電話でのご相談について・・・。

センターのスタッフとして参加し始めた頃、夜半に1本の電話を取りました。
 「友人が自殺して・・・。葬儀社をどうやって手配すれば・・・」電話口からの切羽詰った声に、受けた私の方が絶句してしまった空白時間を今でも時々思い出します。
 活字の上でお目にかかる言葉としてとらえていた「自殺」の文字が突然受話器の向こうから緊迫感を持って聞こえ、ご相談の重大さを肌で感じた第1歩でした。

 当センターでは電話とセンターのホームページのご相談フォームを通してメールでのやり取りのご相談を承っております。
 電話をいただくご相談者の多くはセンターのホームページをご覧になられ、メールではなく、事後相談のみならず事前相談も、お電話で直接お尋ねされる方を多くお見受けいたします。

 先月お電話をいただいたご相談者の中に、入院中のお父様のことで、「あと数日が山場。ご準備をされた方が」とお医者様から言われ、インターネットであちこち検索されたが、あまりに多い情報にかえって分からなくなり、まずは信頼できるところでご相談をと、センターにご葬儀についてお尋ねされた方がいらっしゃいました。

 お父様の後を継いでお仕事をされ、お忙しい中でのご相談に、お声のやりとりからかなりお疲れのご様子が伺われました。
 ご紹介した葬儀社さんの担当者とご面談をされ、さらに詳しい内容を伺い、見積りの変更をされた直後、お父様が急変され、息つく暇なくご葬儀準備へと緊張は続きます。

 永年のお父様の業績に対し、それなりのご葬儀をしてさしあげたいとのご要望に、葬儀社の担当者もお答えし、ご相談者も大変ご満足のいくご葬儀となったご様子で、ご葬儀後のお忙しい中、早速のご報告をいただきました。
 
 開口一番お礼をおっしゃったお声が、一瞬別の方かと思うほど穏やかで、お聞きしている当方もご葬儀のご報告にもかかわらずほっと安堵いたしました。

 受話器の向こうから聞こえてくるご相談者のお声をどれだけくみ取り、ご不安なお気持ちをどれだけ解消できるのかスタッフの対応ひとつにかかっているように思われます。
 心して行かなければ・・・。

ご縁続きで・・・。

 ご葬儀では、様々なご縁に出会います。

 ご縁を大切にしていただいて、以前のご葬儀の時にお世話になった葬儀社さんに、今回もお願いしたいとの問い合わせを時々いただきます。

 先日も7年ほど前、当方がご紹介した葬儀社さんにご葬儀を依頼された方から、真夜中にお電話がありました。
 当時お元気で活躍されていらっしゃったお母様の急なご不幸のお知らせと、以前と同じ葬儀社さんへのご依頼でした。
 毎年年賀状をいただいておりましたので、お名前をお聞きすると同時に、立会いにお伺いした当時のことが思い出され、前回との比較をお聞きするだけでもご要望のご葬儀全体像が浮かんできました。
 これもご縁の賜物かもしれません。

 また、お身内のご葬儀で霊安室名簿からまったく面識の無い葬儀社に決めて高額な請求をされ、周りにご迷惑をかけてしまった経験から、当ホームページを読まれて一人で悩むよりセンターに相談してみようと決心され、お父様のご相談をされた方から「何かのご縁であさがおさんとご紹介の葬儀社さんと知り合えて、家族として立派な式ができたことに感謝しております。これもまじめだけが取り柄(たばことお酒では苦労しましたが)の父の日ごろの行いがよかったからかね!?と母と話しております」と葬儀後にお便りをいただいたこともありました。

 「母はこういう葬儀がしたかったんです。ありがとうございました」
 本日、立会いにお伺いしたご喪家のご主人は、センターがご紹介した葬儀社さんにお決めになった理由を、担当者の方がご遺族の気持ちを汲み取って、終始ご喪家の立場に立った提案やアドバイスをされたことにあると語ってくださいました。
 他数社の担当者の方が自社のプランの説明に終始していらしたところに違いがあるとのこと。
 お父様を静かにお身内だけでお見送りしたいというお母様のイメージしたとおりのご葬儀ができましたと、大変喜んでいただけたようです。
全面的な信頼を寄せていただき、これを機会に新たなご縁が生まれる予感も致します。

