昭和23年、阿佐ヶ谷駅前の屋台で森繁節に酔いしれた友人は・・・。

 11月10日、昭和の演劇人・森繁久弥さんがお亡くなりになりました。享年96歳。
 森繁さんと同じ演劇人仲間の友人からは、大陸がえりの森繁さんのエピソードをよく伺ったものです。
 時は昭和23年。戦後の混乱期で、満足に食べることにも事欠く時代だったが大陸がえりの森繁さん、芦田伸介さん達は野放図で楽天家ぞろいだったという。
 芝居の稽古が終ると文無しのくせに、皆で中央線阿佐ヶ谷駅前の屋台に突進の毎日。 酔うほどにあの独特の節回し“森繁節”がどろんこの空き地に響き渡り、君の唄なかなかいいねと屋台のおじさんからも褒められる始末。
 やがてその屋台に愉快な中国人がいるとの噂が立ち、文士の集まりだった阿佐ヶ谷会の井伏鱒二や上林暁らも聞きつけてやってくるようになった。
 勿論これは森繁さんが片言の日本語をしゃべりまくる中国人を演じていたのだが、当時から話術の天分を発揮していらしたようだ。
 屋台の森繁節に涙した友人は、今、老人ホームでマイペースの生活を送っています。 次回お会いする時、森繁さんの死をどう切り出そうか・・・・。

ご葬儀の良し悪しは担当者への信頼感をどの位持てるかが鍵になる

 今日、友人から喪中に付き賀状欠礼の葉書が届きました。
 1ヶ月少し前に友人と会食した時、90歳半ばでお元気すぎる義母様のことをあれこれ話題にしていたばかりなのに・・・。その後、間もなく急変されてしまったご様子。
 事ほど左様に人の死は突然にやってきます。

 ご葬儀は予行練習ができる結婚式と違い、突然訪れる悲報に心の準備もなく、いきなり未知の世界に放り出されるような不安だけが増大してしまいます。
 この漠とした不安を、一枚一枚薄皮を剥ぐように取り去ってくれる役割になるのが葬儀社の担当者です。
 担当者への信頼感が持てるかどうかがご葬儀に大きく影響してくるようです。
 
 ご葬儀後の担当者への評価で、当センターの依頼者からは事前相談の時から何がなんでもやらせてくださいと言った押し売り的なところがなく、1歩引いた立場でのお話に好感がもて、裏方に徹した仕事ぶりに大変助かりましたとのご連絡を頂きました。
 また、別な依頼者からはご要望を丁寧に聞いてくれ、「普通」を押し付けず、ご喪家に合ったご葬儀を提案してくれ、アットホームな雰囲気にホッとされたというお便りも頂きました。
 一方、依頼者から高い評価を頂いている担当者にも各々ご葬儀に対する取り組み方のタイプに違いがあります。
 例えば積極的にリードしていくタイプ、黒子に徹するタイプ、一緒に歩調を合わせるタイプ等それぞれの個性がありますので、ご喪家との相性の良し悪しのようなことも出てきます。
 概算の見積りを取り寄せ、おおよその概略が見えてきましたら、担当者と直接会って面談されることをお勧めします。

依頼者のアンケートの輪から新たな展開が期待できるのでは・・・。

 不安を抱えながら初めてのご葬儀を迎え、お出で頂いた方々に失礼のないように、また滞りなくご葬儀が終了できるようにと細心の注意をはらった思いをアンケートにお書きいただける方が最近特に目立ってきて、当センターとしては嬉しい限りです。
 
 通りいっぺんのお言葉だけではなく、感じたこと、思いついたことを具体的にお書きになり、お褒めの言葉からご注意まで様々な角度からご指摘され、私達がつい見過ごしてしまいがちになることにも疑問を投げかけられ、改めて気付かされることも度々です。
 初めて体験した世界への戸惑いに手を差し延べてくれた担当者への実感がこもった感謝のお気持と同じに、業界のしきたり(?)のようになってしまっていることへの疑問、さらにどこかでもっと風穴を開けてほしいという願望が生々しく綴られています。

