自分らしく…。

 6月の鎌倉駅構内は平日のお昼前にもかかわらず、中高年の特に女性パワーで溢れかえっていました。
 グループのリーダーも圧倒的に女性が占めているようです。

 今の季節、紫陽花と苔むした岩間に咲く岩たばこの花をお目当てに、皆さんこれから鎌倉の散策に繰出そうと、パワー全開です。
 意気揚々とした姿に圧倒されながらも、おこぼれを預かって、こちらも思わずシャキっとしてくるから不思議です。

 時を同じくして災害時における高齢女性の意識と行動の調査を行なっている友人からは「主として70代の女性からお話をお伺いしているが、押し並べて皆さんお元気。災害時にどうして欲しいというのではなく、どうしたいと助ける側の意見が圧倒的だ」とのお話を伺いました。

 また、平均年齢60代半ばの方々とおしゃべりする機会を持った知人は「一番元気が70代の方で、70代はある意味開放され、自分らしく生きているのかも。60代は70代の基礎作りなのでは・・・」と分析しています。

 「自分らしく」の言葉には、時代を生き抜いてきた先輩達の確かな手ごたえが感じられます。

 先日ご葬儀の事前相談で見積りをお送りした方も76歳でお元気なご様子。
 ご自分のことはご自分で、いつの日にかのために息子さん達に託しておき、これからはやりたいことに向って前進あるのみと電話口の力強いお言葉に大きく頷くばかりでした。

マネジメント

 出版不況と言われる中、「もしドラ」(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)が250万部を超えるベストセラーとなり、テレビや映画化でドラッカー・ブームであったかのような感じもしないではないですが、ドラッカーが説いた内容はブームとか流行にまったく左右されないものだと思います。

「私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。」
「ほかの人間をマネジメントできるなどということは証明されていない。しかし、自らをマネジメントすることは常に可能である」

 これらの文章に魅せられて以来、少しづつ著作を読むようになりました。(はたして、どこまで血と肉になっているかは ??? なところですが。)
 
 ついには、――自己管理による目標管理こそ、まさにマネジメントの「哲学」― と迫ってきます。

 さてさて、この自己管理の部分だけでも、葬儀社の人にとっては深刻な問題です。何せ365日24時間対応です。大きな会社ならば社員同士でローテーションを組んだりして、時間のリズムをつくることはある程度可能かもしれませんが、葬儀業界の大半を占める、中小ではそうはいきません。オーナーなら時間も自己管理もなんのその体力だけがとりえと割り切れるでしょうが、社員にもそれを求められるのか、難しいところです。

 ただ、何とかして、自己管理ができるような環境をうまく整えられないと、継続的に良い仕事を提供しづけるのは難しいかもしれません。

 それはさておき、自分流に勝手に自己管理の一環と位置づけているのが、土曜日に何時間か歩くことです。そのときの状況次第で、歩く場所は、街中であったり、山であったり、観光地であったり、さまざまです。
 ちなみに、先週の土曜日は出先から、ついでに皇居を周って帰ってきました。テレビではみていましたが、ランナーがものすごいです。行き交う9割方はランナーのような感じでした。休みの日にまで走っている自己管理の姿には頭が下がる思いですが、皇居を取り巻く風景全体との調和のなさに ??? 海外の観光客も奇異な目で眺めているのもおかまいなしです。

 そういえばドラッカー先生も、マネジメントの原理について、「一人ひとりの目標と全体の利益を調和させるため」のものと言っているではありませんか。

「遠い夏の日」のタイトル

 夏が近づくと一枚の絵葉書が気になります。

 麦藁帽子に白い服の少女は背丈ほどもあるお花畑を突き進んでいます。
 「遠い夏の日」のタイトルの少女はまだお元気でしょうか。

 3年前に頂いた絵葉書の中の少女は後姿しか見せませんが、夏の強い日差しを浴びながらも毅然とした姿で歩き続けているようです。

 数十年後の少女から頂いた事前相談のお礼のお手紙には「万が一の時にはすでに一生が終わって何一つそのことにたずさわることもございませんわけですのに、客観的に冷静に考えられまして妙にすっきりいたしました」としたためられ、これからの行く末を見据えて生きる気迫が感じられました。

 事前相談がマスコミに取り上げられ始め、今までの因習にとらわれず、自分の最期は自分の考えのもとでとご希望される方々が出始めたのも丁度その頃でした。

 「いつか必ずお世話に預かりますことと存じます」と結ばれたお手紙と絵葉書をファイルの中から取り出しては時折眺めています。

 今年もまた永遠の少女からのお便りが届きませんようにと念じつつ・・・・。

梅仕事の季節

 梅仕事の1週間でした。
 というと、大忙しのスタッフからは白い目で見られそうですが、これも供養の為ですのでと、多目に見てもらいましょう。

 今この季節この時期にしか出来ませんから・・・。

 私事で恐縮ですが、今年も墓参りを兼ねて梅の実を採りに帰省してきました。

 毎年梅を採る日は晴天に恵まれ、今回も早朝から慣れぬ手つきでもぎ始め、お昼近くには玉石混交ですが100キロ程の梅の山ができました。

 しかし、これからが大変です。
 大きさを区分けして15人程の友人知人に母の供養の為と半ば強引に送り届けています。
 皆さんそれぞれ今年は何に挑戦するのだろうか。梅干し、梅酒、梅ジュース、梅味噌、梅ジャム・・・etc.

