引継ぎ

当センターの賛同葬儀社さんの担当者の方とは、いつも見積りをお願いするところから始まり、見積りの作成、ご相談者との面談の報告、ご逝
去された後の本見積り作成へと、逐一報告を頂いておりますが、常に緊迫した状況の中での連絡が多い中、ベテラン担当者も人の子、時として話し
の流れの中で、ふとそろそろ引き際も考えていると、弱音を思わず漏らす方もいらっしゃるようです。

 担当者と実際にお会いする機会は少ないのですが、立会いにお伺いした折、傍から見ていても、体力・気力が十分に備わっていることが第1条件
のようなこのお仕事は、どちらかのバランスが崩れると、先のような迷いが一気に出てくるのでは、と思わせるところがあります。

 長年ご葬儀に携わった担当者には、それぞれ独自の仕切り方があり、そのやり方が個性となって発揮され、強いてはそれがご喪家に、大きな信
頼を得られるきっかけになっていることも、しばしば耳にいたします。

 あるベテラン担当者に伺うと、いかに初めてお会いした方と短期間に打ち解け、相手の懐に入っていかれるかが勝負とのこと。
 そのためには資料をいっぱい持って行き、相手を迷わせない。
 いかにこの人は大丈夫だという安心感を持たせるかが大切、と力説されていらっしゃいました。
 長年の経験からくる細やかな気配りや適切なアドバイスは、若手の担当者になんとか肌で感じてほしいものです。

 一方で、若い担当者の頑張りを見たご依頼者から、高い評価のアンケートを頂いたことがありました。
 それは期待と励ましの意を込めて10点満点中12点という高得点で、実際は9点といったところですが、若いスタッフの前向きな仕事ぶりと、暖か
い心遣いに触れ、感激されてとのこと。
 経験を積むことで、将来はより素晴らしいサービスを提供してくれる、と期待を込めた評価でした。

 フットワークのよい、若い担当者への引継ぎをよろしくお願いいたします。

見積りの後、ぜひ担当者とのご面談を。

先日、メールでのご葬儀のご相談をお受けしているご相談者から、「葬儀社さんの選定の決め手は担当者の人柄です。老若男女は問いません」とのご回答を頂きました。

 一方、ご葬儀後のアンケートでは、お支払いについての事前相談で、ご自宅へ伺った葬儀社の担当者から、お支払方法は言うに及ばず、ご葬儀やご葬儀の後先に関する対処法まで、一つひとつの心配事に、同じ目線でのって頂き、思わずその場で万が一の時はお願いしますと即決された、ご相談者のエピソードも頂いております。

 また、少し前になりますが、担当者との二人三脚ぶりの報告に、ご紹介した者としてほっと安堵したこともございました。
 「担当者は自宅まで毎日足を運んでくださり、コミュニケーションがよく取れて何でも相談できました。仏式に則りつつも、同時に和やかに故人を偲ぶ場にしたいという意を正確に酌んでくださいまして、イメージ通りの葬儀を執り行うことが出来ました」と、それは、担当者のおかげで、ご相談者の一番の狙いだったお父様の短編映画を、ご会葬の方々にお見せできたことへのご報告でした。

 しかし、中には費用面もご予算内で納まり、ご親戚からもお褒めの言葉を頂いたが、ご相談者から厳しめに言わせて頂くと、手馴れて対応が早いことには満足でしたが、慣れすぎるあまり、儀礼的になってしまい、折角気遣って頂いたことも、半減してしまった感がありました、とのご忠告をいただいたこともございました。

 ことほど左様に、ご葬儀は価格面もさることながら、それ以上に担当者とのコミュニケーションのあり方が、ご満足の度合いに大きく関わってきています。
 お見積りの段階でご満足頂いても、担当者にも様々なタイプの方がいらっしゃいますので、人によって「合う、合わない」が出てくるかもしれません。

 見積りをお取りして、ご検討頂き、次の段階で、ぜひ担当者にお会になり、ご不安に思っていらっしゃることやご要望などを具体的にご相談いただいて、この担当者にお見送りのお支度を託してみたいと思われる方をご指名をいただければ幸いです。

映画「エンディングノート」を思い出しました。

それはキリスト教葬での、お別れ場面から始まりました。
 半年前の会社の検診で、癌を宣告された元モーレツサラリーマンのご葬儀までを、娘さんの映画監督が、克明に記録した「エンディングノート」は、世のお父さん方にとって、まだ記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

