「その人らしく」のコンセプトに惹かれました

 依頼者からのご要望やご質問が多い方が色々とご葬儀のイメージも膨らみます。
 あれやこれやとご注文を出され、そのお話の端々から伺えることも多く、イメージを膨らませ、そのイメージを出せる葬儀社をご紹介することができます。
 先日もメールのやり取りを頻繁におこなった方からご葬儀後お便りを頂きました。
 
 ご紹介した段階では、賛同社のホームページを見て先ずご葬儀は「その人らしく」のコンセプトに惹かれました・私も親父には親父らしい見送り方をしたいですとのご連絡をいただいていました。
 お便りにご葬儀では昔撮った短編映画の上映、思い出コーナー作成、好きな音楽を流す、アットホームな感じにとわがままを聞いていただきました。参列くださった方からも大変好評でしたと記されていました。
 
 かつては村落の中で執り行われたご葬儀も、現在ではご家族を中心にしたご葬儀に取って代わってきています。
 と同時に儀式を中心にしたものから、ご家族のご要望をはっきり打ち出し、ご家族の顔が見えるご葬儀へと葬儀の質も様変わりをみせています。
 その中でどのようにしたらお1人お一人の最期を「その人らしく」お見送りできるか。これからのご葬儀を考えるポイントとなる問題だと思われます。

ご葬儀も祭壇、お料理、返礼品は故人の趣味趣向のものにこだわる兆しが出てきたようです。

 (3/28) 自身のご葬儀をイメージしご家族に託す方、また親御さんのご葬儀を前もって準備される方の中に、趣味趣向をよりはっきり打ち出してこられる方がでてきたようです。
 少し前までは、葬儀社の担当者にこのようにしたいというご要望を出し、担当者はできるだけご希望に沿うようにアドバイスされたりしてきましたが、最近ではご喪家自身の手によって準備される場合も出てきました。
 
 ご喪家主導型のご葬儀と言えば今までは市民葬のようにお値段を抑えることを目的にされることが多かったのですが、近頃は少し事情が異なってきています。

 さりとて時に見られる奇抜なイベント化されたご葬儀とも違うようです。 
 ご葬儀の儀式そのものは従来通りに執り行われます。
 違うところは祭壇やお食事、返礼品をご喪家の好みのものにする。
 葬儀社がご用意した中から選ぶのではなく、好きなものをご喪家自身が発注する。
 祭壇も生前好きだったお花を購入し、知り合いのお花屋さんにお願いするという。
 お料理も、返礼品も故人の好みに合ったものをお出ししておもてなしをしたいとのこと。
 
 結婚式と違い、ご葬儀は短期間に滞りなく終えるためにもいつの間にか葬儀社さん主導型になってしまいましたが、故人と繋がりの深いご葬儀にお見えになる方のためにも
ご喪家の意向をはっきり出す傾向がみられるようです。
 葬儀社が全て執り行うのではなく、あえて個を出せるところはご喪家自身の手でいきたいと。
 葬儀社サイドも柔軟な姿勢を見せはじめているようです。
 

葬儀社任せではないご葬儀をするには周りの手助けが必要不可欠です。

 「長年の闘病生活でやつれた姿の父を家族親族だけで静かに見送りたい」とご希望されていた依頼者のご自宅近くに、家族葬用の式場が見つかりました。早速、式場に精通した葬儀社から1日葬の見積りを取り、説明書と共にお送り致しました。
 まもなく、見積りの中の精進落としについて、以前ご家族で何度か召し上がったことのあるお近くの料亭から手配したい旨、ご連絡がありました。
 勿論かまいませんが、一つ問題があります。と申しますのは、葬儀社から依頼を受けた料理屋さんは配膳人を出し、配膳全てを取り仕切りますが、お料理を他に手配した場合、式場までは出前してくれますが、置きっ放しの状態になってしまいます。
葬儀社の担当者はお手伝い致しますが、お料理の配膳は皆さんでということになります。その辺りを十分ご了解いただく必要がでてきます。
 
