葬儀関連のインターネット広告は激戦

 われわれがたとえどんなにいい活動をしようが、それを知ってもらわなけらば事業は継続できません。

 この知ってもらう方法にはさまざまありますが、有力な方法の一つが広告です。とくに、莫大な広告費を使えないところの救世主みたくなっていたのが、インターネットの検索キーワードに対応したキーワード広告といわれるものです。

 ヤフーやグーグルの検索ページの上部や右側に表示される囲みの広告がそれです。入札制でより高い金額で入札したところが上位に表示されます。確かに数年前まではこの広告に目をつけている葬儀社は少なかったので、やりかたにもよりますが費用対効果があったところも多かったと思います。

 しかしながら、この広告も現在激戦になっています。当センターでも先日この広告を久方ぶりにチェックしていましたら、入札金額の高さと参加している社の多さにびっくりしました。
 
 何はともあれ、いつの時代でも媒体が変われど知ってもらうということは大変なことです。

「火葬のみ」のお別れの仕方

 少し前頃ですと葬儀・告別式をせずに火葬のみというのはまれで、何か特別な事情でもおありになるのかと一瞬でも伺う方にもためらいがありましたが、最近では相談に乗る機会がかなり頻繁になってきました。
 状況が以前とはかなり様変わりをしてきたように思われます。
 経済的理由だけでなく、故人の意思を尊重する形も増えてきたようです。
 先日、当センターのスタッフがお受けしたのもそのような1件でした。
 病院での長患いのため、1度ご自宅に帰り、翌日火葬にしたいとのご遺族の要望でした。
 久しぶりにご自宅にお帰りになった夜は、故人を囲みご家族皆さんで積もる話をされ、1晩ゆっくりなさったようです。
 翌日午後火葬場には遠方からのご親戚も集まり、告別ホールでの短い読経で最後のお別れをした後、ご遺体は火葬へと移されました。
 
 火葬のみの場合は最後のお別れの読経も告別ホールあるいは火葬炉前と火葬場により違ってくるようです。
 読経時間も5分以内から相模原市営斎場のように15分から20分位までできるところもあります。
 大方は告別ホールで最後になりますが、八王子市営斎場のようにお花入れや読経を火葬炉前で行うことができるところもあるようです。
 
 

葬儀総予算(葬儀一式+実費費用+お布施代)はどの位掛かるのか

 葬儀に関係する費用はいったいどの位になるのだろうか。 
 予期しない葬儀費用がどの位かかるのか見当がつかないと困惑される方からのご相談が当センターにも沢山寄せられます。
 また葬儀後にどの位掛かるかわからないので、できるだけ葬儀費用を抑えたいと希望される方もいらっしゃいます。
 イメージができ難く、見当がつきにくいのが現状でしょうか。
 おおよその費用を少し当たって見ましょう。

 勿論一口に葬儀費用と言ってもピンからキリまで様々ですが、東京都に例をとってもごく一般的な葬儀に関する費用では公正取引委員会が提示した金額に比べ、当センターの賛同社が施行した葬儀費用はかなり抑えられているようです。

 まず葬儀社に支払う葬儀一式費用と葬儀社が手配して用意する式場費、霊柩車代、マイクロバス代、搬送代、飲食代、火葬代、骨壷代、返礼品代等の実費費用とお寺さんに払うお布施代が葬儀総予算になります。
 よく葬儀社の葬儀一式とお葬式全体に掛かる費用一式を混同されている向きがあるようですので注意しましょう。この認識の違いがトラブルの原因になるようです。
 また葬儀一式と言うのは、葬儀社により違いがでてきますが、祭壇一式、棺、人件費がメインの祭壇セットと呼ばれているものとセット以外の必要品でオプションになっているものになります。
 お布施代は菩提寺がある場合、お寺さんのランク等でも戒名に差が出てきますので、お寺さんとのご相談になります。但し、葬儀社からの紹介ですと概算見積りの段階でおおよその金額が提示されます。金額的には俗名で25万円~30万円、戒名つきで35万円以上あたりになるようです。
 
