安置所とか火葬場とか・・・

 安置所、式場、斎場、火葬場・・・葬儀のことについて初めて調べ始めた人にとっては、どれが何で、流れはどうなるのかという実際の動きについて、ぼんやりとわかったような気がするけれど、具体的にどのような動きになるのかということが、混乱して分からなくなるような場合があるようです。
 センターへのご相談でも、初めて葬儀を行う方からは、この流れがよくわからないとご質問をいただくことがあります。

 先日のご相談でも、幾度かのメールのやりとりの後、概算見積書をお送りしたのですが、見積書を見た段階で、いままでぼんやりと分かったつもりでいた病院から葬儀までの自分達の行動や流れについて、よくわからなかった所が具体的になったようで、ご質問をいただきました。
 ご質問に回答させていただき、「すっきりしました!」との返事をいただき、ほっとしたのですが、このご相談者のように「すっきり」していただくことは、安心につながる大切なことだと改めて思いました。

 なんとなく、わかっているような、わからないような・・・漠然とした疑問は不安になる要素になるかもしれません。
 小さなことでも、ご相談いただければと思います。
 また、センターだけでなく、センターからご紹介させていただく賛同葬儀社さんは、ご依頼者の疑問にもひとつひとつ丁寧に応対してくれます。
 ご葬儀後にご協力いただくアンケートでも、具体的に「説明が分かりやすかった」などの評価をいただくような葬儀社さんも多くいますので、安心して問い合わせていただければと思います。

コミュニケーションの取り方

昨年、暮れも押し迫った頃、「入院中の父の容態が予断を許さない状態になってきて、お医者さんからも準備をしておくようと言われているが、どのようにすればよいだろうか」途方にくれたご様子のお電話をいただきました。

 ご相談者は1人っ子で、当のご両親は離婚され、ご親戚の方々とは疎遠になっており、ご葬儀のご相談をされる方がいらっしゃらないとのこと。
 お父様は生活保護を受けていらっしゃるので、そちらからご葬儀費用を出してもらえないかとのご質問には、葬祭扶助をお受けになると限度額が決まっておりますので、火葬のみが現状な旨お伝えし、お話をお伺いする中で、葬儀社の担当者に直接ご相談されたいとの要請がありましたので、お近くで適任者ではと思われる、賛同社の担当者をご紹介させていただきました。
 担当者にはその旨お知らせして、対応をお願いいたしました。

 ご相談者はやっとご相談できるお相手が見つかったとばかり、矢継ぎ早にご質問をされたご様子で、「時にこちらからも提案をさせていただきましたが、良い感じでお話をさせていただきました」と担当者からの報告が間もなく届きました。

 年明けのまだ寒い時期でしたが、お父様のご逝去をいの一番に告げ、「提案していただいたように、父と最後のお別れをする友達の方々のため
にも、1日葬にすることに決めました」と決意のこもったご報告が、担当者に届けられたとのことです。

 また、最近も事前相談で直葬と1日葬のお見積りをお取りして、担当者とご面談された方からは「迷っている点を適格に察知して説明をしていただき、オプションもそちらでご用意できるようだったらそうした方が良い、とのアドバイスやご提案をいただき、万が一の時は安心してお任せできますので、これからは父との残された時間を大切にしていきたい」とのご報告いただきました。

 このような小規模なご葬儀のご相談においては、特に顕著に表れるようですが、ご満足いただけるか否かは、担当者とご相談者のコミュニケーションの取り方が大きく関わってくるようです。

 ある担当者はご相談の折、まずはご希望を伺い、メリット、デメリットをその場で説明し、全てをコーディネイトしてあげることが大切で、ご相談者とはどこまでプロとしてアドバイスできるかにかかっているとのお話でした。
 特にご葬儀事は終わっても後々のことを考える必要が出てくるとのこと。
 ご親戚とのお付き合いで、ご理解が無ければ、後々何やかや言われますので、そこまで考えてコーディネイトして差し上げる必要があるのではと。

 また、ご喪家とはとことん二人三脚で行きます、とおっしゃるベテランの担当者は、いかに初めてお会いした方に、短時間で心許してもらえるかが大切だとおっしゃいます。
 「いかにこの人は大丈夫だという安心感を持たせるか」。
 大丈夫だと理解していただくためには全力投球するが、葬儀屋さんの葬儀ではないから、お手伝いするだけですからというニュアンスで、一緒に歩きましょうというスタンスをとっているとのこと。
 早めに打ち解け、この人は大丈夫だという安心感を持たせてもらえれば、相手も聞きやすく、いろいろとお話を聞くうちにおおよそのことが分かってきますのでと。