 終わりが近づくことは分かっていても、お父さんの日常を一喜一憂しながら一緒に体験し、ご家族の一員になったような錯覚で、最後の火葬場に向かう車を目で追いながら、長いエンディングロールを、呆然と眺めていたことが思い出されます。

 企業戦士のお父さんの特技は「段どり」と「空気を読むこと」だったそうです。
 お仕事で、多くのプロジェクトを手掛けてきたお父さんは、「ご自身の最期」を最後のプロジェクトに選ばれました。

 プロジェクト開始から1か月後、結婚式以来と軽口をたたきながら、奥様と最初の関門である式場の下見をされ、リーズナブルあること、家から近いこと、印象がよかったことが、この式場を選んだ理由だと説明されていました。

 終始撮影者の娘さんとの距離感が絶妙で、淡々と描いているのが余計にずしりと胸に響いてきたものです。

 やがて現実を受け入れざるを得ない状況の元、故郷の94歳になるお母様にケータイで≪さようなら≫を言うシーンまでも、冷静に対応されている娘さんの気丈ぶりには、この親にしてこの子ありと、ただただ感じ入ったものでした。

 当初、上手に死ねるでしょうかとおっしゃっていましたが、まさにパーフェクトで、自分自身の死に対して、ひとり一人向かい合うことの大切さを、改めて教えられました。

 先日、メールで難病を患っていらっしゃる方から、ご自身のご葬儀についてのご相談をいただきました。

 今はまだお元気で働いていらっしゃるとのことですが、いつ、その時が訪れるかわからない状態だ、とおっしゃっています。
 ご要望のお見積りをお取りしてお送りいたしましたが、お取りしたことが無駄であることを祈りながら、ふと3年前の企業戦士の「段取りが命」のお父さんのことが懐かしく思い出されました。

喜んで貰っていただける方に、差し上げるのが1番

  「こんな立派なもの、いただいてよろしいですか。気軽にいただきますって、ご返事しちゃいましたが・・・」
 お料理教室の先生はしきりに恐縮していますが、桐の箱を大事に抱えてきた先輩は、満足そうにニコニコ顔です。
 
 箱の中身は、先輩がかつて韓国の展覧会場で見つけた土瓶でした。
 備前焼きに似た風情のある土瓶を手に取り「喜んで貰っていただける方に、差し上げるのが一番」とほっとされたご様子に、取り囲んでいた中高年の生徒さん達も、我が事のように頷いています。

 80歳を疾うに過ぎた先輩は、今まで大事にされていたものを、次々と身近な方に託しています。
 
 先輩程のお歳ではありませんが、独り住まいの友人も、かつて長年の夢とばかりに、大枚をはたいて手に入れた、幅1メートル以上もある、信楽焼きの陶板の行方が心配になり、落ち着き先を思いあぐねていたようですが、ある日新聞で、山陰のお寺が全焼した記事を見て、ここだと直感で思いついたとのこと。
 早速にご住職と連絡を取り、お送りしたと興奮気味に話してくれました。

 1年後、一時は失意のどん底にあったご住職から、再出発にあたり、インドに出向いて、これぞと思う白檀を手に入れ、新たな仏像を完成させ、ご安置されたので、是非にとのご招待を受けたとのこと。
 白檀の仏像と我が子の陶板の双方に会える楽しみができたと、安堵とうれしさを隠し切れない報告があったのは言うまでもありません。

 先輩や友人の報告を受け、大分昔になりますが、明治、大正、昭和の子供たちが遊んだ紙細工の数々を、広い部屋いっぱいに広げて見せていただき、写真に収めた記憶がよみがえりました。
 「まだまだ奥の部屋にも沢山あります」と、嬉しそうにお話しされていた、ご高齢の収集家のご逝去の報を知ったのは、それから丁度1年程後でした。

 しばらくして、あの膨大な紙細工の行方が心配になり、収集家をご紹介いただいた方にお伺いしたところ、すでに全て廃棄されてしまったとのこと。

 時代のサブカルチュアとしての貴重な資料も、お宅の方々にとっては膨大な紙屑に映っていたようで、ご逝去後、真っ先に処分の対象となってしまったご様子です。

 後の祭りとなってしまいましたが、残したいものは、早め早めに託す人や場所を決めておく必要があるようです。

 思い立ったが吉日。

 わが身を振り返れば、先輩や友人のように高価なものは見当たりませんが、収集家に近い環境にあることは確かです。
 長年撮りためた、膨大なフィルムを前に、「いつやるの。今でしょ」と、発破をかけていますが、フィルムの行方が心配です。

