気付かぬうちにオプションが?

 先日、スマートフォンの機種変更に行ってきました。
 窓口で見積もりを作ってもらい、一つ一つ説明してくれたのはいいのですが、あたりまえのように「オプション」が入っていて、しかもオプションの説明は流れるようにするっと。次の説明に進んでしまったので、とりあえず一旦話しを切って確認したところ、オプションはカバーと保護フィルムとSDカードだと。
 選ぶ段階で気が付くものではありますが、あまりにも自然な流れで説明をされたので、落ち着いた状態でなければ気が付かなかったかもしれません。

 葬儀のトラブルで、「よくわからないものが請求に入っていた」というのはよく聞く話しですが、お身内のご不幸で気が動転していたり、焦らされたりなどの状況の場合、不要なオプションのことも担当者は簡単に説明していても、ご家族は気が付かないこともあるかと思います。
 葬儀のオプションは万単位の高額なものもありますので、受け取った見積りはその場で確認、不要なものに気が付いたら、その旨を担当者に伝えて外してもらうことも必要かと思います。

 スマートフォンのカバーや保護フィルムなど、単価の高くないものであっても、いらないものにお金を払うのは気持ちが悪いものです。

 お亡くなりになってから、葬儀社を決める場合には、ご家族以外のご親戚なども同席してもらうとよいかもしれません。

ラストメイクのインパクト

 お身内だけ10名様程で質素にお見送りしたいが、唯一のご希望は女性なので、綺麗なお顔にして差し上げたいとのこと。
 先日、入院中の義母様の万が一を鑑みて、事前の見積りをお取りになられた際のご要望でした。

 ラストメイクのお話をお伺いするにつけ、私事で恐縮ですが、母のことが思い出されます。
 母の臨終に間に合わず、駆け付けた時はすでに病院から実家に戻り、母はお布団の上でした。

 恐る恐るそっと白い布を挙げると、綺麗に薄化粧がほどこされ、血色もよく、今にもパッチリ目を開けて、にっこりしそうないつもの母の顔があり、ほっと安堵したことが思い出されます。

 親戚の者からも、最期の顔が良かったとお褒めの言葉を頂き、何気ないことですが、後々までも事あるごとに話題に上るラストメイクのインパクトの強さに、改めて感じ入ったものでした。

 少し前になりますが、100歳の方のご葬儀では、担当者の気配りの有る対応に大変ご満足されたご相談者から、早速のお礼状をいただきましたが、最後の一文に少し戸惑いのお言葉が書かれていました。
 綺麗にラストメイクをしていただきましたが、少し綺麗になり過ぎた感があり、いつもの母とちょっと違ってしまい、残念でした・・・と。
 
 プロのメイクアップアーティストにお願い致しましたが、お歳を召しているからと少々張り切り過ぎて、よそ行きのお顔にされてしまったご様子が伺われました。

 普段見慣れたお顔のままで、如何にきれいに見せるか、プロの腕の見せ所ですが、一方でその過程を全てご家族皆様の手にゆだねる様に提案している担当者もいらっしゃいます。

 ご家族皆様の手をお借りして、マッサージを施し、下地を綺麗にし、指導していくうちに、お孫さん達にも意識の変化が見られ、ご遺体に対する接し方も変わってくるとまでおっしゃっていました。

 ラストメイクと言われても、門外漢にはたかがメイク、お化粧ぐらいでと言われかねないようですが、お身内の方にとってはされどメイクです。

20年後には、全世帯の4割が独居になりそう

 2040年には、全世帯に占める一人暮らしの割合が4割に達するとの予測があります。国立社会保障・人口問題研究所が先ほど公表した「日本の世帯数の将来推計」です。推計は5年に1度で、今回は15年の国勢調査をもとに40年まで出したということです。
 ちなみに、15年の一人暮らし世帯の割合は34・5%(1842万世帯)で、40年は4・8ポイント上がって39・3%(1994万世帯)になると予想しています。

