お葬式は故人から贈られる唯一のプレゼント・・・?

 ご葬儀は故人が親交を取り持ってくれる、出会いの日でもあります。
 
 「50年前のパリ時代、今や君のトレードマークになっているボルサリーノのベレー帽が似合わないねと言った時の怒った顔が忘れられないよ」。
 次から次へと話題が尽きない告別式は目の前にある柩を除けばまさに同窓会の趣でした。
 ワイングラスを片手にした友の何十年ぶりかの再会を祝福するようなご葬儀に、こんなお別れの仕方もいいものだと胸が熱くなったことが思い出されます。

 また、事前相談の最初の時点では御家族3名のみでのお見送りを希望されていた方が次第に周りを受け入れ、通夜の晩には大広間に貸布団を敷き詰め、遠方からの会葬者全員を集めて合宿所のような一晩を過ごされたご葬儀も印象的でした。

 「父が皆をより一層仲良くさせてくれた時間に思えます。翌朝、バケツリレーのように次々とお布団の山が築かれたのは圧巻でした。
 お参りしたい方の気持も酌んであげられ、一生の悔いを残さずにすみました」とほっとされたご様子に、思わず「よかったですね」と声を掛けてしまったほどでした。

 故人様も一番会いたい方々のお顔を見届け、安心して旅立たれたことでしょう。
 こんな感謝と笑顔でお見送りできるご葬儀が希望ですが・・・。

元気な内にご自身のご葬儀から、ご葬儀以後のことも決めておこう。

 先日、名前に聞き覚えの無いNPOがらみの電話の問い合わせをいただきました。
 ご用件をお伺いするとお子様がいらっしゃらないので、ご自分で葬儀の予約等を今からしておきたいとのこと。
 生前のご予約でしたらセンターの賛同社でも承っております、と申し上げたのですが、後々の問題も色々あるので、テレビに出ていたそちらの団体に問い合わせしたい由。
 しかし、残念ながらテレビを拝見しておらず、お聞きした名前で調べましたがその場では分らずじまいでした。

 お電話の方はご葬儀以後のことについてご心配されていらっしゃいましたが、ゆだねる方が身の回りにいらっしゃらない方、また事情で頼みにくい方が増える傾向は都会を中心に今後益々拍車がかかることになりそうです。

 死後は血縁者誰かが世話をしてくれるものと高みの見物を決め込んでいた方も、昨今の社会状況から地縁・血縁の変貌ぶりを見ていくと、行く先は必ずしも安泰とは言いがたいようです。
 ならば、元気な内にご自分の生き方はご自分で決め、最期をどのようにされたいのかその後始末をも含めて、一人ひとりの問題として各人の行動・対応が求められてくるのも、時間の問題かもしれない。
 提起の炎もポツポツ上がっています。
 そう言えばご両親亡き後、姉妹2人暮らしの友人の例を取っても、すでに身近な問題になっているようです。

 

セキュリティ

 最近、電子機器の話ばかりになっていますが、今回も電子機器のセキュリティの話になります。パソコンを使われている方により設定は異なりますが、パスワードを入力しないとデスクトップの画面が表示されない、パスワードを知らない人はそのパソコンを利用することができないように設定できます。パスワードを忘れてしまえば本人も使うことができなくなります。パスワードの入力ではなく、今は指紋認証でログインするノートパソコンがあります。予め自分の指紋をPCに登録して利用するのですが、その登録した指に怪我を負ってしまったらどうなるのでしょうか?やはり、登録した指紋と異なるので認証されないそうです。機種により設定は異なると思いますが、大抵は数枚の指紋を登録できるそうですので、複数の指を登録されることをおすすめします。
本日お会いした方が、指紋認証のノートパソコンを使われていて、このようなお話を聞かせてくれましたので、書かせていただきました。私も指紋認証の機器を使うことになるときは気をつけようと思います。

