葬儀のことは全くわからない・・・

 先日、葬儀を出した経験がない友人から受けた事前相談の時に、どんなことがわからない?と聞くと、「全くわからない、なにがわらないのかもわからないんだよね〜」と言っていました。
 過去にお父様の葬儀を出した経験がある他の友人でさえ、「父の葬儀の時は母が全部やっていたから、何をしていたのか全然覚えてなくて・・どんなふうにいろんなことが決まっていったのか、わからないので、将来母を送る事になった時はよろしくね」と言っています。

 実際、センターへご相談される方の中でも、どうしたらいいのか全くわからないとおっしゃる方はとても多いです。
 ネットなどで色々調べている方でも、見れば見るほどどわからなくなってしまって・・、という方も多いのですが、普通は普段から葬儀のことを考えたりすることはあまりないと思うので、当然といえば当然の事だと思います。

 普通の一般的なお葬式、といっても、そのご家族や地域のことなど、その状況はそれぞれ異なります。菩提寺さんがあったり、無かったり、家族親族だけにしようと思ったり、友人にも来てもらいたいと思ったり・・・・。
 
 センターでは、それらの混乱をご相談者と一緒に整理し、ご要望に合わせた葬儀社のご紹介をしています。

 センターへご相談される際に、「常識的なことかもしれないので・・」「こんなこと知らないのは恥ずかしい・・」などとおっしゃる方がいらっしゃいますが、初めて葬儀のことを考えなくてはならない状況なのですから、分からなくて当然のことですので、センターへご相談される際には、その様な心配は無用です。

 

地元葬儀社さんならではの強み

 当センターではご相談に応じて、地元の賛同葬儀社さんをご紹介しております。
 各社共、地域のことに詳しく、如何にご要望に応じたご葬儀が執り行えるか、担当者さんはご喪家のお気持ちを汲み取り、臨機応変な対応を心がけ、ご葬儀後のアンケートのご回答でも大いに感謝されております。

 納棺に間に合わなかった弟様の願いは「最後の一晩をお父様とご一緒に過ごしたい」でした。
 ご自宅でご逝去されたお父様は、当初ご自宅での納棺後、日華斎場での1日葬との段取りでしたが、ご葬儀まで1週間待ちの状況には、お仕事の関係で難しく、急遽担当者さん提案の地元のお寺でのご葬儀に切り替わりました。
 通夜を執り行わない1日葬の為、式場費も半額でしたので、通常のお泊りは難しい状況でしたが、こちらのお寺をよくご存じの担当者さんが掛合い、2階の空いている和室をご提供いただけることになりました。
 但し、1階にご安置された柩を2階に運ぶ手立ては階段しかありません。
 御兄弟3人で力を合わせ、柩を2階和室にお運びし、お父様を囲んで最後の晩をお過ごしになられたことを、感無量の面持ちのご相談者からお話頂いたのは言うまでもありません。

 また、九州にご実家のあるご相談者からのご要望は、九州での義母様のご葬儀の際と同様に、老人ホームに入居中の義父様のご逝去からずっと付き添い、遅くともご葬儀を3日後には終わらせたいとの由。
 ご要望は地方と東京でのご葬儀の格差が一番顕著に表れるところですが、こちらもご紹介した担当者さんの計らいで、見事にクリアできました。
 こちらの地元の老人ホームでは、1晩付き添いが可能なことを、担当者さんはご存知でしたので、ホームで看取った後、ホームの許可を得て、ご相談者は義父様に1晩付き添う形となりました。
 さらに、ご自宅近くに新しい家族葬用斎場の情報を得た担当者さんは早速にこちらでのご葬儀を決め、混雑している多磨葬儀場での火葬は特別賓館での火葬となりましたが、全体的に費用を抑えたため、無事予算内でご葬儀を執り行うことができました。
 ご葬儀を終えた夜、ご相談者からはお疲れの中、早速にご納得のいくご葬儀ができたこと、ご要望通り、最善の日程で実施出来たことへの感謝のお言葉を頂きました。

 ご喪家のご要望も、一つひとつ違います。
 地元のことを知り尽くしている担当者さんの、臨機応変な対応に、期待が掛かっております。

最初の相談から時間が経ってしまっても・・。

 先日、友人のお母様がいつどうなってもおかしくない状態になったと伝えられました。お母様が入院した時に、もしかしたら近い時期に葬儀をおこなわなくてはならないかも、と、事前相談があり、葬儀社を紹介させていただいたのですが、それから一年経ち、明日なのか、一か月先なのか、という状態だと医師から告げられて、亡くなったときにはどうしたらいいのかと。
 事前相談の際に見積りを作ってもらい、葬儀の流れなども説明はしていたのですが、時間が経って、日々の忙しさも手伝い、一年前に聞いたことはすっかり忘れてしまったそうです。
 また、一から説明し、困ったことがあったらいつでも連絡していいから、と伝え、安心したようでした。

