無個性な喪服とカジュアル化

 ご家族、ご親族、親しい友人だけの少人数のお葬式が増えてきているからか、ご葬儀の際の喪服も男性喪主はブラックスーツ一辺倒で、黒のモーニングコートに縞のズボンという姿になかなかお目にかからなくなり、女性は喪主の奥様の和服以外は大方黒のスーツかワンピースに真珠のネックレスという無個性な装いになってしまっているようです。
 あれだけ普段のお洒落に敏感な若い女性もあわててタンスのロッカーの隅に追いやられている一張羅の喪服と称する黒い服を引っ張り出し、間に合わせているようです。
 逆にものの本には通夜の客の場合はとり急ぎ駆けつけた感じで平服でも構わないとありますが、実際立会いに伺ってみますと、ほぼ100パーセント近く黒服でいらっしゃいます。
 通夜といっても昔のようにお亡くなりになってすぐ夕方とか言うように、取るものもとりあえずかけつけることはなく、その間3日、4日と時間が経過するからには流石、ジーパン姿という訳にはいかないようです。

 喪服の決まり事は元々「皇室服喪令」が基準になり、大喪の令で女性皇族が長いローブモンタントに黒いベール付きのトーク帽と手袋、黒いアクセサリー姿で参列してから黒い小物が一般的に使われるようになったとのことですが、昨今はファッションのカジュアル化で喪服も例外ではないようです。 黒ならばということで、エナメルのサンダルやゴールドの留め金のバッグなどの光沢のあるものは小物でも黒一色の中では可なり目立ってしまいますのできをつけたいものです。
 喪服もファッションメーカーのお仕着せではなくマナーは守りながらも何処か自分らしさを出して、ご家族、友人をお見送りしたいものですね。
 

キリスト教での葬儀

 日本でのキリスト教の宗派は主にカトリックとプロテスタントに別れますが、ご葬儀の流れとしては大きな差はありません。
 但し、カトリックの場合は教会で生前に洗礼を受けた方のみになりますので、故人が属した教会にて執り行われ 、一方のプロテスタントの場合は教会での他に一般の斎場に牧師さんをお呼びして執り行われる場合もあります。

 日本でのキリスト教のご葬儀は日本式にアレンジされており、通夜にあたるものはカトリックで通夜の集い、プロテスタントでは前夜式と呼ばれ、聖書の朗読、聖歌、死者のための祈り、柩への献香と会葬者の献花、ご遺族のご挨拶等が行われています。

通夜の後の通夜ぶるまいにあたる茶話会では紅茶にサンドイッチ等の軽食が出され、故人の思い出を語り合います。お酒の類は控えます。

 カトリックの葬儀・告別式ではまず神父さんによるミサの儀式があります。ミサ終了後、神父さんは故人の略歴を紹介し、柩に聖水をそそぎ、香をたきながら退場します。その後は弔辞、弔電が読まれ会葬者の献花へと続きます。

プロテスタントではミサがなく牧師さんによる聖書朗読や説教、お祈りの言葉、故人の略歴紹介、オルガン演奏による賛美歌合唱が行われます。その後はカトリック同様に弔辞、弔電、献花へと続きます。
 通常は通われている教会の牧師さんの手で行われますが、故人がしばらく教会を離れていらっしゃってお知り合いの牧師さんがいない等の場合は葬儀社の方で牧師さんをご紹介いたします。

 ●キリスト教の葬儀
  ↑↑↑ 当センターのホームページではキリスト教におけるご葬儀の注意点、起こしやすい問題点、神父さんや牧師さんへの相談が大事な点等を説明しています。

 

樹木葬は、散骨に近いように感じれらますが、法的な扱いは違います。

 葬儀が終わった後に、ご遺骨をどうするかについて、お墓に納骨するほか選択肢はないように思われています。しかし実は、ご遺骨はお墓に入れなくてはならないという法律はありません。

 それゆえ、以前書いたように散骨もじょじょに行われるようになってきています。今回は、樹木葬について触れてみます。

 樹木葬は、遺骨を埋蔵し墓石の代わりに樹木を墓標にしています。感覚的には、墓石を使っていないので、散骨のほうに近いように感じられます。
 しかし、法的には、遺骨を埋蔵するため、「墓地埋葬等に関する法律」が適用されますので、その場所は墓地としての許可が必要になります。お墓以外で、もっともお墓にもっとも近いのが樹木葬と言えます。