無宗教葬での担当者のアドバイスとは・・・。

 先日ジャズ仲間による無宗教葬をお話いたしましたが、無宗教でのご葬儀を希望される方も少しずつではありますが、増えてきています。

 家の事情からの方、ご自身の意思での方、宗教葬が嫌いな方、それぞれ理由は様々ですが、これに対して葬儀社の担当者が如何に対応し、アドバイスされているのかを伺ったことがあります。

 例えば、無宗教葬が社のセールスポイントの1つとおっしゃるA社の担当者は「ご葬儀は基本的に一緒の空間に参列することが大切だと思います。仏式ですとご焼香をしてお帰りになってしまいますが、無宗教葬ではご列席の方々が、ある時間を共有して故人を偲ぶことができます。お寺さんがいるよりも無宗教の方が何でもでき、特別故人に得意なものが無い場合でも、事前に色々伺っていくうちにその人となりが浮かび上がってきますので、ご葬儀での手持ち無沙汰はありません」とのことでした。

 B社の担当者はまだお経がないと供養した感じがしないという方が結構多いですねと前置きされて、「無宗教葬の難しさはお客様のご要望だけでは務まりません。ご葬儀はその時で終ってしまいますがご親戚との付き合いもあり後々のことを考えると、ご親戚の理解も必要になってきますので、アドバイスをして選択肢を提案するところから始めます」とのこと。
 雑誌やテレビに感化され、希望される場合もありますが、色々なことを考慮してお決めくださいとアドバイスされているようです。

 C社の担当者は無宗教葬でのアドバイスとして「身内以外の人、特に地方からお見えになられたご親戚に対して、ことの次第をじっくり説明する必要が出て来ます。通夜の席で初めに喪主が無宗教になったいきさつを全て話し、納得して貰うことが大切です」とおっしゃっています。

 また、葬儀をオーダーメードしていきたいというD社の担当者は無宗教葬について「無宗教も無宗教という宗教だと思う。敬うべき対象が必ずあるはずです。ご自分の求めているものを満たしてくれるのが見つからないのでしょう。宗教が嫌いで無宗教という方はいない。お話を聞いて、聞いていくうちにその方にとって手を合わせる対象が何なのかというだけだと思います。無宗教なりに好きな音楽は、初詣では、クリスマスはどうですかなどといろんな方向からその方がなにを求めていたかを聞き出します。そこからスタートです」

 異口同音にお答えいただいたのは後で後悔することのない式をお手伝いしたいとのことでした。

ご葬儀のサプライズは如何に・・・。

ご葬儀の立会いにお伺いさせて頂く機会が多い昨今ですが、11月3日久しぶりに結婚式に出席いたしました。

披露宴では数十年前ご両家のご両親の結婚式が共に11月に行われたといういきさつから、サプライズとして新郎新婦のみならずご両親共々のケーキカットとなりました。
双方のご両親は知らされておらず、特に2度の大手術から生還された新婦のお父様の喜びのご挨拶の後だけに、列席者一同胸に迫るものがあり、早くも会場は泣き笑いの渦となっていました。

冠婚葬祭、人生の2大イベントではありますが、祝福の結婚式にはそれぞれ盛り沢山な演出が施され、少々過剰とも思える演出でも、ご列席の方々は直にお祝いの輪に入っていけますが、もう一方のご葬儀での演出はその緩急が少々難しいようです。

それでも時としてその方にピッタリの演出でご出棺となり、ご会葬者一同号泣されたお話などを伺うと、判で押したような最後のお別れの時間こそもう少し個性を発揮できるのではと立会いながら考えることがあります。

新旧3組のケーキカットのサプライズを目の前に、ご葬儀でもその方らしい最後の送り方の工夫がもっとなされてもよいのでは、と思い巡らしています。
但し、演出過剰は禁物です。
あくまでご会葬された方々の心の中に留めていただける範疇であることが大事です。