 流動性がますます高くなっていく状況の中、20年後、自分が、会社の部署が、会社が、業種が、業界が、どうなっているのか、予想することは非常に難しいです。20年といわず、5年後でもわかりません。
 わからないと言っていってるだけでも発展性もないので、いろいろな分野で未来予測をして、それに備えようとするでしょうし、場合によっては、自分で未来を作り出してスタンダードにしてしまえと意気込んでいるところもあるでしょう。
 ともあれ、実際、いろいろな分野で未来の予測はやっていますが、そのなかで、もっとも確度の高いものが、人口に関係する推計だと思います。

 一人暮らしの増加、および人生100年時代、葬儀業界も大きく影響を受けることになりそうです。最近のある相談を少し見てみましょう。

 当センターに、相談される方は、故人様の関係性から言いますと、ご子息や配偶者の方がほとんどです。ご相談者は、喪主と重なる場合もありますし、喪主になる人に余裕がなさそうなので代わって相談したとか、頼まれたりといったことが多いようです。

 ただ先日の相談は、姪御さんがご相談者でした。おじには一人息子がいるが海外にいるため連絡が取れにくい上、あまり協力的でなく、他の親戚、関係者も高齢のため、ご相談者しか動ける者がいないという状況だったのでご相談したということです。

 今後、ますます独り世帯が増えていくことになります。そうすれば、故人様とご相談者の関係性は多様化してくることも予想されます。施設の方からの相談も多くなってきています。ご相談者自身も、他に頼るところがないという場合も出てくるかもしれません。

 ともあれ、センターでは、どのような状況における相談に対しても、安心していただけるように対応していきたいとは思っています。

担当者との面談

 先日、センターの賛同葬儀社のお申込みを頂いた社の担当者の方とお会いしました。
 
 センターでは、ご賛同いただく前の段階に、必ず「面談」というかたちで直接担当者とお会いして、話をさせていただいています。

 面談の目的は、センターが紹介葬儀社についてご相談者に説明をする際に一番頼りにしているところです。
 葬儀についての考えや価格帯の話しだけでなく、たわいのない雑談も大切です。

 担当者の特徴もそれぞれで、葬儀社の考え方もそれぞれ、対応の仕方もそれぞれです。
 それを出来る限り把握し、ご相談者のご要望につなげていければと思います。

 

故人様との思い出コーナー

 お正月三が日のお休みと寒い季節が相まって、新年の各斎場は例年の如く混み合いを呈しているようです。

 以前、市営のかわさき北部斎苑をご希望のご相談者に混み合う場合を考慮して、自社斎場を所有している葬儀社さんをご紹介致しましたが、双方とも混み合い、一番早くご予約できるのは同じ市営のかわさき南部斎苑の大式場になってしまいました。
 ご喪家のご要望とは言え、お身内だけのご葬儀に、イス100席もある式場は何としても広すぎます。

 そこで、担当者は普段どちらかと言えば式場入口や片隅に配置される思い出コーナーを、式場後半全部を使って造ることを提案し、ご喪家の方々や故人様の御兄弟に思い出の写真や、故人様が大事にされていた思い出の品々を多数持ち寄って頂きました。

 通夜当日、式場半分近くまで展示された懐かしい写真や遺品の数々を手に取り、お身内の皆様が暫しの間思い出を語り合うことができ、広い会場も和やかな空気に包まれて大変喜ばれたとの報告を頂きました。

 また、思い出コーナーは葬儀社さんのサービスの一環としてご喪家に提案し、飾り付けや制作は通常葬儀社さんにお任せする場合が多いようですが、以前立会いでお伺いしたご葬儀では、ご喪家総出でお手伝いをされ、大変感慨深いお式になった例もございます。