 これに対して、散骨場所は遺骨を埋蔵しないので、墓地の許可がいりません。現行法では、遺骨を埋蔵するかどうかが大きな分かれ道になっています。
 要するに、他人の土地に無許可で勝手に散骨をしない限り法的には問題がないが、樹木葬は墓地でなければならないということです。
 もっとも、散骨した上に、植樹するということも行われだしてきたので、これは遺骨を埋蔵しないので、法的には散骨と同じ扱いになります。
 
 ところで、樹木葬墓地が日本で初めて誕生したのは、岩手県一関市にある祥雲寺という臨済宗のお寺で1999年のことです。墓石の代わりとなる花木は、ヤマツツジ、エゾアジサイ、バイカツツジ、ウメモドキ、ナツハゼ、ガマズミなど環境に合った低木類から選びます。

 以後、徐々にではありますが、各地に樹木葬墓地が誕生してきています。樹木葬が注目されてきたのは、自然に還りたいという志向に加え、お墓の継承者がいない人が増えていることが背景にあるようです。

社葬あれこれ

 社葬と一口にいっても様々なケースがあり、おかれた立場によりニュアンスの違いがでてくるようです。
 最近立会いに伺った中にも画廊経営の方とIT関連企業経営の方の社葬がありました。
 双方とも故人は団塊の世代でまだ働き盛りなのに、突然、人生のリタイアを宣告されてしまいました。
 画廊経営の方の場合、始めの段階では一般葬としての見積りで進行したのですが、ご夫婦が中心となって会社を経営されていらっしゃったので、残された奥様のためにも少しでも経費節減をと葬儀社の担当者が提案し、実行されました。会葬者は通夜と告別式を合わせて200名ほどで立て看板を見なければごく一般の神式のご葬儀でした。
 IT関連企業の場合はすでに社葬の1ヶ月以上前にご葬儀は内輪だけで済ませていました。こちらの会社幹部の方から依頼があったのはご葬儀後でした。ご喪家としては葬儀は済ませていますので社葬のお別れ会は会社に一任され、口出しされなかったようです。依頼者の実行委員の方は「抑えられるところはできるだけおさえたいが、きちんとした社葬で品よくお別れ会をしたい
」という希望でした。
 1人息子のご長男への引継ぎが慌しく行われているなかでの社葬の準備なので、そのあたりを
一番考慮しながら進めてきましたと葬儀社の担当者は語っていました。
 ご喪家は突然の悲しみに浸るまもなく、4月1日をもって新就任されたご長男にとり、この社葬はお父様の意思を引き継ぎ、存在をアピールする大切なお披露目の場でもあります。
 ある意味では今後の会社の存続に関わる重要な儀式でもあるようです。
 係りを社員総出で受け持ち、協力的で積極的な姿勢は社内の雰囲気をよく表しているようです。
 ご喪家をお送りした後、運営実行委員長は「明日からといわず、今から新しい出発です」と係りの社員にゲキを飛ばしていました。

散骨は節度を持って行えば、法的には問題ありません

 当センターは、その名の通り、葬儀社を紹介する所であるのですが、適切に紹介するために、どのような葬儀にするのかをはじめとして、その延長線で、菩提寺の事やら、納骨の事やらまでお話をする機会が多々あります。

 中でも、最近、散骨に関心を示す人が少しではありますが、増えて来たように感じています。今日は散骨について、書いてみます。

 1997年に石原慎太郎さんが、弟の石原裕次郎さんの遺骨の一部を湘南の海に散骨したいと希望しましたが、当時は法的に問題があると思われていたため断念しています。散骨を法律違反ではないかと思っている人が結構います。

 しかし、散骨は、現行の法律では規制対象外です。遺骨・焼骨の埋蔵については、「墓地埋葬等に関する法律」というものがありますが、散骨は想定外です。厚生省や法務省も法律違反ではないとの見解を示しています。石原裕次郎さんの例では、後年、散骨したそうです。

 もう少し噛み砕いて、散骨をしたい人の側に引き寄せて言いますと、規制対象外というのはこういうことです。他人の土地に無許可で勝手に散骨をしない限り、法的には、誰の許可を得る必要もなく散骨をしていいということです。散骨業者に依頼する必要もありません。