スマートフォン

 私はiphoneを使っています。とても便利なスマートフォンなのですが、どうしてもつけてほしい機能があります。それはedyなどのオサイフ機能。
iphoneではオサイフ機能が付いたものは発売されそうにありませんが、auから11月下旬にオサイフ機能を持ち合わせた、スマートフォンが登場するようです。
電話・メール・アプリ・オサイフすべてが揃ったスマートフォン。iphoneから乗り移るユーザーもいらっしゃることでしょう。自分も悩んでいます。
アップルのiphone対googleのアンドロイド。
どちらがシェアを奪い取るのか、これからスマートフォンの動向が楽しみです。

ジャズ仲間とのお別れは・・・。

 猛暑続きの今年でしたが、ようやく秋の気配が漂ってきました。
 秋といえばジャズの季節とも言われ、都内各所で町おこしのジャズ・フェスティバルも年々盛んになってきたようです。

  少し前になりますが、そんなジャズを愛した方の無宗教葬に立ち会いました。

  故人は地元で長年ジャズ喫茶をやっていた方で、通夜には往年のジャズ仲間が勢ぞろいされたようです。

 葬儀社の担当者は通常棺の正面に置かれている献花台を右側に置き、会葬者が献花をされてから正面に来て故人とゆっくりお話をしてもらうような形を作り、棺の蓋を開けてご遺体もきれいなので胸から上をお見せし、お仲間と最後のご対面をゆっくりとしていただきました。

 棺の左側には思い出のコーナーを設け、ご対面の後ゆったりとジャズが流れる中思い出に浸っていただいていました。

 と、突然飛び入りで仲間がトランペットを吹きだすや懐かしい曲が次々と飛び出し、ジャズメンらしい最後になりました。

 実は故人のご兄弟皆さんが、この無宗教葬に反対で、とりわけ強かったのは一番上のお兄様。
 ところが、このお兄様が通夜の最後のご挨拶では号泣され、涙ながらにこんな素晴らしい通夜は初めてだと感極まったご様子でした。

 往年のジャズメン達は興奮冷めやらぬ面持ちで、ブランデーケーキと次は自分の番かもしれないと臨海斎場のパンフレットをお土産に家路を急いだとのことです。

イスラム教徒の墓地不足とエンバーミングの関係や如何に・・・?

 先週、放送芸術科の学生さんから「ドキュメントでエンバーミングを取り上げたいので葬儀社さんを紹介してください」との電話をいただきました。

 エンバーミングのお話は時々マスコミを通じて伺いますが、直接依頼者からご希望されたことはありませんでしたので、賛同社に伺ってみますと、やっていますよというところ、お話は聞くがまだ実際には経験がないところと様々でした。
 矢張り、エンバーミングの設備を整えている葬儀社さんは積極的に取り組んでいるようです。

 腐敗を防ぐためにご遺体から血液や体液を取り出し、防腐剤を注入するエンバーミングは欧米ではごく一般的に行われ、特にアメリカではご遺体の移動時間により、州で義務付けられているところもある位とのことです。
 土葬が主流のアメリカでも特に南部地区はエンバーミング率95パーセント以上との報もありますが、例外を除いて火葬が殆どの日本ではマスコミに話題として取り上げられるほどには広がりをみせていないのが現状のようです。
 長期保存の必要性や感染症のリスクも少ないこともありますが、それ以上にご遺体から血液を抜くことに抵抗感を感じる方が多いのでは。

 そんな折、先日日本在住のイスラム教徒の方の墓地不足が深刻との朝日新聞の記事が目に留まりました。
 火葬が殆どの日本では、土葬による埋葬に嫌悪感を持つ方も多く、近隣住民からの理解がなかなか得られないのが実情とのことです。

 しかし、これから日本で永眠される外国の方も益々増えてくることでしょう。
 そうなれば宗教上の問題から土葬の墓地も容認せざるを得なくなり、多様な選択に抵抗感も薄れてくるかもしれない。