迷われたときには。

 事前のご相談において、複数の葬儀社を紹介してもらい、比較検討することを望まれる方と、情報が多いと混乱してしまうのでと、とりあえず一社紹介してほしいという方がいらっしゃいます。
 私共は、比較してご検討していただくようにお勧めしていますが、とりあえず一社をという方には、色々な情報をお知らせいただいた上で、その方のご要望に一番適した一社をご紹介させていただいています。

 ご利用いただいた方からのアンケートでは、「二社紹介してもらい、そのうちの一社としか話しができなかったけれど、結果的にはそれでよかったと思う」や、「準備の時間があったので、紹介された全ての社と話しをしましたが、どの社も良さそうで一社を選択するのが大変だった。」などのご回答をいただいたり、また、ご相談のやり取りの途中で、「紹介してもらった全ての社と話しをするつもりでしたが、最初に行った一社がとてもよかったので、そこに決めました」とご報告をいただいたりすることもあります。

 先日、2社をご紹介し、両社ともお話しをされたご相談者の方が迷った結果、そのうちの一社にご決断された決め手は、見積に記載してあったお棺の種類でした。

 センターでは、ご相談者のご要望に応じてご紹介をさせていただきますが、複数の社を比較されたいとお望みの場合には、何か一つ、ちいさな事でもいいので、ご相談される方やご対象の方のこだわりなどがあると、迷われたときの手がかりになるかもしれません。

お身内以外の方からのご相談

 事後のご相談の際に、「故人の家族の知人ですが」とか「知り合いが亡くなったのですが」など、ご遺族やご親戚ではない方から電話をいただくことがあります。
 ご遺族が深く悲しんでいて、葬儀社を手配できる状態ではなさそうだという場合に、知人の方が代わりに色々と調べてセンターにご相談されるケースが多いようです。

 以前お請けしたご相談は、「一人暮らしの知人が家で亡くなり、警察で検案中なので、葬儀社を紹介してほしい」というものでした。ご家族は遠く離れた地方にいらっしゃるとのことで、すぐにこちらに来られる状況ではないこと、また、こちらに着いても、初めての土地で何もわからないだろうし、すぐに葬儀という状況になるだろうから、ご遺族が到着した時点で葬儀社と話しが出来る状態にまでしておきたいということでした。
 夜にご家族が到着し、葬儀社と打ち合わせをして、後日ご葬儀という流れになりましたが、後になって、ご遺族の方からいただいたアンケートでは、「知人が身内以上の対応をしてくれた」また、「葬儀社の担当者は最後まで私たちを気遣ってくれました」と、いろいろと手配をしてくれた知人の方や葬儀社の担当者への感謝の一筆がありました。
 自分の知らない土地で身内が亡くなり、葬儀をしなくてはならない状況は、さぞご不安だったことと思います。
 知人の方や葬儀社の手厚いフォローはご遺族にとってとても頼れるものだったようでした。

 以前、「これは私がおせっかいでやっているんだけどね、故人の家族は今葬儀のことどころではないみたいだから」と、故人様のご友人から問い合わせがあったことがありました。
 故人様のお身内のことも心配して手助けをしてくれる身内以外の人がいるというのはありがたいことだなと思いました。

 他人とのつながりが希薄になってきている感がある昨今ですが、やはり、人と人とのつながりはとても大切で、いざという時にはとても頼れるものなのだと、あらためて感じました。

臨機応変の罠

 ご相談者の状況や希望されることも様々です。ですので、われわれの対応の仕方も、相談者の意向や不安に思われていることをくみ取りながら臨機応変にならざるを得なくなります。ただ、臨機応変というと聞こえはいいですが、相談する人にとっては見通しがつきにくいので相談しにくいという面もあると思います。

 そこで、ざっくりと見通しがつけやすいように、昨年末から、サポート事例というのを作り始めました。現在、内容の構成についてもっとわかりやすいようにできないかと試している段階です。今後事例はどんどんたまっていきまので、参考にできるようなものを見つけてもらうことができぐらいにはしたいと思っています。

 事例はすべて具体的な内容ですが、見通しがつきやすいようにという目的から逸脱して、複雑になりすぎないように、ご相談者が知りたいようなポイントに絞って構成していくつもりです。

 当センターにいつコンタクトしたのか? どんな状況で? 誰が? 葬儀社紹介の方法は? 実際葬儀社とはいつコンタクトしたのか? 見積もりはいつ作成されたのか? いつ葬儀社が決定されたのか? 搬送やご安置はどうなったか?