 会葬者50名(うち親族20名)の場合(例)
 葬儀一式50万円、式場費20万円、車両関係費(霊柩車、マイクロバス、搬送車)12万円、火葬場関係10万円、飲食代22万円(通夜親族はお一人様ずつ、一般会葬者は人数の半分。精進落としは親族の人数分として計算。お布施代25万円
 おおよそ140万円と言う見積りがでてきました。

 

 
 

再度同じ葬儀社に依頼したくない理由について

 「葬儀施行後、48%の人は、再度同じ葬儀社に依頼したくない」(2002年、矢野経済研究所。東京都の場合)の話を当センターのホームページの中で紹介しています。

 これをご覧になった依頼者の方から、この理由について質問を受けました。何が問題で依頼したくなくなってしまうのでしょうか、と。

 一般的に行われているアンケートなどでは、一応、「予定より派手になってしまったっから」「費用の追加支払いが多くなったから」「形式的になりすぎたから」というような理由が上位を占めます。

 一応と書いたのは、表面的にはこうした理由で間違いないかもしれませんが、本当のところは少し違っているのではないかと思うからです。

 これまで数多くの相談を通して思うのは、支持されない葬儀社というのは次のようなところだと思っています。

 上記のような理由を言われてしまうほどに、依頼者が本当は何を考え望んでいるのかを、よく探り出そうとする努力もせず、そんなこととは関係なく、表面的なやりとりで施行していこうとする風土をもった会社。

 要するに、心あるコミュニケーションができない担当者がいる葬儀社には、再度依頼したくなくなると思うのですが、いかがでしょうか。

葬儀担当者の極意とは・・・・

 お葬式と言うと一般的に金額的なことに集中しがちですが、実際に施行される段になると担当者とのやりとりがいかに重要であるかが、身をもってお分かりになるようです。
 通夜、葬儀、告別式と一連の式の流れや時間は同じでも担当者の采配ぶりで大いに差がでてきます。
 担当者が責任を持って最初から最後まで丁寧に面倒を見ることを前提にしても、尚且つ違いがでてくるのはどんなところに要因があるのだろうか。
 
 あるベテランの担当者は「個人経営なので1から10までやることになり、ご喪家の顔を見ながらやっていくので、接しているとその時その時何に困っているかが分かります。
 予想外のことがあっても臨機応変に処理し、迷っているときにはアドバイスができることです。
 この仕事は特にその場の判断能力が大切です」とのことでした。
 傍で見ていると、いつの間にかご喪家の方々皆さんがこの担当者に頼りきっているようです。

 別な担当者は「我々はサービス業ですから初めて会った方といかに短時間にこなれてしまうかが大切です。
 この人は大丈夫だと言う安心感を持たせ、相手の方がもううちに入っていいよと言うようにすれば、相手も聞きやすいですし、その時間を如何に詰めるかにかかってきます。
 十人十色で色々な事情を抱え葬儀を出そうという方々ですから、早めに打ち解けるのが大事。
 日程から始まって色んな話を聞いて写真をお預かりする時には生前の人となりが分かってきます。
 葬儀社によっては何でもリードする所もありますが、葬儀屋の葬儀ではないですからとことんご喪家と二人三脚で一緒に歩きましょうという姿勢です」。式には全て反映されるようです。
 黒子に徹しながらも、その気配りとさりげない応対ぶりに定評があります。

