ご葬儀の良し悪しは担当者への信頼感をどの位持てるかが鍵になる

 今日、友人から喪中に付き賀状欠礼の葉書が届きました。
 1ヶ月少し前に友人と会食した時、90歳半ばでお元気すぎる義母様のことをあれこれ話題にしていたばかりなのに・・・。その後、間もなく急変されてしまったご様子。
 事ほど左様に人の死は突然にやってきます。

 ご葬儀は予行練習ができる結婚式と違い、突然訪れる悲報に心の準備もなく、いきなり未知の世界に放り出されるような不安だけが増大してしまいます。
 この漠とした不安を、一枚一枚薄皮を剥ぐように取り去ってくれる役割になるのが葬儀社の担当者です。
 担当者への信頼感が持てるかどうかがご葬儀に大きく影響してくるようです。
 
 ご葬儀後の担当者への評価で、当センターの依頼者からは事前相談の時から何がなんでもやらせてくださいと言った押し売り的なところがなく、1歩引いた立場でのお話に好感がもて、裏方に徹した仕事ぶりに大変助かりましたとのご連絡を頂きました。
 また、別な依頼者からはご要望を丁寧に聞いてくれ、「普通」を押し付けず、ご喪家に合ったご葬儀を提案してくれ、アットホームな雰囲気にホッとされたというお便りも頂きました。
 一方、依頼者から高い評価を頂いている担当者にも各々ご葬儀に対する取り組み方のタイプに違いがあります。
 例えば積極的にリードしていくタイプ、黒子に徹するタイプ、一緒に歩調を合わせるタイプ等それぞれの個性がありますので、ご喪家との相性の良し悪しのようなことも出てきます。
 概算の見積りを取り寄せ、おおよその概略が見えてきましたら、担当者と直接会って面談されることをお勧めします。

ご喪家からミスを非難されない方法は、世間話をして私事をさらけ出し、親しくしておくことです。

 あるご葬儀の立会いにお伺いしたところ、担当者が待ち構えたように飛んできて「実は昨晩通夜が始まってから屏風の端の一部が前に倒れ、前に並んでいた供花が2基ほど傾いてしまい、ご喪家様には大変ご迷惑をお掛けしてしまいました」と平謝りされました。

 始め、ご喪家側がおっしゃるには「傾いた2基の供花の送り主の方は、立て続けに起きた不幸からやっと立ち直られた方で、一瞬どうなることかと思いました」ときついお言葉でした。
 ちょっとした不注意からでもミスは起こります。
 担当者は誠心誠意ことにあたり、どうにか信頼を回復し、ご喪家から逆に田舎でのご葬儀のこともご相談されるまでになり、ご紹介した方としてもほっと胸を撫で下ろしました。
 色々と注意をしていてもミスが起きる場合があります。
 一つのミスが命取りにならないとも限りません。
 葬儀社回りをしていた頃、ミスをした時の対処の仕方を聞いたことがありました。
 皆さん異口同音に、起きたらまず、その場で対処し、説明して、納得していただく。 先方様が納得しないことには先に進みませんからとおっしゃていました。

 あるベテランの担当者はたとえミスを起こしたとしても、ご喪家の受け止め方は千差万別。納得させる方法として、その前に、親しくなっておくことを心がけるとのことです。
 人間、感情がつながり、相手のことが分かっていると許そうかという気分になるものです。 
 ご葬儀までの許された時間内で、余分な世間話をして、私事までさらけ出しておしゃべりをしていくうちに、相手の方も次第に打ち解けてくるようです。
 ビジネスライクな対応ですとぱっと出る反応も、親しくなるとまあいいか許そうということになりますと極意?を教えていただきました。
 でもこれは修羅場を潜ってきたベテランだから出てくる言葉かもしれません。

 
 
 
 

ご遺族の信頼を得るきっかけは搬送先でのお茶がきめて!

 病院でお亡くなりになった後、ご遺体の搬送先をご自宅以外の場所にと希望されるご遺族の方々が都会を中心に増えています。
 ご遺体は住宅事情のため、お身内だけでのご葬儀でご近所には内密にしたいため、ご自宅が遠方のため等、各ご家庭の諸事情により直接ご希望の斎場へ運ばれたり、また斎場の霊安室が満杯のため搬送会社に一次預けをされたり、葬儀社の安置室にお連れしたりと葬儀社の担当者はその都度臨機応変に対応しています。
 中でも安置室を所有している葬儀社の場合は一旦自社の安置室にお連れして、斎場の霊安室の様子をみることになります。
 一方の遺族も病院から出された後ご遺体がどこに落ち着けるか不安な気持ちのまま安置所に向うことになりますが、そんな気持ちを一変してくれるお話を伺いました。
 
 小規模で運営している葬儀社ですが自社に安置室を所有しています。というよりも普通のお宅に安置所が設えてあるという感じです。
 ご遺族はご安置した後、となりの居間に移り、まずはお茶を一服頂きます。
 「ちょっと濃過ぎたかしら」担当者はお茶をだんだん薄くしながら話し始めると皆さん次第に打ち解けてきたようです。
 張り詰めていた緊張が解け、ほっとして、いつの間にかご自宅にいるような和やかな雰囲気になってきました。
 世間話をしている内に先ほどまでの不安感も吹っ飛んで、あとのご葬儀は安心してお任せしますとまで言いきる程に信頼されたようです。
 しばらくして皆さん長時間食べてないことに気付き、担当者の推薦する出前をぱくつきながらこれからの予定を相談されたとのことでした。 
 
 