 ただ、法律的に問題がなくても、慎重に散骨をしないとトラブルが生じる恐れがあります。個人的なレベルでさえ、近所の人が気持ち悪がるかもしれませんし(近所の人に散骨をすることを知らせる義務はないので、知らせないで散骨をすることもできますが)、これが、事業として土地を確保し散骨をするような場合、地域住民との間でトラブルになることが起こりえますし、実際に起こっています。こうしたトラブルを受けて、条例によって散骨を規制するというところも出てきています。

 散骨は法的に問題がないとはいえ、節度をもって慎重に進めないとトラブルのもとになり、民事的問題に発展する可能性さえあるのです。この節度について、遺灰を海や山に還す自然葬を自由に行うための社会的合意の形成と実践を目指している「葬送の自由をすすめる会」は、自主ルールとして次のような項目を挙げています。
 海の場合は、1遺灰の粉末化、2海岸ではなく沖に、3養魚場・養殖場を避ける、4水溶性の紙に遺灰を包む、5セロハンで巻いた花束を禁じ花びらだけにする
 山の場合は、1自然環境を生かし山林全体を使う、2遺灰を粉末化する、3人家・施設から離れる、4水源を避ける

 このように、現状、散骨にあたっての基準はなく、散骨する人のモラルにかかっているという状況です。

 

 

こだわりの葬儀

 お葬式と聞いてまだ縁起でもないと思う方が多いのだろうか。
 ご自分の葬儀をイメージしたことはありますか。
 生きていくのが精一杯でそんな余裕なんかありません。
 でもちょっとだけ考えてみてください。
 生前は一人ひとりその生き方にこだわってきた方も、最後は半強制的に常識の枠の中に押し込められてしまうようです。これはご本人というよりか、周りの方々の意向が強く左右され、決められるためでもあります。
 ならば、生前に思いきってご自分の葬儀を企画してみるのも、一つの生き方かもしれません。
 但し、この企画に乗れるのは自由人であることが条件です。此処でいう自由人は仕事のことではありません、心の問題です。心の垣根を取っ払えるかどうかです。
 規格外の葬儀社かもしれませんがそのような相談にアイデアを出し、四つに組んでいる担当者から伺った事例。
 以前バンドをやっていた80過ぎの方の場合:
 お住まいが伊豆の方で、時間の問題もあり、火葬だけ地元の業者さんに頼み、浜辺に昔のバンド仲間が集まりオールナイトのコンサートをしました。
 夜通し飲んで食べて、明け方船を出して沖合いに散骨。
 船を出す時浜辺で送り火をたいて送り出しました。
 音響機材とテントと仲間達のボランティアで出来た、ひとつのお別れ会です。
 こだわりの葬儀は事前の企画が大事です。 

埼玉県での葬儀

 あさがお葬儀社紹介センターでは、ご依頼者のご要望の地域や斎場に精通し、葬儀実績のある賛同社が複数ある地域しか葬儀サポート地域にしていません。これにより、地域事情をよく把握していない遠くの葬儀社を紹介することを防ぐと同時に、葬儀社間の健全な競争による葬儀費用の低下とサービスの質の向上が行われます。つまり、責任を持って紹介できる地域を明確に示し、それ以外の地域では葬儀社紹介はしておりません。
 下記が埼玉県におけるサポート地域および斎場詳細です。リンクをクリックしますと、当センターの本体のホームページの該当ページに飛ぶことができます。

上尾市 朝霞市 川口市 越谷市 さいたま市(浦和区 大宮区 北区 桜区 中央区 西区 緑区 南区 見沼区) 志木市 草加市 所沢市 戸田市 新座市 鳩ヶ谷市 富士見市 三郷市 八潮市 吉川市

代表的斎場実例 埼玉県 上尾市妙厳寺会館 上尾寝台サービス 朝霞市朝霞市斎場 越谷市越谷市斎場 宝性寺越谷別院 さいたま市浦和斎場 思い出の里会館 ひかり会館 遠照寺浦和分院 志木市宗岡セレモニーホール 草加市谷塚斎場 西往寺光明殿 三郷市三郷市斎場 所沢市所沢市斎場 遠照寺阿弥陀堂斎場 広源寺斎場 新座市新座市営墓園

