無宗教葬とジャズ

今週末は静かな阿佐ヶ谷の町も、あちこちの街角にジャズが流れ、ジャズ一色になりそうです。
 今年もジャズストリートと題したフェスティバルの季節が巡ってまいりますが、お近くにお住いだったジャズ愛好家のお父様は、今年のフェスティバルを見ずして、旅立たれてしまわれました。

 ご葬儀では終始ジャズが流れ、その緩やかな時間を演出されたのは一人娘のお嬢さんでした。

 ご葬儀の後、担当者から1枚の写真を見せていただきました。
 柩の蓋の上には60本の黄色のバラの花が鮮やかに咲き誇っています。
 お誕生日毎に、毎年お歳の数だけバラの花をプレゼントされた、奥様からの最後の贈り物だそうです。

 お身内のみでゆっくりお見送りしたいとのお気持ちから、無宗教葬のご葬儀はお父様のお好きなお料理の手配から、ご葬儀当日の進行まで、お嬢さんの手にゆだねられ、担当者は脇でアドバイザーとしての意見を申し上げるにとどめ、見守っていく形を取られたとのこと。

 会社でイベント企画をされていたお嬢さんのお仕事内容を、生前良くご理解されていらっしゃらなかったお父様も、お嬢さんの最後のプレゼントにはご理解を示され、さぞご満足されたことと存じます。

 お話をお伺いしていると、数年前のジャズ仲間のご葬儀に立会いでお伺いしたことが思い出されました。
 矢張り、秋深い頃でした。
 
 故人様はジャズ好きが高じて、地元で長年ジャズ喫茶を奥様と切り盛りされていらっしゃったとのことです。
 無宗教葬の通夜は往年のジャズ仲間が駈けつけ、担当者はあえて献花台を柩より右側に置き、ジャズ仲間が献花をされてから、正面に来て柩の故人様とゆっくりご対面していただけるようにセッティングをいたしました。

 やがて、感極まったお仲間が突如トランペットを吹きだし、懐かしい曲を次々と演奏されると、他のお仲間も一斉にスイングして盛り上がり、ジャズメンらしい最後の場となりました。

 無宗教葬に大反対だったお兄様が、最後のご挨拶では、こんな素晴らしい通夜は初めてだと号泣されたのが、昨日のことのように思われます。

 秋も次第に深まってまいりました。
 ジャズの魅力も秋の深まりとともに、更に増してくるようです。

出向いて打ち合わせしないといけないの?

先日、葬儀から少し経ってお願いしたアンケートにおいて、当センターを利用した理由について、次のようにありました。

「父の葬儀の時、内容や規模に対しての費用がとても高く感じ、疑問を持ったのがきっかけです。父の時は葬儀の知識もなく、亡くなってから探し始め、準備不足を感じたので、今回は自分自身納得の行く式を行ないたくて、紹介センターさんの抱負な情報と中立な立場から最適な葬儀社を選択していただきたく相談をしました。」

葬儀前の相談の時にお伺いした話では、「以前のお父様の葬儀の時に、両親の自宅のある○○区から遠いところの葬儀社を頼んでしまい、遠いので打ち合わせに行くだけでも大変だったので、今回は近いところにしたい」ということでした。

たしかに、一度経験しますと、何に注意しないといけないのかはわかると思います。いざ葬儀の打ち合わせをするときに、そのたびに葬儀社に出向いて打ち合わせしないといけないのか、など、どこにもそん情報は出ていません。この指摘と不快感は珍しいわけではなく、以前にも同じようなことが何回かありました。

また、ネットPRで広範囲に施行している所の中には、さまざまなところに営業所があるように見せかけていているが、実際には営業所のようなものはなく、都内の一か所にある会社から打ち合わせしないといけないので、対面での打ち合わせを極力しないようにしたり、事前の対面での相談をしないようにしているところもあります。