 担当者それぞれのコミュニケーションの取り方で、ご相談者との距離を測っているようです。

担当者の裁量

  昨年末のご相談でしたが、お父様の病状が思わしくなく、万が一に備え、そろそろ準備を考えなくてはいけないが、初めてのことで、どうしたらよいかとのお電話をいただきました。

 お問い合わせに対し、まずは地域内にある当センターの賛同葬儀社さんより概算のお見積りをお取りして、それをご検討いただき、お時間がございましたら、是非お見積りをお取りした社の担当者と直にお会いされるよう、ご提案いたしました。
 
 そこで、詳しい説明や具体的な祭壇写真を見せていただきながら、同時に担当者の人となりにもふれられますので、安心してご葬儀に臨まれることをご説明したところ、その方法でとのご承諾を得て、お見積りをお取りするための必要な事項をお伺いし、翌日センターの説明書と共に、ご相談者のご要望で、郵送にてお送りする手筈になりました。

 ところが翌日、丁度投函直前に、ご相談者からお父様が今朝方急変され、先程お亡くなりになられたとの緊急のご連絡が入り、緊迫した空気に包まれながらも、お見積りをお取りした2社のご説明をして、結果よりご要望に近いと思われる1社のご指名をいただきました。

 何分にも急なことゆえ、即対応可能か確認をした後、担当者の方からご相談者にご連絡をしていただき、早速に病院にお迎えに上がり、搬送、ご安置、本見積りの打ち合わせとなりましたが、見積りをお送りする直前のご逝去で、ご相談者はまだ見積りを見ていらっしゃらない状況でした。
 担当者は作成した見積りをもとに説明をし、それに対してどのようにされたいかをじっくりご希望をお伺いしながら一つひとつ、懇切丁寧に、2日間かけてご相談者がご納得のいく形でお話を進められたとのこと。

 事前のご相談にしても、突然の変更や様々なご事情からマニュアルがあってもマニュアル通りにいかないのがご葬儀です。
 いかに臨機応変な対応ができるか、誠意がどこまで伝わるか、担当者の裁量に掛かってくるようです。

 ご葬儀後に頂くアンケートでも、誠意ある対応ぶりを、数多くご報告いただいております。
 ご事情でご指定の金額以上は難しいとおっしゃっていた方は「突然のことで途方にくれていたが、家族以上に誠意を感じ、笑顔でご相談ができました。あの式以上のものは金額を積んでもできなかったと思います。悔いの残らないご葬儀ができ、父も大満足してくれていると思います」。

 また、お父様が撮った短編映画を上映された方からは、担当者が毎日ご自宅まで足を運び、何でも相談ができコミュニケーションがとれ「曹洞宗に則りつつも、同時に和やかに故人を偲ぶ場にしたいという、意を正確に酌んでくださいまして、当日は完璧と言ってよい位にイメージ通りの葬儀を執り行うことができました」等々、枚挙に暇がありません。

学ばせて頂いています。

 事前相談でご相談された方の葬儀が施行になり、葬儀前の慌ただしい時期や葬儀後のまだ落ち着かれていらっしゃらないような頃に、「良い葬儀社さんを紹介していただいてありがとうございました」などのご連絡を頂くことがあります。
 ご遺族の方は葬儀のことでいっぱいの頃かと思うのですが、わざわざこのようなご連絡をいただけることは大変ありがたく、またこちらとしても葬儀を無事に進めていらっしゃることがわかり、ほっとさせていただくご連絡でもあります。

 先日も、お身内の方がご危篤で大変心配な状況の中、ご相談のお電話をいただき、数回のやり取りをしたうえで葬儀社を紹介させて頂いたのですが、残念ながらその数時間後にご逝去され、その社へご依頼されたということがありました。
 葬儀社からもその報告は受けていましたが、ご安置後の打ち合わせを終え、少し落ち着かれた頃でしょうか、ご相談者からセンターへ連絡があり、「葬儀のことは右も左もわからなくて心配していましたが、色々教えて頂き、どうもありがとうございました。紹介して頂いた葬儀社さんにお願いして無事に進んでいます」という報告をいただきました。
 葬儀を控えたお忙しい時に、わざわざ連絡をして下さったご相談者のお心遣いに感謝すると同時に、ふと、自分は忙しい時でもお世話になった方へきちんと感謝を伝えているだろうかと考えてしまいました。きっと忘れてしまっていることもあると思います。これからは意識的に、感謝の気持ちは伝えないといけないなと思いました。

