います。

 最近、実家に顔を出すと「○○さんのお父さんが1カ月くらい前に亡くなったんだって」、などと母から聞かされることが増えてきました。子どもの頃は団地の集会所で葬儀が行われていたので、母もよくお手伝いといって家でたくさんの唐揚げを揚げていたり、おにぎりを作っている光景を見たことがありましたが、今ではその集会所も葬儀で使うことはなく、葬儀の知らせもなく、事後の知らせもほとんどされることが無いそうです。

 将来、私も必ず父母を送ることになりますが、近くに住んでいるとはいえその団地から離れていておつきあいの状況もわからない人が仕切るわけですから、きっと家族だけで送ることになるのではと思います。火葬だけでいいという本人たちの本当の気持ちはまだ聞き出せていませんが…。

事前相談で心に余裕を・・・。

 おかげさまで今後について少し余裕が出てきました。
 あらかじめ用意することで落ち着いて親を見送ることができそうです。

 大事なご葬儀に突入する前の段階ですが、受け取った当方も思わずご一緒にホッといたしました。
 当センターのご相談フォームをご利用いただき、メールでのやりとりの後、ご要望に見合った賛同葬儀社さんからお見積りをお取りし、説明をさせていただいた直後の文面です。

 ご葬儀のご相談をお受けする当初、多くの方が未経験の特別な儀式に対し何から手をつけてよいのかという獏とした不安と、間近 に迫った肉親との決別への悲しみが入り混じった切羽詰っ た状態が、メールでのやりとりをしていくうちに少しずつほぐれ、整理されて、ご要望をまとめた見積書というひとつの大きな手がかりができたことで、お気持ちも落ち着きを取り戻されていく過程が読み取れ、後の肉親との残された時間をどのようにされるか、またどのようにしたいか目指す方向が定まってくるようです。

 また、闘病中のお父様に付き添ってきた方は、何度となく大きな山を越えられたが、限界が近づいてきて「もしかしたら」が頭をよぎりだしたが「その時」をどうすればよいのか、具体的に何もわからず、インターネットの検索で当センターの存在を知り、一方で病院へ日参している自身の裏腹な行動に罪悪感すら覚えられたとのこと。
 
 最初にメールを送った時点では自分は冷たい人間だと感じ、裏切った思いすらされたが、センターのホームページを読み込み、メールでの問答の過程で、あらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることにつながるのだと思えるようになったと、心の内を告白された方もいらっしゃいました。

 「これがお父様の最後の入院になるだろう」と医師から告げられた方は、葬儀の準備を考えなければいけない状況にもかかわらず、当初は病院で紹介されるだろうからと積極的に考えていなかったので、インターネットで当センターのサイトを見つけ、電話番号だけを控えておかれたとのこと。
 やがて、おそらくあと数日という不安な状況に置かれ、思い切って電話をされたそうです。
 
 「色々アドバイスをしていただいて、お任せする覚悟ができたので、残りの数日は父を看取ることだけに気持ちを集中することができ、本当によかったと思います」と、後日ご報告をいただきました。
 文面の最後は「遺された者として振り返りました時、父の看取りと葬儀が不思議なことに私にとって幸せな思い出となっていることに気がつきました」と結ばれておりました。

お別れは自宅で・・・。

通夜、葬儀・告別式と続くご葬儀を省き、火葬のみの直葬をご希望の方が増えておりますが、火葬場でゆっくりお別れをされる時間をとることは難しく、どこか急き立てられる感は否めません。
 そんな中、最近は一旦病院からご自宅にお帰りになり、火葬の日までご自宅でお身内の方とゆっくり最後のお別れをされる方が目立ってきたように思われます。

 通常病院からご自宅にお戻りになられることは、ご近所に知られることとなり、お知り合いの方々がご会葬にお見えになられることを前提に、ご葬儀の準備に入りますが、この場合はお式が省かれ、祭壇の設置もなく、葬儀社さんの進行もありません。
 生前親しくされて、最後のお別れを希望される方のみがお越しになり、故人様とご対面されるという形になります。

 都会の場合は隣近所とのお付き合いも大分様変わりしてきましたので、義理でお見えになられる方も少なくなり、ご喪家のご意向がストレートに反映されたこのようなやり方でも、あまり違和感を覚えなくなってきているようです。

