通夜の夜は皆で過ごしたい・・・。

 先日、ご高齢のお父様の体調が思わしくなく、万が一を考慮されてのご相談を頂きました。

 ご相談者の一番のご要望は、最後の一晩を出来るだけ多くのご親族の方々とご一緒されたいとの由。

 最近では消防法で線香等が21時までと決められ、お泊りも制限されている市営斎場等も多く、それに伴い民営の斎場もご要望にマッチするところが難しい状況になってまいりました。

 ご葬儀の担当者も頭の痛いところとは存じますが、ご相談者の少しでもご納得のいくご葬儀の方向をお話し合いしていただければと存じます。

 以前,御祖母様のご葬儀の際、一晩ご親族の方々とご一緒にお過ごしになりたいとのご要望を頂いた担当者は、何とか皆様のご要望に沿いたいと、つてを頼りに公には公開されていないお寺のご住職と直談判をされました。

 本堂とお清め用の大広間のご使用の承諾を得、お清め後の大広間をそのままご利用になり、ご親族の皆様が御祖母様を囲んで最後の夜をお過ごしになられ、ご葬儀後大変ご満足いただいたとのお礼状を頂いた事がございました。

 また、通夜の晩、遠方から駆け付けたご親族や友人十数人が式場にご安置されている故人様を交代で見守り、お隣の大広間にお布団を敷き詰めて、皆様で一晩雑魚寝をされ、冷え性の方もお布団が温かく感じられる程ご満足されたとのご報告も頂いております。

 ご親族の方々もこうした機会は初めてとのことで、喪主のご相談者も「合宿のような一晩が思い出深く心に刻み込まれた気がします。父が皆様をより一層仲良くさせてくれた時間に思えました。翌朝、バケツリレーのようにして皆様の手で次々とお布団の山が出来たのは圧巻でした」との嬉しいご報告を頂いたのが昨日の様に思い出されます。

葬儀社のホームページの見方

ホームーページは情報を提供する有力な手段であることは間違いありません。なので、葬儀社もホームページに力を入れて作っていますが、どのような情報の出し方、表現をしているかをみると、われわれはその社がどういう葬儀社なのか、おおよその見当が付けられます。

公営斎場や一般的な貸し斎場を自分のところだけが使えるというような表現をしていたり、誤解を与えるような値段の出し方をしていたり・・・、ひどいところも中にはあります。
要するに、消費者をばかにしているわけなのです。ホームページは、企業姿勢が現れる一つの例にすぎないので、ほかの部分でも同じようだと推量してもほぼ間違いないでしょう。
ただ、これはある意味非常に単純でわかりやすいです。

次のようなホームページはもう少しやっかいです。ホームページでは理念だのいいことが書いてあるものです。しかし、これで判断してしまうのは危なっかしい限りです。口では何とでも言えるのと同じことですから。

結局のところ、実際の行動や細部のところで判断するしかありません。ホームページは一つの参考材料にしか過ぎないということです。

直葬でのお別れ時間の取り方は・・・。

 「独り身だけれど、今まで大勢の方に世話になりました。昔の人は老い支度と言って、いざという時困らないように貯めていましたよ。葬式には出来るだけ沢山の人に立ち会ってもらいたい。誰かがちゃんとやってくれるでしょう。それが人の世というものだ」

  10年程前、語気を強めた声がラジオから流れていました。

 直葬という言葉が、マスコミを中心に取り上げられ、話題になるにつれ、賛否両論に分かれ、あちこちでバトルトーク合戦が繰り広げられていたのが、つい昨日の様に懐かしく思い出されます。

 都会を中心に、いつの間にか浸透し、最近ではご喪家の事情に合わせて様々なバリエーションの直葬も目につくようになってきました。

 御家族と御兄弟の方のみでのお見送りをご希望され、ご葬儀のお式を省いた直葬をご希望の方が増えておりますが、お式が無い分、お別れの時間が取れない慌ただしさがございます。

 センターへのご相談でも、最期のお別れだけはゆっくり時間を取りたいとのご要望も多く、最近では葬儀社の方々にもそれぞれに、臨機応変な対応が求められて来ているようです。

