「市民葬って安くできるんですか」ケータイの向こうから少年の心細げな声が聞こえる。

 「市民葬のこと聞きたいのですが」深夜の電話口、心細げな声の主が開口一番おっしゃったのは「市民葬って安くできるんですか」
 一般的にお値段としては安くできますが、市民葬の中にも3段階くらいに分かれていて、上と下では差があり、上の方は最近の葬儀社さんの目玉商品になっているこぢんまりした家族葬プランとお値段的にあまり差がなくなってきている旨お話しました。
 
 「ところでご希望の市民葬はどちらでおやりになりたいのですか」「秋田の方です」「えっ秋田市ですか?」「秋田の近くの横手市です」
「当センターとしてお答えできる範囲は関東一円位なんですが。申し訳ございませんが横手市のことは勉強不足で一般的なことしかお答えできませんが・・・。」の前置きから市民葬の話が始まりました。

 区民葬、市民葬は区民、市民に低料金で祭壇を貸し出すところから始り、現在でも貸し出されるものは限られていますので、それ以外の必要なものはオプションとして加算され、さらに大所の斎場費、飲食代、返礼品代、お布施代等が別途必要になりますので努々10数万円で全てまかなえるとは思わないでください。
 普段殆ど馴染みのないことなので戸惑うかもしれませんが、区民葬に例をとりますとまず死亡届を区役所に提示し、祭壇、霊柩車、火葬等の利用券を受け取り、それを持って指定業者(全葬連加盟店)に申し込むことになります。
 市民葬も似たようなシステムですが、中には千葉県の市川市のような例もありますのでご注意ください。
 
 市川市の場合依頼者は死亡届を持って市川市営斎場に出向き、式場と火葬日を確保してから市役所市民課に行って死亡届と斎場の明細書を提示すると許可証が発行される仕組みになっています。こちらも市が用意できるのは3段の祭壇と柩、骨壷、霊柩車だけなので後は全て業者頼みになります。指定業者もなく建前的には市民が自由に執り行えるようですが、結局は業者にお願いする形になるようです。

 電話の主は「お布施も含まれないですか」とおっしゃいます。お布施は菩提寺との関係ですから、葬儀社やまして市役所が口を挟むものではありません。
 お布施代等はご親戚の方や壇信徒の方にお尋ね頂くのがよろしいのでは・・・。
 
 「市民葬のことは横手市役所に問い合わせて、お布施が出せる金額ではなかったら菩提寺の住職にかけ合ってみます」先程来の沈んだ声が心なしか元気になったように感じられ、少しほっとしました。

家族全員集合写真は柩に入れないで・・・。

 「ビニール製ハンドバッグ、靴、寝具、釣竿、ゴルフクラブ、テニスラケット、めがね、大きなおもちゃ、びん缶類、ガラス製品、プラスチック製品、貴金属、スプレー、ガスライター、辞書、携帯電話、CDプレイヤー、果物等々」
 書き出したのは、引越し用荷物ではありません。
 柩に入れてはいけないものを各火葬場のパンフレットから拾ってみました。
 ご遺体と一緒に火葬されるためには焼け残ったり、ご遺骨にくっついてしまっては大変です。また現在では環境への汚染源での一つ、ダイオキシン類に注意する必要があります。
 そんなこんなで柩に納めるものも大分限定されてしまったようです。
 せめて「故人の愛用品を柩と共に」ということも、かなわぬ夢となってしまいました。
 それでも生前愛用されたお着物や友人からの寄せ書き、写真、など思い出の品がお花と一緒に入れられます。
 少し前、長患いの末にお亡くなりになられた方は病室に代わる代わる訪れたお孫さんたちの手で千羽鶴が折られ、その千羽鶴がお孫さんの手で納められ、最後までお孫さんたち全員15名に囲まれての旅立ちになりました。
 また、同じような柩にいれる折鶴でも、葬儀社の方でご用意する折鶴もあります。
 当センターの賛同社の中には最後のお別れ花の代わりにしている社があります。
 担当者いわく、「最近は通夜の会葬者が増え、明日の葬儀に来れないから今日お別れしたいという方のために、祭壇のお花が切れないので、お花の代わりに折鶴を差し上げています」とのことでした。一方で、できるだけ経費を抑えようとして祭壇を造花祭壇にしている方のためには、生花に代わり、色とりどりの折鶴で柩を埋める場合もあるそうです。
 カラフルな折鶴はお花とは違ったインパクトをもって迫って来るようです。
 
