梅雨が明けたと思ったら、早くもお盆の季節がやってきました。
お盆はその地により7月であったり、8月であったりと複雑ですが、実家の遠州地方は町内によって違うはめになり、新盆で伺う時には確かめてからでないと大変です。
さて、皆様は「盆義理」という言葉を御存知でしょうか。
子供の頃から耳慣れたこの言葉も、遠州地方独特のものであったことは、後になって知りました。
この地の新盆は第2のご葬儀とも呼ばれ、新盆のお宅では祭壇や提灯を極彩色に飾りつけ、両脇に親戚一同からの籠盛がずらっと勢揃いする風景がご葬儀以上に華やかな様相を呈しています。
飾りつけだけでなく、ご葬儀にお出になられた方は再び「盆供」と書かれた不祝儀袋を片手にお伺いする慣わしになっています。
1年間にご葬儀で伺ったお宅をお盆の日にまとめて伺うため、あちこちで車の大渋滞が起こり、暑い日差しの中を黒服姿が目立つのも、いつか夏の風物詩のように、こちらでは捉えられているようです。
ご葬儀に伺えなかった方も、「盆義理」に駆けつけることで義理を果すことができることになり、むしろに伺えないと義理を欠くことになるとご葬儀以上に気を使うのが、「盆義理」です。
しかし、今年のお盆はいつもの年とは異なります。
東日本大震災で命を落とされた方々の新盆はどのようにお迎えし、お送りされるのでしょうか。
お身内だけでひっそりとでは寂しすぎます。
せめてお盆の間だけでも大勢の知人友人と再会され、少しでも安心されて旅立ってほしいものです。
そのためにも8月の旧盆には被災地の方々が是非「盆義理」を知って、出来るだけ多く取りいれてくれることを願っています。