写真。

 「遺影に使う写真をどれにしようか・・、写真、、写真、、、。」
 
 お父様が亡くなり、葬儀社と打ち合わせの際に、葬儀社からの説明も上の空で写真の事ばかりが気になって・・・と、以前、友人が話していました。

 遺影写真、今ではお元気なうちにと、プロが遺影写真を作ってくれるサービスもあるようですが、なかなか、そこまでは、、と思われる方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

 風景ばかりでご本人が写っていない、など、いざ探すとなるとなかなか見つけられない、迷ってしまって選べない、などもあるようです。

 立会いでお邪魔させていただいたご葬儀では、故人様の奥様が「主人は写真を撮るのが趣味でしたが、撮るばかりで、自分が写っている写真はほとんどなくて、遺影にする写真を探すのが大変でした」とおっしゃっていました。
 思い出コーナーには、ご主人が愛用していた数台の立派なカメラが飾られ、ご生前に撮影したたくさんの写真がはってありましたが、その中にはご主人が写っているものがなく・・。
 「ずいぶん前の写真ですが、やっと見つけてこれにしました」と、一枚をお選びになったそうです。

 今ではスマホやデジカメで簡単に写真を撮ることはできますが、撮るのは好きだけど、撮られるのは苦手という方もたくさんいらっしゃると思います。
 私も、私の母もそんな感じで・・・。

 もう少し、撮られることに慣れないとな、、といつも思うのですが・・・。

 

 

生花祭壇

 都内では桜が満開になりました。花の多い季節です。 
 ときどきお散歩中の保育園児たちと遭遇するのですが、子供達が庭や公園に咲いている花に気を取られ、しゃがみこんで花を見ている姿を目にしました。先生に「おーい、歩いてくださーい。」と促されても耳に入っていないようです。

 事前相談で「本人は花が好きなので生花祭壇にしたいと思っています」というご相談は少なくありません。
 
 最近では白木祭壇よりも生花祭壇を希望される方が増えていると感じていますが、それに伴い、生花祭壇にちからを入れている葬儀社さんも増えてきたように思います。
 その故人様のためだけにつくられる祭壇であることは、ご家族にとっても思い入れが出来るものなのかもしれません。

 生花祭壇の場合には、予算に合わせてご遺族のご要望を織り込みながら祭壇をつくってくれる柔軟性に富んだ葬儀社さんもあります。

 以前、葬儀業界のイベントに行った時、某有名華道家の方がデザインした生花祭壇が展示されているのを拝見しました。
 それはそれは、ため息が出るほどの圧倒的規模と美しさで、、「さすがだな〜」と思いましたが、これはいったいおいくらなのか…??と・・・。
 私のような庶民には手が出せないですし、そこまでは望みませんが、せめて、本人が好きだった花を祭壇の中に入れていただくだけでも本人に思いが伝わるかも、と思います。
 
 私の知り合いの方は自分の葬儀の時には南国の花でいっぱいにしたいと言っています。まだまだ先の事ですが、お別れに来た皆様にもその人らしさが伝わる祭壇になりそうです。

 生花祭壇は、その方のためだけに造られた祭壇です。生花祭壇を選ぶ際には、好きな花、好きな色などをリクエストしてみるといいかもしれません。

最初のご相談では・・

 ご相談では、ときどき、「ここはちゃんと相談に乗ってくれるところなのだろうか」など、初めてご連絡されたご相談者が不安に思われているなと感じることがときどきあります。
 私もネットではときどき、信じていいサイトなのか、と疑うこともありますので、ちゃんと相談できるところなのかということは一番気になるところなのかもしれません。
 しかも、葬儀のこととなれば、個人的なことも伝えなくては先に進まないことがあるため、特に用心されるのも理解できます。
 
 電話でのご相談では、話し始めてすぐのころは、ここは大丈夫なところなのだろうかなどの疑念や、不安がこちらに伝わり、ご相談者との距離が遠く感じられることもあります。

 ただ、お話しを続けていくうちに、センターに対する不安が溶けたのでしょうか、色々とお話していただき、時には葬儀と離れたお話になることもあり、私も安心して頂けた、と感じます。

 電話を切るころには、明るさが加わった声になり、最後に「よろしくお願いします」とおっしゃっていただくのが何よりのやりがいになります。

赤ちゃんのご葬儀

一昨日、今春お見送りした赤ちゃんの御両親から、アンケートが届きました。

赤ちゃんのご葬儀と言えば、カラフルなお花で埋め尽くされた小型霊柩車と、ぬいぐるみが所狭しと飾られた小型霊柩車を前に、見送る親の気持ちを察し、胸が締め付けられるような思いをしたことが思い出されます。