 先日のご葬儀では写真を柩に入れようとして、ベテラン担当者から待ったがかかってしまいました。
 お花入れが始まってまもなくご遺族は家族全員で撮った写真が自家用車の中だと気づき、慌てて取りに行こうとしましたが、「集合写真はひっぱられるから柩に入れないでください」と云われ残念ながら入れるのを見送ったとのことです。
 昔からの言い伝えには逆らえません。皆さんまだまだ現世に未練がありますから。

花の命は短くて・・・、ご葬儀とお花の関係は如何に・・・。

 最近のご葬儀はお花を抜きに成り立たないのではと言っても過言ではないほど花に囲まれています。
 その顕著な例として、今や祭壇と言えば花祭壇が従来の白木祭壇に取って代わり主流になりつつあります。
 特に価格を抑えた家族葬用の花祭壇が目に付くようになり、それで一気に拍車が掛かった感があります。
 また、花祭壇ですと頂いた供花をアレンジして祭壇に組み込み、より豪華に見せることもでき、葬儀社によっては逆に組み込むことで祭壇費用を抑える工夫を提案するところもでて来るなど色々と応用が利くのも一因があるようです。
 
 供物としてのお花は供花として祭壇両脇に、喪主を筆頭に子供一同、孫一同と並びます。供花はあくまでお気持ちですので強制ではありません。しかし、ご家族のお花はいつの間にか1対ずつが定着してしまったようです。
 なぜ1対ずつなのか理由は定かではないようで、この道何十年のベテラン担当者に聞いても1対でなければという確証は得られませんでした。
 確かに1対ずつの座りはよく、絶妙に祭壇を引き立てています。
 葬儀社で一括できる供花は祭壇とのバランスで花の種類や色合いを決め、祭壇との一体感を匂わせることができます。
  
 その満開に咲き誇った色とりどりのお花も告別式が終るや、後飾りと菩提寺用のお花を残して一気にむしり取られ、柩に手向けられます。
 巷のうわさではよく供花のお花だけを使用して、祭壇のお花は他のご葬儀に使いまわししているようなことを耳にしますが、立会いで見た限り、今まで1件も見当たりませんでした。
 お花が摘み取られた祭壇は見事に葉っぱのみの無残な姿だけが残っています。
 代わりに柩の中は溢れんばかりのお花畑です。
 
 柩の中のお花は何を表すのだろうか。
「あちらの世に行って花園に包まれた生活を送って欲しいという願いを込め、幻想を描いて柩いっぱいにお花を手向けるのでは」
ベテラン担当者の声を聞き、思わず手を合わせていました。

 

永代供養の合同墓がトレンドになる予感は・・・

 最近とみにご葬儀後の相談を希望される方が増えて来ています。
 中でもお墓に関する問題を多く耳にします。
 面倒なことは後回しにとされてきたものが、急に現実みを帯びて慌てて相談されるようです。
 菩提寺があり、納骨もスムースに行かれる方は別にして、都会ではお墓を持つ計画も立っていない方が大勢いるというよりは益々その傾向にあるようです。
 お墓を持たない理由も様々です。お子さんがいないご家庭、いても一人娘で結婚し家を出て行かれたご家庭、離婚されれた方、結婚されていない方、お子さんに負担をかけたくない方、家族とは別に自分だけのお墓に入りたい方、お寺とはかかわりを持ちたくない方等々。
 お寺サイドもお子さんのいない方は供養ができないからとお断りするようで、お墓離れに拍車がかかってきたと思いきや、最近は合同墓の永代供養墓がにわかに脚光を浴び始めています。
 かっての合同墓は身寄りがない方をまとめて供養するというマイナスイメージの強いものでしたが、より積極的に安価で周りに気兼ねすることがないという現代生活にあった供養の選択肢として見直されているようです。
 合同墓といっても、様々な形態があり、最初から不特定多数の方とご一緒する場合と一体ずつ納骨され数十年後にご一緒される場合、また何年たってもずっと一体のままの場合があり、さらに気の合った友人と一緒に入ることができたりと生活にマッチした供養の仕方が日々さらに検討されているようです。