追加料金のない葬儀社さんのご紹介を・・・。

開口一番「今、身内の者が亡くなったのですが、追加料金のない葬儀社さんをご紹介いただけますか」、張り詰めたお気持ちが電話口から伝わってきます。

「大丈夫です。ご要望の葬儀社さんをご紹介いたしますが、当センターでは葬儀社さんがお出しする見積りと請求の整合性をチェックしておりますので、見積りが安いと思ってそちらに頼んだら、とんでもない額が請求されたという問題はおきませんので、ご安心ください」。

 思わず、力が入ったこちらの返答に、電話口の主もほっとされたご様子が伺われ、以後の具体的なご相談もスムースに運び、ご要望に沿った賛同葬儀社さんのご紹介をさせていただきました。

 マスコミでも、昨今のご葬儀事情を取り上げることが、大分日常化してきているようですが、先日もテレビで、葬儀社さんから送られてきた請求書を見て、びっくりされたお話が話題になっていました。

 ○○円のパックでご葬儀が出来ますとのキャチフレーズに惑わされ、これでご葬儀代の全てが賄われる、と思われた節が多分にあるようです。
 請求書には当初の倍近くの金額が明記され、そこにはお食事代や返礼品をはじめ、お布施代、安置代・ドライアイス代の日数分等が加算されており、さらにオプションと称して、了承したかどうか定かでないものまで、含まれているとのこと。

 ご葬儀前の混乱状態の中、葬儀社サイドからの十分な説明がなされないままご返事された結果、思いがけない支払いをする羽目になってしまうケースが、後を絶たないようです。

 先のご相談者もそのあたりを警戒されて、おっしゃったご様子ですが、このように、金額の問題のみクローズアップされている背後には、担当者とのコミュニケーション不足が、大いにかかわってきているように思われます。
 
 担当者との繋がりが密であれば、防ぐことも可能な問題で、それは葬儀社選びの際の、大きな要因になるのではないでしょうか。

 ご葬儀に立会いでお伺いした折にも、担当者に全幅の信頼を寄せていらっしゃるご相談者をお見かけしていると、双方のコミュニケーションの取り方がつぶさに感じられ、今回も良いご葬儀になったのではと実感させられたものでした。

 担当者からも、初めてお会いした方にいかに早く懐き、懐いてもらうことが大事とのお話をうかがったことがあります。
 ベテラン担当者は細やかな気配り、和やかな雰囲気作り、臨機応変な対応から、一方の若い担当者はフットワークよろしくそれぞれの持ち味を生かした立場からご喪家との繋がりを図っているようです。

 ご葬儀後のアンケート等でも、そのことを如実に物語ったご回答を、数多くいただいております。
 
 「担当の方は何も知らない私に丁寧に教えてくれただけではなく、一般的にはこうだけれども、この地域ではこうだとの判断材料をいただきました」
 
 また、ある方は「こちらの主旨をすばやく理解してくださり、同じ目線で一緒に考えていただけた」とおっしゃる方もいらっしゃいました。

 「自宅まで毎日足を運んで下さり、何でも相談でき、私の意を正確に汲んで下さり、イメージ通りのご葬儀を執り行うことができました」等のご報告もいただいております。

 やり直しがきかないご葬儀だからこそ、その方にふさわしい見送り方を一緒になって考え、行動してくれる葬儀社、担当者選びこそが、ご葬儀の良し悪しを握る大きなキーポイントとなることでしょう。

ご相談者と血の繋がりは・・・。

先日「身内の者が危篤状態なのですが、家族葬での相場はお幾ら位でしょうか」との最初のお電話をいただいてから3時間後、ご相談者からご逝去の報が入りました。

 その間、ご相談者からは、お見積りに関するご質問やご依頼があり、緊迫した状況が刻々と伝わってきました。

 初めてのご葬儀とのことで、「病院付きの葬儀社さんからドライアイスをすぐに入れないとダメだと急かせられているのですが・・・」とのお問い合わせには、そんなに急ぐ必要がないこと、葬儀社さんはすでに決めていらっしゃることを先方に申し上げ、担当者がお迎えに上がるのを、お待ちいただくよう、お伝えいたしました。