以前、斎場にお伺いした折、そちらの社長さん自ら子供用の霊柩車を製作されていらっしゃるとのことで、拝見させていただいた時のことでした。
小さなお子様を亡くされたお母様が、柩に寄り添って行かれたのをご覧になり、少しでも心残りが無いようにと、白い可愛らしい霊柩車を作ったのが始まりとのこと。

一方で、昨年当方がお受けした、まだ分娩の時期までいかなかった赤ちゃんの.場合は、お顔もハッキリしていない状態でしたので、ご葬儀担当者の提案で、パンダやアニメの絵が描かれた柩よりもと、飾りのない7寸程の小さな桐の箱を選ばれ、ガーゼのお包みに包まれた横にはぬいぐるみと一緒にご両親のメッセージが添えられました。
この時期の赤ちゃんは、火葬後のお骨がほとんど出ない状態と言われておりましたが、1番小さな骨壺をご用意され、ほんの少しのお骨を大事にお持ち帰りになり、通常の後飾り祭壇ではなく、ご自宅の飾り棚に白い布を敷き、その上に骨壺をそっと置かれたとの由。
退院されたばかりの奥様のお気持を推し測り、担当者はお声掛けにも気遣っておりましたが、上のお子様の存在がクッションの役目をされ、また皆で頑張ろうというお気持が伝わり、ご両親と同世代の担当者もホッと安堵されたとのご報告をいただきました。

また、生後間もない赤ちゃんを亡くされた若いご夫婦からは、ご葬儀後「葬儀社の担当者の方はよく相談にのってくれ、ややおせっかいくらいに親身になってくれて大変感謝しています」とのお手紙も頂きました。
最初にご相談を頂いた際、電話口のご主人の落胆された声の様子に、奥様のことが心配になり、ベテラン主婦でもある担当者にお願いしたのが、功を奏したようです。
女性ならではの奮闘ぶりにホッとしたことが思い出されます。
「孫を亡くしたお姑さんの立場に立って、プロの気持ちも揺らぐこともあるが、それはそれでいいのでは・・・」とまで担当者は言い切っていました。
ご葬儀の当事者は、初めての経験に不安を抱え、それでも懸命にお努めを果たそうとされています。
普段でしたら気が付くことも、ついうっかりということもあり、担当者は常に若いご夫妻から見える場所に居て差し上げたとの事。
心細いご夫妻にとっては何よりも強い味方の出現です。
読経の間、「柩から赤ちゃんを出して抱いていたい」とのお母さんのご要望も、「お身内だけのご葬儀ですから」とそっとOKを出して見守っていらしたとの由。

お見送りするご両親のお気持ちをお察し申し上げます。

人生100年時代とは

 人生100年時代、老後の暮らしとお金、みたいな雑誌特集が目につきます。タイトルを見ただけで元気が吸い取られる感じもします。内容は読んでないので偉そうには言えませんが、もう守り一辺倒色がにじみ出ています。守ってばっかりの話では明るさも出てきません。

 企業での定年後、そこからゆっくり、どううまく下り坂にするかが論じられているかのようです。

 ところで、東京オリンピックがあった1964年、男性の平均寿命は67歳でした。もしも人生100年で考えていいなら、今の50歳は、当時の17歳と同じ立場です。高校から先の将来が、これからまだあるということもできます。

 考えようによっては、これまでは、一つのことをやって人生が終わってしまったのが、二つできるとも言えます。

 もっとも、一つの企業で定年まで迎えるという前提も怪しいので、好むと好まざるとにかかわらず、2度どころか何回もシフトチェンジしていくことが必要になってくるかもしれません。

 そのときに、受け身でやらされている意識の人はますます厳しい状況に陥り、自発的に物事に取り組める人は自分にあった場所にシフトチェンジできるような感じもします。

事前相談でのご面談

 2年ほど前に叔父様の葬儀のご相談をされた方から、今度はお父様が心配な状況になり、再度のご相談をいただきました。

 叔父様のご葬儀の後に、「事前面談にて印象が良く、事前見積りでも、此方の相談に対して現実的で的確なアドバイスして頂き、150パーセントの感激・癒しのある式ができたと思っています。」、「面談をした方が良いとお勧めいただき、結果良い葬儀社さんに巡り逢い、心のこもった、また、癒しのある葬儀ができました。感謝しています。」とアンケートにご回答くださった方です。
 できればその担当者にまたお願いしたいけれど、今回はその葬儀社が対応するには遠いので、ご自宅付近の葬儀社を紹介してほしいということで、再度センターへご相談されたとのことでした。

 以前のご紹介の際、センターでは、ご紹介葬儀社の担当者と面談をして頂くことをお勧めし、2社と面談されたうえで1社をお選びになったという経緯があったため、事前に直接担当者に会ったことが、結果、ご満足のいく葬儀につながったというご経験をされたことで、この度のご紹介でも担当者と会って話を聞いてみます、とおっしゃっていました。

