お母様の見送り方

「もう勘弁してくださいよ、家中ビニール袋の山で足の踏み場もない位ですよ。月に1回位突然猛烈に家の中の整理を仕出して、仕舞ってあったものまで取り出して、この間も家に戻るとお袋が荷物の間に挟まって立ち往生している状態なんですよ」。

 知り合いの方から、最初にご高齢のお母様の事前相談をお受けした時、ご相談者から思わず出た愚痴でした。

 そのお母様が手術を受けられたが、状況が芳しくないご様子で、集中治療室に入られたとのお知らせを頂きました。

 いよいよご葬儀を具体的に考えざるを得ない時期が来たようで、まずは最初に担当していただく葬儀社の方にご自宅へお越しいただき、柩が置ける空間があるか否か見てもらいたいとのご要望をいただきましたので、ご相談者のお気持ちに見合うと思われる、お近くの賛同社をご紹介し、担当者が直接ご自宅に出向き、お調べすることになりました。

 ご相談者と担当者の最初の出会いでした。

 お伺いしたご自宅はお母様の趣味の作品がベッドの上まで所狭しと並べられ、溢れんばかりの荷物の山に、柩を置くスペースは難しい状況を説明し、その場でご要望をお伺いして概算の見積りをご相談者に手渡されたとのこと。

 その後、お母様も持ちこたえられ、ご葬儀まで2ヶ月以上の有余がありましたが、ご相談者はその間、担当者から手渡された見積りを頼りに、お母様のお気持ちをおもんばかって、その都度気付かれたことを、事あるごとに担当者にご報告し、ご相談持ち掛け、その間20回以上を記録され、ベテラン担当者に「僕の記憶の中でも3本の指に入るのでは」と言わしめた程でした。

 御兄弟とは疎遠になり、お1人でお母様をお見送りされる覚悟を決めたご相談者のお気持ちを察して、担当者も気付いたことをお話され、両者とも次第に気心が知れて、お母様の見送り方をあれこれと思い巡らされたご様子でした。

 ご納得のいく形でお母様をお見送りできたことに感謝され、「お宅に頼んで正解でした」とわざわざご報告をいただき、ご紹介したこちらもほっと安堵した次第です。

無宗教葬とジャズ

今週末は静かな阿佐ヶ谷の町も、あちこちの街角にジャズが流れ、ジャズ一色になりそうです。
 今年もジャズストリートと題したフェスティバルの季節が巡ってまいりますが、お近くにお住いだったジャズ愛好家のお父様は、今年のフェスティバルを見ずして、旅立たれてしまわれました。

 ご葬儀では終始ジャズが流れ、その緩やかな時間を演出されたのは一人娘のお嬢さんでした。

 ご葬儀の後、担当者から1枚の写真を見せていただきました。
 柩の蓋の上には60本の黄色のバラの花が鮮やかに咲き誇っています。
 お誕生日毎に、毎年お歳の数だけバラの花をプレゼントされた、奥様からの最後の贈り物だそうです。

 お身内のみでゆっくりお見送りしたいとのお気持ちから、無宗教葬のご葬儀はお父様のお好きなお料理の手配から、ご葬儀当日の進行まで、お嬢さんの手にゆだねられ、担当者は脇でアドバイザーとしての意見を申し上げるにとどめ、見守っていく形を取られたとのこと。

 会社でイベント企画をされていたお嬢さんのお仕事内容を、生前良くご理解されていらっしゃらなかったお父様も、お嬢さんの最後のプレゼントにはご理解を示され、さぞご満足されたことと存じます。

 お話をお伺いしていると、数年前のジャズ仲間のご葬儀に立会いでお伺いしたことが思い出されました。
 矢張り、秋深い頃でした。
 
 故人様はジャズ好きが高じて、地元で長年ジャズ喫茶を奥様と切り盛りされていらっしゃったとのことです。
 無宗教葬の通夜は往年のジャズ仲間が駈けつけ、担当者はあえて献花台を柩より右側に置き、ジャズ仲間が献花をされてから、正面に来て柩の故人様とゆっくりご対面していただけるようにセッティングをいたしました。

 やがて、感極まったお仲間が突如トランペットを吹きだし、懐かしい曲を次々と演奏されると、他のお仲間も一斉にスイングして盛り上がり、ジャズメンらしい最後の場となりました。