 センターへ事前相談される方でも、この友人と同じような状況にある方もいらっしゃるかもしれません。
 最初の相談から時間が経ち、以前センターへご相談されたことを忘れて再度ご相談されたケースもあります。

 ご対象の方が回復され、葬儀の事が頭から消えているのは、本当に何よりだと思います。
 心配な状態になった時、必要になった時には、遠慮なく、いつでもご連絡を頂ければと思います。

 最初のご相談から時間がたってしまっていても、再度ご相談いただくことは全く問題はありませんし、新たな情報をお伝えできるかもしれません。

 センターでは、一定期間、ご相談の内容を保管していますので、何か心配なことがあった際にはいつでもご連絡いただければと思います。
 

搬送先はどちらに・・・。

病院でご逝去された後、まずはご遺体の搬送先をどちらにされるか。
咄嗟に頭をかすめるのは永年住み慣れたご自宅に・・・。

しかしながら、都会の住宅事情やご家族のみでお見送りされる場合のご近所へのご報告の煩わしさ等が頭をよぎり、昨今はご自宅以外をご希望される方が圧倒的に多くなってまいりました。
そんな中、たとえ一日でも、との強いご要望もございます。
ご自宅以外の安置所になりますと、ご面会の時間も制限され、場合によっては通夜当日までご面会すらままならない場合もございます。

先日ご相談頂いた方の場合は、長年お1人で団地住まいをされていらっしゃいましたが、一人娘さんのたっての願いで、一旦ご自宅にお戻りになりました。
ところが、古い団地の為、エレベーターに柩が乗らず、3階まで担当者がご遺体を抱えて階段を登られたとのこと。
担当者からはごく自然にご報告いただきましたが、お仕事とは言え、頭の下がる思いでした。

団地のエレベータ―で、思い出すことがございます。
お1人でお住いのお母様がご逝去され、最寄りの警察で検視を受けた時点でご相談を頂きました。
ご紹介した賛同社の担当者が早速に警察に出向きましたが、医務院での解剖が施され、処置された後での搬送と決まり、搬送業務は医務院扱いとなりました。

当初、都内のご相談者宅への搬送をご希望されていらっしゃいましたが、お住いの団地のエレベーターに柩が入りきれず、解剖処置後のご遺体を階段で運ぶのは無理なことが判明し、ご相談の結果、急遽血縁者ではないご相談者の奥様の都下のご実家への搬送に変更されるという報告を受け、思わぬハプニングに担当者も慌てて念を押してしまうほどでした。

その夜、お母様サイドのご親族は、ご相談者の奥様のご実家を初めてご訪問される方が殆どでした。
しかしながら、急な成り行きにも、ご実家の皆様は当然のように受け止められたご様子とのこと。
困った時はお互い様ではありませんが、関係者一同、お別れの場を提供されたご実家の計らいに深く感謝され、最後のお別れの日は葬儀・告別式はなく火葬のみになりましたが、ご焼香と柩へのお花入れのお時間を十分に取られてのご出発となられたとの報告を担当者からいただきました。
担当者もご実家でのご安置の間、何時どなたがいらっしゃってもご焼香ができるように、準備されたのは言うまでもありません。
ご葬儀に不謹慎かとは存じますが、なぜかホッとした思いがよみがえってきます。

直葬での葬儀

 火葬のみで行う直葬(ちょくそう)とう葬儀があります。
 直葬での葬儀とは、ご逝去⇒ご安置⇒火葬という流れの、とてもシンプルな葬儀のかたちですが、直葬での葬儀を希望される方は年々増えているように感じます。

 ご相談を通して、直葬を選んだ理由を伺うと、その内容は様々です。
 例えば、
 ・入院や介護が長引き、葬儀にかける費用を捻出できない
 ・親戚も少なくなり、家族だけで見送るので
 ・菩提寺もなく、宗教的なしばりがないので
 ・本人が生前に火葬するだけでいいと言っていたから
 ・本葬は納骨の時に田舎の菩提寺でやるので、こちらでまず直葬で火葬を行いたい
 ・生活保護を受けていて、葬祭扶助を利用するため
 などがよく伺う理由ですが、各ご家族の状況によって、更に細かな理由がある場合もあります。

 ただ、ご家族が直葬を希望されていても、直葬で葬儀を行うのが難しい場合もあるので、葬儀の事があまりよくわからないという場合には、詳しいところからアドバイスをして頂くことをお勧めします。