 というような感じです。ご相談者がサポート事例を見て、不安が少しでも解消されるようになればと思っています。

提案力

 「4軒も断られたんですけれど・・・」
 電話口の方は、一瞬耳を疑ったかのように聞きなおされたとのこと。
 ご自宅でのご葬儀を希望されたのですが、ことごとく葬儀社に断られ、途方にくれていらっしゃったご様子のようです。
 「大丈夫ですよ」ごく普通にお答えしたのですが、あまりにあっさりと承諾したので、電話の主は少しの警戒心を持ちながらも、ホッとされた安堵感で堰を切ったかのように事情を説明され、ご要望をあれこれとお話されたそうです。
 勿論その後のご葬儀は無事滞りなく執り行うことができたことはいうまでもありません。
 これは先日、葬儀社の担当者から伺ったお話です。

 少し前までご自宅でのご葬儀はあたりまえでしたが、都会ではいつの間にかごく少数派なってしまい、最近では葬儀社の方もお断りするケースが多くなってきているようです。
 葬儀社もご自宅での葬儀経験がないところが増え、煩雑さをさける傾向にあり、何よりも提案力が弱くなって来ているとベテラン担当者は嘆いていました。
 
 ご相談が難題であればあるほどできないのではなく、できるようにあれこれと知恵を絞って工夫することが大事で、やり方ひとつで様々な方法が編み出され、新たな提案ができるはずなのに、面倒なことは始めから除外してしまう傾向にあるようです。
 
 ご葬儀は提案力こそが担当者の勝負になるはずと力説されていました。

 当センターでも、依頼者の方に様々な角度からお話をお伺いして、ご要望に適した賛同社をご紹介しておりますが、さらに担当者とじかにお話されることをお勧めしております。
 詳しい見積の説明もさることながら、特に複数の葬儀社からお話を伺う場合のひとつの目安として、ご要望に対する担当者の提案力も比較検討されてから決められては如何でしょうか。

見積りの後は担当者との面談を・・・。

 「引越し先が決まったわよ」電話口の友人の弾んだ声が聞こえます。

 「引越ししようかな」と言う話がトントン拍子に決まり、都心の高田馬場から憧れの湘南に居を移すことになりました。
 新居は海岸から徒歩3分。昨今の津波が少々心配だが、気分の清々しさには変えられない由。

 さて、引越しにあたり、大手業者から地元業者まで3社に見積りを依頼し、値段を見てビックリ。
 自分で整理できるもの、運ぶものを事細かに説明したはずが、A社とB社では価格格差が倍近くになる。

 早速、各社の担当者に会って説明を伺うと、それぞれの社の特徴が分り、見積りだけでは判断がつかなかったことも十分に理解できたとのこと。
 さらに担当者の人柄もチェックでき、これで納得の行く引越しができそうだと、師走の引越しをわくわくしながら待っている様子が手に取るようです。
 ちなみにリーズナブルな値段をつけられた担当者の説明と人柄が一番だったようです。

 友人の話を聞いて、我々も賛同社から見積りをお取りした後、依頼者にお願いしていることを改めて確認させられました。

 概算の見積りをお取りした後、時間がありましたら出来るだけ担当者とお会いされて、見積りでは分りにくい詳しいお話をお伺いしてほしい・・・と。
 また、ご葬儀は担当者如何でかなり異なってきますので、詳しいお話だけではなく、担当者の人となりも観察されて、お式に臨まれることをお願いしております。

 先日葬儀の立会いに伺った担当者からも同じようなお話を聞きました。
 大手の葬儀社さんから取った見積りが思いの外高く、困惑されていた方から知り合いを介して見積りを依頼されたそうです。

 一つひとつ丁寧に見積ると何と半値近くになり、それでも十分納得していただけるご葬儀ができ、依頼された方も大いに満足されたご様子とのこと。
 勿論、その陰には見積りだけではなく、担当者の誠意ある説明と依頼者が安心された説得力があったことは言うまでもありません。

 見積りをきっかけとして、担当者とお会いすることを切に望みます。

ご自宅に搬送されてはいかがでしょうか

 事前相談を受けて、こちらからは要望を整理するための質問、相談者からはそれに対する回答、こうしたメールでのやり取りの初期の段階での途中で、「急変しまして、今亡くなりました」との電話が入ることがあります。

 受話器をそのままにしていただき、その間すぐさま葬儀社に連絡いたします。
 病院には1時間以内に到着できることを確認し、その旨を電話口に伝えると先ほどからの緊迫した空気が和み、少し落ち着きを取り戻したようです。後は搬送から火葬まで全て葬儀社の担当者が面倒をみてくれますのでご遺族は安心してお任せしていただきます。