 搬送、ご安置をされた後、葬儀社の担当者は大筋の打ち合わせだけをして、翌日ご自宅にお伺いし、本格的な見積りの作成に入りましたが、ご相談者がご葬儀のご相談で立ち会ったのは、安置後の打ち合わせまでとお聞きしています。

 ご相談者は故人様の娘婿に当たられる方で、その後の打ち合わせは全て、奥様と喪主のお義母様に、バトンタッチをされたとのことでした。
 ご逝去直後のお義母様と奥様のお気持ちを考慮され、ご葬儀に関する情報を一手に引き受け、一つひとつのご葬儀の内容はお二人に全てお任せされたご様子とのこと。
 
 役割分担をきちっとされた模様で、奥様のご親族の方々にも、きっと好印象を持って迎えられたのでは。

 と申しますのは、担当者からの報告を伺って、真っ先に思い浮かんだことがありました。

 以前、横浜在住の妹様のご主人が危篤状態との、ご相談をいただいた時のことでした。

 「実の兄弟以上の付き合いをしていたので、最期の別れを悔いのないものにしたいと、妹と相談しながらのお願いです」とのご相談でしたが、義弟のご実家のことをお尋ねすると、東北地方にお母様もご兄弟もご健在でいらっしゃいますが、長年疎遠になったままの状態とのこと。

 しかしながら、ご病気のご報告には、なしのつぶてのご兄弟も、万が一のことに関しては見逃すわけにはいかないご様子で、しかも勝手に進めているのが、奥様のお兄様となれば、血の繋がりがないあなたがなぜ、という目で見られ、双方の思いは益々気まずくなるばかり。
 
 「肝心の妹が動揺しておりますので、これ以上のご相談は無理な状態になってしまいました」と丁重なお詫びのメールをいただいたことが今でも思い出されます。

 ご葬儀は好むと好まざるとにかかわらず血縁を意識させられる唯一の場でもあり、ご相談者の立場も微妙です。

敬老の日の思い出

  夏休みが終わったと思った矢先、早くも3連休に入ります。
 3連休の3日目は9月15日、敬老の日です。
 今年は久しぶりにかつての敬老の日と同じ9月15日となり、古巣に戻ったような懐かしさを感じる方もいらっしゃるのでは・・・。

 敬老の日と言えば当方が真っ先に思い出すのは、雲一つない青空と、太鼓の音と友人の飛び切りの笑顔です。

 東京郊外の特養老人ホームの広場では、青空の元、若者たちが汗だくになってダイナミックに和太鼓を連打していました。
 敬老の日のイベントのハイライトに、広い広場も車椅子の方々とそのご家族やお知り合いの方々で、満員の盛況でした。

 久しぶりの五臓六腑に響き渡るようなリズムに、車椅子の友人は今にも飛び出さんばかりに、欣喜雀躍の様相を呈していました。
 長年音楽の世界に身を置いていた友人が、久しぶりに見せた笑顔には、格別なものがあり、友人の喜びの動きに連れられて、周りの車椅子の
方々も、負けじと、若者たちに声援を送りはじめ、いつの間にか広場中が和太鼓と一体となったように感じられるほどでした。
 
 その友人も半年後には御年92歳で帰らぬ人となり、早くも5年の月日が流れました。
 ご一緒にイベントを楽しんだ方々のご家族の中には、しばらくぶりにお会いされて、はじけるような笑顔に安堵された方も大勢いらっしゃった
のではと、当時が懐かしく思い出されます。

 一方、昨日は久方ぶりに鎌倉の料理教室で80代半ばの先輩にお会いしましたが、敬老の日の話は切り出せませんでした。
 お仕事で日本狭しと飛び回り、多忙の中、お料理に続き句会のお誘いにまで、笑顔でお答えしていらっしゃる姿には、敬老の日を撥ね飛ばすよ
うな勢いが感じられ、まだまだ先のお話のようです。
 70代後半まで登山をされていらっしゃった先輩の口癖は「60代で十分体力を養っておくこと」。
 肝に銘じておきます。

 お歳をめされても敬老の日が似合う方、似合わない方、様々ですね。

直葬でもゆっくりお別れがしたい。

ご葬儀のご相談で「直葬」という言葉を耳にしてから、大分時間が経ちました。

 当初はご葬儀の儀式無しで、火葬場へ直行する戸惑いもありましたが、一方でご葬儀の価格を抑えたいご要望が根強く、たちまちブームの様相を呈する程の話題になりました。

「そのようなことが可能でしたら、自身の葬儀は直葬でお願いしたい。周りに迷惑をかけたくないので、今は元気だけれども生前予約をしておきたい」と、経済的な理由だけでなく、ご自身の意志でどのようにしたいか決めたいと、ご自身のご葬儀の概算見積を希望される方が急増したのも、丁度この頃でした。