 先日ご相談いたしましたご葬儀でも、当初ご家族だけでの1日葬を希望されていらっしゃいましたが、横浜では市営斎場での1日葬は難しい状況になりますので、直葬に変えられ、故人様はご自宅で火葬までの3日間を過ごされました。
 その間にご近所の親しかった方々がお線香をあげにお見えになり、こちらで最後のお別れをされて、火葬場に向われました。
 ご自宅からの出棺前、お知り合いのご住職による読経を30分以上されたとのことです。

 また、以前1人住まいのお母様のご逝去で、ご長男の喪主様はご自宅にお連れし、ご親族の方々と最後のお別れをされた後、直葬を希望されたのですが、集合住宅で階段が狭く柩を上げるのが無理な状態となり、まして医務院で解剖されたお母様の体を痛めるわけにはいかず、急遽、喪主様の奥様のご実家へ搬送というハプニングがありました。

 血縁でもないご親族のご自宅にいきなりご遺体が運ばれ、火葬までの2日間を快く引き受けてくださったご実家の方々のご好意と思いやりに感謝し、お母様サイドのご親族の方々は、初めてご訪問するお宅で、ゆっくりとお別れができたことが、忘れがたい思い出となられたとお聞きしました。

故人様との思い出は・・・。

 季節により、斎場は混み合い、式場の予約もスムースにいかない場合が多々あります。

 2月の寒い季節はなおさらです。

 先日も市営のかわさき北部斎苑斎場をご希望のご相談者に、混み合う場合を考慮して、自社斎場を所有している葬儀社さんをご紹介いたしましたが、双方とも混みあって一番早くご予約ができたのは、同じ市営のかわさき南部斎苑での大式場になってしまいました。
 お身内だけのご葬儀に、イス100席もある式場は何としても広すぎます。

 担当者は普段どちらかと言えば式場片隅に配置される思い出コーナーを、式場後半全部を使って作ることを提案し、ご家族やご兄弟から故人様との思い出の写真や、故人様が大事にされていらっしゃった品々を持ち寄っていただきました。

 式場半分近くまで展示された、懐かしい写真や遺品の数々を手に取り、お身内の皆さんで、暫しの間故人様との思い出を語り合うことができ、広い会場も和やかな空気に包まれ、大変喜ばれたとのご報告をいただきました。

 思い出コーナーは葬儀社さんのサービスの一環としてご喪家に提案され、飾り付けや制作は全て葬儀社さんにお任せする場合が多いようですが、以前立会いでお伺いしたご葬儀では、ご喪家総出でお手伝いをして、大変感慨深いお式になったとご報告いただいたことがありました。

 お父様のご葬儀でセンターに相談をいただいた喪主様は、葬儀社さんから思い出コーナーの提案を出されたが、当初あまり乗り気ではなかったようです。

 葬儀社の担当者の方はご喪家にできるだけ参加してもらい、より多くの思い出を作ってもらうことを意とし、見る側も手際よく作った業者サイドのものよりも、ご喪家の想いが出ている作品に、より愛情を感じていただけるのではと期待をされていました。

 通夜当日の午後から、ご喪家総出で写真選びからレイアウトをして、切ったり張ったりと共同作業をしていくうちに、皆の気持がひとつになっていくのが感じられ、より一層の思い出作りになりましたと、後日興奮気味にお話されたのは当の喪主様でした。

 数年後、お母様のご葬儀の折も、皆様の共同作業があったのは言うまでもありません。

親とのコミュニケーション

 先日、テレビで「親子で考える終活」(正式なタイトルは忘れてしまいましたが)のような番組を見ました。
 このような番組やコーナーを見る機会はよくあるのですが、以前よく見ていたのは、どちらかというと送られる側の人が、遺された人のためにとか、ご自身の最期のときのためにというものが多かったような気がします。
 
 興味を引いたのが、「親子で考える」という部分でした。
 終活というと、葬儀や墓地のことや相続のことなど、色々とあります。相続については専門家ではありませんので、これから勉強しなくてはならないことですが、葬儀についてのこのテーマはとても興味がありました。

 親の世代と子の世代では考え方が違うということと、親の想いと子の想いも違うことです。
環境にもよるかとは思いますが、親が希望する葬儀がかならずしも子が親を送るときにやりたい葬儀と同じではないかもしれないということです。
 もし、自分自身の葬儀について要望がある場合には、子にきちんと伝える必要があると思いました。