 お手伝いをしていただくということで、以前立ち会ったご葬儀の、見事に手際よく自分達の手でもてなしをされたご遺族の例を思い出します。
 同じように1日葬で、こちらの場合は50名程のパーティ形式の無宗教葬でした。
 式場は前方に柩がなければパーティ会場と間違えそうな感じで、後方テーブルにはご喪家手作りの料理がワイン、シャンパン、ビールと一緒に並べられていました。
 献花をし終わった方はグラスを傾け料理をつまみながら、次々に話される故人との思い出話に笑い、涙されていました。
 献花台はいつの間にか、ワイングラスをおく台に代わり、最後皆さん乾杯でお別れになりました。
 会葬者の方々が柩の周りの白ばらをお別れ花として柩に手向けている間に、ご喪家の方は後方のテーブルから片付け、会葬者が柩を囲める空間を作り、柩の通る道を作る。手の空いているご親族もお手伝いされ、お料理の残りは綺麗にラップされ、食べ残しはビニール袋へと手際よく片付けられてゆきました。
 業者の手にゆだねるだけではなく、ご親族皆さんの手でお見送りするという強い気持が感じられたお式でした。

葬儀内容も今後益々多彩になる予兆が見受けられます。

 新年明けまして おめでとうございます。
 昨年中はお世話になりました。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 不景気の嵐の中、それでも世間の人々はつかの間の小休止で、家族団欒のひとときを過ごしていらっしゃいますが、人の死だけは待った無しです。
 お正月3が日はほとんどの火葬場がお休みです。
 今年も電話での切羽詰った問い合わせで新しい年を迎えました。

 近年、ご葬儀に関する話題もマスコミを中心に取り上げられ、事前にご相談される方も増えてきました。
 お亡くなりになってからご連絡いただく場合がほとんど従来型でのご葬儀に対し、時間に余裕のある事前相談ではご希望が多く、さらに膨らんで演出型のご葬儀をご要望される方もでてきて、この傾向は今後さらに増える気配が感じられます。
 演出型のご葬儀でのご希望は、お集まりいただいた方々に対する儀式として、結婚式が一つのヒントになっているようです。
 しかし、ご葬儀を取り扱う葬儀社の担当者は演出家ではありませんので、無理にやるとぎごちなくなったり、またイベント化されてしまう危うさも含んでいます。
 さらに、斎場は一般的に結婚式場のような多彩な装置がありません。
 いきおいスタッフも専門家にまた装置も外注するはめになり、思わぬ高額な出費になってしまうのが現状のようです。

 昨年取り扱ったご葬儀の中で、3面のスクリーンに故人様の生い立ちを数十分間映したいのでパソコンでの操作に精通した担当者とビデオ用のプロジェクターが揃う葬儀社と斎場を紹介してほしいとの依頼がありました。
 
 指定された地域の賛同社に問い合わせ、A社は機材持ち込み専門スタッフ派遣、B社は自社の小型スクリーンと写真部スタッフ派遣という形の見積りになりましたが、依頼者の予算との折り合いがつかず、二転三転した挙げ句、スクリーンはカットされC社の金額を抑えた無宗教葬に落着きました。
 依頼者としては葬儀担当者自身が取り扱い、費用を抑えた形をご希望でしたが、現状で条件が揃うことの難しさを痛感させられた1件でした。
 
 

 

母の葬儀は全部自分の手で・・・の騒動その2

 先日のご葬儀騒動の続きです。
 依頼者お一人ですべてを取り仕切り、「葬儀社さんは運ぶだけお願いします。後は結構です」との要望を受けて、翌日のご葬儀の打ち合わせに葬儀社の担当者がご自宅に伺ったのは遅い時間になってしまいました。
 団地の2階にあるご自宅から担架で集会場に運び込まれたご遺体はひとまずこちらで納棺の段取りとなりました。