 あれから、7〜8年経ち、「直葬」は都市部を中心に、ごく普通に執り行われ、すっかり定着した感がありますが、同時に、「儀式は行わないが、ゆっくりお別れはしたい」と、個々の諸事情に照らし合わせたご要望が、多く寄せられてくるようになってきました。

 以前は病院でのご逝去の後、安置所にご安置され、お見送りの方は火葬当日30分程前に火葬場にお越しいただき、炉前でのお花入れ、読経等10分程の最後のお別れをされる方がほとんどでしたが、お別れはゆっくりしたいとのご要望も寄せられるようになり、限定はされますが、葬儀社さんの中には、できるだけご希望に添えられるよう、あれこれと検討されるところも出てまいりました。

 直葬でも、ご逝去後、病院からご自宅に搬送され、ご自宅でゆっくりお過ごしになり、火葬場へ行かれる方は問題ありませんが、先日お受けしたご相談者の場合は、病院近くにある斎場でのご安置をご指定され、今までご家族離れ離れでしたので、最後の一晩、ご家族皆様で付き添い、翌日の火葬をご希望され、付き添う場所はどこでも構わないので、安置料だけで賄いたいとのご希望でした。

 ご要望の斎場が、当センターの賛同社でもあり、問い合わせましたところ、こちらでは、ご家族で1晩中付き添う形になりますと、式場にご安置
されますので、通常の式場費が必要となるとのこと。

 難しい状況でしたので、ご相談者には事情をお話しして、お住まい近くの、式場・安置所所有の賛同社2社に問い合わせましたところ、ご家族には2階のご家族用和室控室をご用意し、2階の式場が開いている場合は式場にご安置しますが、式場費ではなく、宿泊料として2万円程いただくとのこと。
 また、他の賛同社からはやはり、一晩付き添われるには式場にご安置され、一晩の式場費5万円程になるとの各社それぞれのご返事でした。
 
 残念ながらお住まいのお近くで、ご家族が一晩付き添い、式場費や宿泊費がかからない安置所は難しい状況でしたが、後日、他市の賛同社に伺ったところ、ご要望にぴったりな賛同社もございました。
 こちらは式場ではなく、広い和室にて「付き添い安置」という形をとり、ご自宅で過ごされるように、お線香をあげて、一晩中付き添い、翌日には火葬ということが可能で、しかも、お部屋代は無料とのこと。

 直葬を例にとりましても、ご相談者の様々なご要望に対して、葬儀社さんも、暗中模索をしながらも、時代のニーズにあわせて、臨機応変に対応されていらっしゃる方も、お見受けしておりますので、場所により、様々な条件もありますが、少々ご無理なご要望かと思われても、解決できる場合もございます。

 まずはご相談されてみてはいかがでしょうか。
 当方も、ご一緒に勉強させていただきます。

リピーターの方のお気持ちは・・・。

  最近では、インターネット上でのご葬儀の情報も、一段と喧しくなってきましたが、情報は集まっても、いざどちらの葬儀社さんがこれから執り行うべくご葬儀にふさわしいか、戸惑われる方も多いかと思います。
 
 当センターに寄せられる口コミの中にも、どのような経路で葬儀社さんをお決めになられたのか、思わずこちらが問いただしたくなるような苦情も、時に舞い込んできます。
 ご葬儀に関する調査報告書等でも、施行後半数近くの方から、再度同じ葬儀社さんに依頼したくないという結果が出されているとのこと。

 そんな中で、リピーターの方から「また、お願いします」との、お申し出を受けると、ほっとすると同時に、気を引き締めて行こうと新たなファイトも湧いてきます。

 夏の初め、リピーターの方のご依頼が続く中、6年程前、お父様のご葬儀で賛同葬儀社さんをご紹介以来、今回で5回目のご相談をご希望される方から、メールをいただきました。

 今回のご相談は、奥様のお母様のことで、過去4回とも同じ葬儀社さんの同じ担当者さんにお願いしており、万が一の時は又よろしくとのことでした。
 しかし、ここで困ったことが起きました。
 実はほんの一ヶ月ほど前、当の葬儀社さんはご事情で廃業され、担当者の方も地方にお戻りになられたばかりです。