 以前、息子さんより、「まだ元気なのですが、両親が『自分の葬儀のときには…』と、強い希要望があるので、そのような葬儀ができる葬儀社を紹介してほしい」との事前相談をお受けしました。
 葬儀社をご紹介し、親子でその社へ面談しご納得されたとの報告をいただき、とてもコミュニケーションがとれているご家族だなと思いました。

 終活については、流行のような言葉自体に賛否両論があるようですが、親子ではなかなか話しづらい葬儀の事について、少し壁が低くなったような気がします。

 我が家の両親は、「直葬でいいよ」と言っていますが、「直葬がいい」というわけではないかもしれないと思っています。
 「が」と「で」の違いを、もう少し時間をかけて探っていこうと思っています。

大雪の日に思ったこと。

 昨日の大雪では、多くの方がとても混乱されたかと思います。
 金曜日のニュースでは、10年ぶりとも20年ぶりとも言われていましたが、結局のところ関東では45年ぶりの大雪となったそうで、45年前がどうだったのか、全く記憶にはありませんが、色々なことが便利になった今の方が大変だと思うことが大きいのではないかと思いました。
 電車の運休や、タクシーがなかなかつかまらないなど、忙しく動いている人にとって、普段は当たり前にできていることができないという状況はとても不便に感じることと思います。

 前日の金曜日は、タイヤチェーンやスコップを買いに行く人が多かったとテレビで見たのですが、夕方には地元のスーパーも混雑し、買占めのような現象が起こったところもあったと聞きました。
 万全に準備をするのは、安心にもつながります。買占めについては、どうかと思う節もありますが、準備をしておくということに変わりはないのかもしれません。

 この土日でご葬儀をされた方もいらっしゃったかと思います。
 交通機関の運休で思うように動けなかった方も多いのではないでしょうか。

 また、この日にお身内の方がご逝去され、ご家族がすぐに行くことができなかったという状況もありました。すぐに行きたくても行かれないという、もどかしい思いをされたのではないでしょうか。
 このご相談者は、事前のご相談で万一の時に依頼する葬儀社を決められていたので、すぐに葬儀社へ連絡し、対応してもらえたことが何よりでした。

 心配の先回りをして、常に準備をするというわけにはいきませんが、気になることがあったときには少しだけでも心構えとして安心できる環境にしてあるといいかもしれません。

 我が家では、なぜか懐中電灯の準備をしていません。持っているだけでも安心できると思うので、そろそろ購入しておこうと思います。

故人様を偲ぶスペース

 式場の一角に故人様を偲ぶ「思い出コーナー」を設置するご葬儀が近年、とても増えています。
 故人様の思い出のものを飾り、ご親族やご会葬の方にも故人様と過ごした時などを思い出してもらい、葬儀の緊張感から少し和んだ気持ちにさせてもらうのにもよいスペースのように思います。

 ご葬儀の立会いで伺った際にも、思い出コーナーがある時にはゆっくり拝見させていただいています。
 ノートパソコンを置いて、故人様との思い出の写真をスライドショーでながしていたり、故人様が趣味でやられていた華道の作品を、写真を元に生花で再現したものが飾られていたり、また、葬儀社さんによっては、預かった写真をそのまま飾るのではなく、写真を引き伸ばして、ご高齢の方でも見えやすいように飾られたりなど、葬儀社さんやご家族によって、様々な工夫が施されていることも多いようです。

 私の祖母の葬儀では、孫やひ孫の七五三の時に一緒に撮った写真が並べられていました。
 喪主を務める叔父は、葬儀社さんに勧められたときに、祖母には特に趣味などもなかったので思い出コーナーはなくてもいいと思っていたそうですが、遺影に使う写真を選んでいる時に、七五三の写真がまとめて出てきたことで、やっぱり飾ってもらおうと思ったのだそうです。
 写真に写っている小さかった孫たちは、祖母が亡くなった時には30代から40代。ひ孫も小学生になっていて、その写真からはずいぶん変わってしまいましたが、一緒に写っている祖母はずっと変わっていないようにみえるね、など、普段あまり会えない親戚たちと懐かしんで話しをするきっかけになり、小さなスペースでしたが、あってよかったと思いました。

 ご葬儀の準備はご家族にとって慌ただしいことと思いますが、思い出コーナーは普段なかなか会えないご親族やご会葬される方にとっても故人様との思い出を振り返ることができる場所にもなるかと思いますので、ご希望があれば葬儀社さんに相談してみてはいかがでしょうか。