 20年程前に母が植えた梅の木もいつの間にか梅林のていをなすほどに成長しています。
 元気な頃には見向きもしなかった梅仕事、今や音頭を取っている娘の行動にさぞかしあの世で苦笑していることでしょう。
 その母は早くも来年が7回忌。

 梅仕事を終えた部屋のなかはまだほのかに梅の香が漂っています。

よろしくお願いいたします。

 今月から月に2回のペースで登場する予定の(本)です。よろしくお願いいたします。

新しいことを始めるためにはにはたくさんの準備がいります。

いろいろなことを覚えなければならなかったり、
新しい材料や道具をそろえたり・・・

それが大変なのですが、楽しくもあります。

若いときには簡単に身につくことでも、
歳を追うごとになかなか頭に入ってこなくなって。

しかし、がんばるという気持ちは若いころより大きくなった気がします。

最近、空をよく見るようになりました。

雲の形、空の色。

晴れた日は夜の雲や月を見るのも気持ちがいい。

一瞬として同じ形がないことは、人のも同じ。

「今」が一番大切なのかも・・・

今更ではありますが、とても実感するようになりました。

気持ちが変わらないうちに…。

 3、11以来友人の間では「整理」が一つのキーワードとなっているようです。

 先日会った友人は、バブル期に大枚はたいて手に入れた巾1メートル以上もある信楽焼きの陶板と大皿を、滋賀県のお寺に寄付したばかりとのこと。

 一人住まいで二つの作品の落着き先を思いあぐねていた時、寺が全焼した新聞記事を見て、ここだと直感的に決めたが、忙しさにかまけそのままになっていました。

 3,11をきっかけに今しかないとやっと念願を果し、ホッと一息ついたところだそうです。

 お墓にまでは持っていかれないから、余分なものは極力持たないと思いつつも、身の回りにはいつの間にか思い出の品物が山積してしまいます。

 友人はリストを作って、これからも機会ある毎に思い出の品をプレゼントしていくつもりとのこと。

 話を聞きながら、昨年亡くなられた方の奥様から頼まれていたことを思い出しました。
まだ手付かずのままになっている2部屋いっぱいのフィルムの整理を手伝って欲しいと。

 よし、この際だ。友人を総動員して一気呵成にやってしまおう。
 気持が変わらないうちに・・・。

お1人おひとりの出会いが次の出会いを生んでいきます

 先日、半年程前に千葉のお母様のご葬儀を無事執り行った方から、今度はご自身のご葬儀のご相談を受けました。
 まだお元気ですが、免許の書き換えではたと思いつき、「息子達が慌てないように今から葬儀の準備を。前回がよかったので、今回は地元埼玉でお願いしたい。時間を取って葬儀社さんからじっくりお話を伺い、その中から決めておきたい」とのことでした。
 候補はお任せしたいとご信頼をいただき、ご紹介した者として改めて身が引き締まる思いです。

 お1人おひとりの出会いが次の出会いを生んでいきます。
 当センターでのリピーターの方々も年々増え、アンケートでも「是非推薦したい~知人よりご相談をうけたら推薦する」までが多くを占めております。

 お父様をお送りされた方は都心にお住まいの独身の叔母様を、またお父様についで3ヵ月後にお母様を同じ担当者で是非お願いしますとご連絡をいただき、不謹慎ながら思わずご返事の声も弾んでしまいがちの時もありました。

 また、友人のご葬儀にご列席の方からも、担当者の奮闘振りを見て「私の時もお願いします」と名刺の交換をされた方もいらっしゃるようです。

 中には思わぬアクシデントがありましたが、その時の担当者の対応に感動され、再度今回もお願いしますとのご連絡をいただいた折りには、担当者共どもほっと安堵したこともありました。

 常に担当者は如何に早くご喪家を安心させ、ご喪家と同じ目線に立って行動できるかに掛かってきています。

 以前、担当者からご葬儀は究極のサービス業であると伺ったことがありましたが、リピーターの方々の声を聞くにつけ、頷くことしきりです。

最期のお花はなににしましょう…

 垣根越しに咲き乱れているお花が一年で一番綺麗な季節になりました。
 先日も知人宅のお庭で丹精込めて作られた薔薇の香に包まれながら、お茶をいただき、至福のひとときを過ごしました。