 ご自宅でのお別れの場合は、葬儀社さんの方で納棺のお手伝いとご焼香のご用意、ドライアイスの交換だけをしていただき、お別れのお時間を十分お取りできますが、ご出棺当日までご自宅以外にご安置の場合は、葬儀社さんにより様々です。

 葬儀社さんの中には自社式場の和室に「付き添い安置」という形を取られ、ご自宅でされるようにお線香をあげ、ご喪家の方の1晩中付き添い、翌日ご出棺が可能なケースもございます。

 また、自社式場を所有している葬儀社さんの場合、ご出棺当日の朝、安置所から空いている式場に移動し、こちらでゆっくり柩へのお花入れとお別れが可能な社もございます。

 中には、ご出棺前日に自社安置所にお集まりいただき、お別れ室にてゆっくり1時間程のお別れが可能な社もございます。

 直葬のご要望が増える中、少しでもご要望に沿った様々なバリエーションのお別れができるよう、更なる期待をしたいと存じます。

写真

以前立会いでお伺いしたご葬儀では、故人様が趣味でよく使っていたカメラが思い出コーナーに飾られていました。
喪主をお務めになった奥様のお話しをお聞きすると、ご主人様は写真を撮ることは好きで、まわりの皆さんの写真を撮っていたようですが、自分が写っているものがほとんどなくて…、とのこと。
遺影写真に使う写真を探すのが大変でしたとおっしゃっていました。

実は私自身も写真に撮られることが苦手で、自分の写真はほとんどありません。子供が生まれてからは、子供の写真ばかり撮っていましたし、今では子供も大きくなり、写真を撮ることもあまりしなくなってきました。
手元にあるのは、つい先日、娘と一緒に撮ったプリクラくらいでしょうか…。

まだ現実味はありませんが、いつ起こるかわからない万が一のこと。このままだと、とんでもない写真を使われてしまうかもしれないと、頭の片隅では思っているのですが。
写真を撮られることも「慣れ」があると思うので、少しずつ、慣れていったほうがいいかも知れないと思い始めました。
下手な鉄砲も数撃てば当たる…かもしれませんので。

担当者の気遣い

 病院の一室で84歳のお誕生日を目前に、お父様は静かに息を引き取られました。

 ご自宅にお戻りになり、御家族皆様の思い出になるようにと、御家族の手で最後のお誕生日をお迎えになりました。

 3日後、お誕生日を終えられ、斎場に向かわれる際、柩の脇に置かれた大きなケーキを見つけたご葬儀の担当者は、少しでも皆様の思い出になるようにと写真に撮ってから、その見事なケーキを柩のお父様の脇に置かれたとの由。

 お誕生祝いのケーキは御家族の皆様にとりましても特別なものとなり、思い出深いご葬儀になった旨、ご報告を頂きました。

 お父様を亡くされたご高齢のお母様にとって、2日間の斎場への往復は体力的にきついとのお話をお伺いしたご葬儀の担当者は、斎場2階のバス付の遺族控室を提案し、浴衣もご用意できますが、のりが付いたごわついた感触がきつく感じられるのではと、普段、着慣れていらっしゃるパジャマ持参を推薦されたとの由。

 お蔭様でお母様はゆっくりお休み頂け、2日間を無事乗り切ることができましたとお母様のことが気掛かりだった喪主の息子様から早速のご報告がございました。

 永年、町の商店街で魚屋さんを営んできたお父様の故郷は千葉の港町でした。

 お父様のご葬儀が進行する中、大切に保管されていた大漁旗が斎場に届けられたのは、最後に執り行う柩へのお花入れ直前でした。

 お時間が無い中、担当者のとっさの判断で大漁旗が広げられ、柩全体を包み込むように覆うと、鮮やかな大漁旗はたちまちお父様の旅立ちにふさわしい装いとなり、商店街のお仲間達も万来の拍手でのお見送りとなりました。

