護国寺での合同葬の葬儀告別式に立会いました。故人は会社会長職にあった方でした。通夜は密葬で会葬者70名ほどでしたが葬儀・告別式は300名近くの会葬者がありました。
通夜はご喪家主導で会社は後方支援という形をとりましたと葬儀社の担当者のお話しでした。会社が前面に出ないように心がけ、故人との個人的な繋がりのある方だけでおこないましたが、会社あっての故人ですのでそのあたりをカバーしながら進行しましたとのことです。
密葬と社葬までの時間がなく合同と言う形をとったため、最初にご自宅へ伺った時ご喪家側は不安なご様子でしたが、調整し皆さんが納得する形に持っていったので始めの打ち合わせから協力的でスムースに運んだようです。
「よく合同葬と言うとどちらかのカラーが出てしまい、両者のカラーが生かされていないものが多く見受けられるので、今回その辺りを特に注意しました。温かい家庭的な式をご希望ですが、会社会長という立場も考慮して、社葬というカチカチになりそうなものとのバランスを上手くとり、中和を図りそれぞれのカラーを出すことに苦心しました。ご喪家のご意向を最大限たてて、会社とのバランスを考えた演出を心がけました」。
故人は自分のこと以上に仲間や家族を思いやり、気をつかう方でしたので来ていただけるお一人お一人の心を大事にして真心込めた式にしたい、これがご喪家の願いでした。普通の社葬のようにカッチリしたものではなく、また全く個人的なものではなく創業者の会長と言う立場も考慮して両者の良い所をとりカラーを出す。どこでおりあいをつけるかが大変難しかったようです。
葬儀規模に対して予算も厳しく、担当者の提案で、必要なものにはきちんとしたものを、特別必要でないものは省いてしまうなどと、単品で一つ一つに対してチェックをしていきました。例えば、テントなども張り巡らすのではなく、規模に応じて必要な規模の物だけにしました。
社葬を主眼にした場合はどうしても社の名に恥じぬようにと見栄が出てしまうが、この人数、護国寺でしかも個人的に温かい式でやる場合特に必要ないのではと葬儀社サイドから提案し納得していただいたようです。
供物として頂いた生花は花祭壇に組み込みの形にして、ロビーの方に芳名板をお出ししました。花祭壇は祭壇集の中から選んでいただき、コントラスト的にはグラデーションになるように故人が好きだったパープルとブルーの花を配しました。規定料金の花祭壇は通常ですと3倍近い金額になるのではと担当者がいうようにかなりサービスをしたようです。
ロビー中央には寄せ書きの場所が設けられ、会葬者は列を成して、故人への想いを記していました。これらは全て告別式の後、柩に納められました。
ご遺体での社葬という形をとったので、最後のお別れ花ではご家族ご親族に続き、仲間、先輩、会社関係者と延々と続くお別れになりました。会葬者のほとんどの方が出棺まで残り、柩を最後まで見送っていました。故人の生前の交友関係が目に浮かぶようでした。
※護国寺桂昌殿の斎場案内は、護国寺桂昌殿のページになります。