 そんな積極的な合同墓の話題が先日新聞に取り上げられていました。家族に頼らない女性の生き方を応援するNPO法人「SSSネットワーク」の活動の一環として、自分らしく今を生きる女性の落ち着き先を共同墓に見いだし応援していました。
 10年、20年先従来のお墓の概念も様変わりし、合同墓が当たり前の時代が来るかもしれない。そんな予感さえも感じさせる昨今です。
 
 

葬儀を迎える朝、一番落ち着くのはお寺の境内・・・?

 ご喪家として葬儀の朝は一番心乱れる時でもあります。
 泣いてもわめいても時間は刻一刻と過ぎて行きます。今日を限りの今生のお別れです。
 そんな中でも、できるだけ平常心でこれから続く葬儀・告別式をつつがなく進行させなければなりません。
 ご葬儀当日の気持ちの整理が重要なポイントになり、そのためには朝早く葬議場にあたふた駆けつけるよりも、通夜の晩一晩ご一緒され、気持を落ち着かせ、最後の朝を迎えるのも一案だと思います。
 ご喪家側のご要望としても通夜の仮宿泊はゆっくりできるかどうかが決めてになるようです。
 宿泊施設の完備面もありますが、実際にお泊り頂いて好評か否かはたぶんにメンタルな面に落ち着きます。
 特にお寺の境内にある斎場は心の落ち着ける場所としても独特の雰囲気を持っていて、境内の持つ空間が、広さだけではないものを感じさせるようです。
 先日もお寺の境内にある1階が式場2階が和室30畳ほどのお清めどころ兼親族控室になっているこぢんまりした会館でしたが、泊まられたご喪家からも大いに感謝されました。
 1人息子さんでお亡くなりになられたお父様との絆が強く、現実を気持ちの中でなかなか受け入れにくい状態のまま通夜を迎えてしまわれたようです。
 泊まられた会館は1ご喪家のみの使用になりますので、「ゆったりした静かな雰囲気の中で、故人を囲み思い出を家族皆で語り合い、朝早く境内を散策して行くうち次第に気持ちの整理もでき、ご葬儀への気持ちの決心が付きました」とおっしゃっていたのが印象的でした。

最後の夜をせめて家族全員で過ごせたら・・・。

  久しぶりに昔の仲間が勢揃いして、故人の思い出話に花が咲き、佳境に入った頃、無常にも葬儀社の担当者はお開きを申し渡さなければいけない。
 通夜ぶるまいも夜8時半までにはお開きにしなければ、後片付けが間に合わなくなってしまう、という現実が待ち構えています。
 
 お葬式も自宅以外で執り行われるようになると、貸す側の式場も時間の管理が厳しくなり、防犯・防火対策上にも9時までに全て終了し、閉門するところが大半になってしまいました。
 それに伴って、本来一晩中灯されていた蝋燭の火もお線香も、9時以降は御法度になってしまい、通夜の仮宿泊も侭ならない式場も多く、その傾向はお寺が管理している斎場に顕著のようです。
 
「お疲れですからご家族の皆さんご自宅にお帰りになりますよ」と言われますが、本音のところはどうでしょうか。
 都会を中心に家族葬が増えている現状で、家族の絆の拠り所として、最後の夜を皆さんで一緒に過ごしたい、というご要望も増えてきています。
 永い入院生活の果て、ご自宅へも戻れず、せめて最後を心置きなくご一緒できたらという思いのご家族も多いと思います。
 
 先日は幼いお孫さんを含めたご家族皆さんで通夜の夜を過ごしたいからと、急遽お泊りができる斎場に変更されたご喪家もいらっしゃいました。
 またお疲れのお母様を帰して、3人の兄弟が初めてお父様を囲んで一晩中語り明かしたというご喪家もいらっしゃいました。
 2度とない機会のためにも一晩開放してくれる斎場が増えてほしいところです。
 特に、広い和室を持つお寺さんにお願いしたいものです。
 

お布施と葬儀後の相談との関係は・・・?