 無宗教葬に大反対だったお兄様が、最後のご挨拶では、こんな素晴らしい通夜は初めてだと号泣されたのが、昨日のことのように思われます。

 秋も次第に深まってまいりました。
 ジャズの魅力も秋の深まりとともに、更に増してくるようです。

葬儀担当者の心意気

入院中のお父様の万が一を鑑みて、ご葬儀の準備をとのご要望で、ご相談をお受けしておりましたが、急変され、至急に見積りをお取りし、お送りした数時間後、ご逝去の報をいただく羽目になりました。

 見積りをお送りしたセンターの賛同社にご相談者から直接ご連絡が行き、担当者が直ちにお伺いいたしましたが、初対面でお任せすることに、ご相談者は当初かなり警戒心を持たれた様子とのことでした。

 搬送先はご自宅以外をご希望されていらっしゃいましたので、葬儀社さんの自社安置所にお連れしたところ、深夜でしたが、お母様から矢張りご自宅に一度お連れしたいとのご要望が出され、急遽ご自宅に向かう羽目になりましたが、お母様のお気持ちを察し、自社までの搬送代はサービスされたとのこと。

 費用は極力抑えたいとのご要望に、一つひとつご相談をしながら削れるところは出来るだけ削り、市営斎場にてご家族ご親族のみのご葬儀をご希望でしたので、ご葬儀までのご自宅での数日間は、永年お付き合いのあったご近所の皆様と、最後のお別れをしていただくよう助言をされたとのこと。

 ご要望に真正面から向き合う姿勢に、ご喪家の方々からもいつの間にか絶大な信頼を得、ご葬儀を無事済ませたご相談者からは、ご帰宅後、いの一番にご葬儀のご報告と共に「担当者の方には大変お世話になりましたので、センターからもくれぐれもよろしくお伝えください。まだしばらくはお世話になると思いますので」と熱いメッセージが寄せられました。

 ご葬儀後のご仏壇ご購入に際しても、お近くでのご購入を希望されましたので、担当者自ら数社の仏壇屋さんに足を運び、推薦できるお店を調べあげ、ご購入の際の注意点を申し上げたところ、早速にご相談者から「忠告に従い、購入しました」とご満足されたご様子のご報告が届いたとのことです。

 ご喪家と労をいとわぬ担当者とのキャッチボールがいかになされるかが、ご葬儀の際の秘訣でもあるようです。

最後の夜はご一緒に。

先日深夜、御祖母様のご容態が芳しくないとのことで、お孫さんから事前のご相談を頂きました。

 万が一の時は質素に、しかし、ご親戚の方々が30人近く最後のお別れにお見えになる予定なので、出来るだけ多くの方が通夜の夜、一晩ご一緒に過ごせないか。それが一番のご希望とのことです。

 少し前までは、ごく一般的だったご要望も、最近では様々な制約ができ、一晩中ご一緒にお過ごしになられたり、多くの方が斎場にお泊りいただくことは特に都会では難しい条件のひとつになってしまいました。

 最初のご相談から数時間後、御祖母様のご容態が急変されたご報告を受けた、ご紹介した葬儀社の担当者からは、何とか皆様のご要望に沿いたいと、つてを頼りに公には公開されていないお寺のご住職と直談判をされて、本堂とお清め用の大広間のご使用の承諾を得た旨、連絡をいただきました。

 
 ご葬儀はこれからですが、お清めの後の大広間はそのままご親族の皆様にご使用いただけ、御祖母様も最後の夜は親しい方々に囲まれてお過ごしいただけることになりそうです。

 ご報告を受け、安堵と共に、以前下町の集会場でお父様をお見送りされたご相談者からのお便りが、懐かしく蘇ってきました。

 通夜の晩、遠方から駆け付けたご親族やお友達十数人が式場にご安置されている故人様を交代で見守り、隣の大広間にはお布団を敷き詰めて、皆様で一晩雑魚寝をされ、冷え性の方もお布団が温かく感じられる程に、ご満足されたご様子と伺いました。

 ご親族の間でもこうした機会は初めてのご様子で、「かえって合宿所のような一晩が、思い出深く心に刻み込まれた気がします。父が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えます。翌朝、バケツリレーのように次々とお布団の山が築かれたのは圧巻でした」とのご報告に、一瞬ご葬儀のことを忘れる程、何か幸せな気分に包まれたことが昨日のことのように思い出されました。