 葬儀社の担当者も色々なタイプの方がいらっしゃいますし、ご相談者も色々なタイプの方がいらっしゃいます。
 感じ方は人それぞれで、例えば、ぐいぐい引っ張ってくれるような対応をする担当者に対して、「強引な感じ」と受け取る方もいれば、「頼もしい」と感じる方もいらっしゃいます。
 穏やかなタイプの担当者に、「優しい感じがして安心」と感じる方もいれば、「頼りなく感じる」と思われる方もいらっしゃるため、やはり、直接会ってみたほうが、選択しやすくなるように思います。

 ただ、ご対象者の方が頑張っている中での事前相談の場合、その段階で葬儀社と直接会うことをためらう方もいらっしゃいます。
 そのような場合には、ご紹介葬儀社の担当者がどのようなタイプの方なのかを、できるだけ想像しやすいようにお伝えできるよう、努力いたします。

 

ご相談者とご葬儀担当者の間には・・・。

 「先日の母の葬儀では、葬儀社の担当者の方に大変良くしていただきましたので、何かお礼を差し上げた方がよろしいでしょうか」
 ご葬儀後のお忙しい中、ご相談者から早速にお礼のお電話を頂き、大変恐縮した覚えがございます。

 「お気遣いは有難く頂戴致しますが、頂いたお言葉だけで十分でございます。担当者にはその旨、お伝えしておきますので・・・」と代弁させていただき、代わりにセンターから後程お送りするアンケートへのご協力をお願いいたしました。

 当センターではメールとお電話でのご葬儀に関するご相談をお受けし、どの様なご葬儀をお望みなのかをお伺いし、ご相談内容に沿った地元の賛同葬儀社さんをご紹介させていただいております。
 賛同社の担当者の方は地域の実情を熟知しておりますので、ご葬儀に対するご不安の解消は勿論のこと、さらにご要望に応じた臨機応変な対応ぶりが、ご葬儀後にお願いしておりますご相談者のアンケートからも伺えます。

 「父が急に亡くなり、家族みな慌てていましたが、てきぱきと対応してくださり、説明も分かりやすく丁寧でした。葬儀までの数日間、分からないことは細かな事でも丁寧に対応してくださり、お蔭様で安心して通夜・葬儀を執り行うことが出来ました。当初は漠然と家族葬と考えておりましたが、親しい方に訃報をお伝えするにつれ、最終的には一般の葬儀という形になりました。父が生前お世話になった方々に、最後のお別れをしていただくことが出来、これで良かったと家族一同思っています。当初の見積りより、人数が膨らみましたが、スタッフの皆さんが万事細やかに対応してくださり、心強かったです。悲嘆にくれてオロオロするよりは、しっかりとつつがなく見送ってあげたいという気持ちが強い我が家の家族ですので、てきぱきと合理的に、でも温かく家族の気持ちを汲んで葬儀をすすめてくださった担当者に会えて本当に良かったです」。
 
 以前、ベテラン担当者から「ご相談者が信頼関係を築かれるかどうかはご葬儀前すでに決まってしまう」とまでおっしゃっていた言葉が思い出されます。
 「担当者はご葬儀を仕切りますが、主役はあくまでご家族であり、私たちは悲しみを癒すお手伝いをし、何よりもお任せして大丈夫という安心感を持っていただけることが大事」と熱く語っていらっしゃいました。
 
 ネットを見ながらのお問い合わせが多い昨今ですが、ネットでの説明だけでは伝わりにくく、ご要望を救い上げてくれるのは、矢張り地元密着の担当者の力です。

春になったら

 数日前のブログで「春を感じる」なんて書いてしまいましたが、昨日・今日と寒さが戻り、さすがに真冬ほどではありませんが暖房なしではいられません。

 この時期、今までどんな記事を書いていたんだろうと、過去のブログを見てみると、「暖かくなってきたので」、と、賛同葬儀社や斎場へ訪問する外出ネタが多く、今年もそろそろ外出しようか、と思い始めました。

 今、センターのサイト内にある斎場紹介ページを小規模リニューアルする作業をしています。
 他のスタッフがずいぶん前に行ったきりになっている斎場で、私はまだ行ったことが無い所もあり、改めてこの機会にぜひお邪魔させて頂ければと思いました。

 このところ、ずっと椅子に座っての作業ばかりでかなりの運動不足なので、一段落したら外に出ようと思います。
 作業が一段落したころにはすっかり春になっていそうなので・・・。
 

 

気になったことがあれば。

 3月に入ったとたんに、春を感じるようになってきました。
 この時期、満開になっているのは梅?桃?
 毎年、気にはなるものの、調べるほどの興味はなかったのですが、今年は教えていただきました。