 さらに最近目につくのは、葬儀後の役所への手続きや事務処理やお返しの方法、法要からお墓の入仏式などの相談が気軽にできるシステムやホームページでの紹介を希望される方が多いことです。
 火葬が終るまでは葬儀社が面倒を見てくれますが、葬儀社の手を離れて、以後気軽にご相談できるところが中々見当たりません。かつては地域やご親戚の年配者から教えを受けていたことが、都会ではすでにできにくくなり、SOSを発し始めたようです。

 当センター・ホームページの「依頼者の評判」をお読みいただき、参考にされ、ご自分の場合にはとご報告いただいた方も出てきています。皆さんの輪が広がって、そこから新たな展開ができるのではと密かに期待しています。

見積りだけでは分らないご葬儀の満足度。

 ご葬儀に立会い、葬儀社の担当者の采配ぶりを拝見していると、思わず「さすが」と感心させられることしばしばです。
約1時間の葬儀・告別式の進行そのものは特別な事がない限り目立った違いはないはずですが、同じ演目の芝居やオーケストラが演出家や指揮者によって違ったものになるように、担当者によってご葬儀の中身や雰囲気がガラッと変わってきてしまいます。

 黒子に徹し、常に一歩下がってサポートする方、また二人三脚でご一緒に考えましょうと言う方、半歩前から色々アドバイスされる方、それぞれの担当者の持ち味を活かしたやり方でご喪家と接しているようです。
 細やかな気配り、和やかな雰囲気づくり、臨機応変な対応ときますとベテランの方に一日の長となりますが、若手の担当者にはフットワークがよく、依頼者の意図をうまく汲み取ってくれ、コミュニケーションも取りやすかったというアンケートも頂いております。
 また、思いもかけなかった突然の出来事に遺族だけでは思慮しきれない部分の助言や導きがあり、大変助かりましたというお言葉も頂いております。

 よりご満足のいくご葬儀を希望されるならば、見積りの高い安いだけでは分らないソフトの面も合わせてご確認いただきたいと思います。
 その為にも、出来ましたら担当者に会って具体的なお話を伺ってみることも大切です。担当者の人となりを知る上でも・・・。

見積りはしっかり見ましょう・・・。

 最近見積りについての電話でのお問い合わせが目立っています。
 当センターがNPO法人ということで、信用していただいた上でのご相談が相次いでいます。
 できるだけ無駄を省きたいが取り寄せた見積りは正当なお値段なのか。
 病院付きの葬儀社に頼んだら搬送だけで法外な値段を要求されたが、相場は幾ら位なのか。
 はたまた同族会社の経営者だったお祖父様が急死され、社葬を頼んだ葬儀社が不当な請求をしてきたのでご相談したいとお孫さんからの問い合わせがありました。
 社葬の場合は先ず会社の取締役会での承認を得て執り行われますが、あわただしい中で担当の社員の方も葬儀社の説明をよく理解されないままことが運ばれてしまい、請求書を見てびっくりのご様子。
 契約される前の打ち合わせの段階でどのような説明がなされたのか、最終的な見積りはどんなだったのか。
 お願いしていないテントが張られたとおっしゃいますが、数百人の会葬者がおいでになる場合には必要なものでは・・・?
 祭壇も半額に負けると言われ、お花も供花が組み込みになっているのでただ同然になるのではとおっしゃいますが・・・?
 どうも一つひとつ十分な説明がなされないままご葬儀をされてしまったようです。
 最終的な見積書と請求書の中身を見比べ、じっくり検討され、葬儀社と話し合う必要があるようです。
 近頃、見積りを取ることまでは一般的に浸透してきましたが、さらに中身を検討され、また紙の上だけでは分らないことがありますので担当者に会って話を聞き、祭壇等は写真を見て判断されることも必要です。

100歳の葬儀事情は如何様に・・・?