担当者のモットーは・・・。

 「病院への遺体の引き取りから葬儀まで全て対応してくださり、不明点の質問にも丁寧に説明していただき、担当された葬儀社の方には安心してお任せすることができました。オプションの追加を勧められるのではと思っておりましたが、逆に、これで十分、これは必要ないと正直に言って助かりました」

 当センターではご葬儀後にアンケートをお願いしておりますが、そのアンケートに寄せられたご相談者からの感謝のお言葉です。

 担当者に伺ったところ、当初斎場に常設されている白木祭壇に生花をプラスする際、ご相談者はお花の量を多く見積もっていらっしゃったご様子でしたので、そんなに多くは必要ない旨申し上げ、後飾りの祭壇等も代用できるもので十分な旨ご説明されたとのこと。
 
 担当者のモットーは常にご相談者の目線に立ったアドバイスを心がけることだそうです。
 亡くなられた方をお送りするお気持ちが、ご葬儀に反映するようにと、ご相談をお受けする際には、ご喪家の方々とお送りする方向が一緒になれるように気を付けているとのこと。

 49日の納骨式にも是非にと呼ばれ、事あるごとにご相談に乗り、ご相談者の信頼は益々ゆるぎないものになっているようです。
 
 ご家族・ご親族を中心としたご葬儀が主流となりつつある中、担当される方には常にご喪家の立場に立った、細やかな気配りのある対応が求められて来ています。

 ご喪家のお気持ちをどれだけご葬儀のお式の中で形に表せるか。
 また、故人様との思い出をどれだけご会葬者お1人おひとりの心に刻むことができるか。
 担当者の思いはさらに大きく膨らんでいきます。

菩提寺とご住職

 先日、当方の知り合いの方からご高齢のお母様の万が一を心配され、葬儀社さんのご紹介とお願いする葬儀社さんからお墓の件も一緒にご相談できるかとの問い合わせを頂き、ご要望に合う地域の賛同社をご紹介させていただきました。

 都心にすでに菩提寺はあるが、お母様は諸事情で先にご逝去されたお父様とご一緒のお墓を拒否されており、なによりも目下菩提寺のご住職とはご相談者も険悪な状態とのこと。
 先代のご住職が亡くなられ、後継ぎのご長男も急死され、サラリーマンをされていた3男の方が、急遽お寺を継ぐことになったが、檀家の方々とのトラブル続きで、お母様の為にも、後を引き継ぐご自身の為にも新たなお寺とお墓が必要となり、ご葬儀と絡めての事前相談をされたいとのこと。

 ご住職の存在なくしては成り立たない仏式でのご葬儀ですが、当センターにもご住職に関するトラブルのご相談をいただくことが度々ございます。

 以前当方がご相談をお受けしたご葬儀では、ご住職が通夜にはお越しいただいたが、肝心の葬儀・告別式にはお見えにならず、いわゆるドタキャンをされた方がいらっしゃいました。
 当方が通夜に立会いでお伺いした折には、特別不穏な空気は感じられませんでしたが、翌日葬儀社の担当者からの報告を受けて、思わず絶句した思いがございました。

 時としてお時間に遅れてしまうご住職はいらっしゃいますが、最後までお見えにならなかったご住職は当方も初めてでした。
 ご連絡しても電話は通じず、スタッフ一同やきもきしながらお待ちしていましたが、刻一刻と火葬時間が迫っておりますので、担当者はご会葬の皆様に一先ずご焼香をお願いし、ご会葬の方々も戸惑いを隠せないご様子でのご焼香となり、仏式なのに読経のない前代未聞のご葬儀になってしまわれたとのこと。
 やっとのことで連絡が付いたのは、火葬が済んで皆様が式場に戻られた時。
 担当者の留守電に断りの伝言が入ったと言う。
 「お手伝いの方が来られないので、お寺を出られなかった」との言い訳をされ、追及しても「申し訳ない。お布施はいりませんから」の一点張り。

 兎にも角にもご葬儀を終えた翌日、葬儀社の担当者も同行し、ご相談者は菩提寺に向かわれました。
 昔からの菩提寺ではなく、2年程前にお墓を買い、ご実家と同じ宗派のこちらのお寺を菩提寺にされたばかりとのことで、お墓にはどなたも入っていないのを幸いに、この際、別なお寺に移したい旨申し出、土地代とお墓代の返却を要請されたとのこと。
 新しく寺院墓地をお求めになられる方は、お墓そのものだけでなく、今後永くお付き合いをされるご住職のお人柄もチェックしておく必要があるようです。