 ご相談では、アドバイスをさせていただく立場ではありますが、多くのご相談者を通じて、私もたくさん学ばせて頂いています。

思い通りにならないことも・・

 クリスマスイブです。小さなお子様たちは、明日の朝の楽しみのために早く寝てくれたのではないでしょうか。

 楽しいはずのクリスマスでも、心から楽しめない方たちもたくさんいらっしゃいます。

 お身内に心配な方がいらっしゃったり、ご葬儀を行なっていたり・・。

 つい先日の夜中、まだお若いお身内の方がお亡くなりになり、葬儀社を紹介してほしいという事後のご相談をいただきました。ご要望は、できるだけ早く葬儀を行ないたい、また、ご会葬の方に来ていただきやすい場所にしたいというものでした。
 故人様がお若いので、お別れをしたいご会葬の方々もきっとお若い方が多くいらっしゃることと思います。クリスマスにかからないようにという、ご喪家の配慮からのご要望でした。
 この時期は毎年、斎場や火葬場が混み合い、利用者の多い式場ではなかなか希望通りの日程でご葬儀を行なうことが難しいことも多々あります。
 ご相談者の方は、葬儀に来ていただく方たちが大変にならないよう、最善の日程や場所をとお考えになられていましたが、ご希望の日はあいにく希望する式場はすでに予約が入っていて使用できず、少し離れた式場を利用するか、日程を少しずらしていただくかの二択の状況となりました。
 強いご要望と現実がかみあわず、とても難しい状況でしたが、クリスマスよりも故人様を見送ることを最優先にお考えいただくように話をさせていただき、ぎりぎりクリスマスにかからない日程でご希望の式場を使用してのご葬儀となりました。

 何年か前、自分の仕事の繁忙期に義母様を亡くされた友人が「死は場所も時間も思い通りにはできないから、こればっかりは亡くなった人に合わせないとね・・」と言っていたことを思い出しました。

ベテラン担当者の出番です。

「お手紙に心に残る葬儀だったと書いて下さり、これで良かったのかなと悩んでいた私の気持が少し軽くなったような気がします。1人っ子の私でしたので、無事父を見送ることが出来、皆様のおかげだと感謝しています。ありがとうございました」
 担当された葬儀社の方からご葬儀の後にお手紙をいただいた、ご相談者からの報告です。

 また、お父様が以前撮られた短編映画を、ご会葬の方々にお見せしたご相談者からは「晩年の寝たきりに近い親父ではなく、若くて元気だった頃のイメージを持って偲んでもらうのが1番の狙いでした」と、意を正確に汲んでくれた担当者への、感謝の報告もいただいております。
 ご報告では「担当の方は自宅に毎日足を運んでくださり、コミュニケーションがよく取れて、何でもご相談ができ、当日は完ぺきと言っていいくらいにイメージ通りのご葬儀を執り行うことができました」とご満足されたご様子が語られていました。

 双方とも同じ方が担当され、その気配りのある対応に、ご紹介した当方も、思わず我がことのように嬉しく、ほっとさせられたものでした。

 ご葬儀はどんなに前もって準備をされても、いざその場に直面された時の心の準備まで推し量るのには、難しいものがあります。

 ご相談者のお気持ちを察し、どの様にされたいのかを汲み取り、さりげなくアドバイスをされたり、また、どんなことにも気軽にご相談に応じ、ご相談者の意とすることを正確にキャッチし、汲んでいただけるベテラン担当者の采配ぶりには、当方も日々感謝しつつ、大いに学ばせていただいております。

 年々、お身内やごく親しい方々のみでのご葬儀が増える中、今後益々この「ベテランの気配り」こそが、ご葬儀の良し悪しを決める大切なキーポイントの一つとなっていくことと思われます。
 ベテラン担当者の誠意ある対応ぶりを見ていたご親族の方が、「俺の時もここに頼もうかな」と、思わずつぶやいていらっしゃったとの報告もあるくらいですから・・・。

 今年も残すところ、後わずかになってしまい、私の担当も本年最後になりました。
 この1年、拙いブログにお目を通していただき、ありがとうございました。
 来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

 少し早めになりますが、
 よいお年を!