 先日、外出したときに、私の前を歩いていたご高齢のご婦人が歩道の真ん中で急に足を止め、満開に咲いている花を眺めはじめたので、私もそれにつられて足を止め、暫し、横で一緒に花を眺めていたところ、「きれいに咲いてるわね〜」と声をかけられました。
 咲いていたのは桃の花だそうです。花の違いを教えていただき、短い時間でしたが、穏やかでほっこりとした気分と同時に、今まで「なんとなくモヤモヤ??」と感じていたものがわかってスッキリした気分を味わいました。

 葬儀についても「なんとなくモヤモヤ??」を感じている方は多いのではないかと思います。
 ご相談では、最初、「何をどうやって聞いたらいいのかわからないのですが」、とおっしゃる方も多く、おそらくモヤモヤを抱えていらっしゃるのかと。
 ご相談のやり取りを通して、理解され、「すっきりしました!」と言って頂くと、とても安心します。

 葬儀のことは、きっかけがないとなかなか調べる事を始められないものかもしれませんし、知人や友人との話しで話題になることもあまりないかもしれません。
 何かの折に、気になったことがあれば、お問い合わせいただければと思います。

 

菩提寺との関係は良好ですか・・・。

 仏式のご葬儀の場合、菩提寺サイドでは通夜、葬儀・告別式の一連の流れに本義があり、直葬、1日葬への省略は難しいとも言われてきましたが、最近ではご喪家の事情を汲み取り、ご相談によっては臨機応変な対応も考慮されてきているようです。

 先日も当初、ご自宅のある横浜では火葬のみで済ませ、後に田舎の菩提寺にて骨葬を予定しているとのご相談でしたが、1ヶ月後のご葬儀では横浜での1日葬へと変更されました。
 喪主になられるお母様は足が不自由な上に、軽い認知症の症状もおありになるとのことで、遠路菩提寺までお連れするのは難しい状況をご住職にお話しされ、ご相談の結果、ご住職自ら横浜にお越しいただき、横浜での1日葬と相成りました。

 一方、都心に菩提寺をお持ちのシングルマザーの方からのご相談は、危篤状態に陥ったお母様には年金もなく、ご自身も1人っ子でご葬儀を執り行う余裕もないとの切羽詰まったものでした。
 ご自身の蓄えもなく、小さなお子様お2人を育てながらローンを抱え、金銭的にかなり厳しい状況にあることを率直にお話いただきました。
 ご相談される方がどなたもいらっしゃらないとのことで、まずは菩提寺のご住職にありのままを申し上げることをお勧めしたところ、3日後「あれから、意を決して申し上げたところ、そのような理由でしたら、戒名のことも含め、火葬が終ってからご相談に乗りましょうとおっしゃっていただけました」とのご報告が入りました。
 第1関門を突破した安堵感が電話口からも伝わって、お聞きしている当方も思わず力が入ってしまう程でした。

 また、以前千葉の肝っ玉母さんと呼ばれていた担当者からこんなエピソードも伺いました。
 ご葬儀のご依頼を受け、「先ず初めに菩提寺には丁寧にご連絡をお願いします」と申し上げましたが、若い喪主様はFAXで連絡され、騒ぎの発端はここから始まったとの由。
 
 FAXで事の次第を初めて知ったご住職は、地域の葬儀を取り仕切っていた菩提寺にご遺族が直ちに出向くのが当然との思いがあり、菩提寺にお伺いを立ててからご葬儀の段取りを決める手筈なのに、勝手に葬儀社を決めてしまい、しかもFAXでの事後報告には完全におかんむりの御様子です。
 枕経の当日、担当者もご挨拶に伺いましたが、ご住職からは枕経が終わるや否や「葬儀社は俺の知り合いでなければ」と怒鳴り散らされ、あまりの剣幕に喪主のお母様は泣き出す始末・・・。
 担当者も「お経を途中で終わらせてはいけないので、降ろさせていただきます」とまで申し出ると、今度は見積書を見せろと迫り、ご喪家の状況を踏まえ、出来るだけ費用を抑えた見積りを目にするや否や、「こんな安い仕事は出来ない」と怒鳴り散らす。
 罵詈雑言を浴びせられた喪主のご子息も途方に暮れるばかり。
 ついには「こんなに安くては明日の葬儀には行かない」とまでエスカレート。
 担当者が根気強く説得するうちに「お宅はどんな葬儀社さんだ」と矛先がかわり、今度は一転してご住職の方から身の上話が切り出される始末。
 息を詰めて事の成り行きを見守っていたご親族はあっけにとられているご様子でしたが、いつの間にかご住職から「安い葬儀があったらそちらに回すか」とまでの友好ムードに変身し、「帰りは会社まで送っていく」との申し出がなされた由。
 一旦は丁重にお断りいたしましたが、仲直りの為にも同乗させていただいたとのことです。
 疎遠ぎみの菩提寺との意思の疎通も大切です。