ご自宅への搬送に特別支障がない限り、一度お帰り頂くのがベターだと思います。

 当センターの賛同社から見積りを取り、郵送しようとした矢先に「父が急変しまして、今亡くなりました」との電話が入りました。
 受話器をそのままにしていただき、その間すぐさま葬儀社に連絡いたします。
 病院には1時間以内に到着できることを確認し、その旨を電話口に伝えると先ほどからの緊迫した空気が和み、少し落ち着きを取り戻したようです。後は搬送から火葬まで全て葬儀社の担当者が面倒をみてくれますのでご遺族は安心してお任せしていただきます。
 私どもが緊急時から見積を取る時まで必ず初めにお聞きするのは搬送先。
 自宅か自宅以外のところになりますが、都会では自宅以外が大多数を占めています。
 昨今の集合住宅事情やら、地域のコミュニケーション不足等からかご遺体はご自宅を素通りして斎場の安置所、葬儀社の安置所、寝台会社の安置所等に預けられます。
 したがって、故人にとって病院に入院する時が家との最後の別れになってしまうようです。
 私事になりますが、10年ほど前伯父の葬儀の時自宅に戻らずいきなり斎場に安置されたことを聞き、ビックリしたのと同時になぜという疑問が残ったことが思い出されます。
 ご自宅への搬送に支障がないようでしたらできるだけ一度ご自宅にお帰り頂き、住み慣れた我が家から出発されるのも故人への最後のプレゼントにならないでしょうか。
 自宅以外の場所に搬送され、大勢の会葬者と豪華な祭壇に囲まれ、静々と執り行われる通夜・告別式がある一方で、このところ病院からご自宅に搬送され、一晩ゆっくりご家族と過ごし、翌日火葬に向われるというシンプルなケースが立て続けに見受けられました。
 質素倹約だけではない家族の繋がりが感じられ、見送り方の多様性も芽生えてきたよう思われます。

葬儀社に電話をかけるまでの心の準備が大変です・・・。

 日曜日の昼過ぎ、「あっ、今日はお休みではないですね」受話器を取ると一瞬の間があり、「5分後に掛け直します」いきなりガチャリと切られてしまいました。
 しばらくして、意を決し緊張した口調で「先程、お電話したものですが・・・」と話を切り出された奥様はご主人が末期がんで予断を許さない状態との由。
 当センターのホームページを見た友人からそろそろ準備をしておいた方が良いのではと背中を押され、掛けられたご様子です。
 最初はどこからどう切り出して良いのか戸惑っていらっしゃったようですが、お話をお伺いしていくうちに、菩提寺も無いのでむしろ散骨を希望されていたこと等、ご主人がお元気な頃おふたりでよく話し合ったことを思い出され、気持も次第に整理されていらっしゃるご様子でした。
 大好きなお花に囲まれ、ご親族だけで見送りたい。直接葬儀社の担当者とご相談したい等のご希望を踏まえ、ご要望に合う葬儀社をご紹介する頃には熱心に色々質問されていました。
 「ご紹介頂いた葬儀社には明日必ずお電話致しますので、よろしくお伝えください」元気な声で受話器を置かれました。受話器の向こうのホッとした様子がこちらにも伝わってくるようです。
 まずは第一関門を突破ですね・・・。

葬儀業界をサービス業の中に明快に位置付けてみてはいかがか

 財団法人・日本消費者協会が出している小冊子「月刊消費者」の特集号で「エンディングプラン 葬儀費用編」というものがありますが、その中で、信頼できる葬儀業者選びのチェックポイントとして、以下の3つのことがあげられています。

 1、電話などで問合せたときの対応が親身であること。
 2、見積書や資料、パンフレットなどをすぐ提供してくれ、わかりやすい説明をしてくれること。
 3、担当者が最後まできちんと担当してくれるかどうか。

 たしかに、葬儀社とのやりとりに慣れているわれわれの視点からすれば、まさにこの通りだと思います。

 ある程度の量と質において葬儀に関する知識を持っていて、なおかつ、かなりの葬儀社を回って自分の眼で確かめているという前提のもとでです。

 一般の人がチェックポイントにするのは少し難しいかもしれませんが、それでも、葬儀業界に特別な感覚で対するのではなく、サービス業界を見る常識的な視点で対する姿勢を持てば、そうそう間違った葬儀社選びにはならないような気がしています。

遠くて近くは菩提寺との仲

 「メールでは東京で葬儀をすることを前提にお伺いしていましたが、こちらで火葬のみにして青森にある菩提寺で葬儀をしたいのですが・・・」
 電話口の依頼者は、少し申し訳なさそうな様子です。
 かつては菩提寺のご住職が中心になって葬儀を取り仕切っていました。
 時代の変化とともに現在では表向き、葬儀社の担当者が黒子になり、ご喪家を支える形に変わってきましたが、菩提寺の存在はそのままです。
 菩提寺の墓に埋葬するには、ご住職の機嫌をそこねるわけにはいきません。
 お亡くなりになったら、まずは菩提寺に一報を入れ、指示を仰ぎます。それを最優先にして物事を決めないと後で物議を醸す原因にもなりかねません。
 