幸せな思い出とは・・・。

「パーフェクトです。順調ですよ・・・」張りのあるお医者さんの言葉に、思わず笑みがこぼれます。
 私事で恐縮ですが、先日、目の手術をした後、翌日まで何となく違和感が残り、一抹の不安を感じながら診察を待っていましたが、お医者さんの一言で、急に霧が晴れたように気持ちも落ち着き、安堵いたしました。

 状況は異なりますが、普段ご葬儀のご相談を承り、ご不安を抱えたお問い合わせにお応えし、少しでもご安心していただけるよう対応している身にとりましては、ご相談者の不安と安心のお気持ちを、改めて認識させられた日でもありました。

 ご葬儀のご相談では、ご喪家としての経験をされたことのない方が大半を占め、どこから進めてよいのか見当も付かない、という方も多くいらっしゃいます。
 漠然としたお気持ちの中から、ご要望をお尋ねして、まずはポイントを少し整理させていただき、ご要望に適した賛同葬儀社さんを選び、お見積りをお取りして、ご紹介をした後は葬儀社さんの担当者さんに委ねる場合が多いのですが、担当者さんとのコミュニケーションもスムースに運び、安心してご葬儀に臨むことができましたと安堵のご報告も数多く頂いております。

 ご報告の中では、担当者さんの親切丁寧な対応は言うまでもなく、ご葬儀前のご不安な状況を察して、電話や手紙で励ましてくださったり、また、ご相談者と同じ目線で一緒になって考えてくださったり、時に心のよりどころとなってアドバイスをしていただけたりと、感謝の言葉が綴られています。

 中でも、当センターとご紹介した賛同葬儀社さんにご葬儀をお任せしたおかげで、その後は安心した気持ちのまま、お父様を最期まで看取ることができ、また担当者さんのきめ細やかな働きにより、温かい雰囲気の中で、お見送りすることができたとのこと。
 また、ご葬儀が終わって振り返ると、不思議なことにその間が「幸せな思い出」となっていることに気づかされ、今では、お父様の死に関わってくださった皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです、とお忙しい中、早速にお礼のお手紙をいただいたことは、安心の言葉と共に、印象深く残っております。

皆様、おいでください。

  5年程前のご相談メールとその時頂いたアンケートのコピーを、時々手に取っては読み返しています。

 病院にて闘病中のお父様のご容態は、今すぐどうということではないが、お父様の為にもできるだけ慌てないで対処したいと思い、ご連絡をいたしましたとの文面から始まっております。
 
 お見舞いに日参しているお母様の身体を気遣い、最期は家族だけで静かに見送ってほしいというのが、お父様の願いです。

 当初、万が一に備えてのご相談をされる一方で、病院に日参されているご自身の行動に、冷たい人間だ・・・という罪悪感を覚え、どこかでお父様を裏切ってしまったのではという思いまでされたとのことです。

 しかしながら、当センターとメールでのやり取りをして、ホームページを読み込んでいくうちに、やがてあらかじめ知っておくことが、ひいてはきちんと送ってあげることに繋がるのだと思うようになってきたと、心の経過報告をされていらっしゃいましたが、それでも一つだけずっと心に引っかかったままの状態があるとのことでした。

 センターのホームページの中で「ご家族だけでお見送りすることも大事だが、永年のお付き合いの中で、最後のお別れをされたい人の気持ちを汲んであげることも大切」とのくだりが頭の片隅にこびりついて離れずにいると述懐されていました。

 それでも幾つかの山場を越え、揺れる思いも、ご葬儀直前には「父には申し訳ありませんが、結局は私たちがどれだけその人たちの気持ちを受け止められるか、というような気がする」とのお気持ちに定まり、「お見舞いも拒否され、最期のお別れもできないなんて辛すぎる」とのご親戚からのお言葉に、「どうぞお願いします。来てください」と言えました、とのご報告をいただきました。

 ご親族の皆様が久しぶりに一同に会された通夜の晩、皆様で大広間に雑魚寝をされ、さながら合宿所のような様相を呈し、一晩が思い出深く心
に刻み込まれた気がして、お父様が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えたとのことです。

 「翌朝、バケツリレーのように、大広間に次々とお布団の山が築かれたのは、圧巻でした。全てが過ぎ去る前に気づけたお陰で、ご列席の皆様にも、家族にも一生の悔いが残らずにすみました。涙も笑いもあるご葬儀でした。ありがとうございます」との文面が最後に記されておりました。

「お勧め」と「押しつけ」の違い?