 事情をお話申し上げ、当の担当者とは何回も立会いでお目にかかり、お仕事ぶりを拝見しておりますので、新たにご紹介する葬儀社の担当者の方も、前の方に匹敵すると思われる方をご紹介できる旨申し上げたところ、「担当者の人となりをご存知でしたら、私共の葬儀社選びの基準も、おおよそご理解いただけるものと思い、安心しております」とのご回答をいただきました。

 ご相談者は新たな葬儀社さんより見積りをお取りになり、ご夫婦でご面談された後、約1ヶ月後にお義母様のご逝去をお迎えになられました。

 通夜前日には、これまで無事滞りなく進行していることのご報告を、さらに葬儀翌日には、お忙しい中、葬儀社のみならず、ご葬儀関係のスタッフ、お一人お一人をねぎらうお言葉と、感謝のお気持ちが綴られたメールをいただきました。
 
 5回目のご葬儀も新たな担当者の手により、無事執り行うことができました。

 後に、前の方を引き継ぐプレッシャーを担当者にお伺いしたところ、それに打ち勝つには、まず全て正面から向かい合うしかありませんと、穏かな中にも毅然とお話になりました。
 一つひとつのお話をきちんと聞いて、言われたことは忘れないように。
 一つでも聞き漏らしたら、それがクレームになってしまう場合もありますので、いかに集中するかを心掛けているとのこと。

 ご葬儀の良し悪しは葬儀社選びにかかっています。

ご葬儀での出来事

  ご葬儀の立会いにお伺いしたり、ご葬儀後にお願いしておりますアンケートでは、ご相談者からお褒めのお言葉をいただき、恐縮しております
が、時にアクシデントが起きたり、ご注意をいただく場面もございます。
  
 急なことで、途方に暮れている時、親身になってご相談に乗ってくれ助かりましたとのご報告に思わず胸を撫で下ろしますが、時に葬儀社の担
当者として良かれとしたことが、思わぬ方向にいってしまうこともあり、ご紹介した当方も最後まで気が抜けません。

 以前、横浜での大型のご葬儀の際、着々と祭壇が設営され、数多くの供花が整然と並べられ、しめやかに通夜の読経が始まって間もなく、静寂
の中ガタッという音と共に屏風の端が突然傾き、前の供花にあたり、お花が少し傾いたことがありました。
 
 一瞬の出来事に葬儀関係者は青ざめましたが、それ以上のことはなく、式はそのまま続行し、終了後元通りに直されましたが、ご喪家始め、関
係者の皆様には多大なご迷惑をお掛けしたことには間違いございません。

 さらに、傾いた供花はお身内に不幸が続いた方からのものとご相談者から伺い、翌朝担当者は祭壇製作者と共に、供花をいただいたお宅にお詫
びにお伺いして、ご理解をいただき、無事ご葬儀を終えることができました。

 当初、大変ご立腹のご様子だったご相談者も、担当者の率直なお詫びと迅速な対応に動かされ、後日、故郷でのご葬儀も手伝ってほしいとのご
連絡をいただく程に、お互いの信頼を回復されたとのこと。
 担当者がお花を持って馳せ参じたことはいうまでもありません。

 どんなに素晴らしいご葬儀であっても、一瞬の気のゆるみで、全てが覆されてしまうことを実感した出来事でした。

 また、最初のご相談から何年かぶりにご連絡をいただいたご葬儀では、ご相談者から担当者の適切なアドバイスや細やかな気配りに感謝のお言
葉をいただきましたが、一つだけ遠慮がちにお話されたことがございました。

 100歳を越すご長寿の方でしたが、ご逝去4日後にラストメイクがほどこされたお顔はご相談者のお母様のイメージとは大分かけ離れてしま
い、大変戸惑われたご様子をお話いただきました。
 
 担当者に伺うと、ご逝去後少し時間が経ち、お顔が黒ずんできたのでメイキャップアーチストにラストメイクをお願いされたとのこと。
 「よりきれいに」を意識されたメイクよりも、いつものお母様のお顔でお別れがしたかった。
 たかがメイク、されどメイクです。
 小さなことのようですが、大きな問題だと思います。
 ご遺族の心情を察して、より心のこもった対応の必要性を感じたご葬儀でした。