 都会のご葬儀では依頼に応じて葬儀社の方でご住職の手配をするのがごく自然な成り行きのようになってきました。
 60年代から70年代の高度成長期にかけて田舎から出てきた若者も定年を迎える
年代に突入し、年老いた田舎の両親を都会に呼び寄せ、最後を看取る必要に迫られています。実家は長男が継ぎ、次男のお父様は実家の菩提寺に入るわけにはいかないという方もいらっしゃいます。
まして、遠い実家の菩提寺からは、よほどのことがなければご住職がわざわざ出向く確率はすくない。
「そちらはそちらでどうぞ」ということになれば、不安は募るばかりです。
 最近「葬儀後の相談にも乗ってくれますか」という問い合わせが顕著になってきたようです。
 その一方で依頼者側はさらにご葬儀のお布施をできるだけ安くと求めてきます。
 お布施はお寺により、宗派により様々で、一概に言えませんが葬儀社の担当者はそれぞれ大方の基準を持っています。ところが最近はこの足並みが少し崩れてきているようにも思われます。
 これは格安で通夜、葬儀告別式の読経のみを受け持つお坊さんの派遣業が増えてきたのも一因でしょうか。
 但し、こちらの派遣される僧侶の方はお寺を持っているご住職ではないので葬儀後の相談は難しい状況にあります。
 格安のお布施と葬儀後のご相談、どちらも切実な問題です。双方をバランスよく持って行く方法を考えることも、これからのご葬儀のあり方を問うきっかけになるのではと思いますが・・・。
 

 
 

ラジオでバトルトーク「直葬に賛成 or 反対」

 先日TBSラジオのトーク番組でいまどきのお葬式事情を取り上げていました。
 夜10時からのバトルトークラジオ「アクセス」では最近の東京及び近郊では読経だけして火葬場に直行型の直葬が増えていることを提起していました。
 確かに、ご家族ご親族だけの家族葬に交じり、ポツポツと火葬のみのご依頼も増えています。
 ご家族お一人でお見送りする方から、十数人でお見送りする方まで様々ですが、式場は使わずに、安置所から直接柩を火葬炉に納めた後、火葬炉前でお経をあげてもらいその間最後のご焼香をします。お経は10分程度です。
 (但し、公営の火葬場で火葬炉前読経ができないところもありますのでご注意ください。)
 このご葬儀の仕方が賛成か否かを番組の会員に問いたところ、賛成57%、反対が18%、どちらでもないが24~25%という結果になりました。
 聴取者参加番組ですので、専門的にならず、聴いているほうも頷きながら、また反論を口元で抑えながらテーマは重くても気楽に参加できるようです。

 直葬が増えた背景には有名人のご葬儀も近頃内輪だけで、時には直葬の形で行なわれる報道をみて一般の方も追従しているとか、また金銭的な問題も取り上げていました。

 直葬に賛成の方の意見は、身内の方を見送った時、葬儀社が全般を取り仕切り、菩提寺からはお布施を要求され悲しんでいる暇もなかった。
 昔は隣組がやってくれ、香典でまかなえていたのが、今は病院で多額の費用を使い果たし、最後のとどめにお葬式がひかえています。
 通夜から告別式を無事乗り切りたいがために、それなりの祭壇をと思いますので、と話されていました。

 一方の反対組は費用面が大きいと思うが、葬儀にお金だけをそぎ落とせばそれでよいのかと疑問があります。菩提寺の住職からご葬儀の意味を教えてもらい、簡素化に走るだけでよいのか疑問が残りますという。また、高齢の方は大病して多くの方にお世話になりました。昔から老い支度といっていざという時困らないように貯めていますとのこと。
 その他葬儀社勤務の方、僧侶派遣業の方の立場でのお話も伺え、様々な問題が浮上してきます。
 簡素化の波は速度を増すでしょうが、直葬一つ取っても世相とは切り離せない時代になってきたようです。

大往生にはピンクのタオルでお祝いを!