 以前、センターへご相談された方でも、費用負担が厳しく、家族だけで送るので、と、直葬での葬儀を希望されていたのですが、菩提寺があるとのことでした。
 センターからは、費用面などの事情を菩提寺のご住職にお話しして、ご了解を頂くことをお勧めし、ご相談者がご住職に話をしたところ、直葬での葬儀を受け入れてもらえず、結果、通夜・告別式を行う葬儀をすることになりました。
 
 また、火葬するだけではあまりにもシンプルすぎる、お別れの時間を少し長めに使いたい、というご相談もよく伺います。
 そのため、火葬場へ向かう前に安置所などでお別れをする、直葬+αという形で対応してくれる葬儀社も増えてきました。

 直葬といってもそれぞれのご要望は様々ですので、状況に応じた対応をしてもらえるようなアドバイス、提案をさせて頂きます。

デジタル遺品

 テレビ朝日『dele(ディーリー)』を毎週楽しみに見ています。
 パソコンやスマホに残された不都合なデジタル記録を依頼により抹消する業務を請け負う仕事にまつわる話です。「デジタル遺品」というべきもので、依頼人の死後、パソコンやスマホに遺るデジタル記録を内密に抹消するというものです。

 たしかに、デジタルデータはやっかいです。最近、遅ればせながら読んだ、上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」にも、遺すと困るものとして、ペットの次にパソコンや携帯のメモリは要注意と書いています。

 上野さんの本が出たのが、11年前なので、この問題を解決するサービスはなかったでしょうが、いまは、一定期間生存している認証を送らないと、死亡しているものとみなして、他人に見せたくないデータを自動削除できるソフトがあったりします。グーグルなど大量に個人データを保管しているところも同じようなサービスがあります。

 自分とは関係なさそうな話し方をしている、あなたはどうするつもりなのか?
ですか。

 わたしは、そういうソフトを使う予定はいまのところないです。削除するデータと遺すデータを整理するのも面倒ですし、データをどこかのサービスに預けるのも気が進まないです。見られたくないデータはその都度、どんどん削除し(もっとも復元されたらたまりませんが)、身近な人に見られてもいいようなデータだけにしておく。あとは、記憶にとどめておくだけでいいかなと。

葬儀をするにあたり、何を一番に優先したいですか?

 宗教的なしばりがない方が葬儀社を選ぶ場合、選ぶ基準にするのは主に費用、対応、斎場などの設備、場所などから考えられるかと思います。 例えば、費用が少し高くなっても近い所がいい、費用は抑えたいが、ちゃんと対応してもらいたい、安置所でずっと付き添えるところがいい、式場は交通の便が良いところ、などがあると思いますが、これらの全てに対応できる葬儀社というのはなかなかありません。

 ただ、葬儀について、そこまで具体的に考えている方もあまり多くないとも思います。
 そこまで気が付いていないといういい方もあるかもしれません。

 センターではご要望を伺い、それに出来る限り合うような葬儀社を複数ご紹介することもありますが、複数のご紹介が、かえって迷ってしまうこともあるようです。

 以前2社をご紹介させて頂いたご相談者は、両社の担当者と直接お会いになったのですが、どちらもいい担当者で甲乙が付けられず、迷った結果、結局ご自宅から近かった社を選ばれたということがあります。

 また、同じく複数社のご紹介をさせて頂いた方は、こっちの葬儀社は対応面と設備はよかったのですが、もう一社は設備はないけれど対応面と一人の担当者が最後まで対応してくれるというところが気に入られたとのことで、そちらの社をお選びになりました。

 出来れば事前にご相談いただき、ご要望を明確にしていきながらご要望にあう葬儀社のご紹介をさせて頂ければと思いますが、相談まではなかなかできない、という方もいらっしゃると思います。

 センターではお亡くなりになってからのご紹介でも、できる限りご要望に合うように対応いたしますので、事前相談をする気持ちになれない方でもいざとなった時にご相談いただければと思います。

ご要望に応える担当者

 「先日の母の葬儀では、葬儀社の担当者の方に大変良くしていただきましたので、何かお礼をした方がよろしいでしょうか」
 ご葬儀後のお忙しい中、ご相談者から早速にお礼のお電話を頂きました。
 スタッフ共々、思わずホッとする瞬間でもあります。
 「そのお気遣いは大変有難く頂戴いたしますが、お言葉だけで十分でございます。早速に担当者の方にお伝えしておきますので・・・」とお礼を代弁させて頂き、センターからは後程お送りするアンケートへのご協力をお願い致しました。

 「晩年父は病の連続で、医者にも恵まれず大変な思いをしてきましたが、最後に良い葬儀社さんと良いご住職に恵まれたのも、真面目一筋の父の人徳だったかな・・・と思っております。まだまだやることは山ほど残っておりますが、お蔭様で告別式は無事終わりました」。