 関西からお姉さま、姪御さん達総勢5名が駆けつけられ、納棺に立ち会われましたが皆さんは何も準備されていないのにびっくりされたご様子。
 「旅立ちの衣装がない、今晩一晩灯しておくろうそくが無い、棺に入れるお花が無い、あれも無い、これも無い」と騒がれて依頼者もしぶしぶ承諾され、急遽通夜の準備が始められました。
 しかし、すでに時間帯も遅かったのでお花だけは翌朝1番で担当者が買いに走り間に合わせました。
 
 翌朝9時に出棺となりましたが火葬炉前でまた一騒動が持ち上がってしまいました。
 お寺さんが準備されていないとのことですが、これだけは今すぐというわけにいかず、収骨の後、担当者の知り合いのお寺に伺って、読経して頂くことでなんとか決着を見ました。
 火葬場の予約も依頼者がされたため、火葬中の待合室も取れてなく、お身内の方々をロビーの片隅でお待たせする羽目になってしまいました。お茶の用意もされず、お姉さま達には落ち着かない時間を過ごさせてしまったようです。
 決められた時間内のご葬儀を何もかもご自分で抱え込むには、お気持ちは分かりますが、依頼者にとって少し荷が重かったようです。
 ご葬儀のあり方を色々考えさせられ1件でした。
 
 
 
 
 

「母の葬儀は全部自分の手でやりますので、火葬場に搬送だけお願いします」と言われて・・・。

 「市の斎場からそちらを伺ったのですが、自宅から火葬場まで運んでくれるだけでいい葬儀社を紹介してくれませんか。後は全部自分でやりますから」とのお電話を頂いた時、少し危惧しましたが当センターの賛同社が引き受けるとのことでお願いしました。
 依頼者は役所関係の手続きと火葬場を決めるまでを全てご自分でおやりになってから、葬儀社の担当者と打ち合わせに入り、周りの方々をかなり振り回したようです。
 
 
 依頼者は最初に決めた火葬場をキャンセルして別な火葬場に決めたため、場所や火葬日も変わり、申し込まれた霊柩車会社は暮れの混み合っている時期と重なりかなり困惑したようです。

 指定の火葬場は納棺済みに限りますのでご自宅での納棺ということになりましたが、団地の2階で階段が狭く、柩が運べない状態となり、まずはご遺体を団地の集会所まで担架で運び出すことになりました。
 しかし、男手は依頼者お一人だけとのこと、急きょ担当者は2人の助っ人を呼びなんとかここまでは事なきを得ましたが、ご遺体に気を使いながら狭い階段で運び出すのは
大変だったようです。
 ご遺体を集会所に安置し、そのまま翌朝火葬場にお連れする段取りでしたが、騒動は
これからが本番となったようです。続きは次回にご報告します。
 葬儀社の担当者からはご自分で役所の届出をする場合、死亡診断書等は複数枚コピーしておく必要があることを注意されました。

こだわりの葬儀

 お葬式と聞いてまだ縁起でもないと思う方が多いのだろうか。
 ご自分の葬儀をイメージしたことはありますか。
 生きていくのが精一杯でそんな余裕なんかありません。
 でもちょっとだけ考えてみてください。
 生前は一人ひとりその生き方にこだわってきた方も、最後は半強制的に常識の枠の中に押し込められてしまうようです。これはご本人というよりか、周りの方々の意向が強く左右され、決められるためでもあります。
 ならば、生前に思いきってご自分の葬儀を企画してみるのも、一つの生き方かもしれません。
 但し、この企画に乗れるのは自由人であることが条件です。此処でいう自由人は仕事のことではありません、心の問題です。心の垣根を取っ払えるかどうかです。
 規格外の葬儀社かもしれませんがそのような相談にアイデアを出し、四つに組んでいる担当者から伺った事例。
 以前バンドをやっていた80過ぎの方の場合:
 お住まいが伊豆の方で、時間の問題もあり、火葬だけ地元の業者さんに頼み、浜辺に昔のバンド仲間が集まりオールナイトのコンサートをしました。
 夜通し飲んで食べて、明け方船を出して沖合いに散骨。
 船を出す時浜辺で送り火をたいて送り出しました。
 音響機材とテントと仲間達のボランティアで出来た、ひとつのお別れ会です。
 こだわりの葬儀は事前の企画が大事です。 