 先日、NHKのラジオ深夜便を聴いていると女優の吉行和子さんが102歳になられたお母様の吉行あぐりさんのことを話していらっしゃいました。
 あぐりさんは10年程前のNHK朝の連続テレビ小説「あぐり」でおなじみになられた方で97歳まで現役の美容師さんをされ、現在もお元気で和子さんを叱咤激励されていらっしゃるとのこと。

 そう言われて、周りを見渡すと90歳以上でお元気な方があちこちで目にとまります。
 20年ほど前、東大のお医者さんから人間の寿命は大体90歳位までと言われ、なるほど、80歳後半の声は聞くけど90歳の声は中々聞かないなと、妙に納得したのがつい昨日のように思い出されます。

 事ほど左様に日本人の寿命は延び、かつて100歳のご葬儀は天寿を全うされたお祝いの席に取って代わられ、紅白のタオルを配り盛大に見送られたこともいつの間にか昔話のようにされてしまった感があります。
 むしろ昨今では、ご高齢でお知り合いも少なくなってしまわれたから、できるだけ質素に家族だけで見送りたいという方が増えてきています。
 中には病院から直接火葬場に向かいそのまま荼毘に付されてしまう方もいらっしゃいますが、折角長く生きてきた最後が余韻に浸る間もなく、あまりに呆気なく終ってしまうのが残念です。
 ご事情はあると思いますが、出来るだけ多くの方とお別れして、ゆっくりとあの世に行っていただくことは無理なのでしょうか。
 高齢なのでもう・・・とネガティブにとらえるのではなく、高齢で今まで生きてこられたのだからとポジティブにとらえてお送りできないものだろうか。
 高齢なのでもうという言葉を立て続けに聞くたびに、少しあまのじゃくな気持になってしまいます。

点数をつけるとすると何点ですか・・・?

 お気持に点数はつけられない。解答があるわけではないので同じことに対してある方は70点、別な方は80点となり、その差の評価は難しい。
 それでもあえて点数をつけて頂く。
 センターではご葬儀が済み、少し時間を置いたところで依頼者の方にアンケートのお願いをしております。
 まだそれどころではないとお叱りを受けるのではと内心びくつきながらも、「お願いします」とサッと差し出します。
 幾つかの質問事項の中で葬儀社についての総合満足度を10点満点で伺っています。
 8点です。9点です。と伺うとどの辺りがご不満だったのか、何か落ち度があったのかにわかに心配になり、時に10点満点ですと言われると、本当ですかと少しいぶかしんだりと、回答を頂くのにも一喜一憂してしまいます。
 そんな中で10点満点12点を付けた方がいらっしゃいました。
 若いスタッフの仕事ぶりに感激され、将来への希望を託されてプラスされたとのこと。
 
 こちらのふらついた気持が一喝され、おもわず頷いてしまいました。
 
 満足された点、ご不満だった点を具体的に伺い、点数と見比べながら、依頼者のお気持ちを色々と推し量り、次なるステップへの足がかりを模索しています。
 
 
 

「葬儀社だけでなく担当の方が重要だとつくづく感じました」アンケートより・・・。

 インターネット上では、安売り合戦のように葬儀一式幾らからと文字が飛び交っていますが、勿論それだけでご葬儀全てまかなえることではありません。
 それでも安い文字が躍っていると目移りがして、あちこち検索している内に益々混乱してしまい、「ところで、相場は幾らですか」というお電話を度々いただきます。

 センターとしては家電製品のように幾らになったから安い、高いとは言い切れるものではなく、相場が幾らというよりも葬儀のよし悪しはむしろ担当者のサービスの質で決まってしまうことをアピールしています。
 一般的にはご葬儀の機会が殆どなく、サービスと言っても分りづらいようですが、直に経験されるとそれを初めて実感されるようです。

 センターがおこなっている施行後のアンケートではそのことを如実に物語っています。
 先日も「葬儀社だけでなく担当の方が重要だとつくづく感じております」とのアンケートをいただきました。
 「担当の方は何も知らない私に親切丁寧に教えてくれただけでなく、一般的にはこうだけれども、この地域ではこうだと判断する材料をくれて非常によかったです」とお褒めの言葉を頂き、会葬者からも「私もこういう式がよいと思った」と言われ、家族全員で満足されたとのことです。

 またある方は「最初に電話した時からとても感じが良く、こちらの主旨を素早く理解して下さり、同じ目線で一緒に考えてくださったと思います」とありました。

 他にも「担当者は自宅まで毎日足を運んでくださり、コミュニケーションがよく取られ、何でも相談できました。私の意を正確に酌んで下さり、イメージ通りの葬儀を執り行うことができました。さらに担当者の誠意ある対応を見て、自分の時もこちらにたのもうかなという親族もいました」。
 