 お父様のご葬儀でご相談頂いた喪主様は葬儀社の担当者から思い出コーナーの提案をされたが、当初あまり乗り気ではなかったとの由。
 担当者はご要望をお聞きして、ご喪家にできるだけ参加していただき、より多くの思い出を創ってもらうことを意とし、観る側も手際よく造った業者サイドのものよりも、ご喪家の想いが出ている作品により愛情を感じていただけるのではと期待しての提案でした。

 通夜当日の午後から、ご喪家総出で写真選びからレイアウトに到るまで、切ったり貼ったりと共同作業をしていくうちに皆の気持ちが寄り添い、ひとつになっていくのが感じられ、作品のみならず、より一層の思い出になりましたと後日興奮気味にお話されたのは当の喪主様でした。
 
 数年後、お花の先生をされていたお母様のご葬儀の折も、ご家族ともに生徒さんたちの共同作業があったのは言うまでもありません。

リストに載っているからといって・・

 「葬儀社のリストをもらったんですが、たくさんあってどこを選んでいいかわからなくて・・」とご相談を頂くことがあります。
 市民葬や区民葬で対応できる葬儀社のリストや、葬儀社が入っていない病院でも、ご参考にとリストを渡しているところがあるようですが、社名と連絡先だけのリストで、どのような葬儀社かわからないので、というご相談です。

 たしかに、ホームページを見ても、その社がどのような社かもわからないのに、社名だけ見ても判断するのは難しく、また、どこにたのんでも同じと思われることも多い区民葬、市民葬でも、葬儀社によって担当者の対応の仕方も違いますし、葬儀にかかる『総合計』も違ってきますので、リストに載っているからどこも安心、と考えるのは少し危ない気がします。

 また、今ではリストに入っていない葬儀社でも、同様の価格や熱心なサービスで対応しているところもあります。

 リストに載っているから安心とは限りませんので、できれば候補に挙げた葬儀社がどのような社なのか、ということも併せて調べてみるといいかもしれません。

直接お会いしてのご相談

 年末年始、この一週間はとても短く、あっという間に過ぎてしまいました。

 お正月といえど、ご家族に心配な方がいらっしゃる方にとっては普段と違う気持ちで過ごされたことと思います。

 年末からご相談いただいていた方から、先日ご連絡があり、とても心配な状態になられたとのことで、直接会って話を詰めたいということになり、ご家族とお会いしての対応となりました。

 センターでは、ほとんどが電話やメールでのやりとりで、ご相談者とセンターの担当者の一対一でお話を進めることが多いのですが、ご家族皆様とお会いして、直接それぞれのお気持ちや考えを伺うと、それぞれのお気持ちを聞くことができるので、話の流れも変わってくることがあります。
 メールや電話では伝わりにくい気持ちの部分も、直接お会いして話をすると、お互いに理解しやすくなるように感じました。

 センターでは、事前相談の場合、直接担当者とお会いしていただいたうえでご検討されることをお勧めしていますが、これにも同じような意味があります。
 より、具体的なご要望を伝え、より適した提案をして頂くことがスムーズになるのでは、と思います。
 
 
 

年頭にあたり・・・。

 新年明けましておめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 関東地方はお天気に恵まれ、今年の穏やかな三が日も無事過ぎて参りました。
 東京郊外の高尾山では、近年ご来光を拝む若い方や、外国からのお客様が倍増していると巷のうわさで聞いては居りましたが、今年は友人の息子さんも挑戦されたとの由。

 ケーブルカーから山頂は朝のラッシュアワー並みの混雑で大変でしたが、富士山も鮮やかに見え、登った価値は十分だったと得意満面の笑顔で、ご自慢の写真を見せていただきました。

 荘厳な富士山と鮮やかなご来光の輝きが見事なコントラストを見せた写真は、眺めていると気持ちまでも引き締まる様で、昨年来の風邪も何処かに吹き飛び、当方もやっと遅ればせながら、新しい年を迎えることができました。

 当センターもご葬儀のご相談をお受けして、今年で無事設立14年目を迎えることができました。
 14年の間にはご葬儀の仕方も表面上は大分様変わりしてきましたが、ご葬儀をお手伝いする側の死者を弔う気持ちは今も昔も変わりありません。

