最近はご葬儀の儀式を省いた火葬のみをご希望の方が増え、直葬もご葬儀の一翼を担うのではと思われるほどになって参りました。
当センターでも、10年程前から少しずつではありましたがご依頼を頂き、当初ご葬儀をされない驚きにマスコミが騒ぎ、ラジオ番組でも大きく取り上げられたのが、今では懐かしく思い出されます。
当時、TBSラジオのトーク番組では聴取者を交え、活発に様々な意見が交換され、ご葬儀のこれからを考えるよい機会を与えてくれたように思われました。
司会者の「ご葬儀の意味を説明して来なかったお寺の責任は重い」との問いかけに、早速聴取者のタクシーの運転手さんからは「お金をそぎ落としてしまえばそれでよいのか。菩提寺のご住職からご葬儀の意味を教えてもらい、それを考えると簡素化に走るのは如何なものか」の反論が。
一方、4年間にお身内3人様を見送った方からは、直葬賛成とのご意見も。
現実ご葬儀で悲しんでいる暇はない。「病院で多額の費用を使い果たし、とどめにお葬式が控えています。そのお葬式も葬儀社が取り仕切るようになり、便利だが、無事葬儀を終わらせたいために、葬儀社の言いなりに少しでも良い祭壇をと思ってしまいますからね」
また、70代の方からは「世の中、殺伐としている風潮と同じだ。独り身だけれど大勢の方のお世話になりました。昔の人は老い支度と言って、いざという時困らないように貯めていましたよ。出来るだけ多くの方に立ち会ってもらいたい。誰かがちゃんとやってくれるだろう。それが人の世というものだ」
同世代でも、一切葬儀をするなと家族に言ってありますときっぱりおっしゃる方もいらっしゃいました。
白熱した議論の結果、聴取者の反応は直葬賛成57%、反対18%、どちらともが25%とのことでした。
この10年間で、直葬や家族葬のことも、日常生活の中で話題として取り上げられてくるようになりました。
直葬でもお別れだけはゆっくりされたいと、様々な工夫もなされてきた現在でしたら、どの様な結果になったでしょうか。