葬儀社に電話をかけるまでの心の準備が大変です・・・。

 日曜日の昼過ぎ、「あっ、今日はお休みではないですね」受話器を取ると一瞬の間があり、「5分後に掛け直します」いきなりガチャリと切られてしまいました。
 しばらくして、意を決し緊張した口調で「先程、お電話したものですが・・・」と話を切り出された奥様はご主人が末期がんで予断を許さない状態との由。
 当センターのホームページを見た友人からそろそろ準備をしておいた方が良いのではと背中を押され、掛けられたご様子です。
 最初はどこからどう切り出して良いのか戸惑っていらっしゃったようですが、お話をお伺いしていくうちに、菩提寺も無いのでむしろ散骨を希望されていたこと等、ご主人がお元気な頃おふたりでよく話し合ったことを思い出され、気持も次第に整理されていらっしゃるご様子でした。
 大好きなお花に囲まれ、ご親族だけで見送りたい。直接葬儀社の担当者とご相談したい等のご希望を踏まえ、ご要望に合う葬儀社をご紹介する頃には熱心に色々質問されていました。
 「ご紹介頂いた葬儀社には明日必ずお電話致しますので、よろしくお伝えください」元気な声で受話器を置かれました。受話器の向こうのホッとした様子がこちらにも伝わってくるようです。
 まずは第一関門を突破ですね・・・。

葬儀担当者の心得とは

 時に葬儀の仕事が天職のような担当者に出会うことがあります。
 傍から見ていると真面目に一生懸命取り組んではいるが少し膨らみに欠ける方、両腕まくりをして今にも飛び出しそうなイメージの方と各人個性派ぞろいの方が多い中で、その担当者は1歩下がってむしろ淡々とこなしているように見受けられました。 
 2ヶ月ほど前に概算見積りをお願いした後、依頼者の奥様から担当者に連絡を取りたい旨電話が入り早速伺っていただきました。
 奥様は今の状況を説明し、現場をみてもらっていざという時はよろしくとのことで、差し当たって雑談をしてきましたと担当者の報告が入りました。
 しかしこの雑談こそが式のイメージや依頼者の性格などを読み込む大事な時なのです。
 担当者はその場を読み、性格を読んで依頼者に照準を合わせます。照準さえ合えば後は二人三脚ですからと。読み間違えると別の道へ行ってしまい、ピントが合わないと最後までピントがずれたままになってしまいますからとも。
  1ヵ月後、煮詰めた話をしたいと担当者に連絡があった頃には、すでに依頼者は全面的に頼っていらっしゃる様子でした。
 まもなく迎えられたご主人の最後に覚悟だったとはいえパニック状態に陥られたので、あえて3日ほど間を取られて少し冷却期間をおき、落ち着きを取り戻して通夜に臨まれました。通夜の気丈な振る舞いにご主人の友人達も胸を熱くしたようです。
 「あくまでご喪家の葬儀であり、葬儀屋さんの葬儀ではありませんから」と黒子に徹しながらも伴走者として見守る姿勢が依頼者に信頼と安心感を感じさせたようです。

葬儀担当者の気配り

 お身内だけで見送る家族葬が都市部を中心に増え続けているようです。
 しかし、突然の不幸にご喪家の方々は何処から手をつけてよいのか途方に暮れるばかりです。
 そんな中で、ご喪家の要望を伺い、限られた時間の中テキパキと指示を出し、無事葬儀を終了させるのは葬儀社の担当者の腕一本に掛かっているといっても過言ではありません。
 特に少人数の場合は1人の担当者が最初から最後まで面倒をみることが大切です。
 式次第は途中でも引き継ぐことはできますが、ご喪家の微妙な気持の流れを汲み取ったり突発的な事柄を即座に判断し相手を説得させることは、信頼関係なくしてはできません。
 安心して任せられると思わせることが重要です。
 ご喪家の身になって最後まで見取り、一期一会を大切にする担当者であることが必須です。
 
 こんな事例がありました。 
 依頼者からは親族だけ30名程で、無宗教の1日だけの葬儀にしたいとのご相談。
 最初の概算見積りでは通常の火葬場での待ち時間内のお食事会でしたが、葬儀社の担当者は1日だけ、しかも久しぶりの親族の集まりなので、1時間弱の慌しい時間ではなく、火葬終了後、別な所に席を設けゆっくりやられることを提案し、特にご親族から大変喜ばれたとのことでした。

1年後の再度のご連絡

 先日、当センターの紹介で北区セレモニーホールで施行されたことについてです。およそ1年前に相談を受けました。そのとき、お聞きした内容に合わせて、もっとも推薦できる葬儀社さんから見積りをとりお送りしました。そうしましたら、以下の返事をいただきました。
 
「いろいろ分からず不安のあったことが、詳しく説明して頂き、明細も詳しく出ていたので、とてもよく分かり、安心しました。うちは互助会に入っていたので万一のときはそこに連絡するだけとしか考えていなかったので、いろいろ知ってやはり、家族の納得するような形で送りたいと思うようになりました。北区セレモニーホールと、戸田斎場との長所、短所の違いもよく分かりました。また、病院の葬儀社についてもよく分かりました。もう少し、いろいろ調べ、家族でも話し合い、よく考えていきたいと思います。どういう方向になろうとも、その時にはきちんと連絡したいと思います。」

 そして、一年後に電話がかかってきました。この丁寧な返事が頭に残っていたのか、お名前とおおよその内容をお聞きし思い出せました(もちろん、資料はとってあるので探せばどういった相談内容かわかるのですが)。

 見積りひとつで、ここまで信頼してもらっているわけですから、その信頼を裏切らない仕事をしなければいけないとつくづく思いました。