 今日、切手を買いにいった時のことです。
 センターをご利用頂いた方へアンケートのお願いをお送りするための切手を購入しに行ったのですが、窓口の方から「シールになっている切手はいかがですか?便利ですよ」と勧められ、絵柄を見せてもらうと全部キャラクターもの。
 う〜ん・・確かにシールタイプの切手は便利だけれど、さすがにキャラクターものは・・。
 「仕事で使うので、普通のタイプのほうでいいです」とこちらが言うと、「お仕事でもこちらを使われる方が多いですよ」と、引き下がっていただけない。
 仕事もいろいろあるわけで、仕事で使う切手でもキャラクターのものが喜ばれることもあるでしょう。ただ、やはりご葬儀を終えたばかりの方へ送る郵便物です。風景やお花の絵の切手ならそれを選んでいたかもしれませんが、やはり無難なものの方がいいと思うのですが、この場で葬儀という言葉を使わないと納得していただけない?
 きっと、記念切手やデザイン切手を買ってもらう方が都合がいいのでしょう。
 『協力出来なくてすみませんが・・』という気持ちにさせられたのが少し残念でしたが、無事に普通の切手を買って帰ってきました。

 良かれと思って勧めてくださることはとてもありがたいと思いますが、少しでも度が過ぎると押しつけになり、しかも、それが勧める側の利益にしかならないことならなおさらいい気持ちにはなれないのでは・・。

 ご葬儀では、ご喪家の方が選ばなくてはならないものがたくさんあります。
 担当者が「少し高くなりますがこちらはいかがですか?」などと勧めてくるものもあるかもしれません。
 それは担当者がご遺族や故人様のことを想って勧めてくれているのか、ただ、高いものや不要なものを自分の利益のために勧めているのかを見極めるのはとても難しいかもしれませんが、担当者との信頼関係が出来ていれば、不要なものは不要と言えるし、ご喪家のことを一番に考えてくれる担当者ならそれ以上に勧めてくることは無いでしょう。

 先日、ご葬儀を終えたばかりのご依頼者の方から、「●●さん(担当者)には一つ一つ細かい要望を聞いていただき、思う通りの葬儀ができて母(喪主様)が大変喜んでいました。●●社を紹介していただいて、本当にありがたかったです」と、葬儀後のお忙しい中、わざわざお電話をいただきました。
 事前相談でご紹介した担当者と、直接面談等をしていただき、担当者の人となりを見ていただいた上でお選び頂いた葬儀社でした。
 
 多くの人が、ご葬儀準備の短い時間でも、ご依頼者との信頼関係が築ける担当者と出逢っていただけるよう、これからも益々活動に力を入れていこうと思います。

不安を小さくするために・・・。

 葬儀の事前相談は、積極的に行ないたいと考える方と、亡くなってもいないのに葬儀について具体的に考えるのは気が引けるのですが、とためらいがある中でご相談される方がいらっしゃいます。

 先日、お身内の病状が急に悪化し、医師から葬儀を考えておいた方がいいと告げられたという方からご相談をいただきました。
 急なことだっただけに、ご相談者は何から考えたらいいのかわからず、まず、センターへご相談されたとのこと。
まず最初に「まだ亡くなっていないのですが、葬儀のことを聞いてもいいんでしょうか」とお話しがはじまりました。
 事前相談をした場合のメリットをお伝えしたあと、ご質問に一つ一つお答えしながら対応させていただいていたのですが、漠然としていた葬儀の流れがつかめてくると、少し声が明るくなり、「一番分からなかったことが理解できました」と、大きな不安が少し解消できたようでした。
 一通りの話しが終わり、最後に、「聞いていなければ、なにも分からないまま、不安がっている間にお葬式が終わってしまっているような事になっていたかもしれませんでした、どうもありがとうございました、相談して良かったです」とおっしゃっていただきました。

 また他のご相談では、本人の要望だからと、ご相談者が簡単に考えられていたことが実はわりと重要な問題で、そのまま知らずに葬儀を行なっていたら親戚との関係が悪くなってしまう可能性があったかもしれないようなことが、事前にご相談をしていただいたおかげで、うまく調整する方向で考えていただく時間を作っていただくことができました。
 幸い、このケースでは、ご対象の方もお元気で、ご自身の葬儀について積極的に話しが出来る状況であったため、よく話し合っていただくようにお伝えさせていただきました。

 葬儀の事前相談は、あらかじめ知っておくことで想定できるトラブルを事前に回避することにつながる可能性があります。
 特に初めて葬儀を出さなければならない状況にある方は、お気持ちのうえで、少しでも心配なことや疑問などがある場合には、それをクリアーにするだけでも肩の荷が少し軽くなるかもしれません。