 エンバーミングの広がりも思わぬところから火がつく可能性を秘めているのでは・・・。

土地勘があると話がスムースになります。

 相談が当センターに寄せられたとき、該当地域について、こちらがある程度知っているのと知らないのとでは、ご相談者がいだく安心感は全然違うように感じています。

 地図からの情報はもちろん大事ですが、できれば、自分の足で歩き五感を使って、その土地を把握したいと思っています。なので、打ち合わせなどで出かけたついでに、その辺りを歩く時間があれば、それを計算に入れておいて徘徊したりしています。

 これまでは地図のコピーとケイタイの現在地確認とナビ機能を駆使して歩いていました。しかし、毎度事前に地図をコピーするのも紙がもったいないし、かといって、本体の地図を持ち歩くのでは重たいし、ケイタイの地図は見ずらいし、何か良い方法はないものかと思っていました。

 そんなとき、パナソニックが先日発売した「旅ナビ」の広告を見てしまいました。
「持ち運べる新感覚ナビ」のキャッチコピーをはじめ、「歩行ナビ・徒歩散策の道しるべ」「昭文社の【MAPPLEガイド】データ約100冊分をベースとして収録された施設情報は、全国で約8万件」「手にしたガイドブックをパラパラとめくる感覚で操作すれば、様々なスポットも簡単に見つけ出すことができます」

 昨日、商品が届いて電源を入れたばかりなので、まだ街では使っていませんが、これまでとは違った街の歩き方・見え方になるかもしれないと少し期待しています。

ご葬儀の仕方やお墓の建て方は分っても、それに伴うアクシデントの処し方が難しい・・・。

 あさがお葬儀社紹介センターには当センターの賛同社ご紹介以外のお電話も多々いただき、時としてお答えに窮するような場面もございます。

 「お墓のことで葬儀社さんをご紹介いただけますか」
 先日頂いたお電話ですが、どうやらご葬儀のご相談ではないようです。

 「公営霊園にあるお墓の納骨所(カロート)が一杯なので、どうしたらよいのか。カロートは下が土ではなくコンクリートなのでご遺骨がまけない。麻地を使ってご遺骨を入れる袋を自分で作らなくてはいけないのか。葬儀社さんの方で取り扱っていただけないものだろうか」とのご質問でした。

 公営霊園の事務所に伺っても6体まで収容できますとしかお答え頂けず、仏具屋さんもうちではないと言われ、困ってお電話されたとのこと。
 残念ながら葬儀社さんのお仕事の範ちゅうではないようです。

 カロートを開けるにしても石屋さんのご協力が必要になりますし、まずは墓石を作られた石材店さんにご相談されるのがよろしいのでは。石材店さんの方でご相談に見合った処理をお願いできると思いますのでと申し上げましたが・・・。

 また時に、普段触れることの無いお位牌の件でのご相談もございました。

 以前頂いた「白木のお位牌はどこで買えばよろしいのですか」との問い合わせには、思わず塗りの本位牌の間違いかと聞き返したこともありました。
 手元にはないので仏具屋さんで買えるのかとのご質問には少々慌てました。

 通常でしたら白木のお位牌はご葬儀の際葬儀社さんの方でご用意されるものですので、まずはご葬儀をされた葬儀社さんにお問い合わせいただくよう申し上げましたが、ご事情はあまりお話されたくないご様子でした。

 本来ならば、このようなご質問は地区やご親族の長老の方々にご相談されていたことでしょうが、都会では今や伺う術も難しい状況になってきています。
 情報が氾濫している昨今ではご葬儀の仕方やお墓の建て方は分っても、それに伴って起きる事柄やアクシデントに対処する術が見つからず、困惑されてご葬儀関係のところあちこちにお問い合わせされていらっしゃいますが、なかなかずばり回答は難しいようです。