 ご葬儀を直接担当される方はお1人お1人そのあたりをどのように捉えているか、これからはより一層担当者の資質が問われる時代になるのではと思われます。

 ご相談者からお話をお伺いし、地元のどこのどの担当者がご紹介するにふさわしい方か、我々相談員の責任も重大です。

 まだご存命の方のご相談には、お気持の整理がつけにくく、二律背反への思いから罪悪感に苛まれながらご相談される方もいらっしゃいます。
 
 それでも、ご相談していくうちにあらかじめ知っておくことが、延いてはきちんと送ってあげることに繫がるのだと思えるようになり、残された日々はお父様を看取ることだけに気持ちを集中することができましたと、後日お手紙でご報告を頂きました。

 ご相談者のお気持をどれだけ汲んで、担当者に橋渡しできるか。
 今年の課題でもあります。
 
 

直接問い合わせてみると・・。

 今年も残すところあと2日、当ブログも今年最後の回となりました。

 毎年この時期はやり残してしまっていることや、年始に向けての準備で気持ちは焦るものの、結局マイペースで通常通りに過ごしてしまっています。
 「来年こそは年末に焦らないように、早め早めに!」と思うのですが、そんな思いも時間が経つと自分に都合よく薄れていってしまうので、来年の目標に掲げてしまおう!と思います。
 
 今年も事前・事後共に、葬儀の事で心配されている方のご相談に対応してきました。
 今年私が対応させて頂いたご相談では、「ネットで調べていたけれど、情報が多すぎてよくわからなくなってしまって・・」とおっしゃる方が多かったように思います。

 葬儀のことにかかわらず、調べものからお買い物まで、ネットの情報から自分にとって必要なことはどれなのか、信頼できる情報なのか、などを見極めることが難しくなっていると感じています。
 少し前までは一番参考にできるものだったであろう、「評価」も100%信頼できるものではなくなってきていることもあるようで・・・。

 私もネットを使って色々調べますが、探れば探るほどなにが本当なのかが判断できなくなってしまい、直接大元に聞いてしまった方が正確で早かったという経験が何度かありました。 
 また、直接聞くことで、自分ではあまり気にしていなかったことが意外に重要なことで、それについてのアドバイスをしていただいたり、もっと深い情報をもらえたり、など、早く聞いてしまえばよかったと思う事も。
 自分で調べるには時間もかかるし判断に迷う事もありますが、信頼できるその道のプロに聞けば早いし正確、更にオマケ付きの時もある!と実感しました。
 
 センターも、葬儀社さんと同様に、24時間年中無休でご相談に対応しています。
 もちろん、年末年始も通常通り、メールやお電話でのご相談に対応していますので、何かご心配なことがありましたらいつでもご相談ください。

電話帳からご相談

 今はインターネットを使って色々な情報を収集できますが、インターネットを使えない方もいらっしゃいます。
 
 今日、今はまだ元気ですが、ご両親の将来の葬儀について調べているという方からお電話をいただきました。
 話を伺うと、電話帳で何社も問い合わせているとのこと。
 その中にセンターの名前があり、センターはどういうところなのか、葬儀社を紹介するというのはどういうことなのか、など色々とご質問をいただき、色々と話をしたうえで、葬儀社をご紹介させていただきました。

 センターの存在をネットでお知りになった方は、ホームページに目を通して下さっている方が多いので、センターがどのような活動をしているのかを分かったうえでご相談を頂くことが多いので、すぐに葬儀のご相談に入ることができるのですが、葬儀社を紹介する、という事自体もよくわからないという方へ、まず、センターのことをわかりやすく手短かに説明する、ということが意外と難しいと改めて感じました。

 どのような状態の方であっても、まずは安心して相談していい所だと分かって頂けるように、もう少し頭の中を整理しなくては、と少し初心に戻った気持ちになりました。