 お花は人の心にいつしか安らぎを与えてくれているようです。
 人は誕生から最期まで何時でもお花と寄り添って来ています。
 最期の最後までご縁が切れません。

 ご葬儀の立会いに伺った折にも、柩いっぱいの花びらに囲まれるとお顔は一段と明るく見え、今にもパッチリ目を開かれるのではと、ドキッとさせられることもしばしばでした。
 最近ではご葬儀で故人様のお好みのお花を指定される方も増えてきました。
 色を指定される方、お花の種類を指定される方それぞれですが、仏式だから薔薇はダメとかの基準も、最近ではお好みのお花が優先されるようになってきたようです。

 母の日近くには真っ赤なカーネーションを出来るだけ沢山、また大好きな胡蝶蘭を、忘れな草を、カスミソウをアレンジしてとご指定が入ります。

 中でも無宗教葬の方のご葬儀は印象的でした。
 祭壇を作らず柩を白薔薇で飾り、献花もお花入れも全て白薔薇で統一し、最後に奥様だけが真紅の薔薇一輪を手向けました。
 その鮮やかさが今でも目に浮かびます。

 また、石楠花寺として異名のあるお寺の会館では朝採りの石楠花を惜しげもなく、柩に手向けているとのこと。
 チベットのブータンから持ってきた石楠花は仏の花として思いがけないプレゼントにご遺族も大喜びだそうです。

 今度、エンディングノートに書き留めておこう。
 最期のお花は何にしようかと。
 しかし、花好きにとって、まだまだあれこれと目移りしています。

第1印象は3秒で決まり…

 対人関係の仕事をされている方にとって相手に与える印象は、大いに気になるものです。
 ご葬儀の担当者にとっても、それはご葬儀全体の良し悪しまで左右しかねない程のインパクトを持って、迫ってくるようです。

 ご葬儀後のアンケートで忌憚のないご意見を伺っておりますが、傾向としては一つの好印象が全ての事にまでプラスに働く一方で、発端は小さなことでもお気に召さないことが気になり、傍から見ていても落ち度は感じられない場合でも、ご評価頂けないことがあります。

 先月頂いた方のアンケートでは以前契約された葬儀社の担当者の対応ぶりが胡散臭く、どんぶり勘定だったという印象が強く、そのことが強烈に残っていらしたようで、今回お願いした方には文句がつけようにないほど完璧で素晴らしかった、と絶賛されていらっしゃいました。
 特に会計の透明性、リーズナブルなお値段、センスのよさ、アドバイスの的確さどれをとっても満点をあげていただき、ご紹介した賛同社共々大いに恐縮してしまったことがありました。

 その一方で、最近頂いた中に一定のご評価をされながらも、担当された方への少々手厳しいご意見を出された方もいらっしゃいました。
 担当者の立ち振る舞いを気にされたようです。
 黒子であるべき担当者が一生懸命すぎて目立ったことが主たる原因のようです。
 改めてご葬儀の主役はご喪家であることを肝に銘ずる一件でもありました。

 第1印象は3秒で決まり、1年以上もその人の脳裏に残るとも言われています。
 人に与える印象は影響力が大きく、事程左様に人の印象一つで全てがどんでん返しされることにもなりかねません。
事前のご相談でお時間が許せるならば、お見積りを取られた後、担当者と面談されることを推薦いたします。
担当者の印象や気が合うかどうかもご判断でき、人となりもご理解いただけるのではと期待いたしますが・・・。

臨機応変に対応できるのは地域密着型。

 最近は葬儀社さんのホームページをあれこれと検索し、数社をピックアップしてみたものの、何を基準に比較検討してよいのか益々混乱状態に陥りご相談される方も増えています。

 一方、ネットで見る葬儀社さんもエリアを広げ、中には社から遠く離れ関東一円を網羅しているところも見受けられます。
 勿論、どこでもネットで出している以上、対応はできますが、矢張りきめ細やかさ、臨機応変さにおいて地元密着型に1歩譲るところが出てくるようです。

 当センターでのご紹介はこの地域密着型で、地域の斎場に精通している賛同社のみになります。
 事前に相談され見積りを取っておいても、万が一の時にご希望の斎場をご希望の日に確保できるかどうかは難しく、特に火葬場併設の斎場は1週間近く待たされることがあります。
 ご喪家によっては時間が待てない方も出てきますので、急遽他を当ることになると、地元に詳しい葬儀社さんが有利になります。

 斎場によっては、斎場独自の取り決めを、前もってご喪家に知らせておく必要があったが、地元以外の葬儀社はそこまで把握しておらず、ご喪家は当日知らされ慌てたということもあったようです。
 その一方で、賛同社の担当者の中には第4、第5の隠し球的存在の地元の方しかご存じない式場までチェックし、「困った時の○○だのみ」とまで言って常に準備万端整えている方々もいらっしゃいます