最近、互助会関連の相談が増えています。

 相談内容別に統計を取っているわけではないので、正確な数字はわかりませんが、互助会で施行するかどうか迷って当センターへ相談される方が増えてきていると感じています。

 ここ一カ月ほどの間で、故人などが互助会の会員でそこで葬儀をできたにも関わらず、当センターの紹介社で施行された方が3人いらっしゃいました。

今日受け付けた相談では、まだ互助会には入っていないが、親の葬儀の準備をしてるなか、互助会に勤める旧知の知り合いに相談したら入会を勧められたが、どうしたらいいのだろうかというような内容でした。

 互助会は、経済産業大臣より許可を受け、割賦販売法に定められた指定役務(この場合、葬儀サービス)の提供を目的とした前払い式特定取引業を営んでいる事業者のことです。
  要するに、互助会は、会員が毎月掛け金を積み立てて、その積立金をもとに葬儀を施行してくれる葬儀社です。そして積立金の半分は、万一会社が倒産しても保全されます。
  ここで注意が必要なのは、経済産業大臣の許可は、あくまで会員から積立金をとる営業方式を認めたものなので、 葬儀社のよしあしはまったく関係ないということです。大臣の許可を優良葬儀社の証のように宣伝しているところもありますので、気をつけたほうがよいでしょう。
  また、互助会と依頼者とのトラブルがいろいろ起きていることから、公正取引委員会は「葬儀サービスの取引実態に関する調査報告書」(2005年7月)の中で次のように指摘しています。

事業者における留意点 互助会加入契約時に、消費者に対して積立金完納後の割増サービス、解約の際に払い戻される積立金の額、互助会が倒産した場合の保全金額等の契約に関する諸条件について十分に説明する必要がある。

消費者における留意点 互助会加入契約を締結する際、その契約に関する諸条件の内容を十分に理解することが望ましい。

葬儀費用を抑えたい方は区民葬をもっと積極的に活用してみましょう

 東京都の場合の区民葬は嘗て都民葬と呼ばれ、当時は葬儀を自宅でやり、ご住職が主導権を握り取り仕切っていたので、都が祭壇を貸し出したのが始まりだそうです。
 全東京葬祭業連合会に加盟している葬儀社で受け付けていますが、区からの補助金なしで執り行っているのが現状です。
 取り扱っている葬儀社の方が「我々業者がある程度犠牲になってやっているんですよ」と言っているようにA,B,Cのランクに分けられた祭壇料はかなり抑えられています。
 Aランク・247,800円、Bランク・130,200円、Cランク95,550円(いずれも御寝棺含む)となり、連合会としてはCランクを免除して欲しいと区に掛け合ったが、逆に区としてはこれを看板にしたいと意気込んでいるとのことです。
 ご喪家側としては葬儀費用を大きく左右する祭壇費用をまずは抑えることができます。
 祭壇の他に区民葬の対象となる費用は霊柩車代、火葬代、遺骨収納器代が挙げられますが、葬儀社の葬儀一式と同じように、これで全てまかなえるものではありません。
 逆に含まれていないものはドライアイス、遺影写真、会葬礼状、返礼品、飲食代、生花、御供物、マイクロバス、斎場使用料、お布施代などが挙げられ、会葬者が多い場合は人手も要りますので別途人件費が掛かるようです。それでも総費用はかなり抑えられます。
 以上のように費用は抑えられるけれども、祭壇の選択はできませんのでシンプルすぎると思う方は、別途料金で生花を飾ったり、故人愛用のものを飾りオリジナルな演出を試みては如何でしょうか。
 ご利用方法はまず、区役所に医師の死亡診断書を提出する時、利用券の交付を申請し、それを持って区民葬儀取扱の葬儀社と契約することになります。 
 