 「母は担当者様を大変気に入り、良い葬儀社さんだったわとご近所の方々にもお伝えしておくわねと申しております」
 悲しみの中にも、ご葬儀を無事終えた安堵感が、お電話やお手紙から直に伝わって来ます。

 昨今は御家族・ご親族中心の小規模なご葬儀が多くなるにつれ、ご喪家のご希望も夫々で、家族葬とひとくくりにされますが、ご喪家のご要望も十人十色の様相を呈しています。
 担当者はご喪家のご要望をお伺いし、目配り、気配り、心配りをされながら、ご葬儀に向かうことになります。

 当センターでは地元の賛同社の担当者レベルまで常に把握しており、ご相談者のご要望に対し、臨機応変に対応して頂ける担当者のご紹介させていただいております。
 これは、当センターの特徴の一つでもあります。

どこの安置所に安置するのか・・

 ご自宅で安置ができる環境であれば、ご葬儀までの間ゆっくりご家族で過ごすこともできますが、今は自宅に安置ができない方も多く、安置所をご利用になる方はとても多いです。

 安置所は故人様が葬儀の日までお過ごしになる所ですが、ご安置中にご家族やご親戚などが面会をしたい場合、面会が出来るかどうかをあらかじめ確認できると安心かと思います。

 特に火葬のみでの葬儀の場合、面会が出来ない安置所に安置してしまうと、火葬の日まで故人様のお顔を見る事もできない場合があり、最期のお別れも火葬前の10分前後、火葬場によってはそのお別れもできないという所もあるので、可能であれば事前に調べておいた方がいい場合があります。

 通夜・告別式を行う葬儀をされる方でも、ご安置されている時間も大切にしたいと、少しでも環境のいい安置所を求めている方もいらっしゃいます。
 以前、何もわからない状態で、病院に入っている葬儀社に依頼し、病院から安置所に搬送してもらったのですが、とても親戚に面会に行ってもらえるような施設ではない、依頼した葬儀社にもう少しきれいな所に移動してほしいと伝えても、「安置所はみんなこんな感じだから」と断られてしまった、どこかきれいな安置所に安置だけしてもらう事はできないか、というご相談がありました。

 安置所は葬儀社が自社で保有しているか、提携しているところか、または対応可能な火葬場のいずれかになってしまうため、依頼する葬儀社によっては、このご相談のように思っていたたようなところに安置が出来ない場合があります。
 
 ご葬儀までの数日間ではありますが、場所や時季によっては一週間以上安置をしなくてはならないこともあります。
 故人様と過ごす最期の時間を大切にしたい、と思われている方は、事前に相談しておくと安心かと思います。

担当者の気配りは如何に・・・。

 「お忙しいところ昨晩の通夜にお越し頂き、ありがとうございました」
 緊張した面持ちでエレベーターを降りた老夫婦は、ご葬儀の受付けに向かう途中で声を掛けられ、思わずほっとされた御様子で、安心されたような表情を見せていらっしゃいました。

 声の主は葬儀社の担当者でした。

 緊張のあまり、日頃の気配りができにくい喪主やご喪家に代わり、常に俯瞰の目で周囲に気を配りながら、いち早く対応できることも担当者の重要な役割の一つだと思われます。

 ご葬儀は夫々のお宅に見合う見送り方があり、ご葬儀のノウハウだけでご満足のいくご葬儀を執り行うのは難しいのが現状です。

 昨今多くなりましたお身内だけのご葬儀では、担当者との接触も頻繁になり、ちょっとした気配りが満足度の大きな要因になり、ご相談内容によりましては、様々な経験を積んだ担当者に一理あり、委ねる場合もございます。

 先日もご相談者から万が一の際のご要望をお伺いし、地元の賛同社でご希望に沿えると思われます複数社より見積りをお取りし、賛同社と見積りのご説明等をさせていただき、時間がございましたら、是非担当者と面談をされるよう申しあげましたところ、ご面談前に当方の推薦社とその理由をお知りになりたいとのご返事を頂きました。

 ご予算も大事ですが、サービスの質を第1に挙げ、ご会葬者はお身内のみで、お年を召した方が多いとお伺い致しましたので、ご紹介いたしました複数社の内、小規模ながら長年ご葬儀に関わり、経験豊富で状況に合わせて小回りが利き、その場その場で臨機応変な対応が評判の担当者を今回は推薦させていただきました。

 但し、ご相談者と合う、合わないということもございますので、その点はご配慮いただくよう申し伝えておきましたところ、各社担当者と面談をされた後、万が一の際は当方が推薦した社にお願いされたいとのご返事をいただきました。