 初めてのご葬儀で、お気持ちの余裕がない中、担当者のちょっとした気遣いが大きな力を発揮しています。

鮮やかなお葬式

私が通っているキルト教室のクラスには、30代から70代のさまざまな年代の女性がチクチクと針を刺しています。
年代にこだわらず、和気あいあいと和やかなムードで楽しくおしゃべりをしながらキルティングをすることが、月2回の楽しみでもあります。
先日、ベッドカバーサイズのキルトを完成させた方が、「これは、私のお葬式のときに棺に掛けてもらうの。」と。棺の中に入れるのではなく、あくまでも、みんなに見えるように棺に掛けてほしいと笑って言っていました。
何年もかけてやっと出来上がった、愛着のある作品、燃やしちゃうのはもったいないじゃない。というお姉様は2枚目のベッドカバーに着手しています。
自分の葬儀のときには、式場に今までの作品を展示してもらいたいわ〜とおっしゃるお姉様は、定年を10年以上過ぎていますが、とても多趣味でフラで汗を流すことも。
祭壇のお花はハワイの花で作ってもらいたいそう。
想像しただけでも、とても鮮やかなご葬儀になりそうです。

そんな話をしていると、若い人は「うちの親も自分のお葬式のこととか考えてるのかな」と話し始めます。
私は職業柄、親と葬儀の話をすることもよくあるのですが、一般には、子のほうからはなかなか切り出せず、むしろ避けたい話なのだとおもいます。

自分の葬儀はこうしてほしいと希望があるのなら、エンディングノートを用意するのも一つですが、雑談の中に、葬儀の話をさらっと盛り込んでみるのもいいかもしれません。
私も、将来の葬儀のために、作った作品は大切にとっておいて、娘に託してみようと思います。

ご葬儀は無宗教葬で・・・。

 お寺さんとの付き合いも無いので、10年前に他界されたお父様同様に、お母様も万が一の際は無宗教での1日葬でお見送りをされたいとのご要望を頂いたのは、ご逝去の2ヶ月程前でした。

 お式の間特別なこともなく、お母様のお好きだった音楽を流し、献花でのお別れとなりましたが、ご列席の方々はお母様を良く知るお身内の方でしたので、ゆったりした時間が流れる中、夫々の方がお母様と向かい合って最期のお別れをされているご様子が強く感じられたとのことです。

 以前、立会いでお伺いした無宗教葬でのご葬儀が思い出されます。

 担当者と打ち合わせをされた際、ご喪家側からは「献花をする時間だけを取ってもらえれば、後は何もしないでほしい」とのご要望をいただいたとの事。

 オペラのアリアが流れる中、お集まりいただいた方々は三々五々おしゃべりに興じ、時折喪主の方が話しの輪に入り、リラックスされた御様子のまま30分が経過しました。

 30分後、お1人づつの献花が終り、最期のお別れの儀では各人がゆっくりと故人に話しかけながらのご対面となりました。

 何もされないで、ひたすら故人との対話の時間を作ってあげるだけ。

 こんなひとときがあってもよいのではと思わされ、ご葬儀と言えば1時間の中身のほとんどを儀式で占められ、ご出席の方々もひたすらそれに従っているように見受けられるご葬儀に慣れてしまった目には新鮮に感じられ、印象に残るお式でした。

 大好きな胡蝶蘭に囲まれた遺影の主は、ご出席いただいた皆さんとのおしゃべりを最後まで堪能され、ご満足された御様子でのご出棺となりました。

 但し、担当者からは親しい方以外の方がお越しになる場合、特に地方からお見えになられたご親戚の方がいらっしゃる場合等は、事の次第をご説明する必要が出てきますので、通夜の席で初めに喪主の方から無宗教になった経緯をご説明され、ご納得頂くことも大切ですとのお話を頂きました。

無宗教での葬儀

無宗教の葬儀は形式にとらわれることなく、故人様やご家族のご意向を自由に取り入れることができるご葬儀のかたちです。

宗教離れや核家族化など、事情は様々で、テレビ・マスコミや、葬儀社のホームページなどで知ったという方もいらっしゃいます。

無宗教のご葬儀は、葬儀社からの提案もさることながら、依頼する側にも「こうしてほしい」や、「これを使ってほしい」、「これをやりたい」などのある程度具体的なご要望を提示することで、よりその方らしいお送りかたができるのではないかと思います。