 私どもが緊急時から見積を取る時まで必ずお聞きするのは搬送先。
 自宅か自宅以外のところになりますが、都会では自宅以外がどんどん増えているようです。
 昨今の集合住宅事情やら、地域のコミュニケーション不足等からかご遺体はご自宅を素通りして斎場の安置所、葬儀社の安置所、寝台会社の安置所等に預けられます。
 したがって、故人にとって病院に入院する時が家との最後の別れになってしまうことも、まれではなくなってきています。

 私事になりますが、10年ほど前伯父の葬儀の時自宅に戻らずいきなり斎場に安置されたことを聞き、ビックリしたのと同時になぜという疑問が残ったことが思い出されます。
 ご自宅への搬送に支障がないようでしたらできるだけ一度ご自宅にお帰り頂き、住み慣れた我が家から出発されるのも故人への最後のプレゼントにならないでしょうか。
 こうした「故人への想い」の面を説明しますと、「そうですね、そうしましたら、やはり自宅から送り出すようにしたい」と言われる方もいます。

 自宅以外の場所に搬送され、大勢の会葬者と豪華な祭壇に囲まれ、静々と執り行われる通夜・告別式がある一方で、このところ病院からご自宅に搬送され、一晩ゆっくりご家族と過ごし、翌日火葬に向われるというシンプルなケースもありました。
 質素倹約だけではない家族の繋がりが感じられ、見送り方の多様性も芽生えてきたよう思われます。

担当者と直にお会いしていただくことをお勧めします

 当センターではメールやお電話での事前相談を承り、ご質問をして総合的に判断し、ご要望に適した地域の賛同社をご紹介しております。

 ご紹介するにあたり、お聞きしたご要望をもとに賛同社から見積りをお取りし、見積りの見方等を記したセンターの説明書とともにお送りし、ご検討いただいております。

 しかし、実際にはこの後が、より重要になってきます。
 当センターではお時間がございましたら出来るだけ葬儀社の担当者と直にお会いしていただくことをお勧めしております。
 
 と申しますのは実際にご葬儀に立会うと、担当者によりご葬儀が随分違うものになってしまうことを日々痛感いたします。
 そのことはまた、ご葬儀が終った後でお願いしておりますアンケートでも実証され、担当者の対応ぶりを取り上げたお褒めの言葉も数多くいただいております。

 担当者と面談し、見積りだけでは分りづらいことを質問されたり、また祭壇等では多くの写真を見せて貰い、判断材料にされることをお勧めしています。
 また、その間にも担当者とのやり取りで、担当者の人となりや相性の良し悪しをも観察でき、安心を持って、ご葬儀に望んでいただけることと思います。
 ご葬儀は担当者の采配ぶりに掛かっています。

孤族の時代に突入か・・・。

 「お父さん」の柩を囲みお嬢さんの友人達は夜どおし泣いて笑って語り合ったそうです。
 10数人の若い女の子に囲まれた初老のおじさんは、皆の話を何でも聞いてくれる「私のお父さん」でもあったのです。
 お嬢さんの留守の間もひっきりなしに、誰彼となく気楽に遊びに来てはお話されていたようです。
 4年程前、ある葬儀社の担当者の方に伺った話です。
 
 あるご相談者のお話を伺った時、なぜかこの話を思い出しました。
 
 唯一の血縁者が入院中のお父様というご相談者はご自身が長期間日本を離れている場合もあり、海外滞在中に亡くなられた場合、帰国予定日までは帰れないから葬儀社さんの方で火葬にしておいてもらえないか。
 
 不可能ならば、長期ご安置で一番安価にできる方法はとの問いにこちらはしばし・・・・・の状態になってしまいました。

 それでも確か病院の院長の印で死亡診断書を貰ったという話を思い出し、知り合いの葬儀社さんに伺うと、面倒なので快く印を押してくれるばかりとは限らないので、前もって事情を説明してお願いしておく必要がある。
 後は荼毘に付してお帰りになるまでお骨をお預かりする。

 もしくは日数にもよるが公営の火葬場の霊安室にご安置してお帰りをお待ちする。
 但し逆に火葬の日時が決まらないとご安置ができないという問題もあり、お亡くなりになった時点で帰国がいつになるか連絡を取り、話し合う必要が出てくるとのこと。

 好むと好まざるとに関わらず、いよいよ今年は孤族の時代に突入か・・・。