遠い夏の日

 「遠い夏の日」とタイトルがつけられた、1枚のパステル画の絵はがきを眺めています。
 絵はがきには、お兄様からご紹介されたとのことで、当センター宛てにお兄様同様の直葬の見積りを希望され、7年前に事前相談をいただいた方の、若き日の自画像が描かれています。

 麦わら帽子をかぶった白い服の少女はスケッチブック片手に、背丈よりも高い赤と黄色のカンナの花が咲き乱れる中を、夏の強い日差しを受けながら、真っ直ぐ前を見据えて、歩いています。
 その毅然とした後姿は、まさにご相談者の生き方とも相通じるものがあるように思われます。

 丁度、直葬という言葉が一般的に広まりつつある中でのご自身のご相談で、「今まで万が一の時には、漠然とこのようにしてもらいたいと一人で考えておりましたが、大変良く分かりました。しかしながら、その時はすでに一生が終わっており、自身何一つたずさわることもできないはずなのに、客観的に冷静に考えて妙にすっきりしました。その時期が何年後になるかわかりませんが、いつか必ずお世話にあずかりますことと、後期高齢者ですが今のところ、これといって体に支障をきたすことも幸いにもございません」と見積書と説明書をお送りしたお礼状には記されておりました。

 白い服の少女のご希望は「万が一の時は火葬場に直行し、無宗教で、家族に見送ってもらえればよい。お墓は20年前に主人が亡くなった時、川口湖近くの霊園に購入済み」とのこと。
 
 便りがないのは良い知らせとばかりに、今年の夏も後を託された息子さん達からのご連絡が無いことを祈りながら、丁重なお手紙と一緒にいただいた1枚の絵ハガキ「遠い夏の日」の白い服の少女に思いを馳せております。

手づくりの思い出コーナー

先日、ご葬儀後のお忙しい中を割いて、ご相談者から早速にご葬儀のご報告をいただきました。
 担当者の適切なアドバイスや、最初から最後までよくフォローしてくださったことへの感謝のお言葉は、最も適切と思われる賛同社をご紹介いたしました者にとりましても、安堵とともに励ましのメッセージにもなります。

 また、当初納棺に参加を希望されていらっしゃった親族の方々を、霊安室のスペースの関係でお呼びできなかったのが、唯一残念だったとのこと。
 しかしながら、家族だけの納棺式となりましたが、少人数で納棺を執り行い、旅立ちを手伝ったことで、家族の絆をより深くし、良い思い出となられたご様子とのことです。

 ご葬儀が、良き思い出となるには、悲しみに包まれた故人様との最期のお別れを、担当者にお任せするだけでなく、一歩踏み込み一緒に参加することで、より深く各人の胸に刻まれることとなるようです。

 以前担当者の発案でご喪家の皆様の手を借り、故人様の思い出づくりをされ、200名余りのご会葬の方々皆様が熱心にご覧になって大好評を博し、ご喪家から感謝されたことが思い出されます。

 当時、故人様との思い出の写真や品をできるだけ多く集めていただきましたが、葬儀社さんの方で思い出コーナーを創るのではなく、ご喪家の皆様にお任せになり、皆様の手で創ることを提案し、実行されました。

 当初は担当者に言われたからと、しぶしぶお手伝いされていたお子様達も、写真を切ったり貼ったり、レイアウトしていくうちに、次第に故人様との思い出がよみがえり、手造りの思い出コーナーが完成された暁には、お気持ちの上でもご家族ご親族にとって代えがたいものとなったご様子でした。

 それから数年後、かつてお花の先生でもいらっしゃったお母様のご葬儀の際は、ご家族の他にお弟子さん達も負けじと共同作業で参加され、思い出に残るご葬儀になったのは言うまでもありません。
 ご葬儀の立会いにお伺いし、式場入口だけではなく、お清め室にも展示された作品に熱心に見入っていらっしゃったご会葬者のご様子が、今でも目に浮かびます。