「通夜振る舞いは飲んで沢山食べてあげるのが供養になりますよ」

 よいお葬式だったと後々言われる大事な要素に通夜振る舞いのもてなしがよく挙げられます。
 通夜のお清めの料理は美味しくない上に、時間が経ってぱさぱさで・・・と時々小耳に挟みますが、昨今はこの食事にこだわりを見せる葬儀社の担当者も増えてきました。
  お式はできるだけ質素に、その代わりにわざわざお出で頂いた方には美味しいお料理で十分にもてなしたいと言うご遺族の気持を汲んで、今までに60社以上の仕出屋さんを当たり、一つひとつ吟味しながら、やっと満足するものになりましたと言う担当者もいます。
 
 先日立会いに伺った葬儀の担当者も「通夜ぶるまいは沢山食べてくれるのが供養になりますので、ご焼香を終えられた会葬者お1人おひとりに声をかけて食べて貰いました」。
 会葬者数の割には質素な会場でしたので、故人の会社関係の方は「密葬でやるつもりだったのかな」と耳打ちされていた位でした。
 ご焼香が済んで、二階のお清め所に上がるには、階段下でスリッパに履き替えるか、ビニール袋に靴を入れて持ち運ぶかになります。お客様も多く、少々面倒なので、そのまま失礼しますと帰られる方もでてきました。
 ところがまもなく皆さん引き返して来て、「やっぱり飲んでいくか」と2階に上がられました。
 フローリングの床に座布団を敷き、あぐらをかいてリラックスされ、ご自宅でもてなされている感じでゆっくりじっくり飲まれ、満足してお帰りになったようです。 
 
 初めの見積りでは100名分のお料理でしたが、会社関係からの問い合わせや供花の数からかなりの増員が見込まれそうなので、担当者から「飲み食いは残る位がよろしいですよ」と申し上げ、納得して頂いたとのことです。結果、ご親戚の方が美味しいからと少しお持ち帰りになり、喪主の分が足りない位でした。

手元供養品の社会的必要性

 葬儀業界の不透明さを背景にした情報格差によりご遺族側が不利益をこうむらないために設立された機関として、「あさがお葬儀社紹介センター」は平成16年3月に設立されました。

 現在、一都(東京)三県(神奈川、埼玉、千葉)の主要都市でサービスを展開し、年間300件ほどの施行をサポートしています。

 私は、このサポート業務での葬儀後のやり取りをとおして、手元供養の社会的必要性を感じ、紹介業務の傍ら、手元供養品の開発について考えてきました。2年余りにおよぶ開発期間とテスト販売をへて、今夏から本格的に販売を開始しました。納骨・供養の基礎知識なども解説していますので、よろしければご覧ください。

手元供養は御影のお守り

親戚とのパイプ役にもなるマイクロバス

 葬儀には1台のマイクロバスが色々活躍します。
 通常、斎場からご家族ご親族を火葬場に案内するのに使われます。
 斎場で精進落としをする場合は斎場と火葬場の往復になり、火葬場の控室でお食事会やおときになれば最寄駅までお客様をお送りする役目になります。
 その他、最寄駅から通夜や告別式のお客様を斎場にお連れするのにも使われます。
 
 先日立会いに伺った葬儀社の担当者はマイクロバスを使ってご喪家の親戚の方々に大変感謝されたようです。
 斎場から火葬場に向い、火葬中の控室でおとき(精進落とし)を済ませたご親族に「帰りはマイクロバスでご自宅に寄り線香の一本でもあげて行きませんか」と進言されたそうです。
 「最初帰りの新幹線の時刻を気にされていたご親戚には3時半に最寄駅までお送りしますと約束し、一同でご自宅に伺うことになり、短い時間でしたがお線香をお1人ずつあげることができました。遠方のご親戚の方は初めてお伺いする方が多く、ホッとなさったようでした」。
 都会では特に結婚式からお葬式まで自宅に親戚を迎えることが殆ど無く、伺うきっかけがつかめないままになって気が咎めていたようです。
 故人が引き合わせてくれたような気配りに満足され、最寄り駅に降り立ったご親族の方々は一様ににっこりされ、担当者に労いの言葉をかけてお帰りになられたとのことです。