いずれにしても、そんな経験を一度もしなくてもいいように、われわれもより適切な情報提供の仕方で提案をしていきたいと思ってます。

宗教の信仰がない方のお葬式 2

 最近、無宗教での葬儀についてのご相談が何件か続いたので、先日、無宗教の葬儀についてのブログを書きましたが、少し具体的な事例をご紹介させていただこうと思います。

 無宗教での葬儀は、仏式の葬儀と比べて施行件数はとても少ない葬儀の形ですので、無宗教葬に参列された経験のある方もあまり多くはいらっしゃらないかと思います。
 そのような中で、以前、お父様が心配な状況でいらっしゃる方から、無宗教での葬儀のご相談を頂きました。
 お父様は以前、ご友人のお葬式に参列された際、初めて無宗教葬というものを知り、そのご葬儀がとても良いものだったので、自分もこのような無宗教の葬儀で送ってもらいたいと、一人娘であるご相談者に、葬儀について細かく記した文書を託されました。
 託されたご相談者は、お父様のイレギュラーな要望について対応できる葬儀社はあるのでしょうかということを心配されていらっしゃいましたが、その文書は、無理難題が書かれているという事ではなく、葬儀に参列していただきたい方のお名前と、○○さんと○○さんに、あいさつをしてもらい、この時にこの曲を流す、など、葬儀の流れについて細かい指示が書かれていて、単に、「無宗教の葬儀で」と漠然とした言葉を伝えられるよりも、遺されたご家族が葬儀の準備で大変な思いをしなくても大丈夫になるようなものでした。
 無宗教での葬儀としては、決してイレギュラーなものではありませんでしたが、やはりお葬式にお経がないという部分では、初めて葬儀を出される方にとって、心配があったのだと思います。
 ご葬儀は無事に執り行われ、後日、ご協力頂いたアンケートには、「父の希望するスタイルが独特なので、対応できる業者を亡くなってからいきなり探すのは大変だと感じていた」と書かれていました。

 無宗教での葬儀は、宗教者による進行がないので、宗教が関わるご葬儀よりもご家族が関わるところが多くなり、想いの深い葬儀になるかと思います。
 このご相談のように、最初から無宗教の葬儀を希望されるような場合には、出来る範囲でけっこうですので、事前に葬儀社と打ち合わせをされる事をお勧めいたします。

葬儀担当者の心意気

入院中のお父様の万が一を鑑みて、ご葬儀の準備をとのご要望で、ご相談をお受けしておりましたが、急変され、至急に見積りをお取りし、お送りした数時間後、ご逝去の報をいただく羽目になりました。

 見積りをお送りしたセンターの賛同社にご相談者から直接ご連絡が行き、担当者が直ちにお伺いいたしましたが、初対面でお任せすることに、ご相談者は当初かなり警戒心を持たれた様子とのことでした。

 搬送先はご自宅以外をご希望されていらっしゃいましたので、葬儀社さんの自社安置所にお連れしたところ、深夜でしたが、お母様から矢張りご自宅に一度お連れしたいとのご要望が出され、急遽ご自宅に向かう羽目になりましたが、お母様のお気持ちを察し、自社までの搬送代はサービスされたとのこと。

 費用は極力抑えたいとのご要望に、一つひとつご相談をしながら削れるところは出来るだけ削り、市営斎場にてご家族ご親族のみのご葬儀をご希望でしたので、ご葬儀までのご自宅での数日間は、永年お付き合いのあったご近所の皆様と、最後のお別れをしていただくよう助言をされたとのこと。

 ご要望に真正面から向き合う姿勢に、ご喪家の方々からもいつの間にか絶大な信頼を得、ご葬儀を無事済ませたご相談者からは、ご帰宅後、いの一番にご葬儀のご報告と共に「担当者の方には大変お世話になりましたので、センターからもくれぐれもよろしくお伝えください。まだしばらくはお世話になると思いますので」と熱いメッセージが寄せられました。

 ご葬儀後のご仏壇ご購入に際しても、お近くでのご購入を希望されましたので、担当者自ら数社の仏壇屋さんに足を運び、推薦できるお店を調べあげ、ご購入の際の注意点を申し上げたところ、早速にご相談者から「忠告に従い、購入しました」とご満足されたご様子のご報告が届いたとのことです。

 ご喪家と労をいとわぬ担当者とのキャッチボールがいかになされるかが、ご葬儀の際の秘訣でもあるようです。

宗教の信仰がない方のお葬式

 無宗教葬という言葉は聞いたことがあるけれど、実際はどのような葬儀なのかという質問を何度か頂いたことがあります。
 
 日本では圧倒的に仏式の葬儀が多く、特に宗教を信仰していない方でも、お葬式にはお坊さんにお経をあげていただきたいと希望される方は少なくありません。
 お葬式でお経がないと、なんだかお葬式らしくない、故人が成仏できないのではないかなど、仏教の信仰をもたない方にとってもお経をあげて頂くことはとてもありがたく感じているようです。
 一方で、信仰する宗教がないので、宗教的な要素が全くない葬儀を、と望む方もいらっしゃいます。