ある葬儀社さんのこだわり

 以前、葬儀社にご挨拶に伺った時、開口一番祭壇の前に置かれている柩を如何思いますかといわれ、正直とっさに返答に困ったことがありました。
 祭壇は亡くなった人を飾るのであるから、亡くなった人が綺麗に飾られているかが問題で、そのためにも柩は祭壇の上に置いて飾るのが大切ではないかと言われました。
 葬儀社は故人との接点はないので生きているという存在として捉えると、どうして柩が前にでられるのか。それは物として扱っているからではないかとのご指摘でした。

 「うちは参加指導型でやっています」とは担当者の言葉です。
 「葬儀社が全てやってしまうのではなく、ご喪家の方々にもお手伝いしてもらいながらやることで、皆さんに参加するという意識を持ってもらうことが大切だ」ともおっしゃる。
 こちらでは故人のメイクもプロに頼まず、ご喪家の方々にも参加してもらい、お手伝していただく。そうすることで、ご喪家と同じ目線でどうしたいかを話し合えるとのことです。

 通夜・葬儀・告別式の儀式が中心になってしまうが、中心はあくまで故人であることを忘れずに・・・。長い生涯の中でたった3~4日を如何に大切にできるか。
 先ずはご自宅に帰り、その日1にちはゆっくりお布団に寝かせたい。
 翌日、お布団の上で身体をご家族の手で拭いて貰ってから納棺。夜中そばで見守ってあげたい。
 次の日に初めて通夜となる。こうして死という現実を分かろうとする時間が必要であり、お孫さん達も亡くなった人に対する意識が変わり、接し方も変わってくるようです。
 
 最後のお別れも、できるだけゆっくりお花を柩に入れた後、柩の蓋を閉めるまでの空白の時間を大切にします。
 喪主の方を見ながら声をかけ、タイミングを計ります。皆様にお別れがゆっくりできましたと言われるように。
 職人気質・葬儀社さんのこだわりです。

ご喪家をお守りすることが第一です

 ご喪家から身内だけの家族葬で見送りたいとのご要望が増えています。
 この場合、故人の会社関係、知人関係には後でお知らせするということで内密にしていたのが何処からか漏れてしまい、当日葬儀社の方に問い合わせが殺到するはめになることも多いと伺いました。
 葬儀社の担当者もご喪家に実情を説明しますが、ご喪家側もそれぞれの事情があって初めの家族葬の見積り予算以上は無理という方もいらっしゃいます。
 特に通夜が始まってお清めの料理等の追加ができない場合もあります。
 そういう時に担当者は先ず葬儀社の使命としてご喪家を守ってあげることを第一に考え、「ご喪家に恥を掻かせない」これが鉄則だそうです。
 訃報を聞いた、故人と縁のある方々が取る物も取りあえず駆けつけて来てくれました。ある程度は覚悟していたとはいえ予想以上の会葬者数になってしまいました。
 こんな時もベテラン担当者は慌てず騒がず、まず会葬者をお清め所に行かせない作戦を取ります。
 ご焼香が済んだ後、一般会葬者はお清め所でお清めの食事をします。この時間を遅らせて、なるべく式場にとどまって頂くようにします。
 例えば無宗教などで、ご焼香の後、柩の蓋をあけて告別式に来られない方々にお別れの献花をして貰います。
 人数が多いのでこれだけでもかなりの時間が掛かります。
 結果、ご喪家側としては、お食事時間が少なく済み、予算内で収まり、会葬者は故人と最後のお別れがゆっくりできることになります。