例えば、故人様のご趣味だった絵画や写真などの作品を式場内に個展風に展示をしたり、音楽を演奏されることがお好きだった方は、お仲間達が故人様をしのびながら思い出の楽曲をお式の中で演奏する、また、式中に故人様のご生涯を司会者がナレーション風に読み上げるなど、さまざまな方法があります。

しかし、自由なかたちでやるためには、ご遺族様側はご心痛な中でもご葬儀の準備に携わらなければならない場面もでてきます。
また、式場なども限られてくる場合がありますので、無宗教葬をご希望される方は、無宗教葬に精通している葬儀社を選ぶことが大切であり、可能であれば、事前に相談をされるのがよいかと思います。

いろいろな事情により、まだ無宗教のご葬儀が浸透していない地域などもありますが、これからは少しずつ増えていくのではないでしょうか。

ご相談出来て、心強かったです・・・。

 病院から余命1週間から1ヶ月程と言われ、万が一に備えてのご相談を・・・とのご連絡を頂いてから2ヶ月後でした。

 ご家族とごく内輪のご親族のみに見送られ、お母様のお好きだった音楽が流れる中、10年前にご逝去されたお父様同様に無宗教での1日葬が執り行われました。

 A4サイズの遺影もご喪家でご用意し、会葬礼状も手作りされたとお伺い致しました。

 最初に相談を頂いた折、ご要望等とその理由をお伺いして、それに見合うと思われる地元の複数の賛同社から見積りをお取りし, 見積説明書と共にお送りさせていただきました。

 お送りすると同時に、お時間がございましたら是非に見積りをお出しした担当者とお会いになり、祭壇やお食事等の写真をご覧になりながら、直接具体的なご要望等をお話されることをお勧めいたしました。

 と申しますのも、ご葬儀の内容もさることながら、実際のご葬儀では担当者とのコミュニケーションのあり方が重要な要素を占め、特に少人数でのご葬儀では担当者との意思の疎通の良し悪しがご葬儀を決定するとまで言われ、ご葬儀後センターに送られてくるアンケートでも、多くの方から実感されたとのお言葉が届いております。

 ご相談者からは早速に各担当者とお会いになり、各人甲乙つけがたいが、担当者のきめ細かな対応ぶりに加え、見積りの組み合わせの自由度が高い社をお選びになられた旨ご報告頂きました。

 最初のご相談から1ヶ月後、お母様はお医者さんの見立てをはるかに超えて、よく頑張ってくれておりますとのご報告が入り、ご相談をお受けした当方もホッとすると同時に、出来るだけお母様のお傍にいて看護に専念して頂けるよう改めて申し上げた次第です。

 それから1ヶ月後、お母様は帰らぬ人となりましたが、ご紹介した担当者の対応にご満足され、センターにご相談出来て心強かったですとのご報告を頂きました。

スタッフの動き

先日、お通夜の立会いに行かせていただきました。
私が式場に着いた時はすでにご遺族、ご親族の皆様はお集まりになっていたので、担当者に案内をしてもらい、依頼者の方にご挨拶をさせていただきました。

通夜開式の30分程前だったので、すでに式場の準備はほぼ整っており、スタッフの人達は式場に到着したご親族のご案内や最終チェックなどをしているのを外から拝見させていただいたのですが、その日はスタッフが全員男性で、キビキビとした動きがとても印象的でした。

あっちこっちと、よく動いてるのですが、決してバタバタにはならずキビキビと、そして、当然のことながらしっかりと目は行き届いている。
式中に来た会葬者の車が目に入ると、すぐに駐車スペースに行き、違うスタッフがそれに気付き、受付に案内をする、など、スタッフのチームワークの良さもよくわかりました。

閉式後に少しだけ担当者とお話をさせていただいていたのですが、お帰りの方が目に入るとすかさずお見送りに行く。

担当者やスタッフのフットワーク、目配りに気配り、チームワークの大切さをあらためて実感しました。