担当者の心づかい

「ご長男の入院されている病院の前で暫し車をお止めし、永年住み慣れた団地の前をお通りして、臨海斎場の霊安室へと向かわれました」

 お父様も今頃はきっと心残りだったご長男とのお別れが思いがけない形で実現でき、あの世でほっとされていらっしゃるのでは・・・。

先日、ご家族・ご親族だけの1日葬を、臨海斎場にて執り行いました賛同社の担当者さんの報告を伺って、こちらも思わず安堵いたしました。

 深夜3時に病院にお迎えに上がり、民間の安置所に一時預けをされ、朝一番で臨海斎場の霊安室を確保し、午後には移動されて、臨海斎場では改めて納棺を執り行い、伸びていた、おひげそりをされ、お顔を整えてさしあげたとのこと。
 施行後のアンケートでは担当者の気配りには常に高い評価を頂き、またお願いすると思いますとわざわざ断り書きをいれてくださる方もいらっしゃるほどでした。

 今回のご報告を伺い、数年前に頂いたアンケートのことが思い出されました。
お亡くなりになるずっと以前に、病院から安置所に行く途中で、ご自宅の前を通ってほしいとおっしゃっていた方がいらっしゃいました。
  ところがお亡くなりになられた当日は、ご相談者もご家族も気が動転されて、そのことをすっかり失念していましたが、葬儀社の担当者は覚えておりました。

  「自宅前で暫しの間停車して、お祈りをして頂けたことで、心が救われた気がします。元気で帰ってこられなくて…、悲しくて無念でしたが、一瞬でも立ち寄っていただけたことで心が救われた気がします。このタイミングをおいて、他になかったですから」と。

 さらに打ち合わせの後、ご自宅まで送って頂いた折、遺影写真と一緒にたまたま別の目的で故人様が書き残した直筆のメッセージを担当者にお渡しされたところ、「会葬礼状の文面の最後に印刷して、原本は額に入れて安置所に飾っていただき、故人を大切に考えてくださっているお気持ちが伝わってきて、思わず新たな涙を流しました」と担当者の気配りに感謝のメッセージが寄せられていました。
 
 このような、ちょっとした気遣いが、ご葬儀では満足度を決める大きな手掛かりとなるようです。

リピートの輪

 7年前、入院中のお父様の万が一に鑑み、「安心、誠実な葬儀社の選択をしたい」と当センターのご相談フォームの備考欄にお書きいただいて以来、ご相談者から先月6回目のご葬儀のご依頼をいただき、お受けいたしましたが、前回から参加の担当者にとりましては、ある意味新たな幕開けとなりました。

 昨年春、ご相談者から5回目のご依頼を頂いた折、過去4回共お願いしておりました葬儀社さんをご指名いただきましたが、当の葬儀社さんが事情によりご連絡いただいた直前に廃業するというに事態に、急遽新たな賛同社さんのご紹介というハプニングがございました。

 ご相談者にとりましては寝耳に水で、過去4回お世話になっていた葬儀社の担当者さんには全幅の信頼を寄せ、ご自身の最期も見送ってもらいたいと、ご相談者自ら生前予約までされていらっしゃったとのこと。
 
 「父の葬儀から叔父の葬儀まで今まで4回もお世話になり、私共のわがままになりがちな要望もきちんと受け止め、対応していただきました。
そのような私共の気持ちを受け止め、よりよい見送り方を考えていただける葬儀社の担当者さんを希望いたします」
 新たに賛同社さんをご紹介するにあたっての、切なる願いをいただきました。

 ご紹介する当方も、以前の担当者とは過去何回も立会いでお目に掛かり、お仕事ぶりを拝見してよく存じておりますので、新たにご紹介する賛同社の担当者の方も前の方に匹敵すると思われる方をご紹介できる旨申し上げたところ、「以前の担当者の人となりをご存じでしたら、私共の葬儀社選びの基準もご理解頂けるものと思い、安心いたしました」とのご回答をいただき、思わず襟を正す思いをいたしました。

 新たにご紹介いたしました賛同社さんとご面談をされた1ヶ月後、義母様のご逝去をお迎えになり、ご相談者から早速に通夜前日には無事滞りなく、進行しているとの、ご報告をいただきました。
 一方で、新たな担当者の方には前回までの事情を説明し、今回は新たな第一歩となり、試金石でもある旨申し上げ、プレッシャーを掛けてしまった感も否めませんでした。

 あれから1年余、再びご連絡をいただき、無事新たにご葬儀を終えることができました。
 再び、新たな第1歩が踏み出されました。
 これからもリピートの輪がさらに繋がっていく様、賛同社の担当者の方々と二人三脚を組みつつ、更なる努力でより大きな輪にしていけるよう頑張りたいと思います。