葬儀社から伺ったことーご遺族への対応の仕方

 都会の核家族化と言われ30年余り、その代表選手の団塊世代からのご相談が多い昨今ですが、地方の風習に則った葬儀ではない葬儀をどうやれば良いのか分からず戸惑う人達が増えてきているのが現状です。
 年取ったご両親を引き取りお見送りする段になって初めて気がつくという具合のようです。
 勢い、葬儀社任せになり、うっかりすると葬儀とはこういうものだとある意味押し付けがましくなるのは気をつけなければと葬儀社の担当者は自警の念を込めて語ってくれました。
 
 本来、ご家族を考え、地域性を考慮したり、故人の性格やもろもろのことを考慮したうえで、こんな形がありますよと説明しながらやっていくとのことです。
 葬儀が始まる前にご遺族の信頼を如何に掴むかにかかっています。
 特に納棺前までに適切なアドバイスをしてご遺族に安心感を与えることが大事。
 こうしなければいけませんではなく、この場合はこうした方がいいですよとアドバイスします。
 ご遺族の要望は出来る限り聞くことで信頼感を得ています。
 また、菩提寺がある場合は菩提寺の考えを優先し、まずお伺いを立てます。菩提寺の日程を伺ってから葬儀の日程を決める気配りは大切です。
 担当者は色々仕切りますが、主役はあくまでご遺族です。

葬儀費用のこと

 葬儀の立会いに伺うと、受付横にご遺族のご意思によりご香典をご辞退する旨の看板を目にすることがあります。

 しかし大方の場合、葬儀総費用に関して見積る時は香典を考慮していらっしゃる方が多いようです。 ご家族のみの葬儀を除けば、葬儀に掛かる費用の内、変動の激しい飲食代(お清め、精進落し)と返礼品は人数が増えた分、頂いたご香典で賄うことができます。

 費用を幾ら位に抑えるかの目安として、日本人の90パーセントは仏式ですので、お坊さんを第1に考え、先ずお布施を先に考えて、後残った費用で葬儀を考えます。
 次に、社会通念上必要な通夜の飲食費(特に近所付き合いの中では比重が高い)を考え、お布施と飲食代を除いた費用が葬儀費用になります。
 極端な話、火葬場と霊柩車と柩があればお葬式ができます。
 やりくりは如何様にもできます。

菩提寺様の言い分とは・・・

 「まず始めに菩提寺に丁寧に連絡してくださいと申し上げたのに、若い喪主さんはこともあろうにFAXで連絡を入れてしまった。事の発端はここから始まったの」葬儀社のベテラン担当者から菩提寺との攻防戦の顛末を聞かされました。

 FAXで初めて事の次第を知った菩提寺のご住職はへそを曲げてしまわれた様です。かってのお寺は地域の中心的役割をして、地域の葬儀を取り仕切っていたので、万が一の時はご遺族がすぐ菩提寺に出向くのが当然と思っていらっしゃる。
 ご住職にとってご喪家の方は何事も先ずは菩提寺にお伺いをたててからと思っていらしたのに、勝手に葬儀社を決めたことにまずはむくれてしまったようです。
 まくら経の日、葬儀社の担当者もご挨拶に伺った。案の定、ご住職はご機嫌斜め。
 まくら経を終えるや否や、開口一番「葬儀屋は俺の知り合いでなければ」と散々叱られ、お母様は泣き出す始末。
 「お経を途中で終らせてはいけないので降ろさせていただきます」と申し上げると、見積書を見せろとおっしゃる。見積書を見るや否や今度は「俺はこんな安い仕事は出来ない」とご親族が居並ぶ前で怒鳴りだす。
 「その前にお前の葬儀社なんかぶっ潰れてしまえ」とまで悪態をつく始末。 
 ついにご親戚のおじ様たちもおかんむり。間に入った喪主のご子息も途方にくれるばかり。
 お布施も地域の相場は東京よりも高め。ところがこちらのお宅は引っ越したばかりでご主人が亡くなり大変そうなので少し低く見積った。
 ついに「こんな安くては明日の告別式は行かないぞ」とまでエスカレート。
 内心「こんな坊さんがいらっしゃるから、檀家離れが起きてしまうんだ」と思いましたよ。
 
 「ところであんたはどんな葬儀屋さんだ」というので、説明すると、今度は一転してご住職の方から身の上話を始められた。息を詰めて事の成り行きを見守っていたご親族はあっけに取られている様子。
 ついには「俺も安い葬儀があったらそちらに回すか」とまでになり、「帰りは会社まで送っていくから」とおっしゃる。一旦は丁重にお断りしたが結局仲直りのためにも同乗させていただいたとのことでした。