 無宗教葬という言葉はよく目にする、耳にするけれど、実際に無宗教の葬儀に参列されたご経験のある方もそう多くはないのではないでしょうか。
 実際に無宗教の葬儀についてご相談された方から何度か、「菩提寺もなく、特に信仰している宗教がないので無宗教の葬儀にしたいと考えているのですが、具体的にはどのような葬儀なのでしょうか」と聞かれたことがありました。

 お葬式の時間内を自由に使える無宗教の葬儀は、宗教的な制約もなく、故人様のため、また、故人様を送る方々のために、ご家族やご参列された方がつくるご葬儀のように思います。
 ご家族の想いに、葬儀社の担当者が向き合い、力を添えることで、満足のいく無宗教の葬儀が行えるのではないかと思います。

アンケートのご協力

 センターでは、ご紹介させて頂いた葬儀社で葬儀を執り行った方へ、アンケートのご協力をお願いしています。
 
 先日届いたアンケートで、センターをご利用された理由をお聞かせ頂く質問に、「ネットでの御社の活動内容と利用された方々のアンケートをじっくり読ませて頂き、安心であると思った次第です。」とお書き下さった方がいらっしゃいました。

 実際にご利用頂いた方から頂くアンケートのご回答が、これから葬儀を考えるかたにとって、とても参考になっているということが具体的に実感させて頂き、とても励みになりました。

 お褒めの言葉やありがたかったなどのお気持ちをお書き頂いたご回答だけでなく、気になった点やご不満だったところなど、実際に経験された方からご協力頂く率直なご回答は、私達がたくさんの言葉を使って伝えるよりも、葬儀について心配を抱えている方々にとっては一番参考になるものだと思います。

 先に書いた、アンケートをじっくり読んでセンターへご相談されたというご相談者からご葬儀後にご協力頂いたアンケートの最後の質問、「お答え頂いた内容をあさがお葬儀社紹介センターのホームページに掲載させていただいてもよろしいでしょうか」で、「はい」のところが丁寧な丸でかこまれていました。

最後の夜はご一緒に。

先日深夜、御祖母様のご容態が芳しくないとのことで、お孫さんから事前のご相談を頂きました。

 万が一の時は質素に、しかし、ご親戚の方々が30人近く最後のお別れにお見えになる予定なので、出来るだけ多くの方が通夜の夜、一晩ご一緒に過ごせないか。それが一番のご希望とのことです。

 少し前までは、ごく一般的だったご要望も、最近では様々な制約ができ、一晩中ご一緒にお過ごしになられたり、多くの方が斎場にお泊りいただくことは特に都会では難しい条件のひとつになってしまいました。

 最初のご相談から数時間後、御祖母様のご容態が急変されたご報告を受けた、ご紹介した葬儀社の担当者からは、何とか皆様のご要望に沿いたいと、つてを頼りに公には公開されていないお寺のご住職と直談判をされて、本堂とお清め用の大広間のご使用の承諾を得た旨、連絡をいただきました。

 
 ご葬儀はこれからですが、お清めの後の大広間はそのままご親族の皆様にご使用いただけ、御祖母様も最後の夜は親しい方々に囲まれてお過ごしいただけることになりそうです。

 ご報告を受け、安堵と共に、以前下町の集会場でお父様をお見送りされたご相談者からのお便りが、懐かしく蘇ってきました。

 通夜の晩、遠方から駆け付けたご親族やお友達十数人が式場にご安置されている故人様を交代で見守り、隣の大広間にはお布団を敷き詰めて、皆様で一晩雑魚寝をされ、冷え性の方もお布団が温かく感じられる程に、ご満足されたご様子と伺いました。

 ご親族の間でもこうした機会は初めてのご様子で、「かえって合宿所のような一晩が、思い出深く心に刻み込まれた気がします。父が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えます。翌朝、バケツリレーのように次々とお布団の山が築かれたのは圧巻でした」とのご報告に、一瞬ご葬儀のことを忘れる程、何か幸せな気分に包まれたことが昨日のことのように思い出されました。

お墓を引っ越ししたいのですが・・。

 葬儀のご相談では、その後のお墓についてまで話が及ぶ事があります。
 ご納骨先が決まっていない方にとっては、それも大きな心配ごとで、葬儀が終わって四十九日までに納骨しなければということを知っていると特に急いで探さなくてはと思ってしまわれるようです。
 センターはお墓については専門ではないので、具体的な霊園や墓地の案内はいたしませんが、一般的なことでしたら、葬儀後の流れとしてご相談に対応させていただいています。