通夜の喪主の役目は駆けつけて来てくれたお客様にご挨拶とお礼をすること。

 お葬式の弔問客は地方の場合通夜よりも葬儀・告別式がメインですが、都会では友人知人の殆どが通夜に参列され、葬儀・告別式はごく身近な方中心になるようです。
 忙しい生活の中、なかなか会えない友人・知人も最後の別れには取るものも取りあえず駆けつけてくれます。
 ところが、折角駆けつけてきてくれたお客様に当の喪主は中々お礼を言う機会がありません。通夜の弔問客が来る頃には葬儀社との打合せ、ご住職との打合せに没頭され、時間が取れません。読経が始まれば喪主の役目を果たすべく、ご家族・ご親族の並ぶ最前列に着席し、遠方から会釈する程度になってしまいます。
 一般会葬者はご家族・ご親族の後ご焼香となり、そのまま係に誘導され簡単にお清めをし、お帰りになるので、ご挨拶もままならない状態です。
 
 葬儀の立会いに伺った時、ベテランの担当者にこのことを問いただすと通夜の式はもっとくだけてワイワイなった方がよいのではと。
 「通夜は折角来て頂いた会葬者とお話しすること、目を合わせることが大切」が持論とのことです。
 そのために通夜の喪主席は一般会葬者のご焼香台の手前になるようです。200名近くの前日の通夜でも喪主の方はお一人お一人に挨拶され、3人ほどは立ち話になってしまわれたようです。
 読経途中担当者は喪主の方を促してお清め所に行き、お客様にお礼を言うように進言されたようです。
 若い喪主の「有難うございました」のご挨拶に故人の友人・知人の方々は一様にホッとされたようで、ビールが随分出たとのことです。
 
 

仏式での葬儀

 現在のところ、当センターが取り持つご葬儀の8割方は仏式が占めています。
 仏式と言っても浄土宗、浄土真宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗など宗派は様々ですので、その時になって慌てないためにも前もってご自分の家の宗派を確認しておく必要があります。

 事前相談のやりとりでも仏式で執り行うことは分っていても、宗派についてはなかなかすぐに答えられない方がいらっしゃいます。
 ご仏壇をお持ちの方はご本尊やお位牌を見ていただければ戒名の文字で宗派が分りますが、お持ちでない方はご親戚に問い合わせをされたり、ご実家に確認しておくようにしましょう。間違えてご葬儀の最中にご親戚から指摘された例もありますので。

 仏式のご葬儀でご相談が多い筆頭に挙げられるのがお布施の問題です。
 菩提寺が無い場合は葬儀社の方でご手配できますので、各社それぞれ多少の違いはありますが、相場としての見当はつきます。

 問題は菩提寺がある方です。特に菩提寺とは日頃疎遠になっていらっしゃる方から見当がつかないから相場を教えてほしいとよくお問い合わせいただきます。
 しかし、これは菩提寺との関係でおこころざしですので、我々は口が挟めません。

 同じ菩提寺の壇信徒さんやご親戚にお伺いし、相場をお知りになった上で、無理なようでしたら直接菩提寺にご相談されては如何でしょうか。
 同じ戒名でも菩提寺の格や諸々の条件によりかなりの差がありますので。

 菩提寺をお持ちの方は万が一の時真っ先に菩提寺にお伺いを立て、ご指示を仰ぐことが大事です。
 菩提寺が遠方だからといって、ご喪家が勝手に地元から選ぶのではなく、あくまでお伺いをたて、ご指示に従いましょう。
 ことによってはこちらでご手配することになるかもしれませんが、その場合にも菩提寺からは出来るだけ戒名をつけていただきましょう。

 ●仏式の葬儀
  ↑↑↑当センターのホームページでは仏式の葬儀について宗派が分らない方に見分け方を、また戒名やお布施についての心得を説明しています。

ご自分の葬儀を考えたことありますか?