 以前、東大のお医者さんに「人間の寿命は90歳位まで。それが証拠に89歳の声は聞くけど90歳の声は余り聞かれないでしょう」と言われ当時は妙に納得したものでした。
 あれから20年、日本人の寿命は延びていつの間にか私の周りでも90の声はあたり前のようになってきています。
 毎年11月になると頂く喪中の葉書の文面も、歳を争うかのように軒並み90歳を越しています。昨年はついに104歳で大往生でした、などと言う葉書が届きました。
 しかし、確かに寿命は延びているが、どれだけの方が全うできたかと言えばこれはまた別問題でもあります。
 
 今日、4年11ヶ月ぶりに友人から電話を頂きました。お母様が脳血栓で倒れられて以来です。
 電話口では「実家の母が10日前に亡くなり、まずはそのご報告を」とのことでした。
 開口一番「大満足の最後でした」。
 5年近くを頑張り、リハビリに励み趣味のきり絵に没頭する毎日で、亡くなる前日の夕食も一膳ペロリとたいらげ、当日の朝もまだお元気にお話されていましたが、次第に呼吸が弱くなり、昼前眠るようにご自宅でお亡くなりになったそうです。享年95歳でした。
 身体が温かい内に浴衣に着替え、ピンク色のほほもきれいなままで、お見せしたかったくらいとのことでした。
 お医者様からも「理想な死に方でした」といわれ、ご葬儀の後も気持ちが落ち込むことなく、後片付けにはげんでいるそうです。

 ご家族皆さんが満足され、大往生できた記念にご葬儀の時、千葉、茨城方面では紅白のタオルを返礼品に添えてお渡しする慣わしがあるそうです。
 以前立会いでお伺いしたご喪家では、お母様のご葬儀に100歳記念のピンクのタオルをお付けされたのを鮮烈におぼえています。
 鮮やかなピンクのタオルは使い道に迷いますが、その分長持ちして、時々引っ張り出して見ていると気持ちも和みます。
 次回、友人のお母様のご仏前にはピンクの花束をお持ちします。
 
 
 
 
 

お布施の金額はピンからキリまでありますが、お値段の問題だけではありません。

 「菩提寺にお布施を幾ら渡せばよろしいのでしょうか」最近時々聞かれる質問ですが、一口で幾らぐらいとは言いにくい。
菩提寺も宗派によってそれぞれ違いますし、同じ宗派でもお寺によってかなりの差があります。
 まずは、ご親族の長老を始めとする、年長者のご意見を伺い、また同じ信徒の方にも伺ってみることをお勧めしていますが、最近は両者ともご存じない方が増えてきて、あまりお役にたたないようです。
 逆に菩提寺から提示され、金額がご喪家にとって高額過ぎる場合は、直接現状をお話して菩提寺に掛け合う形を取らざるを得なくなります。
 いずれにしても、菩提寺との対話が必要不可欠になってきています。
 
 一方、菩提寺を持たないご喪家の場合は、葬儀社の担当者が手配したご住職ですと大体の相場があり、一般的なお値段に落ち着くようです。それでも、値引き合戦があり、半値以下のお値段を表示するところも出てきています。
 大方の葬儀担当者はご喪家の葬儀後の相談にものれるように、お寺を所有しているご住職にお願いすることにしていますが、お寺を持たないお坊さん達の派遣をしている業者の方もあり、そちらは読経専門に相場の何分の一かの費用でまかなえるようです。

 しかし、ご相談者の中でもご両親の葬儀に直面し、初めて実家の宗派を知り、葬儀以後の不安を口にされる方も増えています。
 葬儀社の担当者もその場限りではなく、葬儀後の49日法要、法事等などの相談にも乗っていただけるご住職の紹介を心がけ、現にご紹介したお寺とのお付き合いがずっと続いているご喪家の方も多くいらっしゃいますとのことです。
 お布施は一概に高い、安いの問題だけではないようです。