 担当者の熱意が直に伝わって来るようです。

第三者のケアマネージャーからご葬儀の相談を受けて・・・。

 先日、深夜、ケアマネージャーの方からお世話していた方がご自宅でお亡くなりになったので、葬儀社を紹介してほしいとのご連絡が入りました。
 亡くなられた奥様の介護にあたっていたご主人から全て任せられているとのことでした。
 早速センターからご要望にあった葬儀社をご紹介するために幾つかお尋ねいたしましたが、お宅の実情はご存じなく、どんなご葬儀をされたいのか判断がつかず、「ご主人から直接電話をかけさせるようにします」と電話をお切りになりました。
 
 最近、事前相談などでも、ご家族以外の方からのご相談が時々見受けられます。
 ご相談自体はいっこうに構わないのですが、いざという時にご家族、特に血の繋がりのある方から横槍が入ることが多々あり、その点は注意が必要です。思わぬところに伏兵有りです。

 以前、妹さんのご主人が危篤状態で、ご主人とは「兄弟以上の付き合いをしていたので最期の別れを悔いのないものにしたい一心で、妹とも話し合い、葬儀の相談」をされた方がいらっしゃいました。
 ところが、このことがご主人の実家に知れるところとなり、なぜあなたが・・・と言う目で見られ、依頼者の独断で話が進むことに、先方のご兄弟から異論が出てきてしまいました。
 依頼者は妹さん一家の状況も良くご存知で、万が一の時は妹さんが喪主にあたりますが、お2人とも血の繋がりはありません。最後は血の繋がりがものをいうようです。
 一言先にご実家にご相談すべきでした。
 よかれと思ったことが思わぬ方向に行き、双方の気まずい思いだけが、残ってしまったようです。

 核家族化で第3者がご相談される機会も今後益々増えてくると思います。慌てないためにも、エンディングノートの活用が待たれます。
 先ほどのケアマネージャーの方からは、「ご親戚の方が取り仕切られたようです」とのご連絡をいただきました。

「パンフレットを送ってもらったが、大丈夫なところかどうか教えてください・・・?」

 「パンフレットを送ってもらったが、その葬儀社が大丈夫なところなのか、お宅で教えてもらえないか」電話口の主は申し訳なさそうな声で尋ねられた。
 インターネットを見てよさそうなところ数社から送ってもらったが、はたしてその社がどのようなところなのか心配になった由。
 お元気なうちにご自分の万が一の時の準備を始めようと取り寄せてみたものの、パンフレットを見ていると、良い事ずくめでどこがどう違うのかも分らなくなってしまったようです。

 当センターはNPO法人ということで、皆様の信頼をいただき、先のような質問を時々いただきます。
 各々の社についてはこちらで知っていることはお話いたしますが、お値段的なことになると一概に言えない場合もあります。
 祭壇のお花ひとつ取っても他社と同じものを使用しているのではありませんので、家電製品のようなお値段の比較は難しいのが現状です。
 また、パンフレットに何十パーセント引きとうたっていると逆に疑い深くなってしまいます。
 そんなに割り引いてもやっていけるのでしたら・・・・。
 以前、割り引き率のことで上司と意見の衝突をし、やめて独立され、それだけは絶対にしないと熱血漢溢れるお話をされた葬儀社の方もいらっしゃるほどです。
 
 ご葬儀は会社の大きさ、お値段の割引率よりも、まずはご自分がどんな葬儀をされたいのかをイメージし、それにあった葬儀社を選ぶことが第1であり、それを実行してくれる担当者選びが重要になってきます。
 パンフレットを頂いたからには、担当者に直接お会いになってお話を伺い、ご要望をしっかり受け入れてくれるかどうか見極める必要があるのでは・・・。
 
 パンフレットから葬儀社選びまで四方山話をしていくうちに混沌としていたご自身のご葬儀のイメージが湧いてきたようです。
「イメージが固まったらもう一度ご相談いたしますのでよろしくお願いします・・・」と受話器を置かれました。