 一生の内に経験する儀式の中には時代とともに消えてしまったり、特別な人だけが継承するだけになってしまったことが沢山ありますが、唯一絶対的に残るのはお葬式だと思います。
 そのお葬式も時代が変わっても変わらないものの代表のように言われていましたが、生活様式や意識変化により様変わりを見せ始めています。
 
 これから親の葬儀の準備をする方も、すでに見送られ後悔の念をお持ちの方もご自分の葬儀を考えたことはありますか。
 自分だったらこうしたいと言うことを具体的に決めておきましょう。
 もしも本人が事前に決めておけば残されたご家族のためにもなり、それよりも何よりも自分の心の準備になると思います。始めるのは何時でも構いませんが、思い立ったが吉日です。
 心の整理にもなり、これからの生き方を考えるきっかけにもなると思います。
 情報を集めたり、具体的なことを考えることができるのは元気な時です。
 葬儀に関心を持つ一つの手立てとして葬儀に対する疑問や不満を考えることだとも言われます。
 
 今年の春頃受けた事前相談の一つにご自分とご主人の葬儀の件がありました。
 おふたりともご高齢ですが元気ですので、自分達の葬議場の下見をご主人の車で回りたいとのことでした。
 ご要望は以前お母様を見送った時、斎場が遠くお断りしたことがあるので交通が便利な駅の近くを。すでに霊園墓地が20年前に購入済みなので戒名は要りません、本当は無宗教でもいいくらい。葬儀は質素に、しかしお料理だけは来て頂いた方に十分堪能していただきたい。お返しは礼状だけ、後はお清めのお塩だけで十分です。子供と孫と双方の兄弟だけの家族葬でとのことでした。
 さっそく地元の葬儀社から見積りを取り、担当者と待ち合わせて斎場を回り説明を受け、さらに具体的にお聞きになり、お任せできると判断し再度見積りをお取になったようです。お礼のお手紙には、いつになるか分かりませんがこれで安心して生活出来ますとの由。
 

自分らしい葬送を考える総合展が明日から3日間開かれます。

「自分らしい葬送を考える総合展」(NPO手元供養協会主催)が明日から3日間のスケジュールで東京・渋谷で開かれます。

 講演やフォーラムの内容は以下のようなものがあるそうです。

最新の葬送事情、生前準備と葬儀、手元供養とは、現代のお墓事情、供養・納骨の色々、散骨と樹木葬などです。手元供養品などの展示コーナーも設けられるようです

日程 8月28日~30日 開場10時~17時
参加費 1日券1000円、3日間通し券2000円
会場 第3久我ビル4階(渋谷区渋谷3-28-8)

 関心がありそうなテーマがあるようでしたら、行かれてはいかがでしょうか。

 

団塊の世代が葬儀を変える・・・・。

 戦後の新しい世代として60年代のアイビー族を代表する団塊世代が定年を迎えるにあたり、世
間では第2の人生の活用法をあれこれ取り沙汰し、皆さんもまだまだやる気いっぱいのようですが、一転して家庭に目を向けると親の介護問題が重くのしかかっているのも現実です。
 厳しい介護にあけくれして、その果てに控える問題についてまでは思いが至らず、その場に直面し初めて事の次第を知ることになるようです。
 故郷を離れ、身近に昔からのしきたりを教えてくれる方も見当らず、親も高齢化で友人知人も少なくなり、どのように見送ってあげられるか戸惑っている方が多いのも実情です。
 しかし、その団塊世代の戸惑いが従来通りのやり方に疑問を投げかけ、暗中模索の中にも自分流を断固実行される方も出てきています。
 直接故人とは関係ない方々にはご遠慮願い、親しい方あるいは家族親族のみで静かに見送りた
いと希望される方がここ1~2年目立って増えているようです。
 中には、葬儀・告別式を行わずご家族だけで火葬に立会い、後日お別れ会を希望される方もいらっしゃいます。
 ご遺族が密葬、家族葬と希望されても当日予定の何倍かの会葬者になってしまう現実もありますが、それでも徐々に家族葬への認識がマスコミやインターネットを通じて広がっています。
 先輩たちがずっと引き継ぎ、世間とのずれに目をつぶってきた画一的な葬儀の世界にも団塊世代の方々が納得でき、自分達に見合ったやり方を実行できる環境が近
年の情報化とあいまって急速に整いつつあるように思われます。