 遠方の場合でも同じですが、菩提寺からわざわざ駆けつけていただけるとは限りません。
 ご喪家からこちらで火葬にして菩提寺で葬儀を希望されても、前もって菩提寺の承認が必要です。時にご遺体ごと戻って全て菩提寺でやってくださいと言われることもあるようです。
 火葬のみの場合も火葬場内の読経は少しの時間ですが、これも菩提寺に了解を取る必要 があります。なかには、菩提寺さんのご紹介の方でということもありますので。
 
 また、すでに担当者と打合せ済みでも、「こういうことになりますが、如何ですか」とお伺いをたてることも大切です。
 担当者が「菩提寺の方には丁寧にご連絡しておいてください」と申し上げて式場確保に出た後、若い依頼者がファックスで菩提寺に連絡した為、ご住職の逆鱗ふれたことがあったそうです。
 ご住職にしてみれば、お亡くなりになればすぐ相談にご遺族が出向くのが当然と思っていたのに、ご喪家で勝手に葬儀社を決められ、なおざりにされしかも亡くなられたことをファックスで送られたことにショックが大きかったようです。
 ご親族が集まる枕経の席で葬儀の出席拒否までこじれ、一時はどうなることかと周りをはらはらさせましたが、ベテラン担当者の配慮により、無事執り行うことができました。

 
 

「お葬式が終った後はどうすればよろしいですか」

 「お葬式の後はどうすればよろしいですか」電話口で唐突に聞かれることがあります。
 準備もないまま突然訪れる死に戸惑い、それでも葬儀が終るまでは葬儀社の担当者や周りの方の手伝いがあり、ベルトコンベアーに乗せられた状態で来れますが、終って我に返った後は自分で処理しなければならない問題が沢山横たわっています。
 遺品の整理、香典返し、相続の問題、埋葬の問題、お墓の問題等、問題は山積しています。
 関東地方では通夜から告別式まで殆どの方は自宅以外の式場で済まされ、本来ならば初七日法要も7日目に行われるのを告別式の後に、繰上げ繰り込み初七日として繰り込まれることが多くなりました。
 香典返しも即日返しと称してお香典を持っていらっしゃった会葬者の方々一律に3千円前後の品物を礼状に添えてお渡しすることが多くなってきました。少しアバウトな半返しですが、特に金額が大きい方以外はこれで済ませてしまうことになります。通常の返礼品の場合は49日に改めて品を挨拶状と共にお送りすることになります。
 本来の意味から少しずれを生じても忙しい都会生活に組み込まれて行くようです。
 仏式では49日の法要が待っています。ご遺族ご親戚、故人の友人知人が集まり、遺骨は通常この日に墓に納骨、埋葬しますが、規定ではありません。
 埋葬するためには墓石、墓誌に名前を入れる必要になりますので、3週間位前に石屋さんに手配をお願いすることになります。
 菩提寺を持たない方で、公園墓地を購入済みの場合は、出席者が広い霊園でまごつかない為にも墓地の管理事務所に集合し、喪主が引率してお墓に行き、埋葬、読経してもらい、お線香をあげた後皆さんで会食になります。無宗教の方は読経がはぶかれます。 
 お寺の墓地を購入された方はお寺の控室に集合し、本堂でお経をあげてもらった後、墓地に埋葬します。読経、お線香をあげた後、会食となります。
 法要の時のお布施代はまちまちですが、あるベテランの担当者に伺うと、ご葬儀の時のお布施代の1割を目安にするとよいとのこと。関東地方の場合は1割をくだらないようにと言われているようです。
 お布施代50万円ですと5万円になりますが、49日と新盆はプラスアルファーで7~8万円といったところだそうです。開眼法要で白木のお位牌から魂を抜き、塗りのお位牌に魂を入れ、それに読経代が加わります。
 但し、地方に帰って、埋葬の場合はこの限りではありません。地域によっては昔からの風習が残っているところもありますので、地元の親戚の方に伺うのが一番とのことです。