 先日、ご実家の親御様が心配な状況ということで、葬儀の事前相談を承りました。
 ご相談の途中で、ご納骨先の話しになり、一人娘で、ご実家の祖父母のお墓が地方にあるが、なかなかお参りに行けないので、自分が近くの室内墓などを購入してもいいのでしょうかとのご質問をいただきました。
 地方にあるお墓もお寺のお墓ではないので、他に継ぐ方がいらっしゃらなければ、ご自宅の近くにお引越しをしていただいても大丈夫であること、また、宗教の信仰などが無い場合でしたら、新たにお墓を購入するのであれば、四十九日などの期限はないので、じっくり検討して納得がいく所にお決めになられたほうがいいという話しをさせていただきました。

 また、もう一つの問題として、お墓を継ぐ人がいないというご家庭もこれからも更に増えてくるのではないかと思います。これは菩提寺であっても同様で、家系の最後にあたる方にとっては、どうしたらいいのかなかなか判断がつかないようなこともあると思います。
 自分だけで決めていい立場なら心配はありませんが、そういうわけにはいかない立場の方は、一般的なことだけでもまず知って頂くと良いかもしれません。

ネット上では目立たなくても・・。

 葬儀社を選ぶ際、多くの方はインターネットを利用して葬儀社を検索して探される方がとても多くなってきました。
 葬儀社側も、ホームページで自社をアピールすることに力を入れている所も増えてきたように思います。

 大手の葬儀社さんや、インターネットでの営業を主に行なっているところなどの、綺麗で大規模なサイトにはつい目が行ってしまい、すごいホームページだな~と見入ってしまう事もあります。
 ホームページを見た人は、そのホームページの印象をそのままその社のイメージとして持たれることも多いのではないでしょうか。
 
 逆に、ホームページが洗練されていない葬儀社の印象は・・・。
 それよりも、ホームページを見てもらう事さえ困難な葬儀社もたくさんあります。
 小さな葬儀社などは、検索してもなかなか探すことができないような所も多く、以前、ご葬儀後にご協力頂いたアンケートで、「とっても満足でした。今回利用した葬儀社は検索で出てこなかった会社なので、紹介していただけて本当に良かったと思っています。」というご回答をいただいたことがあります。

 担当者一人ひとりのご葬儀に対する想いや熱意、対応の仕方などはホームページからでは伝わりにくく、一般の方がネットで探し出すのは難しいことかもしれません。
 見つけ出せたとしても、ホームページの体裁で判断してしまうこともあるかもしれません。

 ネット上では目立たなくても、優良な葬儀社はたくさんあります。

担当者のモットーは・・・。

 「病院への遺体の引き取りから葬儀まで全て対応してくださり、不明点の質問にも丁寧に説明していただき、担当された葬儀社の方には安心してお任せすることができました。オプションの追加を勧められるのではと思っておりましたが、逆に、これで十分、これは必要ないと正直に言って助かりました」

 当センターではご葬儀後にアンケートをお願いしておりますが、そのアンケートに寄せられたご相談者からの感謝のお言葉です。

 担当者に伺ったところ、当初斎場に常設されている白木祭壇に生花をプラスする際、ご相談者はお花の量を多く見積もっていらっしゃったご様子でしたので、そんなに多くは必要ない旨申し上げ、後飾りの祭壇等も代用できるもので十分な旨ご説明されたとのこと。
 
 担当者のモットーは常にご相談者の目線に立ったアドバイスを心がけることだそうです。
 亡くなられた方をお送りするお気持ちが、ご葬儀に反映するようにと、ご相談をお受けする際には、ご喪家の方々とお送りする方向が一緒になれるように気を付けているとのこと。

 49日の納骨式にも是非にと呼ばれ、事あるごとにご相談に乗り、ご相談者の信頼は益々ゆるぎないものになっているようです。
 
 ご家族・ご親族を中心としたご葬儀が主流となりつつある中、担当される方には常にご喪家の立場に立った、細やかな気配りのある対応が求められて来ています。

 ご喪家のお気持ちをどれだけご葬儀のお式の中で形に表せるか。
 また、故人様との思い出をどれだけご会葬者お1人おひとりの心に刻むことができるか。
 担当者の思いはさらに大きく膨らんでいきます。